(画像=PIXTA)

腰痛などの体の不調が「突然やってきた」「心当たりがない」という患者さんは多いです。「心当たりのない体の不調」はスポーツなどのケガよりも厄介です。なぜなら、その多くが患者さんが何気なく行っている「悪い習慣」が原因だからです。完治させるためには生活習慣の見直しが欠かせません。ここでは、普段は気にも留めないようなことが実は不調の原因になっていた…そんなケースを紹介していきます。

目次

  1. 「生活習慣から生じる不調」は原因がわかりにくい
  2. 子どもに食べさせるため「体を左にひねって」いたら、腰痛発症
  3. 小さいお子さんがいる方は「寝る位置」にも要注意
  4. 「普段どんな位置で過ごしているか?」は想像以上に重要

「生活習慣から生じる不調」は原因がわかりにくい

私が患者さんに問診するうえで一番大切にしていること。それは、患者さんの不調の原因をしっかりと聞き出すことです。問診票に不調の原因を書く項目があるのですが、多くの患者さんは「原因がわからない」という箇所にチェックをつけています。何となく痛くなった、徐々に痛くなった、急に痛くなった…と痛みが発生する経緯はそれぞれですが、不調の直接の原因はわからないという場合が非常に多いです。

しかし原因をきちんと究明しておかないと、なかなか症状は完治しません。私がそのとき施術をして患者さんの症状が治まったとしても、患者さんが日常生活の中で不調の原因になるようなこと繰り返してしまったら、またすぐに再発することになってしまうからです。

患者さんの体をチェックしていくと、体の歪み方や筋肉のバランスなどからその患者さんの生活習慣が見えてきます。そこから紐解いて、私のほうから患者さんに、「こんなことをしていませんか」と深堀りして質問していきます。この深堀りから原因が明らかになることが非常に多いのです。「そういえば痛くなる前にこんなことをしました」とか、「なぜわかったのですか?」という答えが返ってくるのです。

スポーツをしていて痛めた場合など、明らかに原因がわかっているときは患者さんも問診票に原因を書いてくれますが、毎日の習慣の積み重ねが不調につながった場合は、深堀りして質問しないと原因は迷宮入りしてしまうことが多いのです。

気付かないうちに不調をきたす生活習慣はたくさんあります。しかし患者さんにとっては、それが体にとって悪いことだと気づいていないことも珍しくありません。

そこで今回から数回にわたり、気付かぬうちに不調に陥る日常生活の習慣をシリーズでお伝えします。毎日何気なく行っていることが、体に不調を引き起こすこともあるので、皆さんもこの機会に一度確認してみてください。目からウロコといったこともあるかもしれません。

普段気にも留めていないことだと思いますが、日常的に自分の座る位置、寝る位置などが、実は体に不調をもたらしているというケースは多いのですよ。

子どもに食べさせるため「体を左にひねって」いたら、腰痛発症

まずは、ある若いお母さんの例を挙げます。

腰痛で来院したこのお母さんには、まだ自力では食事できない小さなお子さんがいました。それゆえ、そのお母さんは食事のたびにお子さんの横に座って、長い時間をかけて食べさせてあげていました。このとき、自分が座る位置はいつもお子さんの右側でした。

つまり、その患者さんは食事のときは常に体を左にひねって、お子さんにご飯を食べさせていることになるのです。1日3食毎日のように時間をかけてこの動作を繰り返すとどうなるでしょうか。左方向に何度も体をひねることで、体が左にねじれた状態で固まってしまうのです。

この患者さんは腰痛を発症して来院されたのですが、自分では腰痛の原因はわからないとおっしゃっていました。そこで小さなお子さんがいるという情報をもとに、私が「食事の際、常にお子さんに対して同じ方向に体を向けて座っていませんか」という質問を投げかけてみたところ、常にお子さんの右側に座って長時間かけて食事を食べさせているということが判明したのです。

そこで、いつもお子さんの右側に座るのではなく、日によっては左側に座って食事をするように提案したところ、腰痛が改善しました。 この患者さんのように、大抵の方は食卓での座る位置が決まっていると思います。しかし、常に同じ方向に体をひねると徐々に体のねじれが常態化し、ついには痛みを引き起こすことがあるということを覚えておいてください。

小さいお子さんがいる方は「寝る位置」にも要注意

また、小さいお子さんがいる方は、寝る位置にも気をつけなくてはいけません。小さいお子さんと一緒に寝る場合、大抵の場合お子さんの方を向いて横向きで寝ることが多いと思います。

ということは、自分の寝ている向きがいつも同じなので、体の「圧迫される側」も同じになっているということです。

先日来院された患者さんも、まさにこのパターンでした。

お子さんに授乳をしたり、布団をかけたりすることで、決まってお子さんのいる左側を向いて寝ているとのことでした。その結果、左腕にしびれと鈍痛が出るようになり、時間が経過しても治らないので来院されました。

施術をした後で、この患者さんにも常に同じ向きで寝るのではなく、日によってお子さんの左側に寝るようにアドバイスをしたところ、次に来院されたときには、「前回の治療からまったく症状が出なくなりました」と喜んで話してくれました。

「普段どんな位置で過ごしているか?」は想像以上に重要

小さいお子さんがいない場合でも似たようなケースは起こります。

たとえば、家で普段自分が座っている位置の右側にテレビがあり、その位置から毎日長時間テレビを見ることで、体がねじれて腰に痛みが出た患者さんも過去に何人かいました。この場合は、テレビを正面にすることで痛みは出なくなったのです。

このように普段自分がいる位置によって不調につながること は多々あります。毎日の習慣ゆえに、それが不調の原因になっているとは気づかずにずっと不調が改善されないということが多いのです。

長年不調が続いている人は、一度生活をしている中での自分の位置関係を見直してみてください。

山田 真
山田 真(やまだ・まこと)
柔道整復師、はり師、きゅう師。まほろば鍼灸整骨院院長 美骨痩身サロンBELUNA代表。 1972年生まれ、神奈川県横浜市出身。明治大学商学部、明治東洋医学院専門学校柔整学科、森ノ宮医療学園専門学校鍼灸学科卒業。「幸せは健康の上に成り立つ」という信条の下、大学卒業後は健康関連事業で人の生活に貢献している明治乳業株式会社(現 株式会社明治)に入社。入社4年を経過した頃、自分の独自色を活かして人の健康に貢献できないかと考え、脱サラして柔道整復師の資格取得を目指す。7年間修業した後、2009年大阪府吹田市に、まほろば鍼灸整骨院を開院。開院後、施術回数は16万回を超えるが、足元から全身につなげていく施術をおこない、足指を正しく使えるように調整したところ、患者さんの様々な不調が劇的に改善。遠方からも評判を聞きつけて多数の患者さんが来院。現在、来院する患者さんは筋肉の痛みだけではなく、内臓の不調、アトピー、頭痛、耳鳴り、めまい、姿勢矯正、産後骨盤矯正、発達障害、慢性疲労、自律神経失調症など多岐にわたる。2021年4月に『「足指」の力 体の不調がスッと消える3分つま先立ち体操』を出版。 まほろば鍼灸整骨院Facebook