夜になると咳が出るのはなぜ?その原因と止まらない咳の対処法
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「夜になると咳が出る」というケースは多いですが、それは自律神経や気温などの変化が原因のひとつだといわれています。夜になると出る咳を止めるにはどうすれば良いのでしょうか?咳を止める方法についてまとめました。また、夜に咳が出やすい病気についてもあわせて解説します。 

目次

  1. 夜になると咳が出る原因とは?
    1. 自律神経の変化
    2. 気温の変化と乾燥
  2. 服用している薬の影響で夜になると咳が出るケース
  3. 夜になると出る咳を止めるには?
    1. 室内の温度を適度に上げる
    2. 乾燥対策をしっかりと行う
    3. 水分補給をする
    4. 寝るときの姿勢を変える
    5. 寝具を清潔にしておく
    6. 市販の咳止めを服用する
  4. 「夜になると咳が出る」「咳が止まらない」ときに考えられる主な病気
    1. 風邪
    2. 咳喘息
    3. 気管支喘息
    4. 気管支炎
    5. COPD(慢性閉塞性肺疾患)
    6. 肺炎
    7. 肺がん
    8. インフルエンザ
    9. マイコプラズマ肺炎
    10. アトピー性咳嗽
    11. 逆流性食道炎
    12. 慢性心不全
  5. 子供が夜になると咳をする場合に注意すべきこと
  6. 夜になると咳が出る|長引く症状は病気の可能性もあるので注意

夜になると咳が出る原因とは?

日中は咳が出ないにも関わらず、夜間や就寝後、もしくは明け方にかけて咳が続くというケースは多いです。その理由は主に「自律神経の変化」と「気温の変化と乾燥」の2つだと考えられます。

自律神経の変化

夜になると咳が出る理由の1つ目は、自律神経の変化です。基本的に夜間は副交感神経が優位になり、筋肉の緊張は緩みます。それによって気管支が狭くなるので、交感神経が優位な日中よりも咳が出やすくなります。

気温の変化と乾燥

2つ目の理由は、気温の変化と乾燥です。夜間は日中よりも気温が下がりますが、冷えた空気は気管支を刺激します。また、乾燥も同様で、乾いた空気・冷たい空気は咳が出やすくなる原因です。

特に寒暖差の大きい季節の変わり目は寒暖差アレルギーを起こし、それで咳が出るケースもあります。

服用している薬の影響で夜になると咳が出るケース

前述の自律神経や気温など以外にも、服用している薬の影響で夜に咳が出るケースもあります。咳が出ることもあるのは、睡眠薬・抗アレルギー薬・高血圧に対する薬などです。 これらは副作用によって喉の渇きを生じさせることもあり、そうなると咳が出やすくなるので注意してください。

咳が気になっても薬の服用をやめられないケースもあるため、その場合は、次章で説明するような対策を取りましょう。

夜になると出る咳を止めるには?

夜になると咳が出る場合、次のような方法が対策になります。

【夜になると出る咳の対策】

  • 室内の温度を適度に上げる
  • 乾燥対策をしっかりと行う
  • 水分補給をする
  • 寝るときの姿勢を変える
  • 寝具を清潔にしておく
  • 市販の咳止めを服用する

室内の温度を適度に上げる

夜に咳が出る原因のひとつは冷気なので、適度に室内の温度は上げてください。寒い季節はエアコンなどで温度を調節しましょう。ただし、エアコンをつけっぱなしにすると、空気が乾燥します。そのため、暖房器具を使用するときは、あわせて乾燥対策も行うことが大切です。

乾燥対策をしっかりと行う

乾いた空気も気管支を刺激して、咳を誘発します。前述のとおり、暖房器具の多くは空気を乾燥させてしまうため、加湿器などを併用してください。

また、洗濯物を室内で干す、濡らしたタオルを干しておくなども湿度を上げるのには有効です。

加湿器の種類によっては、水を貯めておくタンクの中にカビが発生しやすいものもあります。 カビによって出る咳もあるので、加湿器は定期的に清掃を行って、清潔な状態をキープしましょう。

水分補給をする

喉の乾燥を防ぐためには水分補給も重要です。寝る前に水を飲んだり、いつでも水分補給できるように枕元にペットボトルを置いたりしておきましょう。

水分補給をするときは、冷水ではなく、常温の水にすると喉への刺激が少なくおすすめです。 また、口内の乾燥を防ぐには、息苦しさを感じなければマスクをするという方法もあります。

寝るときの姿勢を変える

寝ているときに咳がよく出る場合、姿勢を仰向けから横向きに変えてみましょう。 横向きになることで気道が確保され、呼吸は楽になります。

呼吸しやすくなることで咳が減るケースもあるので、一度試してみてください。

寝具を清潔にしておく

夜になると咳が出やすくなるのは、寝具が原因の可能性もあります。

頻繁に洗うことのできない寝具はダニや埃などが溜まりやすく、それらがアレルゲンになって咳が出ます。

毎日洗うのは難しいですが、布団用のクリーナーを使ったり、天日干ししたりしましょう。 寝具を清潔に保つことで、咳が治るケースもあります。

市販の咳止めを服用する

出ている咳を止めるには、市販されている薬を服用するという方法もあります。

咳の原因を直接取り除けるわけではありませんが、今出ている咳の症状には効果があります。 ただし、咳の原因によっては、薬を飲んでも咳が止まらないケースもあるので注意が必要です。

