仕事のミスを減らし、チームの絆を深める「ストレス」との付き合い方
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ハードな仕事、複雑な仕事には大きなストレスが伴うことは、多くの方が理解していますが、単純な作業も、ストレスを生み出します。仕事とストレスの関係、効率良く、質の高い仕事を行うためのコツを、ビジネスコーチの金子晶美さんが解説します。

単純作業は楽な仕事?

単純作業と複雑な作業、あなたはどちらを選びますか?単純作業とは、作業にマニュアルなどがあり、決まったルールに沿って繰り返す作業のことを指します。製造業や事務仕事のようなルーチンワークになっている仕事も単純作業のひとつです。

仕事を覚えたてのころは、緊張もあり、考えながら作業を行っていますが、時間が経ってくると、慣れが生じてきます。また、考えながら行うときは、脳の前頭前野が動きますが、繰り返し行う行動は小脳が代理となり、考えなくても行えるようになります。

一見楽に見える単純作業ですが、ミスが増えたり、最悪、作業を継続することが出来なくなったりすることもあるのです。

作業を妨げる「心的飽和」

「心的飽和」とは、簡単に言えば、飽きてしまって継続ができなくなる心の状態をいいます。これは、心理学者のカルステンの実験で明らかになりました。実験内容は「参加者に円などを描かせたり、詩の朗読を繰り返しさせる方法で、結果は、作業の質が落ちてきて、最後には止めてしまいました」というもの。

「疲労」であれば、休息をとることで、またもとの作業ができますが、この心理飽和に陥り止めてしまった場合は、休息をとっても、もとのように作業が出来ません。また、飽和状態になると作業に意味も見いだせなくなり、注意力散漫でミスが増え、最後は無気力状態になります。

もし、仕事でミスが増えてきたと感じている人は「慣れ」「飽き」になっているのかもしれません。単純作業だから楽で終わらせるのではなく、単純作業だからこそ、心の落とし穴があると理解して、心的飽和を防ぐ対策が必要なのです。

心的飽和を防ぐ方法としては、仕事を複雑化させることが良いのですが、今は生産性や効率化を求められますので、複雑化は難しいところがあります。

単純作業の継続は心的飽和に陥りやすい

単純作業を続けているうちにミスが増えてきた、なんとなくやる気がでなくなったら、これはSOSのサインです。

作業手順を変える 

心的飽和の兆候を感じたら、可能な範囲で流れの手順を変えてみる、時短に挑戦するなど、手順に変化を持たせる工夫をしてみましょう。

休憩はしっかりとる

休憩中に仕事をしないことは重要です。また、休憩やランチの時間に、脳に刺激を入れるとしっかりリフレッシュできます。例えば、ランチが外食の場合は「食べたことのないものを即頼む」というチャレンジをしてみましょう。脳が活性化します。

なぜなら、気分転換のはずのランチも「今日のおすすめ」では、脳は安心安定のまま。でも「食べたことのないものに挑戦する。しかも、迷わずにすぐ決める」こう言われたら、ドキドキします。選んだメニューが成功でも失敗でも、脳は活性化します。また、瞬間的にでも、仕事のことをしっかり忘れることができます。

仕事と休日のメリハリをつける

休日には、平日との切り替えをしっかり行うことが大切です。趣味など、仕事以外で集中できることに没頭しましょう。

強いストレスの共有は絆が深まる

厳しい納期や条件などがある仕事は、強いストレスがかかります。専門的な仕事だけでなく、納期や会社の方針で「これ、無茶苦茶だなあ~」と思いながらも、必死に仕事をこなしたことが、1度や2度はあると思います。

学生時代に厳しい練習で汗をかいた仲間とは、社会人になっても繋がりがある方も多いと思いますが、これは、強いストレスの共有が絆を深めているのです。

なぜ、絆が深まるのかというと、実際どれだけ大変だったのか、本当の大変さというのは、経験した人しかわかりません。いくら、第三者、同僚、家族に話をしても、その時の本当の大変さは当事者にしかわからないのです。

しかし、一緒に「厳しかった、辛かった」を経験している同僚やチームであれば、「休日出勤、残業続きで大変だったよな」「がんばったよな」という会話の中で、どれだけ大変だったのか、どれだけストレスがかかったのかを共有しているので理解してもらえます。

また、連帯感も生まれやすくなります。つまり、自分ではない他人に、自分のがんばりを認めてもらえたことになります。自分は頑張ったのだと他人に客観的に認められることで、自己評価が上がるのです。自分の評価をあげてくれた相手を嫌うわけがありませんから、好感度もあがる、結果、絆が出来るのです。だから、絆が出来た仲間と行う打ち上げの1杯が、とても美味しく感じるのです。

締切ホルモン「ノルアドレナリン」

強いストレスなどのプレッシャーが、一概に悪いわけではありません。締切がある仕事をするときは、脳内物質のノルアドレナリンが分泌されます。

ノルアドレナリンは、締切ホルモンとも呼ばれる脳内ホルモンで「短期集中型」に向いています。例えば、学生時代、夏休みの宿題を最後の1週間に、驚くほどの集中力を見せて、怒涛の勢いで終わらせた経験ありませんか?また、試験の前になって、急にやる気が出るときも、ノルアドレナリンを分泌しています。

適度な緊張でノルアドレナリンを分泌すると「集中力」「注意力」「記憶力」がアップして作業効率があがり、ワーキングメモリの働きを助けます。非常に重要な脳内ホルモンです。私たちは脳内ホルモンの影響で行動しています。適度な緊張で、ノルアドレナリンを分泌して作業効率をあげましょう。

金子 晶美
金子 晶美(かねこ・まさみ)
ポジティブライフ研究所代表、「最強ブレインメンタルプログラム」主宰。ブレインメンタルコーチ、ビジネスコーチ、ポジティブライフコーチ、JADA協会 スーパーブレイントレーニング1級コーチ。 30年間のビジネスパーソンのとしてマネジメント、人財育成の経験。9年間で約3万件の相談実績。「脳の仕組みを知らないという理由で夢を諦める人をゼロにする」をモットーに、セミナーやコンサルティングを中心に活動。「的確なアドバイス」に定評。
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