(※写真はイメージです/PIXTA)

「自分はアダルトチルドレン(AC)だ」と認識している人の中には、回復のために自助グループに参加したり、アファメーションやカウンセリングに行ったりとさまざまなアプローチをしている人もいるでしょう。 しかし、なかなか効果を感じられない、治らないという人も多いようです。

今回の記事では、「依存症」「アファメーション」の観点からACの方が知っておくと、回復に役立つことをご紹介します。

目次

  1. 依存症からアダルトチルドレンが学べること
    1. 依存症とアダルトチルドレン
    2. カウンセラー視点で考えるアダルトチルドレンの依存症
  2. 自己肯定感を高めるアファメーションのポイント
    1. ポイント①:即効性を期待しない
    2. ポイント②:アファメーションの別の目的を知る
    3. ポイント③:大きな効果を期待しすぎる癖をもっている自分を認識する
  3. まとめ

依存症からアダルトチルドレンが学べること

依存症とは、不安やストレスから何かに依存している状態が続く症状のことです。対象物はタバコ、アルコール、薬物、買い物、ギャンブル、対人などさまざまなものがあり、それを使用せずには(行わずには)いられない状態であることを指します。ストレスが溜まりやすい不安な世の中で、依存によって心の安定を図る人が増加しています。

依存症とアダルトチルドレン(AC)は関係があり、依存症になると回復するまでに時間がかかります。ACの人が依存症から学べることを考えていきます。

依存症とアダルトチルドレン

依存症の人が必ずしもアダルトチルドレン(AC)とは限りませんが、ACである可能性が高く、傾向として否定はできません。生い立ち、家族との関係性によって生じた幼少期のトラウマが大人になっても続いていて、社会で生きづらさを感じているACの方は多いでしょう。しかし、精神科や心療内科で「あなたはACです」と診断されることはないため、自覚しづらく、自覚をしていても自分一人では解決しくいというのがつらいところです。

カウンセラーや自助グループなど、ACについて理解がある人たちに話ができればよいものの、皆が必ずしもそうした環境にあるわけではありません。誰にも相談できず、一人で生きづらさを抱えている人、表面的にはそのように見えないACの人は内側にストレスが溜まっていき、依存症になりやすい傾向があります。

カウンセラー視点で考えるアダルトチルドレンの依存症

大企業で、ある程度の地位を得ている人や芸能人など、仕事で成功を収めていると、表面的には社会に適合しているように見えます。しかし、見えているだけで本人は生きづらいと感じているかもしれません。

もし、社会的に成功を収めている人がアダルトチルドレン(AC)だった場合は、周りからの目(社会で成功しているイメージ)と自分の中の気持ち(生きづらい)というアンバランスさを抱えています。その溝を埋めるために、依存症になるケースもあるのです。

ACの人は、生きづらい世の中で自分が生きていける居場所を見つけようとします。他人から承認されることが最優先で、そのためなら自分を犠牲にしてでも行います。社会的成功は他人から賞賛されやすいため、ACの人は「他人からの賞賛」や「自分の存在価値、居場所」のために社会的成功を目指すケースも少なくありません。

しかし、社会的成功を手に入れればACの人は生きやすくなるのでしょうか。答えはNOです。先述の通り、周りの目や期待と自分の気持ちが一致せず、頑張れば頑張るほどしんどくなってしまいます。

ACの自覚がある場合は、社会的成功を目指すのではなく、まず心の回復、癒しの作業に取り組むことが大切です。ACのまま社会的成功を手に入れても、心の安定感は得られません。何をやっても本当の自分(心の中にある自分)が生きづらいと訴えかけてくるため、依存症のようなおかしな方向に表れてしまうことがあるのです。

自己肯定感を高めるアファメーションのポイント

アファメーションとは、なりたい自分になるための言葉がけです。自分自身に対して肯定的な言葉を繰り返しかけることで、潜在意識に働きかけ、その言葉通りの状況が現実化する、というものです。

