歯ぎしりを治すには?歯科医院での治療法と自宅でできるケア方法
(画像=Adobe Stock)

歯ぎしりは寝ているときに頬の筋肉に力が入ることで起きますが、治すには原因を知ることが重要です。歯ぎしりはストレスなども原因となります。また、病気で歯ぎしりが起こることもあるため、病院での治療が必要なケースもあります。歯ぎしりを治すための病院での治療法と自宅できるセルフケアについてまとめました。

目次

  1. 歯ぎしりを治すには原因を知ることが重要
    1. ストレス
    2. 噛み合わせ・骨格の問題
    3. 日常での習慣
    4. 病気
  2. 歯ぎしりを治すには?病院での主な治療法
    1. ナイトガード(マウスピース)の使用
    2. 咬合調整・歯列矯正
    3. 筋肉の緊張を緩和する薬
  3. 自宅でできる歯ぎしりを治すための簡単セルフケア
    1. ストレスを溜め込まず、適度に発散する
    2. 頬の筋肉をマッサージする
    3. 枕の高さを調整するなどして睡眠の質を高める
  4. 子どもの歯ぎしりは治す必要がない?
  5. 歯ぎしりを治すには生活習慣の改善も重要|症状の緩和にはマウスピースが有効

歯ぎしりを治すには原因を知ることが重要

歯ぎしりは頬の筋肉である「咬筋(こうきん)」に力が入ることで起こる症状です。眠りが深い時間帯は筋肉の動きが抑制されるため、歯ぎしりは起きにくいものの、眠りが浅いと無意識に力が入ってしまいます。

歯ぎしりといえば「ギリギリ」と歯を擦り合わせるのをイメージするかもしれませんが、これは「グラインディング」という歯ぎしりの一種で、そのほかにも「クレンチング」(食いしばり)や「タッピング」(上下の歯をカツカツと当てる)などの種類があります。

ただ、いずれのタイプでも歯への影響はあるので注意が必要です。

上記のような歯ぎしりが起こる原因は複数あり、症状を改善するためには原因を知ることが重要になります。

主な歯ぎしりの原因は以下の4つです。

【歯ぎしりの主な原因】
①ストレス
②噛み合わせ・骨格の問題
③日常での習慣
④病気

ストレス

日々の生活でストレスが蓄積している場合、歯ぎしりは起きやすくなります。ストレスは誰しも少なからず感じるものなので、ほかの原因に該当しないならストレスが原因になっている可能性は高いです。

また、歯ぎしりはその溜まったストレスを発散するための反応だともいわれています。

噛み合わせ・骨格の問題

骨格や歯並びなどで噛み合わせが悪い場合も歯ぎしりは起きやすいです。加えて、噛み合わせの悪さが、歯ぎしりを悪化させるケースもあるので注意してください。

噛み合わせで歯ぎしりが起きている場合、噛み合わせの調整が有効です。自分で噛み合わせの調整をすることはできないため、歯科医院などで相談しましょう。

日常での習慣

普段から歯を食いしばる習慣のある場合、それが原因で夜寝ている間に歯ぎしりしているケースもあります。

よく例として挙げられるのはプロのアスリートです。スポーツをするときは力を出すために、歯を食いしばることも多く、生活の中で奥歯に力の入っている時間は長くなります。

スポーツ選手以外でも力仕事が多い人は、食いしばることが習慣になっている可能性があるので注意しましょう。

また、前述のストレスとも関連しますが、デスクワークであっても歯の食いしばりが習慣になっていることはあります。

仕事によっては仕方のない面もあるものの、日常生活で歯、顎に力が入っていないか意識的にチェックしてみてください。

加えて、アルコール、ニコチンなども歯ぎしりの原因になるため、普段から飲酒や喫煙の習慣がある人は特に注意が必要です。

病気

歯ぎしりの原因になる病気には次のようなものがあります。

【歯ぎしりの原因になる病気】

  • 逆流性食道炎
  • 睡眠時無呼吸症候群

先ほども説明しましたが、睡眠が浅くなることで、歯ぎしりは起こりやすくなります。以上のような病気で睡眠が浅くなることもあり、歯ぎしりの原因となっている可能性もあります。 病気が原因の場合は、歯ぎしりを治すだけでなく、原因である病気の治療も重要です。

歯ぎしりを治すには?病院での主な治療法

歯ぎしりは、歯が磨耗したり、欠けたりするだけでなく、歯肉炎や歯周病、顎関節症などを引き起こすこともあります。そのため、歯ぎしりの症状があるときは、早めに歯科医院などに相談して治療しましょう。

以下の3つが医療機関での主な治療法です。

【歯ぎしりの主な治療法】

  • ナイトガード(マウスピース)の使用
  • 咬合調整や歯列矯正
  • 筋肉の緊張を緩和する薬

ナイトガード(マウスピース)の使用

ナイトガードは歯ぎしりによる歯の擦り減り、インプラントなどへの影響を軽減するために睡眠時に装着するマウスピースです。歯ぎしりそのものを治すわけではありませんが、歯ぎしりでかかる歯への負担を軽減することができます。

また、歯ぎしりは歯だけでなく、歯茎や顎にも影響があります。

例えば、歯ぎしりは歯周病や顎関節症などの原因のひとつです。中長期的には歯ぎしりをなくすことも重要ですが、まずは歯や顎への負担を減らし、症状が悪化したり、別の症状が発症したりするのを防ぎましょう。

