自分の脳の力を信じて、「潜在意識」を引っ張り出す
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創造性研修なども行う、日テレHR代表/プロデューサーの大澤弘子さんによる本連載。今回は、大澤さんの興味をひいた「脳波」に関する研究と、創造性をサポートする瞑想についてご紹介します。

目次

  1. 「ひらめき」「直感」を強めるにはどうしたいい?
  2. どうやればこんな状態を作れるのか?

「ひらめき」「直感」を強めるにはどうしたいい?

今回は脳波の話です。わたしは、脳科学の専門家ではないので、専門的な知識はありませんが、面白い記事を見つけて興味をひかれました。ご紹介します。

みなさんは、自分の脳の力、潜在的なひらめきや直感の力を活かして、自分の人生のパワーにしたいと思ったことはありませんか?私は、思います(笑)。

「ひらめき、来い!」と思った時に、普段スイッチの入っていない自分の脳のスイッチを自分で押せるようになったら、いつでも「冴わたる最高の脳」になって、何か素敵なことを思いつきそうです。ワクワクしませんか。

日常生活の中で、カンが働く、思った通りのことが現実になった、まさかと思ったらその「まさか」が起きた、といった経験は、多かれ少なかれ皆さん、あるのではないでしょうか。

ロジカルにはわからないけど、なぜか、突然ひらめいたようなこと。実はそれこそ、自分では意識できないところで、潜在意識が働きかけて、ひらめきが出てきているためだと考えられています。

目に止まったのはこんな記事です。アメリカのAwakened Mind研究所による研究を引用しながら、次のような興味深い話を紹介しています。

「脳波データなどを解析することで、どれだけ深く瞑想に入れているかだけでなく、その人の意識変容の段階まで分かる。またサイキックなどの特殊能力を持つ人たちのデータに、独特の形があることが分かった。」

脳波で分かる、瞑想、サイキック、人類の進化(AI新聞)

この記事によると、私たちには、

  • ガンマ波(30〜100Hz)
  • ベータ波(14〜38Hz)
  • アルファ波(8〜14Hz)
  • シータ波(4〜8Hz)
  • デルタ波(0.5〜4Hz)

の五種類の脳波があると言います。現代人の多くは、目が覚めているときはベータ波が大きい状態。言語や論理を使っているときに強くなる脳波がベータ波です。

仕事中は、人と話したり、上司に伝えるための資料を作ったり、お客様の心に届くシートを作ったり、とにかく片時も言語から離れることはないですよね。それがベータ波の状態です。

またパニック状態やストレスが高くなると、ベータ波の中でも高い周波数の脳波が強くなります。現在人の多くは、日常的に左脳のベータ波が大きい状態で過ごしている、と書かれています。ストレスがかかると、一層ベータ波が強くなるのですね。一方で、次のように書かれていました。

「瞑想したり、心が静まっていると、アルファ波、シータ波、デルタ波という順に、普段のベータ波よりも周波数の低い脳波が大きくなっていく。シータ波が大きくなると、脳が潜在意識にアクセスしており、デルタ波が大きくなるときには“無意識”にアクセスしている。」

ベータ波バリバリの状態ではなく、アルファ波やシータ波、そしてデルタ波になると何がいいかというと、「直感」や「クリエイティビティ」が生まれるというのです。直感やクリエイティビティは、潜在意識、無意識の中にある複数の情報が結びつき、それに顕在意識が気づくことで生まれます。

つまりシータ波、デルタ波が大きくなっている状態を維持しながら、ベータ波やアルファ波が大きくなっていると、直感やクリエイティビティが高まるのだそうです。心を沈めて周波数の低いシータ波やデルタ波を出しつつも、普段の言語や論理バリバリのときのベータ波も使える状態の脳になると、ひらめくクリエイティビティ、直感冴えまくりの状態が来る!ということですね。

今後、日進月歩で開発がすすむAIは、左脳的な論理思考が得意です。人間の知識や顕在意識の思考回路を再現しようとしているので、そうなりますね。だから、そう遠くない将来、「通常の」「一般的な」「汎用的な」論理思考によるアウトプットは、わたしたち生身の人間の脳よりも、AIの方が正確でスピーディにできる日が来るでしょう。

一定の事実、環境要件等を入れれば、取りうる策を仮説としてAIが複数提示する。人はそれを受け取って選択するといった関係です。

一方で、AIが今のところ真似できない人間の脳力は、直感やクリエイティビティの領域です。人間の脳がそれをやってのけるのが、睡眠に向かう前のように周波数の低い脳波になりながらも、普段の意識も維持できている状態だというのです。

通常、睡眠に向かうときは、脳波が

  • ベータ波
  • アルファ波
  • シータ波
  • デルタ波

と徐々に周波数が低くなっていくのですが、それと似た状態になりながら、顕在意識に近いアルファ波の活動が維持される状態。Awakened Mind研究所はこれを「覚醒脳」と呼んでいるようです。この時に、直感やひらめきが出やすいのだそうです。リラックスしていきながらも、顕在意識も起きている状態ですね。

どうやればこんな状態を作れるのか?

