気分の浮き沈みが激しい時の診断とは?考えられる疾患を紹介
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気分の浮き沈みが激しい場合、どのような疾患が考えられるでしょうか。会社でのプレッシャーだけでなく、高校生や大学生など思春期を送る10代も気分の浮き沈みは見られます。体調不良や不規則な生活などが影響していますが、ストレスを溜め込むことが大きな原因です。この記事では、気分の浮き沈みが激しい場合の病気などご紹介します。 

目次

  1. 気分の浮き沈みが激しいことに関係する病気
    1. 自律神経失調症
    2. 双極性障害
    3. うつ病・気分変調症・非定型うつ病
  2. 気分の浮き沈みが激しくなってしまう理由とは?
    1. ストレスのためすぎる
    2. 体調不良
    3. 生活習慣の乱れ
  3. 更年期で気分の浮き沈みが激しくなることもある?
  4. 気分の浮き沈みが大きくなってしまう人の特徴
    1. 仕事でのプレッシャーが大きい人
    2. 完璧を求める人
    3. ネガティブに考えてしまう人
  5. 高校生や大学生で気分の浮き沈みが激しい場合は病気?
  6. 躁鬱とは?
  7. 気分の浮き沈みが激しい場合は何科に行くべき?
  8. まとめ

気分の浮き沈みが激しいことに関係する病気

気分の浮き沈みが激しいことと関係する病気は、以下が考えられます。

  • 自律神経失調症
  • 双極性障害
  • うつ病・気分変調症・非定型うつ病

浮き沈みだけでも病気が違う可能性が高く、見分け方も難しいですが、それぞれの特徴を見てみましょう。

自律神経失調症

自律神経失調症は、主にストレスが原因で自律神経のバランスが崩れている状態をいいます。気分の浮き沈みも症状として現れて、会社に行くのが辛い、掃除などの家事ができないなどの状態に陥ることもあり、引きこもりがちになるケースが多いです。

また、自律神経の正確な検査を行える医療施設が少ない状態なので、病院に行って症状の問診や簡易検査を受けても正常と判断されてしまい、苦しんでしまう人もいるでしょう。

気分の浮き沈みだけでなく疲労感や頭痛、めまい、手足のしびれ、身体のほてりなどの身体症状が主体にある場合は、自律神経失調症を疑ってもいいかもしれません。

双極性障害

高揚感のあるハイテンションな状態と無気力なうつ状態を繰り返す病気が双極性障害です。気分の波は誰にでもあるものですが、双極性障害の場合はその差が激しく、躁状態もうつ状態も行き過ぎているため、他人からは気分の浮き沈みがはっきり見て取れるでしょう。

しかし、躁状態のときは気分がいいので罹患者自身は双極性障害だと自覚することが難しいです。

うつ病・気分変調症・非定型うつ病

昨今、報道などでも聞かれることが多くなってきた非定型うつ病や気分変調症は、好きなことは楽しめるため、甘えやわがままと勘違いされやすく病気と判断されづらいです。うつ状態がずっと続くわけではないので、ちょっとした気分の落ち込みなどと勘違いされやすいことが背景にあります。

しかし、意欲低下、抑うつ気分、集中力や判断力の低下、強い不安感、易疲労感、倦怠感、睡眠障害などの症状が一定期間持続し繰り返すことがあれば、非定型うつ病、気分変調症やうつ病などの可能性が疑われます。

気分の浮き沈みが激しくなってしまう理由とは?

病気以外に気分の浮き沈みが激しくなる理由には、以下が考えられます。

  • ストレスのためすぎ
  • 体調不良
  • 生活習慣の乱れ

もし上記のいずれかに該当する場合は改善するといいでしょう。

ストレスのためすぎる

過剰にストレスが溜まっていると、自分では意識せずともネガティブな感情が出てきて、気分が沈んでしまう場合があります。他者配慮が強い、完璧主義、べき思考、NOが言えずに責任を抱え込みすぎになりやすい人は、その傾向が現れやすいため注意してください。

体調不良

体調不良が続き、身体が万全でないことが理由で、心にも影響が出てしまい気分の浮き沈みが激しくなります。体調を崩す理由はストレスや生活習慣の乱れがあるため、無理をせず規則正しい生活を送りましょう。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れから気分の浮き沈みが激しくなることもあります。たとえば夜型になってしまい、睡眠リズムが狂ったり、睡眠不足が継続したりして、体内時計が乱れてしまうと健康を害してしまいます。とくに睡眠不足は心身に悪影響しかないため、毎日同じ時間に起床と就寝し、起床直後に日光に当たる様にすると、脳内セロトニンの分泌が良くなりストレス耐性が高まります。

また、偏った食事や毎日バラバラな時間に食事を摂ることもよくありません。朝型生活に戻し、睡眠時間をしっかりとって、バランスのいい食事を心掛けましょう。

更年期で気分の浮き沈みが激しくなることもある?