市販の咳止め薬を服用するときは説明書をしっかりと読み、効果がないときは医療機関を受診するようにしてください。

「夜になると咳が出る」「咳が止まらない」ときに考えられる主な病気

病気で咳が出ているなら、その原因を治療しなければ咳も止まりません。夜になると咳が出たり、なかなか咳が止まらなかったりする主な病気は次のとおりです。

【咳の症状が出る主な病気】

  • 風邪
  • 咳喘息
  • 気管支喘息
  • 気管支炎
  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)
  • 肺炎
  • 肺がん
  • インフルエンザ
  • マイコプラズマ肺炎
  • アトピー性咳嗽
  • 逆流性食道炎
  • 慢性心不全

風邪

咳は乾いた咳が出やすいのが特徴です。 また、発熱や倦怠感などの症状が治っても、咳だけ残るケースもあります。

風邪を引いても病院へ行かず、市販薬で治そうとする人も多いですが、咳が続くときなどはしっかりと医療機関で診てもらってください。

咳喘息

咳喘息も風邪と同じように咳が出ます。 ただし、基本的に咳喘息であれば発熱などの症状はありません。

咳が続き、特に夜間や明け方にかけて強くなる場合は、咳喘息も疑われます。

気管支喘息

気管支喘息も夜間や明け方にかけて症状が出ますが、ゼーゼーとした咳が特徴で、その点は咳喘息と異なります。

気管支喘息は気管支などに生じた炎症が原因で、治療せずに放置しておくと、症状が繰り返されることで状態は悪化していくため注意してください。

気管支炎

気管支炎は主にウイルス感染によって起こる炎症で、咳や痰などの症状を伴います。 また、気管支炎には急性と慢性があり、急性は対症療法、慢性は原因となっている病気の治療が必要です。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDの主な原因は喫煙です。 特に長期間、喫煙の習慣が続いている人はCOPDになりやすいため注意してください。

また、割合は減りますが、副流煙によってCOPDになるケースもあります。

肺炎

肺炎には「細菌性肺炎」「ウイルス性肺炎」「非定型肺炎」の3種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。

例えば、細菌性肺炎は痰が絡み、湿った咳が出ますが、非定型肺炎だと乾いた咳が出ます。 ウイルス性肺炎の場合は風邪と似た症状も出るため、気づかないうちに重症化してしまうケースに注意が必要です。

肺がん

肺がんは咳や痰などが初期症状です。初期症状に関しては風邪と似ている上に、肺がん特有の症状もありません。風邪を引いていないにも関わらず、咳が2週間以上続く場合は医療機関を受診しましょう。

インフルエンザ

インフルエンザも症状のひとつに咳があります。風邪に比べて高熱になるケースが多いのに対して、インフルエンザでくしゃみ、鼻水などの症状が出ることは少ないです。

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は呼吸器感染症の一種で、その原因は「肺炎マイコプラズマ」という細菌です。咳以外に発熱、頭痛、倦怠感なども主な症状です。マイコプラズマ肺炎は咳で他人に感染させることもあるため、マスクなどで対策しましょう。

アトピー性咳嗽

アレルギーを持っている方は、アトピー性咳嗽(アレルギー性咳嗽)で咳が出ていることも考えられます。

アトピー性咳嗽の場合、喉のイガイガした感じと乾いた咳が特徴です。通常なら問題ないような刺激に対しても過敏に反応することで咳が出て、その症状は長いと数ヶ月以上続くケースもあります。

逆流性食道炎

逆流性食道炎でも咳が出ることがあります。これは胃酸が逆流してくることで、喉を刺激するのが原因です。咳以外には、胸焼けや胸の痛みがあるので、該当する場合は逆流性食道炎を疑いましょう。

慢性心不全

慢性心不全の場合、就寝するために横になった際に肺の血管内の血液が滞り、その刺激によって咳が誘発されます。また、息苦しさを感じたり、眠れなかったりする場合もあります。

寝ていると咳が出るものの、上体を起こすと止まるというときは、心不全の可能性があるので要注意です。

子供が夜になると咳をする場合に注意すべきこと

夜になると咳が出やすくなるのは、大人だけではありません。同じような症状が子どもに出る場合もあります。子どもは大人よりも痰の量が多いにも関わらず、痰を出すのは下手です。 そのせいで咳が長引き、症状が悪化してしまうこともあるため、小さな子どもが夜になると咳をする場合は特に注意してください。

治療の必要な病気が原因の可能性もあるため、咳の出やすいタイミング、咳以外の症状、いつから咳が出ているかなどを把握した上で医療機関を受診しましょう。

夜になると咳が出る|長引く症状は病気の可能性もあるので注意

夜は気温が下がり、暖房で空気も乾燥するため、それらの刺激によって咳が出やすくなります。適度な温度を保つために暖房は重要ですが、しっかりと乾燥対策も行いましょう。

また、2週間以上、咳が続くというときは病気の可能性も考えられます。ただの咳だと思って放置すると悪化してしまうケースもあるので、長引いているときは医療機関を受診するようにしてください。

大塚 亮
大塚 亮
《略歴》
1996年大阪市立大学医学部卒業、淀川キリスト教病院等で研修。
2002年大阪市立大学大学院医学研究科循環器病態内科学修了
2002年Columbia Presbyterian Medical Center, Adult cardiology
2005年大阪市立大学医学部附属病院循環器内科 博士研究員
2008年大阪市立大学医学部附属病院循環器内科 病院講師
2010年西宮渡辺心臓脳・血管センター 画像診断部部長
2014年当院の非常勤勤務から院長となる。

《資格》
日本循環器学会認定 循環器専門医

《所属学会》
日本内科学会
日本循環器学会
日本心臓病学会
日本抗加齢医学会
●イシャチョククリニックページ
●医療法人 大塚医院