虫歯によって頭痛が起きる理由とは?その原因と対処法を紹介
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虫歯と聞くと歯の痛みを想像しますが、頭痛を伴うケースもあります。具体的な原因は複数考えられるため、原因の特定には頭痛以外の症状も重要です。また、歯周病や顎関節症などは虫歯による痛みと勘違いしやすい上に、頭痛を感じることもあるのであわせて注意してください。虫歯によって頭痛が起きる理由とその対処法をまとめました。 

目次

  1. 虫歯によって頭痛が起きた場合に考えられる原因
    1. 歯髄炎
    2. 歯性上顎洞炎
    3. 根尖性歯周炎
  2. 虫歯による痛みと混同しやすく頭痛も伴う病気・症状
    1. 歯周病
    2. 顎関節症
  3. 虫歯による頭痛は「緊張型頭痛」の可能性もある
    1. 虫歯で緊張型頭痛が起こる理由
    2. 緊張型頭痛の主な症状
  4. 虫歯による頭痛の対処症|頭痛薬は飲むべき?
  5. 虫歯やそれに伴う頭痛で死亡するケースはある?

虫歯によって頭痛が起きた場合に考えられる原因

虫歯によって頭痛が起きたときに考えられる原因には、次のようなものがあります。

【虫歯による頭痛で考えられる原因】

  • 歯髄炎
  • 歯性上顎洞炎
  • 根尖性歯周炎

歯髄炎

歯髄炎は、歯の中心部にある歯髄(しずい)で起こる炎症です。歯髄には神経、血管が通っており、炎症が起こるとひどい痛みを感じることもあります。歯髄炎の主な原因は虫歯の放置で、歯髄が壊死してしまっている場合は、根管治療で歯髄を取り除く必要も出てくるので注意してください。

軽症の段階で治療によって炎症を鎮められるものは「可逆性歯髄炎」と呼ばれる一方で、痛みを止めるために抜髄や抜歯が必要なものは「不可逆性歯髄炎」に分類されます。

初期ではしみを感じる程度ですが、症状が進行した場合、激しい痛み・常時の痛み・頭痛などの症状が現れます。

歯性上顎洞炎

歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)とは、虫歯や歯周病を原因として起こる「上顎洞」での炎症です。特に上顎の歯は上顎洞と近いため、そこの虫歯を放置していたり、虫歯などの治療が不十分だったりすると細菌が上顎洞まで広がり炎症を起こします。

鼻を経由して細菌が侵入し上顎洞炎になるケースもありますが、口から細菌が侵入して上顎洞炎になるケースの侵入経路は歯になります。主な症状としては歯の痛みに加えて、頭痛・頬の辺りの痛み・鼻水・鼻詰まり・発熱などが挙げられます。

また、鼻水などの症状は原因となっている歯と同じ側で出やすいです。症状によっては抜歯や鼻の手術も必要になるため、早めに専門医に診てもらいましょう。

根尖性歯周炎

根尖性歯周炎とは、主に神経を取ったあとの歯にみられ、根の先端付近に膿がたまって痛みを引き起こす病気です。

通常、歯が原因で痛みが出る場合はその歯だけが痛むのですが、痛みの症状が強いと頭まで痛くなってきます。歯からの痛みの情報が多くなりすぎると神経が混乱して頭まで痛く感じてしまうのです。

虫歯による痛みと混同しやすく頭痛も伴う病気・症状

虫歯が直接の原因ではありませんが、歯周病や顎関節症で頭痛が起きることもあります。虫歯による痛みと間違いやすいため、症状によってはいずれかが原因であることも疑われます。

歯周病

歯周病は歯茎に炎症が起きたり、歯を支える骨が溶けたりする病気です。

歯周病には「歯肉炎」と「歯周炎(歯槽膿漏)」の2種類があり、最初は歯と歯肉の間の炎症(歯肉炎)から始まり、症状が悪化すると骨にまで影響のある歯周炎へと進行します。

歯周病になると虫歯に似た歯の痛みに加えて、歯茎からの出血・頭痛・肩こりなども主な症状です。

ただし、自覚症状があまりないケースもあるため注意しましょう。

顎関節症

顎関節症の主な症状は、顎の痛み・口が開かない・口を動かした際に音が出るなどです。しかし、顎や口だけでなく、頭痛、肩や首のこり、めまい、吐き気といった症状が表れることもあります。

また、虫歯があると片側だけで噛む癖もつきやすく、顎関節症のリスクが上がるため注意してください。

虫歯による頭痛は「緊張型頭痛」の可能性もある

頭部に疾患がないにも関わらず起こる頭痛は「機能性頭痛」に分類され、その一種が「緊張型頭痛」です。緊張型頭痛は筋肉の緊張によって起こる頭痛であり、虫歯がその一因となるケースもあります。

虫歯で緊張型頭痛が起こる理由

虫歯があると片側だけで噛むことが多くなり、それによって噛み合わせにずれが生じることもあります。そのずれが原因となり、筋肉にこりが生じて、緊張型頭痛に繋がります。

緊張型頭痛の主な症状

緊張型頭痛の主な症状としては次の3つが挙げられます。

【緊張型頭痛の主な症状】 ・後頭部の痛み ・肩こり ・吐き気

後頭部の痛み
機能性頭痛には「片頭痛」もありますが、片頭痛は片側どちらか、もしくは両方でズキズキと痛むのが特徴です。

一方、緊張型頭痛は後頭部全体に締め付けられるような痛みを感じます。 ただし、緊張型頭痛と片頭痛は併発することもあるので、そのときの症状にあわせた対処が重要です。

肩こり
緊張型頭痛になる場合、首や肩の筋肉が緊張しているため、肩こりの症状もあることが多いです。 「同じ姿勢を取り続ける」「うつむいて作業をすることが多い」といったケースでは、首や肩が緊張しっぱなしになります。

適度にストレッチしたり、ゆっくり入浴したりして、血流を良くしましょう。

吐き気
片頭痛と共通の症状ですが、緊張型頭痛でも吐き気を感じることがあります。ただし、片頭痛と比べて吐き気の症状は少なく、嘔吐することもほぼありません。そのため、強い吐き気や嘔吐があった場合は、片頭痛などのほかの原因も疑いましょう。

虫歯による頭痛の対処症|頭痛薬は飲むべき?

虫歯によって頭痛が起きている場合、市販の頭痛薬・痛み止めを服用してもかまいません。しかし、虫歯が原因であるなら、その虫歯の治療が重要です。また、噛み合わせに問題が起きている場合は、あわせてその治療も受ける必要があります。

頭痛薬は頭の痛みを一時的に抑えるにすぎません。必ず歯科医院で原因となっている歯の治療も受けてください。

虫歯やそれに伴う頭痛で死亡するケースはある?

ここまで説明してきたように、虫歯を放置していると歯への影響だけでなく、さまざまな病気に繋がることがあります。

虫歯そのもので死亡することはありませんが、脳梗塞や心筋梗塞といった病気のリスクを高めることは十分あります。また、口内における炎症も、その程度によっては菌が全身に広がり、命にかかわることもあります。

頭痛を伴う歯の病気もありますが、基本的には別々のものと考えた方が良いので、安易に歯に関連した痛みと自分で判断するのではなく、医師、歯科医師の診断を受けるようにしましょう。

重永基樹
重永基樹
1999年愛知学院大学歯学部卒
2002年哲学堂デンタルクリニック開院
歯科医院運営の他、老人ホームやデイサービス、訪問看護等の介護事業、歯科医師向けコンサルティング業、人材派遣会社の運営などを行う。

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