きちんと伝わる「スピーチ」の条件と練習法
(写真はイメージです/PIXTA)

自分を変えようと決心しても、いざ行動を始めるときにブレーキをかけてしまう自分に失望したことはありませんか? 内科医でBody Element System Japan認定ピラティスインストラクターの末光智子氏が新しいことにチャレンジするときのココロの持ちようを紹介します。

目次

  1. 「自分を変えていきたい」そう決意して動き始めたあなたへ
  2. 苦しいときほど自分を否定しないで
  3. 苦しかった経験も未来の自分がきっと喜んでくれるはず

「自分を変えていきたい」そう決意して動き始めたあなたへ

明らかに、今の自分よりよくなれそう、と感じるのに、その方向に実際に踏み出すことが難しく感じることがあるかもしれません。

新しい生活習慣、考え方、ココロの持ち方…。頭ではその方が自分のココロにもカラダにもいい、とわかっているはず。なのに、そこに向かうことに躊躇してしまう自分がいる。そんな自分に、ときにイラだってしまったり、失望してしまったりすることがありませんか?

そんなとき、つい「どうして私は行動できないの?」と自分を責めてしまいがちですが、そんなときこそ自分に優しくしましょう。

ためらいを感じる理由のひとつとして、新しい価値観を選ぶことが、今までの自分を「否定」するように感じられてしまう、今までの自分をなくしてしまわないといけないように感じてしまう、ということがあります。

私自身がそうでした。しんどくて苦しかったとき、自分自身のこれまでの考え方や生き方が今の苦しさを生んでいる、といわれたり、本で読んだりしたとき、「そんなに私が悪かったのか」と強い憤りを感じたことを覚えています。これまでの人生そのものや、自分の人格全てが否定されたような気持ちになりました。

たしかにしんどいやり方だったかもしれない。その結果、心身の調子を崩してしまったかもしれない。でも、「がんばってきたこと」がそんなに悪かったのか。強い責任感を持って、真面目にやってきたことがそんなにダメだったのか。それが私の性格だとしたら、自分そのものが悪いっていうこと?

当時、そんな憤りと混乱でいっぱいだったことを思い出します。

苦しいときほど自分を否定しないで

その状態のとき、周囲から「頑張らなくてもいいよ。自分にやさしくしていいですよ」といわれても、ココロから受け入れられなかったことを覚えています。

今までの自分の人生を「否定」しても、いい方向にはいけません。たとえ、何かやり方が間違っていたとしても、そのときそのときで一生懸命生きていて、そのやり方や考え方を選択したのは、その人なりの理由があったはずです。

「やり方」は間違っていたかもしれませんが、その「一生懸命さ」やそのときのあなたの「思い」まで、あなたが自分を否定しないで下さい。

自分の人生を「否定」するのは、とても苦しいものです。人間ですから、失敗もあります。ですが、それを理由に自分の人生まで否定する必要はありません。

今までのやり方、考え方は、しんどいものだったかもしれませんが、そのおかげで得てきたものもたくさんあったはずです。

傷つくことから守ってくれたり、周囲の信用を得たり、成果をあげてくれたり…。そうしたひとつひとつは、あなたのかけがえのない財産です。否定するのではなく、一生懸命生きてきた自分に温かい労わりと感謝の言葉をかけてあげましょう。そのうえで、「これからはこっちを選んでいこうね」と、あなた自身に優しく寄り添いながら新しい選択肢を示してあげましょう。

たとえこの先、「変わっていく」としても、今までの自分は、ちゃんとあなたのココロのなかに生きていて、自分を支えてくれています。

変わることで、今までの自分の人生の足跡まで失うような、消してしまわなければならないような気がして、ココロが痛むかもしれませんが、大丈夫です。

あなたのココロに、今まで一生懸命生きてきた自分も大切にしてあげて下さい。そのうえで、あなたのこれまでの人生を大切にしましょう。そして「変わる」ことへ一歩踏み出してみましょう。

苦しかった経験も未来の自分がきっと喜んでくれるはず

苦しい最中にいるときや変わっていく過程ではなかなかわからないかもしれませんが、今の自分に安心できて、幸せになっていくと、過去に対する見方も自然と変わってくることがあります。

過去に起こった出来事自体は変わらなかったとしても、思い出すだけでココロが乱れがちになっていた状態から、「大変だったけれど、あの出来事のおかげで自分も成長できた」と、苦しかったことへも温かい眼差しが向けられるように変われるのです。

最初から、過去への見方を変えることを目指そうとするのではなく、まずは今の自分が幸せになっていくこと。その過程で自然と、過去に対する見方、過去の出来事の自分にとっての意味が変わってきますので、焦らずに今できることにフォーカスしながら、まずは一歩踏み出してみましょう。

その勇気ある一歩を、過去の自分、そして未来の自分がきっと喜んでくれるはずです。

末光 智子
末光 智子(すえみつ・ともこ)
内科医。自治医科大学卒業後、愛媛で地域医療に従事。結婚後、三重県在住、四日市ヘルスプラス診療所(四日市消化器病センター 分院)勤務。日本内科学会認定総合内科専門医、日本医師会認定産業医。Body Element System Japan認定ピラティスインストラクター、ジョイ石井認定イメージングカウンセラー、プロフェッショナル・ファスティングマイスター。著書「すこやかで幸せになるために ココロとカラダを調える」(出版社:ギャラクシーブックス)