美容外科の選び方
(画像=PIXTA)

都市部を中心に、巷には美容外科や美容皮膚科が溢れかえっています。そのなかで「本当にいい美容外科クリニック」を見極めるためには3つのポイントがあると、美容医療のプロである銀座マイアミ美容外科の丸山直樹院長はいいます。CMのイメージに惑わされないクリニック選びのコツをみていきましょう。

目次

  1. 「美容外科バブル」の日本…クリニックの見極め方
  2. ポイント1…「医師」が一貫して診療を行うか
    1. “美容医療に詳しい”カウンセラーという謎の業種
  3. ポイント2…「形成外科専門医」の資格をもっているか
    1. 医師であればだれでもなれる…「日本の美容外科医」の危険性
  4. ポイント3…他の医療機関と連携がとれているか
  5. まとめ

「美容外科バブル」の日本…クリニックの見極め方

美容整形と聞くと、みなさんはどのようなイメージを持つでしょうか。いいイメージか悪いイメージかでいうと、どちらかといえば悪いイメージを抱く人がまだ多数派なのではないでしょうか。

広告とは違う高額な見積もりをされた。事前の打ち合わせとは違う仕上がりになってしまった。未承認機器による医療ミス、後遺症に悩まされる…残念な話は枚挙にいとまがありません。

都市部を中心に、巷には美容外科や美容皮膚科が溢れかえっています。特に、コロナ禍で渡韓できなくなった日本人が日本の美容外科市場に押し寄せてきたため、美容外科はこの2年間実はバブルのような状態です。

その影響からか、近年大手美容外科から独立する医師が多く、東京ではいま開業ラッシュです。特に、銀座では通りを歩くと10メートル毎に美容外科や美容皮膚科の看板を見るといっても過言ではありません。

このようなクリニック過剰の状況下、消費者は玉石混交の美容外科クリニックのなかから自身の目的にあったクリニックをどのように選択していけばいいのでしょうか。

インターネットやSNSの情報は間違った情報もあります。広告の謳い文句に騙されないためにも、今回は美容外科クリニックを選ぶ際に、最も大切な3つのポイントについて解説します。

ポイント1…「医師」が一貫して診療を行うか

美容外科は医療です。当たり前と思う人と、なんだか医療というと違和感があるという人がおられるでしょう。実際、美容外科は医療です。クリニック開設は市区町村に届出をしますし、所轄の保健所の管轄下に入ります。ただ、美容外科は保険診療が認められておらず、自費診療のみになるという点が普通の病院と異なる点です。

したがって、きちんとした医療としての美容外科診療を受けたければ、普通の病院と同じようなスタイルで診療をしているクリニックを選ぶと失敗が少ないです。

“美容医療に詳しい”カウンセラーという謎の業種

もう少し具体的にお話をすると、受診したら医師に直接悩みを相談して、その悩みを解決するのに費用も医師がきちんと説明するクリニックを選んでください。

クリニックによっては、カウンセラーという謎の業種が医師と患者のあいだに割って入ってくるケースがあります。

このようなクリニックでは、“美容医療に詳しい”カウンセラーが患者さんの悩みを聞いて最適な治療法を提案します。なんだかおかしいと思いませんか?

多くの場合、カウンセラーは医療資格をもっていません。美容医療に詳しいただの人が、医師に代わって最適な治療をお勧めしてきます。

さらに、カウンセラーは営業をしてきます。たとえば、埋没二重2万円からという広告をみて受診した人にあれこれオプションをつけて30万円です。なんてこともいわれてしまうわけです。

往々にして、カウンセラーは経営者から売り上げのノルマを課せられていることが多いので、無駄な施術まで勧める傾向にあります。

そして、最悪のクリニックだと、カウンセラーが契約をとって、医師と初めて会うのは手術室、なんて所もあります。

想像してみてください。風邪をひいて内科に受診したら、直接医師に相談しますよね。決してカウンセラーに相談して、診断され薬を処方されたりはしないはずです。

美容外科も医療です。受診した患者さんはまず手術を担当する医師と相談し、その医師がその患者さんの悩みを解決するために必要な処置の説明をします。

さらに私は、その治療にかかる費用も医師がきちんと説明するクリニックをお勧めします。手術は医師と患者さんとの契約です。

したがって、施術を担当する医師が責任をもって費用の話までするのが説明義務であると思います。

ポイント2…「形成外科専門医」の資格をもっているか

美容外科はなに科だと思いますか? 「美容外科は美容外科でしょ?」なんて思っていませんか?

