【秋冬に要注意】コロナ禍自宅生活の中での皮膚搔痒症について
(※画像はイメージです/PIXTA)

コロナ禍でのステイホームで、心当たりがないのに急性蕁麻疹になった方、アトピーではないのに慢性蕁麻疹が続いている方が多くいます。このような蕁麻疹が発症してしまう原因や、予防方法についてみていきます。

目次

  1. コロナ禍で蕁麻疹の発症が増えている
  2. 今までは大丈夫であっても突然アレルギー反応が出るときもある
  3. 普段の生活でアレルギー反応を起こさないためには
  4. ストレス社会では、免疫力が大切
  5. 少しでもかゆみが出たときは医師に相談を

コロナ禍で蕁麻疹の発症が増えている

コロナウイルスの影響で長期間自宅学習する子どもや自宅待機でテレワークに励む会社員が増えました。そして宅配による食生活で一日のほとんどを自宅で過ごす方が増えています。

コロナ禍での限定された生活のなかで、何の覚えもないのに急性蕁麻疹が発症する方やアトピー性皮膚炎でもないのに慢性蕁麻疹が続いてどこの皮膚科に行っても症状が改善しなくて困っている方も多数います。

蕁麻疹と呼べるものはいくつもの種類があり、ネットを検索しても混乱することが多いです。それに対して少しでもお役に立つ説明が出来ればと思います。

今までは大丈夫であっても突然アレルギー反応が出るときもある

自然界には多種多様に反応する物質が存在し、今までは食べても問題なかった食べ物でも、あるときから突然アレルギーを引き起こすことがあります。

生活のなかでのアレルギー反応で言えば「口、鼻、目、皮膚から吸入されるもの」「生活のなかで口から摂取したもの」「それ以外としてラテックス(食器を洗うときのゴム手袋など)」がよく知られています。

とくにラテックス・フルーツ症候群と言われる反応はアボカド、クリ、バナナ、キウイなどの、ラテックスと交差抗原性を持つ食べ物を食べることで口唇や皮膚、胃腸に過剰反応を引き起こすことで知られています。

普段の生活でアレルギー反応を起こさないためには

本来家庭内でのかゆみはマンションなどの閉鎖空間によるハウスダストの浮遊と蓄積に由来します。しかし、それに加えて現在では室内でのペット(犬、猫)がその状態を助長します。

他にも万年床と化したベッドでの生活、何年も使っている枕、幼少期より大切にしていたぬいぐるみなどが原因のことがあります。

原因となるホコリを解消するのは難しいですが、身体を出来るだけ清潔を保つ努力が必要です。肌を保湿することや皮膚体温の上昇を防ぐことで、かゆみの元になるヒスタミンの遊離を防ぐことに繋がります。清潔を保ち、体温を上げ過ぎないように努めることが基本的なアドバイスになります。

ストレス社会では、免疫力が大切

ここ10年ほど前よりスギ花粉症で来院する患者さんのIgE抗体を測定すると正常な人が多く尚且つ原因物質(アレルゲン)が明確でない患者さんが増加しています。

つまり首筋にかく汗によるコリン性蕁麻疹や子どもに多い「かゆい」という感覚が強く反応する感覚過敏性蕁麻疹が増加していると思われます。

また、ストレスを貯めると心身に何らかの異常が発生することはよく知られています。その変調を防ぐためには免疫力を高めるのが重要とされているのです。

たとえば腸内細菌叢の改善など、いくつか方法が分かっていますが、劇的に改善する方法を見つけることは簡単ではありません。自分に合った抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤を探して健康維持を見つめ直すと皮膚のかゆみも解消することでしょう。

少しでもかゆみが出たときは医師に相談を

以上を考えると今後地球の温暖化に伴い紫外線被害も発生し、個人の体温上昇頻度も多くなります。常時汗をかくことが多い場合、皮膚の表皮細胞がダメージを受ける頻度が看過出来ない状態になるでしょう。

さらに大気汚染が続けば環境の変動から気象気候の変化と相まって汚染物質の拡散が地表にすむ我々住民に多岐にわたる影響が生じます。

例示すると現在でも晴れた日にはスギ花粉症状が出ない患者さんが、雨の日に濡れたら鼻づまりや顔面の皮膚症状の悪化を生ずる人がいることを考えると、雨のなかに影響するダストが含まれていると言うことです。

もしそのようにちょっとした傾向を認めたら躊躇せず近隣の医師に相談されることをお勧めします。話をよく理解して対応してくれるお医者さんを見つけてストレスの少ない生活を送って下さい。

加川 正
加川 正(かがわ・せい)
巣鴨医院 院長
麻酔専門医
1953年生まれ。1983年帝京大学医学部卒。日赤医療センター、国立病院などを経て、帝京大学附属病院に勤務。1992年より巣鴨医院を開院。地域医療に携わる傍らペインクリニック・アレルギー内科を含む総合診療科を開設。施設として消炎鎮痛剤、局所麻酔薬、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、降圧剤、睡眠導入剤等の治験に参加現在に至る。
最近は美容形成外科、口腔外科、スキンケア施設等で産業医の立場からショック時対策としてAED、I-GelとAmbuを用いた蘇生法に関しての啓蒙活動を実践している。