肩こり
(画像=(※画像はイメージです/PIXTA))

冬も近付き寒さが増してくると、筋肉が緊張し、暖かい季節では起こらなかったこりや痛みがでてきます。これらの不調を根本的に解消するには、どうすればよいのでしょうか。今回は、筋肉の緊張を和らげる、収縮と弛緩を活用したストレッチ方法について解説します。

目次

  1. 寒さによる筋肉の緊張で起こる、体の不調
  2. 「つま先立ち体操」でふくらはぎのつりやむくみを解消
  3. 末端冷え性には「手足の指のグーパー運動」が効果的
  4. 冷えによる便秘は「ドローイン」がおすすめ
  5. 「肩の上げ下げ」で肩こり&猫背を改善

寒さによる筋肉の緊張で起こる、体の不調

寒さが厳しくなってくると、筋肉は緊張します。それに伴って関節の可動域も悪くなり、こりや痛みが出てきます。同様に血液やリンパの流れも悪くなり、冷えやむくみを引き起こします。

本来であれば寒い時こそ筋肉を動かし、血液の循環を良くしていくべきなのですが、なかなかそうもいかず家の中に引きこもり、暖房の力を借りて体を温めようとする人が多いと思います。

しかし、これではなかなか自分の体の機能を使って熱を産生することが難しくなります。筋肉は弱くなるとともに硬くなり、血管も同様に硬くなって弾力性を失っていきます。

体は寒さによって様々な不調をきたします。これらの不調を改善するために、寒い時は筋肉の収縮と弛緩を交互にうまく使っていきましょう。

「つま先立ち体操」でふくらはぎのつりやむくみを解消

当院でも寒くなってくると、ふくらはぎがつったり、むくんだりする患者さんが増えてきます。

ふくらはぎがつってしまうのは、冷えで筋肉が収縮し過ぎてしまうことが原因で起こり、ふくらはぎのむくみは筋肉を動かしていないために、細胞の周りにリンパ液が染み出た状態で停滞することが原因で起こります。

こんな時こそ、筋肉のポンプ作用をうまく活用しましょう。

全身の筋肉は運動することで収縮と弛緩を繰り返します。静脈は体の末端から心臓に血液を還すときに使うのですが、重力に対抗するため筋肉のポンプ作用を使うことが必要になります。筋肉のポンプ作用を使うことで血液が心臓に戻りやすくなります。また、同様にリンパの流れも筋肉のポンプ作用を使うことで改善されるのです。

ふくらはぎの筋肉のポンプ作用を使うのにおすすめなのが、「つま先立ち体操」です。

「つま先立ち体操」をすると、ふくらはぎの筋肉の収縮と弛緩を繰り返すことができます。

「つま先立ち体操」をすることで、血液やリンパの流れを改善することができます。それに伴って固まっていた筋肉も柔らかくなりふくらはぎがつることもなくなっていくでしょう。

末端冷え性には「手足の指のグーパー運動」が効果的

また、寒くなると末端まで血液が巡りにくくなるため、末端冷え性の方が増えてきます。

これを改善するために「手足の指のグーパー運動」をおすすめします。

寒くなると、手袋をする人が増えてきますが、手袋で被覆するだけでなく、「手の指のグーパー運動」を繰り返してください。歩きながら腕を振り、「手の指のグーパー運動」を繰り返すだけで血液の流れはかなり良くなります。

同様に「足の指のグーパー運動」もおこなってみてください。手の指と違い意外にうまくできない人が多いです。

そういう人は「足の指のグーパー運動」をおこなう前に、それぞれの足指間を手でしっかりとほぐしてください。

また、足指のつけ根の裏側を手の指で押さえ、かかとの方向に引っ張り、足指をおじぎさせるように動かしてください。

これらをおこなうことで、「足の指のグーパー運動」ができるようになります。

「足の指のグーパー運動」ができるようになったら、足指までしっかりと踏み込み後ろに蹴って歩くことを意識してください。足指だけでなく、ふくらはぎの筋肉もしっかりと使えるようになります。

