(※写真はイメージです/PIXTA)

加齢とともに低下していく免疫力。免疫力が低下すると病気にかかりやすくなってしまいます。どうすれば年をとっても、免疫力を高く保つことができるのでしょうか。免疫の仕組みと免疫力を高く保つ方法を六本木・寺林治療院院長の寺林陽介氏が解説します。

目次

  1. 免疫力が人をあらゆる病気から守っている
  2. 3つの免疫細胞の働き
  3. 免疫力のピークは20代
  4. 体内の悪循環…免疫力低下の根本原因
  5. 「何か寒いな」と思ったら…

免疫力が人をあらゆる病気から守っている

私たちは普段、様々なウイルスや有害物質などにさらされており、人の体のなかでは毎日3000~5000個ほどのガン細胞が発生しているといわれています。

それでも私たちが、めったに病気することなく、健康に生きていられるのは体の免疫力のおかげです。免疫力が体内のウイルスや異物を常に排除し、病気に抵抗したり、病気を治したりしてくれているのです。

免疫力を担っているのは、人の体内に2兆個ほど存在しているといわれている免疫細胞です。免疫細胞の主体は白血球で、主に血液中に存在しており、大きく分けると、

・単球(マクロファージ、樹状細胞)

・リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)

・顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)の3種類になります。

3つの免疫細胞の働き

三者はそれぞれ働きが異なっていて、

・単球はサイズの大きな異物や老廃物を処理する一方で、外部から異物が入ったことを他の免疫細胞に知らせる役目も果たしている。

・リンパ球は小さな細胞やウイルスなどを駆逐。

・顆粒球はサイズの大きな異物を食べて、処理している。

なかでもリンパ球に属するNK細胞は体内を独自にコントロールし、ガン細胞や、ウイルス感染細胞を片っ端から殺してくれる「殺し屋」であり、「NK細胞が活発かどうか」が健康を大きく左右しているといえるでしょう。

免疫力のピークは20代

免疫力は通常、加齢と共に低下し、20代をピークに40代では50%程度。70代では10%程度にまで衰えるといわれています。免疫力が下がると風邪を引きやすくなったり、病気が治りにくくなったりするのはもちろん、

・なかなか疲れがとれない。

・アレルギー症状が悪化する。

・口内炎などができやすくなる。

といった不具合が生じるようになります。高齢者が病気にかかりやすくなるのは、そのためでもあります。

体内の悪循環…免疫力低下の根本原因

免疫力を低下させる原因は加齢だけではなく、睡眠不足やストレスによっても下がるといわれており、これらが原因で自律神経が乱れると交感神経が優位になります。

交感神経が分泌するアドレナリンは血管を収縮させる働きがあるため、血液が流れづらくなり、冷えが生じ、体温が下がると免疫細胞の活動の妨げになってしまうのです。

また、体が冷えると腎臓に負担がかかり、ドロドロの血液によって血流が悪くなっていると、免疫細胞が隅々までいきわたりません。体が冷えると免疫細胞のエネルギー源となる酵素の働きも弱くなります。

体温が1度下がると、免疫力は約30%低下するといわれています。いい換えれば風邪を引いたりするリスクが3割アップするということです。

血液の老廃物をろ過して、きれいにしてくれるフィルターのような役割をしている腎臓のなかにある糸球体は、ものすごく細い毛細血管の集まりなので、冷たい物を飲んだり、外でじっと座っていたりして体が冷えると、働きが落ちて血液がドロドロになってしまいます。

「何か寒いな」と思ったら…

「何か寒いな」と思ったら体は冷え、すでに免疫力の低下や疲れによって体が変化しています。免疫力アップのため、疲れの解消のマッサージをしてみてください。

天枢(てんすう)…おへその左右、親指の幅約2~3本分外側にあります。腎臓、膀胱などの泌尿器系の疲れや、胃腸の働きもよくなるツボです。

・手をグーにして中指の第二関節をおへその横に当てます。

・そこから2~3センチほど外側に移動させグーっと押し込みながら上下にグリグリともみます。

・それを20~30回くらい行ってください。便秘気味な人は更に、天枢から2~3センチ下のところも同様にして上下にグリグリもみましょう。

このマッサージを行うタイミングは夜寝る時がおすすめです。

仰向けで寝た状態で行うと、お腹の筋肉がゆるんでいるので指が入りやすいのと、こぶしの重みで圧がかけられるので、そんなに力を入れなくてもツボに届かせることができます。また、寝ている間に日中冷えた腎臓や、美味しいものを食べて疲れた腸も休まり、朝の目覚めも軽くなるでしょう。

免疫力、NK細胞の数も年齢と共に下がってはいきますが、免疫細胞がきちんと働いてさえくれれば、いくつになろうと、疲れたり、病気になったりすることの少ない健康な体でいられます。

暑い夏、我慢の日々が過ぎ、秋のオープンテラスで仲間と食事。野球やサッカーなどのスポーツ観戦。昼間は晴れていれば暖かいですが、夕方に近くなり「なんだか寒いな」と思った時には時すでに遅し。体はすでに冷えているのです。

そして、そのまま寝て、朝が来て、「あれ? なんだか喉が痛い…」とか、鼻がグズグズするくらいなら鼻炎で済むかもしれませんが、ゴホゴホ咳が出たりした日には、このご時世電車に乗るのも気が重いでしょう。

健康を保つには、日々の意識が大切です。体を冷やすことはなるべく避けるようにして、日々を過ごしていきましょう。

寺林 陽介
寺林 陽介(てらばやし・ようすけ)
六本木・寺林治療院院長。
1996年にあんまマッサージ指圧師、鍼師、灸師の国家資格を取得し、父の治療院で本格的に修業を開始。
24歳のときから一人で治療院を運営し、現在に至る。
2008年には南青山でも完全紹介制・完全予約制の治療院を開設し、2014年4月、東京都港区六本木に移転。
患者に心から満足してもらえる治療院を追求している。
どこに行っても楽にならなかったという患者ほど違いを実感する「疲れとりマッサージ」を行い、多くの著名人から評判を得ている。
著書『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』(アスコム刊)は30万部のベストセラーになり、テレビ、雑誌など多数のメディアで注目を集めた。