医学的なアプローチではありませんが、スポーツ選手がイメージトレーニングをするのと少し似ています。自分の言葉で自分をマインドコントロールし、良い成果を収めたり、理想の自分に近づけたりするのです。

このアファメーションはアダルトチルドレン(AC)の方の回復作業にも取り入れられています。気持ちや思考を自ら変えていく作業なので、効果が期待されています。しかし、アファメーションを行っても、なかなか効果を感じられないという人もいます。

ここからは、アファメーションを行う際の心持ちやポイントを説明します。

ポイント①:即効性を期待しない

アファメーションで、自分にとってたくさん良い言葉を投げかけたとしても効果はすぐに出ません。短期間にたくさん行っても効果は出にくいことを知っておいてください。

「私は愛するに値する人間なんだ」とか「私はやればできる人間なんだ」と1日程度、暗示をかけたからといって、すぐにそのように心の底から思い込めません。もし、すぐに考えや感情を変えられるなら、その人は心の傷を抱えたり、人間関係で悩んだりはしていないでしょう。そもそもアファメーションが必要ない人たちです。

アファメーションでは、長年かけて蓄積されてきた心の傷や生きづらさ(人間関係の難しさ)に対して、自分に許可をする作業をしていきます。最初は何も響きませんし、感情も変わりません。ずっと効果がないように感じながらも行い続けることで、最終的に自分の中で変化が起こっている、というくらいの長期スパンで取り入れていく覚悟が必要です。

ポイント②:アファメーションの別の目的を知る

アファメーションを行ってすぐに効果が出るどこか、行っていてマイナス感情が出てくる場合もあります。これは自己否定感のサインです。

自分の理想(アファメーションの言葉)と今の自分がかけ離れていて、プラスの言葉を聞くと嫌悪感が出てくるという現象です。実際に今の自分が理想とかけ離れているかどうかはわかりません。しかし、自分のことを受け入れられない、自分が自分を愛するに値しない人間だと自分でレッテルを貼っている場合に嫌な感情が湧き出てきます。

実はこの感情こそ、アファメーションの効果の1つとも言えるのです。アファメーションを、自分のマイナスの感情に気付くための1つの技法という風に使ってもよいでしょう。

ポイント③:大きな効果を期待しすぎる癖をもっている自分を認識する

アファメーションで効果がすぐに出ないことに悩む人は、「すぐに効果が出ることを期待しやすい性質」がその人の中にあるということです。

アファメーションを行ってもすぐに効果が出ないと焦ったり、期待通りに行かないと嫌になってしまったりするのは、その人の思考や感情の癖です。これはアファメーションだけではなく、仕事、恋愛などでも同じことが言えます。大きな期待をし、良い結果が出ないとすぐに諦めて、効果がなかったと決めつけてしまうようなことです。

すべての物事に対して、大きな効果、即効性を期待しやすい癖があることに気づくだけでも、アファメーションを行った効果と言えます。

まとめ

自分はアダルトチルドレン(AC)だと認識している人は社会的成功を手に入れて、心を安定させたいと願う傾向にあります。しかし、実際は何の解決にもなりません。自分の感情に蓋をして、他人からの承認を得る前に、まずは心の回復や癒しの作業を優先させることが大切です。

また、自己肯定感を高めるために行うアファメーションでは、即効性、大きな効果を期待しないようにしましょう。自分と向き合い、自分の癖を知ることが、アファメーションを長期的に取り組むためのコツでもあります。

結城恵美
結城 恵美(ゆうき・えみ)
両親との関係不和などにより大学生の時19歳で摂食障害を発症。21歳で大学病院の精神科に入院。過食嘔吐を繰り返しながらも大学を卒業し、神戸大学の助手として勤務。その間も自殺未遂を繰り返す。しかし、精神科で出会ったカウンセラーの導きで、やっと軌道修正。現在は、心理学、NLP、コーチング、瞑想、マインドフルネスなどを学び、自己の経験から沢山の方々の生きづらさに対峙しアドバイスを行っている。
HP Facebook