冷えによる便秘は「ドローイン」がおすすめ

他にも寒くなると多くなる症状に「便秘」があります。

冷えで胃腸の働きが悪くなり、便を送り出しにくくなって「便秘」になります。

これを改善するために「ドローイン」をおすすめします。

「ドローイン」とは、お腹をへこませたり膨らませたりしてインナーマッスルを鍛えるトレーニングです。

椅子に座って腹式呼吸を意識して、息をゆっくり15秒くらい吐きながらお腹をへこませ、その後息を吸いながらお腹を膨らませます。

お腹の筋肉を使って、へこませたり、膨らませたりすることで腸に刺激を与えます。息を吐いてお腹をへこませるときに使う筋肉が「腹横筋」というお腹の一番深い箇所にあるインナーマッスルで、これを使うことで腸に刺激を与えることができます。「ドローイン」は入浴中におこなうとさらに効果が高まります。

また、湯船の外で腹部に温かいシャワーと冷たいシャワーを交互にかける方法も、腸を収縮したり弛緩させたりして「便秘」を改善する一つの方法です。

「肩の上げ下げ」で肩こり&猫背を改善

また、寒さでひどくなる症状に「肩こり」があります。

「肩こり」は、1年中多い症状ですが、寒くなると肩をすくめることが多くなるために「肩こり」の人が更に増えます。

肩をすくめるときに使う筋肉が「僧帽筋」や「肩甲挙筋」です。

これらの筋肉は首と肩甲骨をつなぐ筋肉なので、肩のこりだけではなく、首のこりも引き起こします。

「肩こり」を改善するのにおすすめなのが、「肩の上げ下げ運動」です。

普段から肩が上がっている人は非常に多いので、積極的に肩を下げることが重要になります。

息を吸いながら肩をすくめ、息を吐きながら肩を下ろす運動を繰り返してください。ここで注意していただきたいのが、息を吐きながら肩を下ろした際に、単に肩を下ろすだけではなく、肩を下ろしながら両方の肩甲骨を寄せるということです。

肩甲骨を寄せる筋肉を「菱形筋」といいます。猫背で姿勢が悪くなっている人は、この筋肉が弱っているために肩甲骨が外側に開いてしまい猫背になります。肩甲骨を寄せるよう意識すると徐々に猫背は解消していきます。

そして肩甲骨周辺には、褐色細胞と呼ばれる代謝を促す細胞が多く存在しているので、肩甲骨周辺を動かすことによって代謝が上がりポカポカと温かくなってきます。またそれだけでなく、筋肉が弛緩するため血流が良くなり「肩こり」も改善できます。

寒い季節は様々な症状が引き起こされます。単に厚着をしたり、暖房を使ったりして体を温めるのではなく、筋肉の収縮と弛緩をうまく使って自らで体を温め、様々な症状を改善していきましょう。

山田 真
山田 真(やまだ・まこと)
柔道整復師、はり師、きゅう師。まほろば鍼灸整骨院院長 美骨痩身サロンBELUNA代表。 1972年生まれ、神奈川県横浜市出身。明治大学商学部、明治東洋医学院専門学校柔整学科、森ノ宮医療学園専門学校鍼灸学科卒業。「幸せは健康の上に成り立つ」という信条の下、大学卒業後は健康関連事業で人の生活に貢献している明治乳業株式会社(現 株式会社明治)に入社。入社4年を経過した頃、自分の独自色を活かして人の健康に貢献できないかと考え、脱サラして柔道整復師の資格取得を目指す。7年間修業した後、2009年大阪府吹田市に、まほろば鍼灸整骨院を開院。開院後、施術回数は16万回を超えるが、足元から全身につなげていく施術をおこない、足指を正しく使えるように調整したところ、患者さんの様々な不調が劇的に改善。遠方からも評判を聞きつけて多数の患者さんが来院。現在、来院する患者さんは筋肉の痛みだけではなく、内臓の不調、アトピー、頭痛、耳鳴り、めまい、姿勢矯正、産後骨盤矯正、発達障害、慢性疲労、自律神経失調症など多岐にわたる。2021年4月に『「足指」の力 体の不調がスッと消える3分つま先立ち体操』を出版。 まほろば鍼灸整骨院Facebook