睡眠の質を上げる「ココロのケア」のポイント
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脳の疲れを解消するためには睡眠の質が非常に重要ですが、これには、ココロの状態も大きく関わっています。睡眠の質を上げるための「ココロ」のあり方について、日テレHR代表/プロデューサーの大澤弘子さんが解説します。

目次

  1. 心の疲れ、脳の疲れは睡眠が原因のことも
  2. 一人で悩みを抱えず誰かに話す
  3. 寝る前には、完璧主義を脇に置く
  4. できれば、7時間を目安に睡眠時間を確保する
  5. 脳をケアするための睡眠

心の疲れ、脳の疲れは睡眠が原因のことも

イライラしてつい周りの人に強めの言葉を発してしまう。後から振り返ると「あんな言い方しなければよかったなあ」と人知れず後悔する。・・・こんな経験はありませんか?

駅やスーパーのレジ、街のいろんなところで揉めているのを見ると「疲れてる」人が多いのではないかと感じることがあります。みんな一生懸命やっているけど、少しずつ疲労の負債が溜まって、ふとした時に不本意な言動に繋がってしまうことがあります。

カラダの疲れは食事、適度な運動、そして睡眠が重要です。そして実は心の疲れは脳の疲れからきていることが多いです。たくさんの画面を開いて作業していると急に調子が悪くなるパソコンのように、あなたの脳が疲れている、オーバーフローになっているときに、誤作動が起こります。それを普段からのケアで予防しましょう。

脳の疲れを溜めずに解消していくことは非常に重要です。睡眠の質には心の状態も大きく関わっています。今回は睡眠の質を上げるための心のケアについてお伝えしたいと思います。

一人で悩みを抱えず誰かに話す

一人で悶々と抱えていると睡眠の質が落ちます。一番良くないのは、ベッドに入ってから心配ごとや悩みごとをあれこれ考え始めてしまい、グルグルと終わらない思考に陥ることです。このままウトウトと睡眠を始めると、不思議な悪夢をみて筋肉が休めずにこわばってしまったり、朝起きた時にどんよりと頭が重いというようなことが起こります。

心配ごとがあるときは、寝る前にノートに書いて、「なぜ心配なのか」その理由を書き出しましょう。解決策は、夜は考えない。明日の朝、スッキリした頭で午前中に考えるのがオススメです。よって寝る前に、心配ごとは一旦書くことで脳から吐き出し、ノートに持っていてもらって、自分の脳をそこから解放してあげてください。書き出すことの他に、信頼できる同僚や友人、家族に話してみるのも良いですね。「話す」=「放つ」という言葉もあるように、言語にして人に伝えることによって、心配ごとを自分の心の中から取り出して、客観的に眺めることができるようになります。

寝る前には、完璧主義を脇に置く

頑張り屋さん、努力家の方には特にお伝えしたいポイントです。完璧を目指さないと成長しない!と思っている人。寝る前はその思考を少し脇に置いてください。何事も「8割できたら上々だ」ぐらいに考えて、完璧である「べき」だというハードルを自分に課すのを一時お休みにしてください。

完璧を目指していると、「できていないこと」に目が向きます。「足りないこと」に意識が向きます。寝る前に自分にダメ出しをすることになってしまうのです。自分にダメだししながら寝ると睡眠の質は間違いなく下がります。自分の最強の応援団は自分。寝る前こそ「できたこと」や「きょう進んだこと」に目を向けて、自分を労ってあげる気持ちで自分自身に接してください。

できれば、7時間を目安に睡眠時間を確保する

必要な睡眠時間は、人によって異なります。生活している地域の気候や生活習慣などによっても一概にベストな睡眠時間を決めることはできません。ただおおよそ6時間から9時間の間が良いようですね。睡眠時間が不足すると何が起きるのでしょうか。

(1)食欲を高めるグレリンというホルモンがたくさん分泌されます
(2)食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌が減ってきます
(3)カラダのエネルギー消費量が低下します

さあ、これらが組み合わさると何が起きるでしょうか。そうです!太りやすいカラダを作ってしまうのです。

睡眠が不足すると「そんなに食べてないのに体重が増える」と感じたことはありませんか?それは代謝が落ちているためです。また起きている間の食欲が強まる傾向があります。いずれにしても睡眠不足が健康に害を及ぼすことは間違いありません。

5時間睡眠で慣れてしまっている人が「あと1時間増やそう」と思うとき、最初はなかなかうまくいかないかも知れません。起きる時間を1時間遅くするよりも、ベッドに入る時間を1時間早めてください。暗くしてゆっくりと目を閉じ自分の呼吸に集中していると、入眠しやすくなると思います。

脳をケアするための睡眠

睡眠とは、脳による脳のための管理技術と言われています。

高度に情報が集積された大脳は、日頃から大量のエネルギーを消費しています。脳は全身のわずか2%の重量ですが、カラダ各所からの情報を集中的に処理し信号を出してひっきりなしに全身を制御しているため、安静にしている時でも、総エネルギー消費量の18%もの量を消費していると言われています。

一方で、脳は非常に繊細で脆弱な臓器でもあります。精密機械のようですね。無理をかけると機能低下を起こしやすい。中でも連続運転に弱いと言われています。

ある研究によると、16時間以上覚醒していると、何と酒気帯び運転と同じ程度の脳機能になることがわかっています。軽く飲んだ状態の判断力、情報処理能力になってしまうということです。全身の司令塔がぼんやりすると、カラダも危ない上に、思考も鈍くなり、心の状態も悪くなります。

16時間というと多くのビジネスマン、成人は起きている時間ですね。毎日必ず、疲れた脳を休息させ、翌日に備え修復したり回復させるケアが必要です。そのために必須であり、かつ有効な手段が睡眠なのです。

胎児や子どものうちは睡眠によって脳が創られ育ちます。大人になると、睡眠中に記憶の整理が行われ固定されます。睡眠が十分に取れている時は、脳の情報処理能力が回復し記憶が強化され、翌日に自分が望むような情報処理活動ができるようになるのです。

「人生の3分の1が睡眠」と言われます。この質が良いか悪いかで、覚醒している間のパフォーマンス、メンタリティ、カラダの機能など、実に多くのことがダイレクトに影響を受けます。ぐっすりと質の良い睡眠に対して、意識的に貪欲に取り組むことが、実は自分の成長や願望の実現へ向けた最良の手段かもしれません。皆さんの睡眠が昨日より今夜、少しでも良いものになりますように。

大澤 弘子
大澤 弘子(おおさわ・ひろこ)
国家資格キャリアコンサルタント 日本青少年育成協会認定教育コーチ(中級)
日本テレビでプロデューサー歴25年。各界の著名人を取材し、誰しも「自分の軸」に気づいて殻を破る転換点があると知って感動。史上初のNHKとの共同制作実現、タレントと視聴者が「ワーキングマザー」として交流するサークルなど、TV番組の枠を越えた取り組みを推進。2016年、慶應義塾大学大学院SDM研究室・前野隆司教授に学び「最大の成果を出すチームに共通する力」を導く。2019年「日テレHR」スタート。上場企業の人材育成に従事。2020年には全国170,000人の人事パーソンが選ぶ「HRアワード」受賞。サラリーマンこそ「キャリアビルディング」意識が必要と考え、人材育成コンサル・研修・個別コーチングも多数。
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