寝ても寝ても眠い…女性ならではの原因や病気について
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寝ても寝ても眠い…たくさん睡眠時間を確保しているはずなのに、日中何度も居眠りをしてしまうと悩みを抱えていませんか。一体どうしてこれほどにまで眠気が襲ってくるのかと悩んでいる人は多いでしょう。実は、 寝ても寝ても眠いことには、女性ならではの原因や病気が関わっています。さっそく、解説していきます。

目次

  1. 寝ても寝ても眠い…女性ならではの考えられる原因と対処法
    1. 生理前~生理中の女性ホルモンの変化
    2. 生理後の貧血
    3. 妊娠
    4. 女性の更年期
  2. 寝ても寝ても眠い…日常生活の原因と対処法
    1. ストレス
    2. 質の良い睡眠がとれていない
  3. 寝ても寝ても眠いのは病気が原因の可能性も
    1. 睡眠時無呼吸症候群
    2. ナルコレプシー、特発性過眠症
    3. うつ病
  4. 寝ても寝ても眠い…病院を受診すべき?
  5. まとめ

寝ても寝ても眠い…女性ならではの考えられる原因と対処法

寝ても寝ても眠いというのは、女性によくあることです。なぜなら、この原因のひとつが女性ホルモンの影響によるものだからで、妊娠や出産、月経などによるホルモン量の変化に伴う症状として、眠気があるからです。次で詳しく見ていきましょう。

生理前~生理中の女性ホルモンの変化

女性には月経があり、1ヶ月の間で女性ホルモンの分泌量が大きく変化します。 排卵後、生理を迎えるまでの期間を黄体期といいますが、この黄体期にはプロゲステロンという女性ホルモンの分泌が盛んになり、これが眠気を強くします。 しかし一方で、プロゲステロンが不眠の原因となることもあります。眠りにつく前には体温が下がりますが、プロゲステロンが体温を高くするために寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることが起こるのです。 寝不足の状態が続くと日中眠くなりやすく、さらに体温が高いために頭や体がボーッとしてしまい、寝ても寝ても眠いと感じるのです。

生理後の貧血

生理前に眠くなるのは、ホルモンの働きによるもので、生理が終わればもとに戻ります。しかし人によっては、生理が終わってもひどい眠気を感じることがあります。 これは、生理後に貧血状態になっていることで起こるものです。 生理中は子宮に血液が集まりやすく、たくさんの経血が排出されることで、貧血になりやすい状態です。貧血になると寝ても寝ても眠いと感じたり、だるさや疲労感が抜けなかったりと、体調を崩しやすくなります。

妊娠

妊娠すると、妊娠の状態を継続するために女性ホルモンのプロゲステロンが多く分泌されます。 プロゲステロンは排卵後、生理前にも多く分泌される女性ホルモンで強い眠気を引き起こしますが、妊娠初期ではその状態がずっと続くため、引き続き寝ても寝ても眠いということになるのです。 実際に、妊娠の初期症状として多くの女性が強い眠気やだるさを感じています。 この「寝ても寝ても眠い状態」は、妊娠初期だけであることが多く、妊娠中期や後期になってくると徐々におさまってきます。

女性の更年期

更年期とは、閉経を挟んだ前後約10年間のことを指します。 40代から50代で更年期を迎える人がほとんどですが、中には、20代や30代など若い年代の人でも更年期のような症状が現れる人がいます。

閉経に伴って女性ホルモンの分泌量が低下すると、ホルモンのバランスが乱れ、眠りが浅くなったり、不眠になったり、睡眠障害が起こりやすくなります。こうして睡眠不足となるために日中眠くなりやすく、寝ても寝ても眠いと感じるようになるのです。 ホルモン量の低下は自律神経の働きにも悪影響を与え、精神的に不安定になったり、ホットフラッシュやのぼせがを感じたりするようになり、ひどい人は日常生活に支障をきたすような重い症状に悩まされることもあります。 更年期のさまざまな症状を改善するには、ホルモン補充や漢方の服用などが有効です。

寝ても寝ても眠い…日常生活の原因と対処法

寝ても寝ても眠い場合、日常生活に原因がある場合もあります。日常生活にある原因と対処法についてご紹介します。

ストレス

強いストレスは、自律神経に悪影響を与え、体を不調にさせます。 眠りが浅くなったり眠れなくなったり、睡眠を妨げる原因にもなり、寝不足から気力の低下や慢性的な疲労感などを覚えるようになるのです。

