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インフルエンザよりもはるかに高いCOVID-19の致死率

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2021年2月15日

――米国・フランスの研究結果より

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はインフルエンザよりも重症化しやすく死亡率も高いことを示す2件の研究結果が報告された。

 1件目は、米ワシントン大学セントルイス校のZiyad Al-Aly氏らによる報告で、12月15日付の「British Medical Journal」誌に掲載された。著者らは、米国の退役軍人省のデータを用い、COVID-19で入院した3,641人(2020年2月1日~6月17日までの期間、平均年齢69.03歳)とインフルエンザで入院した1万2,676人(2017年1月1日~2019年12月31日までの期間、平均年齢70.25歳)の臨床症状および死亡率を比較した。

 死亡率はインフルエンザ群の5.3%に対しCOVID-19群は18.6%であり、COVID-19群の死亡リスクが約5倍高いことが示された(ハザード比4.97)。COVID-19による死亡リスクが特に高いのは、慢性腎臓病(CKD)、認知症の既往がある75歳以上の人、肥満、糖尿病、CKDの既往がある黒人であった。

 さらに、COVID-19群ではインフルエンザ群よりも人工呼吸器による管理が必要となるリスクが約4倍高く、集中治療室(ICU)への入室リスクも約2.4倍であり、入院期間は平均3日長いことが明らかとなった。

 加えて、COVID-19群ではインフルエンザ群よりも糖尿病の発症数が100人当たり9例多かった。著者らにとっても想定外の結果であり、「糖尿病の既往がない患者だったが、COVID-19罹患後に血糖値が急上昇し、大量のインスリンを必要とする状態に陥った。COVID-19は1年前には存在しなかった疾患であり、1型/2型、どちらの糖尿病型となり、長期的管理の必要性などの予後は不明だ」と述べている。また、COVID-19患者では、急性腎障害や重度の敗血症性ショック、昇圧薬が必要な低血圧などのリスクが高いことも示された。

 2件目は、フランス国立保健医学研究所(INSERM)のPascale Tubert-Bitter氏らによる報告で、12月17日付の「Lancet Respiratory Medicine」誌に掲載された。報告にはCOVID-19の感染拡大により最多を記録した入院患者数は、2018/2019期のインフルエンザ入院患者数の約2倍であり、死亡率は約3倍であった。

 2020年3月1日~4月30日の間にCOVID-19で入院した患者データ(8万9,530人)と2018/2019期の3カ月(12~2月)にインフルエンザで入院した患者データ(4万5,819人)を比較した。入院死亡率はCOVID-19で16.9%、インフルエンザで5.8%であった(COVID-19による死亡の相対リスク2.9)。

 この結果から著者らは「フランスでは、2018/2019期は過去5年間で最多となるインフルエンザによる死亡者数を記録したが、COVID-19の死亡率がそのときのインフルエンザの死亡率の3倍も高い結果は衝撃的だ」と述べ、「研究結果により、COVID-19がインフルエンザよりもはるかに重篤な疾患であることを明確に示した」と付け加えた。

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