意外と知らない「自転車」の正しい使い方
(画像=xiaosan/stock.adobe.com)

自転車を使うことに慣れてしまうと「楽だから」という理由で、何でもすぐ自転車に乗ってしまいがちです。本記事では、自転車と歩行での体の使い方の違いや、自転車の正しい使い方を理解し、自転車を健康に役立てる方法を解説します。

自転車と歩行との違い

日常生活でよく自転車を利用するという人は結構多いと思います。急な坂道を登ったり、ロードバイクのように長距離を高速スピードで走ったりする時は、体にも負荷がかかり運動の要素が多分に入ってくると思いますが、普段の移動手段として自転車に乗っていることは、果たして運動していると言えるのでしょうか。

歩行は、自転車とは多くの違いがあります。今回は自転車と歩行の違いを説明し、いかに歩行のほうが体に良いのかをお伝えしていきます。また、自転車を運転する時の注意点も併せてお伝えします。

まず、自転車と歩行との違いについてです。

自転車の運転は地面に足をつけない

まず、決定的に違うのが自転車は地面に足をつけないという点です。自転車は足裏をペダルに乗せているので、足裏を地面につけませんが、歩行は足裏を地面につけます。

足裏を地面につけて立つのとそうでないのとでは、足裏への刺激が全く違います。また足裏を地面につけて立つと、足裏で体全体を支えることになるので体への負荷が大きくなるのです。そして、自転車のペダルに足を乗せている時は足裏の一部しか乗せていません。ですから、足裏全体に刺激があるわけではありません。

一方、歩行では、かかとから足をつき、その後足指まで踏みしめて後ろに蹴るというのが正常な一連の流れです。この正常歩行ができると足裏は全体的に刺激され、さらに足裏を反る時、踏みしめる時、後ろに蹴る時、それぞれの局面でその動きに対応する筋肉を使うことができるのです。

自転車は、自分の力だけで動かしているわけではない

自転車はある程度ペダルをこぐと、慣性の法則でこぐことを止めてもしばらくの間自転車は進みます。つまり、自転車は全て自分の力で進んでいるわけではありません。

しかし、歩行はそうはいきません。自分の足を動かすのを止めたら一歩たりとも進むことはできません。そういう意味では体に対する負荷が違います。

歩行は上半身との連動を使える

自転車を運転している時下半身は使いますが、上半身はほとんど使うことがありません。上半身と下半身が連動して進んでいるわけではありません。

一方、歩行する時は腕を振って歩くので、上半身と下半身を連動させて進んでいます。上半身と下半身を連動させることによって体のつながりが良くなり、また様々な筋肉をムラなく使うことができます。

ですから、歩く時は両腕をしっかりと後ろに振って歩くよう心がけましょう。スマートフォンを見ながら歩いたり、ポケットに手を入れて歩いたりすると下半身と上半身との連動を使えないばかりでなく、筋肉の使い方にムラができて歩き方がおかしくなります。

以上のように、自転車と歩行とでは様々な点において違いがあります。歩行のほうが体に良いということが少しおわかりいただけたかと思います。とはいえども自転車は日常生活で欠かせないという方もいらっしゃると思います。そこで自転車に乗る時にはここに注意していただきたいというポイントをいくつかお伝えします。

自転車に乗る時に注意すべきポイント

まずは、自転車のこぎ方についてです。

内股でペダルをこぐと腰に負担がかかる

まずは、内股でこがないということです。自分で自転車をこいでいる姿を見ることはないのでなかなか気づかないと思うのですが、内股で自転車をこいでいる人は意外に多いのです。特に女性によく見られます。

内股で自転車をこぐと、股関節が内側に捻れて筋肉が硬くなり、可動域にも制限が出てきます。股関節の動きが悪くなると、それをカバーするために腰が必要以上に動かなければならなくなり、次は腰にも負担がかかってきます。

足、膝、股関節が捻れることなく一直線上にあるように、意識をしながら自転車をこぐように心がけましょう。

子どもを乗せる時のぎっくり腰

次に、自転車の幼児用座席にお子様を乗せるときの注意点です。じつはこのケースでぎっくり腰になることが意外に多いのです。

お子様がまだ小さいと、抱っこして幼児用座席まで持ち上げないといけません。このときに中腰から腕の力でお子様を抱っこしようとすると腰に負担がかかります。面倒でも一度膝を曲げてしゃがんだ状態から、下半身の筋肉の力を使ってお子様を抱き上げるようにしてください。そうすれば腰にかかる負担は軽減されます。

自転車を健康的に活用しよう

以上、自転車に乗る時の注意点をいくつかお伝えしましたが、自転車も使い方を間違わなければ便利な道具になります。例えば日常生活で自転車を使ったほうがいいケースは、買い物に行って荷物が重くなることが想定されるような時です。そういう時は是非自転車を利用してください。重い荷物を持った状態で歩行すると体のバランスが崩れることがあります。また、重い荷物を持った状態で歩くと、上半身と下半身が連動せず、歩行が崩れることがあります。ですから、そういう時は無理せずうまく自転車を利用してください。

自転車のほうが便利なので、自転車を使うことに慣れてしまうと、「楽だから」「歩くことが面倒だから」となって、何でもすぐ自転車に乗ってしまいがちです。問題なのは、それによって歩く機会を失い、歩くことの効果を得にくくなることです。

そうならないためには、まず自転車に乗る時と歩く時の体の使い方の違いを理解しておき、できるだけ自分の足で歩くように心がけることが大切です。

山田 真
山田 真(やまだ・まこと)
柔道整復師、はり師、きゅう師。まほろば鍼灸整骨院院長 美骨痩身サロンBELUNA代表。 1972年生まれ、神奈川県横浜市出身。明治大学商学部、明治東洋医学院専門学校柔整学科、森ノ宮医療学園専門学校鍼灸学科卒業。「幸せは健康の上に成り立つ」という信条の下、大学卒業後は健康関連事業で人の生活に貢献している明治乳業株式会社(現 株式会社明治)に入社。入社4年を経過した頃、自分の独自色を活かして人の健康に貢献できないかと考え、脱サラして柔道整復師の資格取得を目指す。7年間修業した後、2009年大阪府吹田市に、まほろば鍼灸整骨院を開院。開院後、施術回数は16万回を超えるが、足元から全身につなげていく施術をおこない、足指を正しく使えるように調整したところ、患者さんの様々な不調が劇的に改善。遠方からも評判を聞きつけて多数の患者さんが来院。現在、来院する患者さんは筋肉の痛みだけではなく、内臓の不調、アトピー、頭痛、耳鳴り、めまい、姿勢矯正、産後骨盤矯正、発達障害、慢性疲労、自律神経失調症など多岐にわたる。2021年4月に『「足指」の力 体の不調がスッと消える3分つま先立ち体操』を出版。
まほろば鍼灸整骨院/Facebook