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「外反母趾」で来院される患者さんから、「外反母趾はなぜ女性に多く起きるのですか?」と尋ねられることがしばしばあります。今回はこの質問にお答えしたいと思います。

目次

  1. 女性のほうが「外反母趾」になりやすい?
  2. 「外反母趾」の原因・なりやすい人の特徴
    1. ①足の親指を広げる筋力が弱い
    2. ②足の親指を踏みしめて使っていない
    3. ③靴の問題
    4. ④「脾」が弱い
    5. ⑤遺伝
  3. 女性の多くが「外反母趾になりやすい要因」を持っている
  4. 「外反母趾」を改善するには?

女性のほうが「外反母趾」になりやすい?

当院には多くの女性患者さんが来院されますが、足もとを診ていくと、多くの方に共通した症状がみとめられます。それは「外反母趾」です。

「外反母趾」とは、足の親指が小指側に「く」の字のように変形し、親指の付け根が痛くなったり腫れたりする状態です。いきなり「外反母趾」になるわけではなく、徐々に変形していくのですが、ひどくなると歩行にも支障をきたすようになります。ちなみに、小指が親指側に「く」の字のように変形し、小指の付け根が痛くなったり腫れたりする「内反小趾」もあります。

「外反母趾」で来院される患者さんから、しばしば「外反母趾はなぜ女性に多く起きるのですか?」と尋ねられることがあります。今回はこの質問にお答えしたいと思います。

「外反母趾」の原因・なりやすい人の特徴

まず、外反母趾はなぜ起きるのかを説明していきます。

①足の親指を広げる筋力が弱い

まず、足の親指を広げる筋力が弱いということがあげられます。 実際、患者さんに「各足指の間を広げてみてください」と言うと広げられない人が多くいます。それほど普段から足の指を広げる動きをしていないのです。

②足の親指を踏みしめて使っていない

「外反母趾」は親指が小指側に「く」の字のように変形しているだけでなく、親指が足の甲側に向かって反り上がっていることが多いです。

これは、普段歩く時足の親指を踏みしめて使っていない証明です。

足の親指を踏みしめる筋肉は、足の親指の裏側(足底)にあります。この筋肉が弱くなれば、より足の親指は反り上がります。

③靴の問題

ヒールの高い靴、先細りの靴、材質の硬い靴などは、足の指を踏みしめて後ろに蹴って歩きにくいため、より足指を広げられず反り上がります。普段からこのような靴を履いている人は注意が必要です。

ただし、靴が「外反母趾」の第一の原因とは言えません。たとえば、以前来院された患者さんには当時5歳のお子さんがいたのですが、その子はヒールの高い靴や先細りの靴を履いていないのにかかわらず、すでにかなり「外反母趾」の状態になっていたのです。

このお子さんは、足の親指の筋肉が極端に弱い状態でした。足の親指の筋肉が弱っているうえに、足の指を使いにくい靴を履くと「外反母趾」の状態が悪くなるので注意してください。

④「脾」が弱い

東洋医学的に「脾」とは、消化、吸収、栄養の運搬をつかさどる働きを担っています。

「ツボ」の連なる道筋のことを「経絡」(けいらく)といいますが、「脾の経絡」はちょうど足の親指の内側から足の内側、すねの内側を通っていきます。

つまり、「脾」が弱いと「脾」のルート上の筋肉が弱っていくので、親指を広げることができなくなり、「外反母趾」になりやすくなります。

また、甘いもの好きで普段から甘いものが止まらない人は、「脾」が弱っている可能性が高いです。

「外反母趾」の患者さんに「甘いものは好きですか?」と質問をすると、ほとんどの方は、「好きで良く食べている」と答えます。

甘いものが好きで、食べても食べても満足できない「甘いもの依存症」の人は、「脾」が弱く「外反母趾」になりやすいので注意が必要です。

⑤遺伝

「外反母趾」は遺伝的な要素があると言われています。

確かに、「外反母趾」の患者さんにお母様やご姉妹は外反母趾であるかどうかを尋ねると、同じように外反母趾だという回答が返ってくることが多いです。

「外反母趾」同様、「関節リウマチ」や「骨粗しょう症」も遺伝的な要素があり、女性に多い疾患です。

女性の多くが「外反母趾になりやすい要因」を持っている

以上のことから紐解くと、「なぜ女性に外反母趾が多いのか」がわかってきます。

女性は男性に比べて一般的に筋肉量が少なく筋力も弱いので、足の親指を広げ、踏みしめる筋肉も弱いと言えます。

また、女性はヒールの高い靴や先細りの靴など様々な形の靴を履く機会も圧倒的に多いので足指が弱るリスクが高まります。

さらに、最近は「スイーツ男子」という言葉をよく聞くようになりましたが、やはり女性のほうが甘いもの好きの方がずっと多いのではないでしょうか。

これらのことから、総じて女性は「外反母趾」になりやすいと言えます。

「外反母趾」を改善するには?

では、どうしたら「外反母趾」を改善できるのでしょうか。

そのためには、普段おこなっている悪しき習慣を改め、足指をしっかりと使える状態をつくっていくことが大切になります。

まず、なるべく甘いものを控えることと、ヒールの高い靴や先細りの靴を履く機会を減らすことです。ヒールの高さが3cmくらいの靴であれば、むしろ足指に体重が乗り、踏みしめやすいので問題ありません。

仕事や冠婚葬祭などでどうしてもヒールの高い靴や先細りの靴を履かなくてはいけない日は、家に帰ってからその日のうちに各足指の間の筋肉をしっかりとほぐし、足指の裏の筋肉を刺激してください。

それらのエクササイズが終わったら「つま先立ち体操」をおこない、足指を使えるように鍛えていきましょう。

これらのエクササイズについては、イラストを参照してください。

足指を広げるエクササイズ
(出典:『「足指」の力体の不調がスッと消える3分つま先立ち体操』)
 
つま先立ちウォーク
(出典:『「足指」の力体の不調がスッと消える3分つま先立ち体操』)

「外反母趾」になると、痛みや腫れが出るだけではなく、歩行に支障が生じたり、重心や姿勢が崩れ、体の他の箇所に「二次災害」「三次災害」を招いたりすることがあります。

そうならないためにも、普段から悪しき習慣を改め、足指を正しく使えるような体づくりをしていきましょう。

山田 真
山田 真(やまだ・まこと)
柔道整復師、はり師、きゅう師。まほろば鍼灸整骨院院長 美骨痩身サロンBELUNA代表。

1972年生まれ、神奈川県横浜市出身。明治大学商学部、明治東洋医学院専門学校柔整学科、森ノ宮医療学園専門学校鍼灸学科卒業。「幸せは健康の上に成り立つ」という信条の下、大学卒業後は健康関連事業で人の生活に貢献している明治乳業株式会社(現 株式会社明治)に入社。入社4年を経過した頃、自分の独自色を活かして人の健康に貢献できないかと考え、脱サラして柔道整復師の資格取得を目指す。7年間修業した後、2009年大阪府吹田市に、まほろば鍼灸整骨院を開院。

開院後、施術回数は16万回を超えるが、足元から全身につなげていく施術をおこない、足指を正しく使えるように調整したところ、患者さんの様々な不調が劇的に改善。遠方からも評判を聞きつけて多数の患者さんが来院。

現在、来院する患者さんは筋肉の痛みだけではなく、内臓の不調、アトピー、頭痛、耳鳴り、めまい、姿勢矯正、産後骨盤矯正、発達障害、慢性疲労、自律神経失調症など多岐にわたる。2021年4月に『「足指」の力 体の不調がスッと消える3分つま先立ち体操』を出版。
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