生理痛の女性
(画像=Andrey Popov/stock.adobe.com)

さずかり体質をつくる食と暮らしのアドバイス。すこやか妊活習慣をつくりましょう。今回は、来ると憂鬱だけど、来なければ来ないで心配…という、ちょっと厄介な生理と生理痛についてのお話です。

目次

  1. 生理のたびにおこる「生理痛」
    1. 生理痛(月経痛)とは
  2. 生理痛(月経痛)と月経困難症
    1. 月経困難症の原因
    2. 年齢と生理痛
  3. 生理痛(月経痛)の原因が疾患でないケース
    1. 子宮の未熟
    2. 女性ホルモン分泌の変化
    3. プロスタグランジン分泌量
    4. 冷え
    5. ストレス
  4. 月経困難症の分類
    1. 機能性月経困難症
    2. 器質性月経困難症
  5. 月経困難症はどのような検査をするの?
    1. 月経困難症の場合の治療法は?
  6. まとめ

生理のたびにおこる「生理痛」

お客さまとのカウンセリングで多いのが生理痛のお悩みです。症状が重いと、痛み止めの薬を飲んでも痛みが治まらずお仕事を早引きしたり、休んだり、寝込んでしまうという方もいらっしゃいます。

私の若いころは女性の生理は隠すべき秘め事のような扱いでした。生理のことを、「アンネの日(アンネナプキンから)」といった呼び方をして男性に悟られないように過ごしていたものです。

生理は、医学用語では「月経」であり、成熟した女性の子宮から周期的に起こる生理的出血のことを指します。本来は「生理」とは生命体が生きているうえでの体の減少や機能のこと(消化、排せつ、呼吸など)を言いますが、一般に月経のことを生理と呼びます。

生理痛(月経痛)とは

生理(月経)は、赤ちゃんを産むために必要な女性のからだの仕組みです。子宮の内膜を覆う子宮内膜は、毎月妊娠に備えてふかふかのお布団を作るべく増殖し厚くなります。

受精卵が着床せず妊娠しなかった周期には、不要となった子宮内膜が子宮が収縮することで剥がれ落ち、血液と共に月経血として体外に排出されます。これが生理(月経)です。そして、この時に伴う痛みが生理痛(月経痛)です。

生理痛(月経痛)と月経困難症

生理痛は、生理中に下腹部の痛みを感じる症状をいいます。多くの女性は軽い痛みや重いだるさを感じるのではないでしょうか。生理痛の痛みが強かったり、腰痛や頭痛、吐き気などの症状も伴ったりして、日常生活に支障をきたす生理痛を月経困難症といいます。

月経困難症の原因

生理で不要となった子宮内膜がはがれるときに、子宮収縮にかかわるプロスタグランジンという局所ホルモンが過剰に分泌されると、痛みを強く感じることになります。プロスタグランジンは、陣痛促進剤としても使われる物質で子宮を収縮させる働きがあります。

年齢と生理痛

思春期の生理痛は、子宮の発達が未熟であることが原因であることが多く、出産後に生理痛が軽くなったという人は、出産によって子宮口が広がったために血液がスムーズに排せつされるようになり、改善されたと考えられます。

20~30歳代の女性では卵巣や子宮の成熟期を迎えますが、生理痛が酷い場合は子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気が潜んでいる場合があります。

生理痛(月経痛)の原因が疾患でないケース

子宮の未熟

10歳代の若い女性の場合、初潮を迎えてからの数年は子宮が十分に成熟していないため、子宮口が狭く硬く、血液がスムーズに子宮外に排出できません。体がより強く子宮を収縮させて血液を押し出そうとすることで痛みが出ます。子宮の成熟とともにおさまってきます。

女性ホルモン分泌の変化

エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が減ると、脳内セロトニンも減少します。セロトニンは血管の収縮をコントロールしたり抑える働きがあるので、セロトニンが減少することで痛みが抑えられないことが考えられます。

プロスタグランジン分泌量

不要になった子宮内膜を排出するために、子宮内膜からプロスタグランジンが分泌されますが、分泌量が多いと子宮収縮も強くなり痛みとなります。プロスタグランジンは発痛物質でもあります。

冷え

冷えにより血液の流れが悪くなると、プロスタグランジンが骨盤内にとどまり痛みにつながります。

ストレス

ホルモンや自律神経のバランスを崩します。ストレスにより血行が悪くなったり、温度調節機能が低下すると冷えを招きます。

月経困難症の分類

機能性月経困難症

子宮や卵巣になどに特に病気がないもの。体質によっては強い痛みを伴う場合があります。

器質性月経困難症

子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などの子宮や卵巣の病気が原因。放っておくと痛みがひどくなったり、病気が進んだり、不妊症につながることがあります。痛みが強い場合は一度産婦人科で診てもらいましょう。

月経困難症はどのような検査をするの?

婦人科による内診、超音波などの画像検査、貧血やホルモン値、腫瘍マーカーなどの血液検査などを行い痛みの原因となる疾患を診断します。

月経困難症の場合の治療法は?

  • 機能性月経困難症:低用量ピルや鎮痛剤などが使われます。
  • 器質性月経困難症:低用量ピルや鎮痛剤が使われます。手術などで取り除くこともあります。症状や年齢、妊娠希望などにより治療法は変わります。

まとめ

生理時の体調不良のお悩みで最も多いのが、生理痛に関することです。疾患が原因でない痛みでも、生理のたびに鎮痛剤に頼って済ませるのではなく、体を冷やさないようにする、ストレスを溜めないようにする、軽い運動を取り入れるなど、生活習慣を見直してみてはいかがでしょう。生理痛のない体づくりは、赤ちゃんを授かる体づくりでもあるのです。

また、痛み止めを飲んでも痛みが治まらなかったり、頭痛や吐き気をもよおして仕事や家事を休まないといけないほどひどい痛みの場合は、生理が終わったら治るから・・・なんて放っておかずに、早めに婦人科を受診されることをお勧めいたします。

森川彰子
森川 彰子(もりかわ・あきこ)
薬剤師、中医健康養生士、子宝カウンセラー、和学®薬膳博士。病院・調剤薬局での実務歴30年以上の薬剤師。整形外科医院で、対症療法を行ってもまたすぐに痛みを訴えて来院する腰痛・ひざ痛の高齢者たちのレントゲン写真に写るボロボロの骨を見て予防の大切さを痛感。他にも、症状が出てから薬が処方される医療では健康で充実した人生を守りきれないと感じる。予防という概念がまだ世間になかった20年前に、手探りでアロマやサプリメントなどを手始めに病気にならない生活と身体づくりを学ぶうち、中医学(中国伝統医学)と出会う。その後、漢方薬店での相談業務を通じて、子どもを授かりたいと切実に望むご夫婦に寄り添える伴走者でありたいと、薬学・中医学・薬膳などの知識も活かして授かりやすい身体づくりの指導とカウンセリングをスタートし、現在に至る。
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