(※写真はイメージです/PIXTA)

急なほてり、のぼせ、大量の発汗、動悸、息切れ、めまい、高血圧、憂鬱、集中力の低下などの症状があらわれる更年期障害。女性に多い症状ですが、男性にも症状があらわれることがあります。寺林治療院院長、寺林陽介氏が更年期障害が発症するメカニズムと対策方法を紹介します。

目次

  1. 「腎臓と更年期」の意外な関係性
  2. 「肌のガサガサ」「体の冷え」の原因は…?
  3. 女性だけだと思って油断していると...
    1. 男女ともに注意が必要
    2. 一見元気そうな人ほど危ない
  4. 早起きよりもお得な睡眠習慣

「腎臓と更年期」の意外な関係性

主に閉経直後(45〜55歳くらいの女性)に急なほてり、のぼせ、大量の発汗、動悸、息切れ、めまい、高血圧、憂鬱、集中力の低下などの症状があらわれる更年期障害。

卵巣で作られるエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが急激に減少し、ホルモンバランスが崩れることが原因なのですが、更年期障害には腎臓が深く関係していると言われています。

東洋医学の世界では腎は生命力の源であり、発育と関係していて水分の調整や、骨の代謝も行われていると考えられています。更年期になると腎にたくわえられた生命力が弱くなり、腎の働きが弱ってしまい水分調節がうまくいかなくなることで体の潤いがなくなり、ほてりやのぼせ、動悸などが起こると考えられています。

そして腎は、腎臓および副腎のことを指していて、エストロゲンや、プロゲステロンは副腎の中の副腎皮質で作られています。

「肌のガサガサ」「体の冷え」の原因は…?

副腎とは左右の腎臓のすぐ上にある三角形の小さな臓器で、皮質(外側)と髄質(内側)の二層構造になっており、人間が生命を維持する上で極めて重要な物を作っています。

その副腎皮質で作られるホルモンにDHEAという男性ホルモンの一種があるのですが、体内でテストステロン(男性ホルモン)や、女性ホルモンなど50種類ものホルモンに変換される大元のホルモンということで、別名マザーホルモンと呼ばれています。

DHEA由来の女性ホルモンは更年期の女性の体にとって重要な意味を持ちます。

閉経後数年で卵巣から分泌されるエストロゲンは40%程度に減少、プロゲステロンはほとんど分泌されなくなってしまいます。エストロゲンはお肌の保湿、プロゲステロンは体温上昇の働きをするため、お肌ガサガサ。体は冷え冷えになってしまうのです。

ですが、副腎が元気でしっかりDHEAを分泌してくれれば、急激にホルモンバランスが崩れることはなくなり、更年期障害の症状も緩和されるでしょう。副腎を労るのは大切なことなのです。

女性だけだと思って油断していると...

男の自分には関係ないかと思った人もいるかもしれませんが、更年期障害はなにも女性に限ったものではありません。男性ホルモンと呼ばれるホルモンのうち95%は精巣で作られるテストステロンです。

個人差はあるものの、更年期を迎える頃になると、男性の体でもテストステロンが減少することが多く、それに伴って、やる気の低下、不眠、性欲減退、多汗、筋力の低下、血圧上昇、内臓脂肪の増加といった症状があらわれるようになります。

これが男性の更年期障害です。そして、男性ホルモンの5%はDHEAであり、精巣で作られるテストステロンが減少するとDHEAが活性化するということがわかっています。

男女ともに注意が必要

まず、卵巣や精巣で作られている性ホルモンも、副腎皮質で作られるホルモンも、肝臓で作られるコレステロールを原料としています。

副腎皮質では抗ストレスホルモンであるコルチゾールも作っていますが、人間は不安や恐怖、怒りなどのストレスを感じると、脳はコルチゾールを優先的に分泌して集中力や、やる気を高めたりしてストレスから体を守ろうとします。

その分、卵巣や精巣にまわるコレステロールの量が減り、性ホルモンの質や量、濃度が低下してしまうのです。

また、ストレスがかかると副腎もコルチゾールやアドレナリン、ノルアドレナリンを出すことを優先してDHEAの分泌は後回しになってしまいます。⻑くストレスがかかり続けると副腎自体が疲れてしまうのです。

弱った副腎にはビタミンCが効果的。さつまいもは熱に強いので、温かく調理してもビタミンCが壊れづらく、効果的に補給できるのでオススメです。

一見元気そうな人ほど危ない

私の先輩でここ数年、体がだるい、やる気が出ないなどの症状に悩まされている人がいて、いくつか病院を回った結果、男性更年期だったことが判明したという人がいます。

仕事もバリバリこなし、コロナ渦の前は夜な夜な会食で、プレゼンでは負け知らず。気持ちは元気でも、体には負担が来ていたのでしょう。

早起きよりもお得な睡眠習慣

一説によると成⻑ホルモンが症状軽減のカギを握っているようなので、ホルモン分泌のゴールデンタイムと言われている夜の10時から深夜2時の間は眠っているということは大切でしょう。

とはいえ、深夜の2時に起きる人もいないでしょうから、実際は朝6時に起きるつもりで夜10時に寝る。それを心掛けたいですね。

寺林 陽介
寺林 陽介(てらばやし・ようすけ)
六本木・寺林治療院院長。
1996年にあんまマッサージ指圧師、鍼師、灸師の国家資格を取得し、父の治療院で本格的に修業を開始。
24歳のときから一人で治療院を運営し、現在に至る。
2008年には南青山でも完全紹介制・完全予約制の治療院を開設し、2014年4月、東京都港区六本木に移転。
患者に心から満足してもらえる治療院を追求している。
どこに行っても楽にならなかったという患者ほど違いを実感する「疲れとりマッサージ」を行い、多くの著名人から評判を得ている。
著書『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』(アスコム刊)は30万部のベストセラーになり、テレビ、雑誌など多数のメディアで注目を集めた。