実は、美容外科は形成外科のイチ分野です。形成外科は、赤ちゃんの先天異常、顔面骨の骨折の治療、怪我や傷あとの治療、癌や病気で失った組織の再建などとても多岐にわたる治療領域を担当します。

そこから、「傷を綺麗に治す技術」「無くなったものを作り出す技術」が発展し、形成外科のイチ分野として美容外科になりました。

したがって、「美容外科医は形成外科医である」というのが本来の形です。たとえば、アメリカでは形成外科医としてキャリアをつんだ医師でなければ美容外科医になれません。

しかも、アメリカでも美容外科は人気であり美容外科医になるのは狭き門です。

医師であればだれでもなれる…「日本の美容外科医」の危険性

一方、日本では医師であればだれでも美容外科医になれます。医師国家試験に合格して2年間の初期臨床研修を修了し、美容外科に就職すれば美容外科医です。研修医あがりですぐ美容外科医となれる。恐ろしいですね。

美容外科受診を検討しているみなさんは、是非、形成外科専門医資格をもった美容外科医に治療を依頼するようにしてください。

形成外科専門医試験を受けるには、6年以上日本国医師免許をもち、初期臨床研修2年のあと4年以上大学病院や総合病院などで形成外科研修を行い、かつ4年以上継続して日本形成外科学会正会員であることが求められます。

そのうえで、書類審査、筆記試験、面接試験をパスして初めて資格が得られます。美容外科は形成外科の一分野なのですから、美容外科診療は形成外科の知識と技術を用いて、形成外科専門医が実践するべきであると思います。

ポイント3…他の医療機関と連携がとれているか

美容外科クリニックは、高次の医療機関である総合病院や大学病院とも連携がとれている必要があります。

なぜかというと、万が一緊急事態や合併症への対応がクリニックでできる範疇を超えてしまったときに、スムーズに他の高度な医療機関と連携できていないと治療機会を逸してしまうことがあるからです。

治療のタイミングが遅れると、後遺症を残したり、最悪のケースでは死亡したりすることもあります。近年では美容医療にも理解のある総合病院が増え、医療連携が進んでいます。

ホームページの医師の経歴に大学病院との関係が書かれている場合や連携医療機関などが記載されている場合、また実際に受診した際に連携医療機関などの表示がされているようであれば、「万が一のときに強い」クリニックである可能性が高いです。

まとめ

いいクリニックを選ぶ基準は色々ありますが、まずはこの3つのポイントをチェックすると、失敗する可能性がグッと減るでしょう。

広告などのイメージだけで選ぶのではなく、美容外科受診の際はしっかりと確認してみてください。

丸山 直樹
丸山 直樹(まるやま・なおき)
銀座マイアミ美容外科 院長
日本専門医機構 形成外科領域専門医
昭和大学藤が丘病院 形成外科 兼任講師

1978年 愛知県豊橋市生まれ。
2004年 昭和大学医学部卒。医学博士。
聖隷浜松病院での初期研修後、同院で整形外科研修。
2007年より昭和大学形成外科入局。2013年、昭和大学藤が丘病院形成外科講師となる。2017年、銀座マイアミ美容外科を開院。2018年、医療法人社団形星会設立。2019年、銀座マイアミ美容外科SALONE開院。現在、拡大移転した本院と分院にて、形成外科の知識と技術に基づいた美容医療を実践し、後進の教育にも力を入れている。座右の銘は、「毎日が金メダル!」。著書に、『32歳の悩める女子が美容外科医に聞いてみた 「痛い?」「こわくない?」「いくらなの?」』や『美乳の教科書』がある。