部下をワクワクさせ、大きな成果を生み出す「褒め方」のコツ
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仕事に対する前向きな姿勢を導き出すにはワクワク感が重要であることが脳科学的にも実証されていますが、そのためには具体的にどうすればいいのでしょうか?褒めるべきか?叱るべきか?3万人以上のお悩みを解決してきたビジネスコーチの金子晶美さんが解説します。

効果的な「褒め方」「注意の仕方」

いろんなタイプの方々がいるなかで、「叱る」「褒める」は、指導的立場の方にとっては、悩ましいところです。実際、そういったご相談も多く頂いています。

  • 「褒めて伸ばす」と「図に乗る」「つけあがる」のではないか?
  • (昭和の時代に)自分が厳しくされてきたから、今の自分があると思っている。褒めて指導すると甘やかすことになるのではないか?
  • 褒めるところがない
  • 叱り方が分からない
  • パワハラとか言われると思うと注意も躊躇してしまう

このような質問を頂くことがあります。

結果を出すなら厳しさよりもワクワクが重要

まず、目標達成など、結果を出すには、ワクワクさせた方が能力も開花されて結果がでることが、脳科学で実証されています。根性が先に来るような、厳しさは必要ありません。

現在、スポーツ指導などでも「ワクワクさせる」指導方法をとっているところも多く、アスリートがコメントで「ワクワクしています」「楽しいです」と言っているのを耳にされた方も多いのではないでしょうか?私たちも同じです。ワクワクが結果を出す近道なのです。

「ほめる」と「叱る」は一体

指導する際は、ほめるだけ、叱るだけのどちらかだけというわけにはいきません。ときには「失敗」することもありますし、注意する必要がある場合もあります。最近は、強く叱るとパワハラだと言われ、言いづらいこともあると思いますが、注意しないわけにもいきません。

参考:「正当な理由があれば、上司・先輩に叱られたい」は7割以上を維持(レジェンダ・コーポレーション株式会社) l

2022年4月にはパワハラ防止法が施行される

叱るというのは「怒る」「大声を出す」ということではありません。感情に任せて叱るのはNG行為です。いよいよ中小企業でも、ハラスメント対策が義務化され(大企業は2020年に義務化済)、2022年4月にはパワハラ防止法が施行されます。ますます、注意の仕方、叱り方に気を付けなくてはならなくなりました。

もちろん、酷いパワハラは早急に対策をとるべきですが、指導者としては、相手の受取り方次第なところもあり、対応に神経を使うところです。

効果的な注意の仕方

  • 事実を客観的に伝える
  • 良かった点も伝える
  • 問題点を指摘
  • 「改善策」を考えて実践することを集中的に行う
  • 反省は禁止

従来の反省は、悪かったことにクローズアップして、失敗したことを反復させます。これは、マイナスのメンタルトレーニングを行っているのと一緒なので、昭和的な「反省」はさせません。問題点の解決に集中させます。悪かったところを延々と言われるより、改善策を考えた方が、本人のモチベーションも下がりません。

つまり、結果に対してではなく、失敗した原因を探すと共に、一緒に改善策を考え、改善したい具体的な行動を指摘する。「行動の変化を促す」ようにすることが大切なのです。

これには、上司・指導者の方の、忍耐力も試されますが、怒らず、怒らずに、冷静に改善策を徹底的に行うことが大切です。

効果的なほめ方

「承認欲求」を理解しよう

マズローの欲求5段階に「承認欲求」というのがあります。承認欲求とは「自分の存在価値を認めてもらいたい」という欲求です。例えば、SNSの「いいね!」も、この「承認欲求」を刺激します。承認欲求が刺激されたときは、快楽物質である、脳内ホルモンのドーパミンを分泌します。人間には「認めてもらいたい」欲求があるので、あまり否定的な指導をしてしまうと、脳が「不快」となり、こうなってしまうと、どんな話も聞く耳をもちません。

「褒めて伸ばす」とは、相手を認めていくこと

褒めて伸ばすことの基本は「相手を認める」ということが前提にあります。何かを褒めるということは、その方からしたら、自分を認めてもらったということです。ただ功績を褒めているわけではないのです。

「行動」を褒める

褒めるにしても、闇雲に褒めればよいわけじゃないのです。褒めたら図に乗ってしまったというのなら、それは、褒め方が間違っているのです。また「褒めるところがない」というのは、相手を良く見ていない証拠です。褒めるところは必ずあります。

褒め方ですが、結果をほめることは大事です。しかし、まず褒めて頂きたいのは「行動」です。良かった行動、続けて欲しい行動を、出来るだけ具体的に褒めましょう。例えばビジネスでは、営業成績に対して「すごいね」と言うよりも、

「この結果がでたのは、普段からお客様に誠実に対応していたからだね」
「プレゼン資料を丁寧に作ったから、多くの人に理解してもらえたんだね」
「苦手でも、積極的に電話対応してきたからだね」

など、具体的に褒めます。人は褒められたことを繰り返そうとする心理が働きます。お子さんを褒めるときも同様です。テストの点を褒めるだけではなく、そこに至るまでの勉強したことを褒めます。

「決めた時間を守って勉強したから良い点がとれたのね」
「スマホを見ない時間を守って我慢したからね、がんばったね」

など、行動を褒めるようにします。

何回褒めても効果はある

褒めるときは、良かった行動を具体的に細かく褒めて、相手の承認欲求を満たすことがポイントです。承認欲求には慣れがないので、何回使っても効果が得られます。

「承認欲求」の効果を更にあげるには、メールなどの文で褒めると効果的です。褒めて頂いたメールとか、読み返すことないですか?私は、何度も読みかえしてしまいます。嬉しいですよね。ぜひ「メールで褒める」も活用して下さい。

金子 晶美
金子 晶美(かねこ・まさみ)
ポジティブライフ研究所代表、「最強ブレインメンタルプログラム」主宰。ブレインメンタルコーチ、ビジネスコーチ、ポジティブライフコーチ、JADA協会 スーパーブレイントレーニング1級コーチ。 30年間のビジネスパーソンのとしてマネジメント、人財育成の経験。9年間で約3万件の相談実績。「脳の仕組みを知らないという理由で夢を諦める人をゼロにする」をモットーに、セミナーやコンサルティングを中心に活動。「的確なアドバイス」に定評。
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