女性の社会進出により、夫婦共働きという家庭が当たり前になった現代であっても、家事や育児は未だ女性に大きな負担がかかりがちです。 仕事、家事、育児に加え、生理、妊娠・出産、更年期などによるホルモンの急激な変化によりプレッシャーから、ストレスを溜め込みやすいといえるでしょう。

ストレス解消のためには、何ごとも抱え込まずに周囲に助けを求めて頼ることが大切です。 また、少しでも自分のための時間を作って好きなことを楽しみ、うまく発散することもいいでしょう。自分なりの解消法を見つけることが改善に有効でしょう。

質の良い睡眠がとれていない

質の良い睡眠がとれていれば、寝ても寝ても眠いということはありません。ですから、寝ても寝ても眠い場合は、質の良い睡眠がとれていない証拠なのです。

人は寝ている間、深い眠りである「ノンレム睡眠」と比較的浅い眠りの「レム睡眠」を繰り返しています。寝ても寝ても眠い人は、ノンレム睡眠が不十分であるために、寝不足になっているのです。 質の良い睡眠のためには、単に睡眠時間を多く確保すればいいというわけではなく、いかに深い眠りにつくことができたかということが大切です。

質の良い睡眠をとるためには、規則正しい生活やバランスのとれた食事をして体の調子を整え、適度な運動で程よく体を疲れさせることです。 体をリラックスさせるために、寝る直前に飲食することはせず、入浴も寝る2時間前までにすませましょう。

寝ても寝ても眠いのは病気が原因の可能性も

寝ても寝ても眠いという場合は、病気が原因である場合もあります。 強い眠気が症状として現れる病気について解説します。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が止まったり浅くなったりを何度も繰り返すことで、体が低酸素状態になる病気です。 肥満の人や顎が小さい人など、もともと気道が狭い人がなりやすいといわれています。 睡眠時無呼吸症候群では眠りが浅くなりやすく、夜間突然目が覚めることもあり、本人も知らない間に寝不足になっているため、日中に強い眠気を感じやすくなります。 睡眠障害による体の不調や日中の強い眠気による事故などを起こすことがあるため、病院を受診して治療をすることが必要です。

ナルコレプシー、特発性過眠症

ナルコレプシーとは、突然強い眠気に襲われて、1日に何度も居眠りを繰り返してしまう病気です。夜に十分睡眠をとっていたとしても、車の運転中や仕事中など時間や場所に関わらず眠気が起こるため、日常生活に支障をきたすこともあります。 ナルコレプシーの居眠りは30分程度で、起きたときには多少の爽快感を覚えるといわれます。

特発性過眠症は、ナルコレプシーと同様、日中に強い眠気が突然起こり、居眠りを繰り返してしまう病気です。 ナルコレプシーとの違いは、居眠りが1時間位続くことと、目が覚めたときの爽快感がほとんどないことです。 10代半ばから20代と比較的若い世代で発症することが多く、原因は未だ明らかにされていません。

うつ病

うつは、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることにより、感情がうまくコントロールできなくなる気分障害です。 うつの症状はさまざまですが、そのひとつに、寝付きが悪かったり途中で起きてしまったり、睡眠が妨げられる症状があります。 睡眠不足によって日中に眠気を引き起こしやすくなるため、寝ても寝ても眠いと感じる様になります。

寝ても寝ても眠い…病院を受診すべき?

寝ても寝ても眠い場合は、夜にしっかり睡眠をとることができていない可能性が高いでしょう。 生理が終われば眠気がおさまるとか、生活習慣の改善やストレスの発散などによって眠気が改善されるのであれば、様子を見ていいかもしれません。 しかし、放置することで日常生活に支障をきたすようになることもあるので、気になる症状があれば早めに受診するようにしましょう。 月経や更年期になど、婦人科系が原因だと考えられるなら婦人科を、病気が疑われるなら精神科や心療内科を受診することがおすすめです。

まとめ

寝ても寝ても眠いというのは、女性ホルモンのバランスが変化しやすい女性によくあることです。日常生活を問題なく送ることができているなら、様子を見ていいでしょう。 ただし、いつもと明らかに違うと感じられる症状だったり、周囲の人に異常な居眠りを指摘されたりした場合は、受診が必要です。 原因を知って対処をすることで、日常を快適に生活することができるようになるので、早めに病院を訪れましょう。

佐久間一穂
佐久間一穂
経歴
昭和 35年 福島県生まれ
昭和 63年 秋田大学医学部卒業
平成 6年 東北大学第3内科入局
平成 8年 東邦大学心身医学研究室入局
平成 11年 聖路加国際病院心療内科医員・緩和ケア科副医長
平成 14年 横浜相原病院心療内科医長

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