「自分の長所」は探しにくい?発見のカギは、あなたが「普通」にできること
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自分の「強み」や「長所」を把握するには、どうしたらいいのでしょう。これから先のキャリアを考える場合も、自身の長所が見えないと、何を軸にしたら良いのか分からない、不安な気持ちになりそうです。日テレHRの代表を勤めながら、数多くのビジネスパーソンのお悩みを解決する大澤弘子さんが解説。

目次

  1. 自分の長所が見えない理由
  2. 自分の特性を強みにするには
  3. 自分らしさは知識を習得しても見えてこない

40歳になる女性サラリーマンさんの話を聞きました。悩みがあるので一度、キャリアコンサルをして欲しいということでした。

20年近くサラリーマンとして、自分なりに頑張ってきたつもりですが、自分の強みや長所のようなものが思いつきません。人よりできると自信を持てることは?と自分に聞くと、どうにも答えが見えません。「強み」や「長所」のようなものを自分で捉えて、自信を持って言えるようになるには、どうしたら良いのでしょう。これから先のキャリアを考えるに当たっても、自分の長所が見えないと、なにを軸にしたら良いのか分からなくて、そんな自分が不甲斐なく思えてしまいます。

実は、このような思いを抱いている方は、少なくありません。今回は、このように感じた時の考え方をお伝えします。

自分の長所が見えない理由

本当に得意なことは、苦労せずにできてしまっているので、自分で「得意」と認識しにくいということが一点挙げられます。

・プレゼンテーションが得意
・鉄棒が得意
・絵を描くのが得意

などは、周りの人が同じことをやる機会があって、人の様子をみて比較しやすいため、自分が「得意」だと気づくことが容易に出来るのですが、

・人の言葉の背景を感じ取るのが得意
・チームが諦めそうになったとき、粘って引っ張っていくのが得意
・会議を欠席した人に、端的に内容を伝えるのが得意

などは、目に見えて同じ行為をして見比べるという機会が得られにくいので、「得意」であることに気づきにくいというわけです。これに気づくには、ふとした瞬間に、自分をよく知る周囲の人からの言葉に、アンテナを立ててみることがオススメです。

「ありがとう」という感謝の言葉に本心の熱がこもっていることから、ふと気づくこともありますし、自分では「え?そこ?」と思えるようなことを褒められたり、感謝されたりすることもあります。「え?」っと思った時には聞き流さず、そう言ってくれた人に「それってどういうこと?」と詳しく教えてもらうのも良いと思います。

また、信頼できる相手に「わたしの特徴ってどんなところだと思う?」と素直に質問してみるのも有効です。とても参考になることを言ってもらえる時があります。

また一人ではなく何人かに聞いてみると、表現は異なっても、共通することを言っているのに気づけたりします。Aさんの言っていた「XXXXX」は、Bさんが言っていた「●●●」と同じことかもしれないなあ…といった感覚です。

自分の特性を強みにするには

「好きなこと」は「強み」になりやすいと言われています。

確かに「好きこそものの上手なれ」という言葉もあるように、興味関心がある「好き」なことは、インプットも早いし理解も深まりやすい。興味関心がある情報については、脳が積極的にインプットしますし、定着する率も高いため、結果的に「強み」や「長所」になることが多いのは事実です。

ただ、「好きなこと」と「強み」には少しちがいがあると思います。人から評価をしてもらえる「強み」であることが、自分で納得のできる「好き」なことと必ずしも一致するわけではないからです。

分類して定義してみるとこのように考えるのはどうでしょうか。

・好きなこと=自分が楽しいこと、趣味
・強み=周囲の人の役に立てること、人をHappyにできること

単に「好きなこと」であっても、それを使って、誰かの役に立てないか?と考えてみたときに、何か思いつきますか。知りたいと思っている人がいる、自分の経験から「知っていること」を伝えられたら喜んでくれる人がいるかどうか。うまく出来ないと困っている人に「コツ」を伝えて相手を幸福にできると感じますか。それがあれば、好きなことと強みが一致していて最強のあなた「らしさ」です。

自分らしさは知識を習得しても見えてこない

「自分らしさ」が分からないと悩んだとき、勉強に没頭する人がいます。先人たちの知恵を借りることによって、自分で自分を分析するノウハウや武器を仕入れて、それによって自己分析を行うことで「自分らしさ」を見つけようとするアプローチです。これで見つかることもありますが、本当の「自分らしさ」は自分の中に存在します。自分の中からしか出てきません。

成功体験をしたとき、自分の強みが見えやすいことはありますが、実は、うまくいかなかった時にも見えやすいと、わたしは考えています。何かを新しい経験をしたり、人と衝突して齟齬が生まれたりしたときも、「自分らしさ」を知るチャンスです。

経験したことによって感じたこと、なぜそう感じたのかという理由を、その時に立ち止まって言語化してみるのが有効です。日々の経験を「楽しかった」「辛かった」と一言でやり過ごすのではなく、「なにが楽しかったのか」「なぜそう感じたのか」、「どこがつらかったのか」「なぜ自分はそれを『辛い』と感じたのか」といった質問を、自分で自分に投げかけてみてください。

毎日、寝る前の数分でいいので、その日の経験を感情を軸にして振り返ってみると、自分で自分を知る能力が高まります。言語化しておくと、次に類似の経験があったときに、「やはりそうだ」とか「あれ?今回は楽しいと感じないなあ、何故だろう?」と自分について深く考える習慣をつけることができます。 この積み重ねが、「自分らしさ」を知ることに繋がります。

外からの刺激を受けて、それだけで「自分らしさ」がわかるのではなく、行動や経験を通じて動いた自分の「気持ち」や「感覚」を見つめ言語化することによって、「自分らしさ」が分かっていくのです。 答えは自分の中にある。

「自分を見い出そう」とする自分インタビューで、きっと自信を持って語れる「らしさ」を発見できますよ。

大澤 弘子
大澤 弘子(おおさわ・ひろこ)
国家資格キャリアコンサルタント 日本青少年育成協会認定教育コーチ(中級)
日本テレビでプロデューサー歴25年。各界の著名人を取材し、誰しも「自分の軸」に気づいて殻を破る転換点があると知って感動。史上初のNHKとの共同制作実現、タレントと視聴者が「ワーキングマザー」として交流するサークルなど、TV番組の枠を越えた取り組みを推進。2016年、慶應義塾大学大学院SDM研究室・前野隆司教授に学び「最大の成果を出すチームに共通する力」を導く。2019年「日テレHR」スタート。上場企業の人材育成に従事。2020年には全国170,000人の人事パーソンが選ぶ「HRアワード」受賞。サラリーマンこそ「キャリアビルディング」意識が必要と考え、人材育成コンサル・研修・個別コーチングも多数。
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