自在に「ひらめき」が降りてくる脳の状態をつくることができたら、良いと思いませんか。それが可能性をあげる方法が示唆されています。実はこの状態は、瞑想によって作りやすくなる!というのです。

瞑想は、慣れるまでに少々時間がかかります。最初はそのまま睡眠に落ちてしまったり、途中で覚醒しすぎて集中が続かなかったり、緊張が取れなくてリラックスできなかったりと、バランスを取るのに苦労します。が、慣れてくると短時間でその状態に自分を導けるようになります。これは特別な才能などではなく、少しずつ、普段からやって慣れていくことで、誰しもできるようになります。

忙しくてやることが山積みの時は「ああー、ベータ波バリバリになってるー」と思ってください。

そして、10分で構いません。一旦、デスクから離れて、仕事中の場所ではないところでゆったりと座り、自分の呼吸を、目を閉じて観察してみてください。意識を外側で起きていることではなく、自分の内側で起きていること、中でも呼吸だけに集中して向けるのです。

鼻から吸って、口からストローで空気を吹くように細くスーッと長く吐きます。「吸ってるな」「吐いてるな」と感じてください。

落ち着いてきたら、吸うのと吐くのでどんなふうに違うかな、どう感じるかなと意識をさらに向けていきます。

「吸う方が気持ちがいいな」
「吐く方が楽にできるな」
「少しずつ深い呼吸ができるようになってきたな」

途中で、デスクの有線電話が鳴って意識が電話に向いた時、忘れていたタスクを思い出した時などは、慌てずに、それも観察してください。

「ああ、わたしは、あの資料のことを、今、気にしているんだなあ」

と、あるがままの状態をただ受け止めてください。慌てて、「今はそんなことに気を取られてはならない」と無理矢理、意識の外に追い出そうとしなくてOKです。

「いい」「悪い」「これじゃダメ」などは判断です。判断は瞑想には不向き。完全に「判断」するのは脇において、ただただ、今の自分をありのままに観察することに徹するのがカギです。

「僕、今、忘れていた仕事を思い出して、ちょっと焦ったなあ」と、まるで別の人のことのように、客観的に静かに自分を観察しましょう。そしてまた呼吸に意識を戻していきましょう。

うまくいくと、ある瞬間から、本当に外側の世界で起きていることに、一枚ベールがかかったように気にならなくなってきます。集中しているのに、リラックスしているような、周囲の空気と自分のカラダの外側が融和するような、自分のカラダの重さを感じなくなるような、そんな感覚に入れるようになってきます。

そしてさらに慣れてくると、瞑想スタートから、この感覚に入るまでの時間が、どんどん短くなってきます。徐々に、この状態に持っていくことが意図的にできるようになると「ひらめき」や「クリエイティビティ」が出る脳の状態を、自分の意思で作ることができるようになるのです。

脳は自分が思うよりずっと能力を持っています。それを発揮できるように、リラックスさせること、ストレスばかり与え続けないこと、しっかり睡眠を取ったり、リフレッシュできるような刺激を運動や楽しいことによって与えたりすることが重要です。

瞑想は、自分の内側とのつながりを強めます。ひらめき脳をつくることだけでなく、日常的にもイライラを長時間抱えたり、疲れに無頓着になってカラダを壊すまでに至ったりということを回避することに役立ちます。ぜひ、試してみてください。

大澤 弘子
大澤 弘子(おおさわ・ひろこ)
国家資格キャリアコンサルタント 日本青少年育成協会認定教育コーチ(中級)
日本テレビでプロデューサー歴25年。各界の著名人を取材し、誰しも「自分の軸」に気づいて殻を破る転換点があると知って感動。史上初のNHKとの共同制作実現、タレントと視聴者が「ワーキングマザー」として交流するサークルなど、TV番組の枠を越えた取り組みを推進。2016年、慶應義塾大学大学院SDM研究室・前野隆司教授に学び「最大の成果を出すチームに共通する力」を導く。2019年「日テレHR」スタート。上場企業の人材育成に従事。2020年には全国170,000人の人事パーソンが選ぶ「HRアワード」受賞。サラリーマンこそ「キャリアビルディング」意識が必要と考え、人材育成コンサル・研修・個別コーチングも多数。
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