「カラダを上手く使えていない」…前屈が硬い人の共通点と対処法
(画像=aomas/stock.adobe.com)

体を前屈した際、体が硬くて床に手がつかない人たちの体を確認していくと、ある共通点が見えてきます。今回は、まほろば鍼灸整骨院院長 美骨痩身サロンBELUNA代表の山田真氏が、前屈が硬い人の共通点とその改善方法をお伝えします。

前屈が硬い人に見られる「2つの共通点」

前屈が硬い人の共通点は2つあります。

まず一つ目は、足指が正常に使えていないという点です。「足指を正常に使う」とは、立っている時は足指が地面につき、歩いている時は足指までしっかり踏み込み、後ろに蹴って歩行できる状態のことです。

正常に使えていない人の足指は、反り上がっていて地面から浮いています。この状態の人は、足の甲の筋肉が収縮しています。

その筋肉の収縮が連鎖して、すねの前面→太ももの前面→骨盤の前面といった体の「前面ルート」の筋肉が収縮していきます。そうなると骨盤は前に引っ張られて傾いていきます。骨盤が前に引っ張られていくとバランスをとるために反り腰になり、腰に負担がかかってきます。

このような状態の人に前屈をしてもらうと、ほとんどの人が地面に手をつけることができません。なぜなら、足指が地面にしっかりついていないので、足元が非常に不安定だからです。

脳は足指が地面についていない状態を感知しています。足元が不安定な状態で前屈をしようとすると、脳が危険を感知して体の「後面ルート」の筋肉を緊張させてバランスを保とうとします。

もしくは、前に行き過ぎないように過剰に重心を後ろに移動させようとするので、「後面ルート」の筋肉が張ってスムーズに前屈することができなくなるのです。

前屈が硬い人の二つ目の共通点は、骨盤と腰椎の位置が正常ではないという点です。先ほど説明したように、足指が浮いている人は体の「前面ルート」の筋肉が収縮しているので、骨盤は前傾し反り腰になっています。

体を前屈、後屈させる時には骨盤と腰椎の正しい連動が必要になります。体を前屈させる時、骨盤は起きている状態で背骨が前にしなって倒れていきます。

釣りをしたことがある人は、魚を釣り上げようとしている時のことをイメージしてみてください。魚の力に負けないよう、体をしっかりと起こして耐えようとします。この状態だから竿は前方にしなっていけるのです。魚が大きくて引っ張られる力が強いほど必要な体勢になります。

これがもし、体を起こしていなかったらどうなるでしょうか。体が前に倒れた状態で魚に引っ張られると、竿は前方にしなることができずに折れてしまうか、もしくは魚の力に負けて体ごともって行かれるかのどちらかになってしまうでしょう。

骨盤と腰椎の関係も同じです。骨盤がしっかりと起きている状態で、はじめて腰椎を含む背骨は、安心して前方にしなやかに倒れていけるのです。つまり、足指が浮いて安定が悪い人は、骨盤が前方に倒れている一方、腰は反っているので、前屈しづらいのです。

ちなみに後屈する時は、骨盤は前に傾き、腰椎は後ろに反らないといけません。骨盤と腰椎の間の筋肉が収縮して、お互いの位置が近づくことで後屈ができるのです。

動きやすいカラダをつくる秘訣は「呼吸」

補足になりますが、前屈、後屈をするときに大切なのが呼吸です。前屈する時は息を吐いてください。息を吐くことでお腹がへこみます。また、肋骨も下がってきます。お腹が出っ張ったままだったり、肋骨が上がったままだったりすると前屈はしづらくなります。

一方、後屈する時は息を吸ってください。息を吸うことで肋骨が広がり、後屈しやすくなります。

さらに前屈しやすい体をつくるにはどうすればいいでしょうか。それには、正しく使える足指をつくっていくことが重要です。

足指を広げるエクササイズ
(画像=出典『「足指」の力体の不調がスッと消える3分つま先立ち体操』)

各足指間を広げていきましょう。各足指間の甲側と足裏側を手の親指と人差し指でつまむようにほぐしてください。

次に、しっかり足指が地面につけるように、足指をお辞儀させる動きをしてください。方法は、各足指のつけ根を手の人差し指、中指の2本で押さえ、その状態から手の指をかかとの方へ押すようにして足指をお辞儀させてください。そうすると足指をお辞儀する筋肉を刺激することになります。

足指を広げてお辞儀できるようになったら、今度はつま先立ちをして、さらに足指を強化していきましょう。

つま先立ちをする際、両方のかかとをつけてつま先を広げて立ってください。その状態でお尻をキュッと締め、左右の肩甲骨を内側に寄せてください。その体勢で両足のかかとを離さずにつま先立ちをしましょう。つま先立ちをしたら、1~2秒静止し、ゆっくりとかかとを下ろして着地してください。これを30回毎日継続してください。

これらをおこなうことで足指が強化され足元が安定し、自分の体を支えられるようになります。

また筋肉に無駄な緊張がなくなってくるので体の可動域も広がります。つま先立ちの際、お尻の筋肉をキュッと締めると、骨盤が起きてくるので、姿勢が良くなり前屈しやすい骨盤と背骨の状態になります。

山田 真
山田 真(やまだ・まこと)
柔道整復師、はり師、きゅう師。まほろば鍼灸整骨院院長 美骨痩身サロンBELUNA代表。 1972年生まれ、神奈川県横浜市出身。明治大学商学部、明治東洋医学院専門学校柔整学科、森ノ宮医療学園専門学校鍼灸学科卒業。「幸せは健康の上に成り立つ」という信条の下、大学卒業後は健康関連事業で人の生活に貢献している明治乳業株式会社(現 株式会社明治)に入社。入社4年を経過した頃、自分の独自色を活かして人の健康に貢献できないかと考え、脱サラして柔道整復師の資格取得を目指す。7年間修業した後、2009年大阪府吹田市に、まほろば鍼灸整骨院を開院。開院後、施術回数は16万回を超えるが、足元から全身につなげていく施術をおこない、足指を正しく使えるように調整したところ、患者さんの様々な不調が劇的に改善。遠方からも評判を聞きつけて多数の患者さんが来院。現在、来院する患者さんは筋肉の痛みだけではなく、内臓の不調、アトピー、頭痛、耳鳴り、めまい、姿勢矯正、産後骨盤矯正、発達障害、慢性疲労、自律神経失調症など多岐にわたる。2021年4月に『「足指」の力 体の不調がスッと消える3分つま先立ち体操』を出版。
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