このような治療法は「顎関節症の治療」と呼ばれ、歯ぎしりの治療法としては一般的です。

ナイトガードの装着は歯ぎしりの音も軽減するため、一緒に寝る人のストレスの緩和にも役立ちます。ナイトガードの作成は保険の適用となっています。

咬合調整・歯列矯正

噛み合わせが歯ぎしりの原因となっている場合、咬合調整が有効です。咬合調整で噛み合わせを良くすることで、歯ぎしりが治るケースもあります。また、歯並びが悪い場合は歯列矯正も検討しましょう。

筋肉の緊張を緩和する薬

歯ぎしりは頬の筋肉が緊張することで起きるため、その緊張を緩和する薬で治療することもあります。

筋肉の緊張を緩和する薬は、例えば、筋弛緩剤のジアゼパムやメトカルバモールなどです。そのほかにも効果が報告されている薬はありますが、依存性や副作用などには注意する必要があります。

専門医と十分に相談した上で検討しましょう。

自宅でできる歯ぎしりを治すための簡単セルフケア

歯ぎしりは歯科医院での治療が有効です。ただ、自宅でできるセルフケアもあるので、比較的、症状が軽い場合、もしくは予防には次のような方法も試してみてください。

【自宅でできる歯ぎしりのセルフケア】

  • ストレスを溜め込まず、適度に発散する
  • 頬の筋肉をマッサージする
  • 枕の高さを調整するなどして睡眠の質を高める

ストレスを溜め込まず、適度に発散する

繰り返しになりますが、ストレスも歯ぎしりの原因になります。できるだけストレスを溜めないように心がけ、溜まったストレスから解放されるような趣味の時間、ゆっくりと休める休息の時間を作りましょう。

頬の筋肉をマッサージする

頬の筋肉の緊張した状態が長く続いていると歯ぎしりは起きやすいです。そのため、頬の筋肉をマッサージして、緊張をほぐしましょう。

マッサージは力を強く入れず、優しく指の先や腹を使って行ってください。咬筋のマッサージはその周りの筋肉を緩める効果もあります。

また、口の中から歯ぎしりに関係する筋肉をほぐすマッサージもありますが、その場合は、口内を傷つけないように事前に爪を短く整えておきましょう。

枕の高さを調整するなどして睡眠の質を高める

歯ぎしりは睡眠の浅いときに起きやすいため、睡眠の質を高めることも重要です。

睡眠は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」を交互に繰り返します。それぞれには眠りの浅い時間帯があり、そのときに不要な力が入り、歯ぎしりが起こってしまいます。

逆にしっかりと熟睡していれば歯ぎしりは起こりにくいので、眠りを浅くするような習慣は止め、睡眠環境を整えましょう。

例えば、枕の高さが高すぎたり、低すぎたりして合っていないと、眠りは浅くなりやすいです。また、寝返りの回数が少なく、同じ姿勢が長時間続くのも良くありません。

寝る前の習慣に関しては、飲酒や喫煙が眠りを浅くします。アルコールやタバコの成分には覚醒作用のあるものも含まれていて、常習的に喫煙している人、寝酒の習慣がある人は特に注意してください。

そのほかには、就寝前のパソコンやスマホの使用も眠りの深さに影響することがあります。

もし普段から眠れていなかったり、該当する習慣があったりするなら、睡眠の質を高める工夫をしましょう。

「就寝の直前に食事をしない」「適度な運動」「規則正しい生活リズム」「起床後に朝日を浴びる」「就寝の90分程度前に入浴する」などは睡眠の質を高める上で有効です。

子どもの歯ぎしりは治す必要がない?

歯ぎしりをするのは大人だけではありません。子どもでも歯ぎしりをすることはあります。

ストレスや歯並びなどが原因の可能性もありますが、子どもの場合、乳歯から永久歯への生え変わりに伴う不快感から歯ぎしりが起こることも多いです。

その場合、永久歯へと生え変われば、歯ぎしりも治ります。そのため、症状がひどくないようであれば様子を見ても構いません。

長く症状が続く場合、歯ぎしり以外の症状もある場合は、歯科医院で相談するようにしてください。

歯ぎしりを治すには生活習慣の改善も重要|症状の緩和にはマウスピースが有効

歯ぎしりはストレスや日々の生活習慣が原因で起こることも多いため、ストレスを溜め込まず、熟睡できるようになると症状も治る可能性があります。

ただ、すでに歯ぎしりの症状がある人、家族などから指摘された人は、歯科医院で相談することも重要です。

症状の重さによっては歯や顎への負担が重く、歯が擦り減ったり、顎関節症になったりすることもあるため注意してください。

マウスピースは歯ぎしりによる歯、顎への負担を減らすのに有効なので、症状に応じて医療機関の受診も検討しましょう。

飯田 聡
飯田 聡
《経歴》
鶴見大学歯学部 卒業
東京歯科大学病院臨床研修 修了
東京歯科歯科大学病院 勤務
都内歯科医院 分院長
大型医療法人 勤務
四ツ谷デンタルオフィス 開院

《所属学会》
日本顎咬合学会
日本口腔インプラント学会
インプラント 臨床研究会
Clear Smile Academy
インビザラインドクター
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