女性の場合、更年期障害が原因で気分の浮き沈みが激しくなることもあります。これは女性ホルモンが影響しており、更年期に精神を落ち着かせるセロトニンの分泌が少なくなってしまうからです。

また、更年期には年齢的にも親の介護など外的要因も重なりストレスを溜めやすく、さらに気分が沈むことも考えられます。少しでも気分の浮き沈みを無くしたい場合は、意識的に運動をしてストレス発散を行うといいでしょう。

気分の浮き沈みが大きくなってしまう人の特徴

気分の浮き沈みが大きくなってしまう人には3つの特徴があります。

  • 仕事でのプレッシャーが大きい人
  • 完璧を求める人
  • ネガティブに考えてしまう人

仕事でのプレッシャーが大きい人

仕事でのプレッシャーが大きいとストレスを抱えてしまい、結果的に気分の浮き沈みに繋がります。この場合、自分の性格や特性を社内に話して理解してもらうことが重要です。

とくに大きなプロジェクトを任されるとプレッシャーが大きくなります。自分1人で仕事に向き合うのではなく、同僚や上司とも協力して、自分だけで溜め込まないようにしましょう。

どうしてもプレッシャーに負けてしまう人は、職種や転職も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

完璧を求める人

完璧主義者は自分に対して厳しく、周りにも完璧を求めてしまい、人に任せるぐらいならば自分1人で何でもやってしまおうとしてストレスを溜めてしまう場合があります。なるべく周囲の力を借りて自分1人ではやらないようにしましょう。

また、自分を労るためにも休むときはしっかり休み、趣味に没頭するなど、うまく気分転換を図るといいでしょう。

ネガティブに考えてしまう人

性格的にネガティブに考えてしまう人は、気分の浮き沈みが激しくなってしまいます。ちょっとしたミスで叱責されるとしばらく気分が沈んでしまう性格ならば、周囲に話して少しでも気持ち的に楽になることが大切です。

高校生や大学生で気分の浮き沈みが激しい場合は病気?

高校生や大学生などの思春期に気分の浮き沈みが激しい人もいるでしょう。感情をコントロールできない場合は、うつ病などの病気を疑った方がいいかもしれません。大人だけが罹るものではなく、高校生や大学生でもうつ病になることがあるからです。

精神的にも不安定になりやすい時期でもあり、自分でも気づいていないだけでストレスを抱えている場合は十分考えられます。身体を動かしてリフレッシュするなど自分でできることはありますが、どうしても無理ならば親や友人に話すと少しは楽になれるでしょう。

また、親や友人に相談が難しい場合は、医療機関や学校の先生などに話してもいいかもしれません。

躁鬱とは?

躁鬱は、躁状態と鬱状態のことをいいます。躁状態は異常に気分が高揚し、とにかくテンションが高く、あまり眠らなくても大丈夫で、饒舌になり、新しいアイデアが次々浮かんでジッとしていられなくなります。

他人にも高圧的になり、到底実現できないであろうことにチャレンジし、周囲にも悪影響を及ぼすことも少なくありません。

周囲から見たら異常な状態ですが、自分自身は気づいておらず、何も間違っていないと思い込んでいる場合が多いです。そのため、自分が病気という自覚がないので通院などしないので改善もされません。

反対に鬱状態は、気分が沈んでしまい、何をする気にもならず、これまで楽しいと感じていたものにも興味がなくなる病気です。食欲不振や睡眠できない、疲れやすいといった症状が出て、誰とも会いたくなくなり、部屋に引きこもりがちになってしまい、最悪の場合は自殺などを考えることもあります。

躁状態と同じく自分では病気と気づかない場合も多く、病院に行くことさえ辛い状態なので、周囲の助けや理解も必要となります。

気分の浮き沈みが激しい場合は何科に行くべき?

気分の浮き沈みが激しい場合は、心療内科や精神科を受診してください。医療機関を受診するとカウンセリングや生活指導に加えて、薬の処方も可能です。どうしても自分ではどうにもできない場合は、悪化を防ぐためにも早急に医療機関への通院をおすすめします。

まとめ

気分の浮き沈みが激しい時の診断や考えられる疾患を紹介しました。沈んだ気分が続くうつ病は聞くことがありますが、躁状態も病気なので医療機関による治療を必ず行った方がいいでしょう。しかし、自分自身では自覚がない場合も多いので、周囲の理解と助けが必要です。

また、自分の性格がネガティブや完璧主義者である場合は、気分のリフレッシュを行いましょう。無理をして心のバランスを崩してしまうと生活に悪影響です。単なる気分の浮き沈みと軽く考えず、長期間続くようであればカウンセリングや心療内科、精神科で相談するのが良いでしょう。

佐久間一穂
佐久間一穂
経歴
昭和 35年 福島県生まれ
昭和 63年 秋田大学医学部卒業
平成 6年 東北大学第3内科入局
平成 8年 東邦大学心身医学研究室入局
平成 11年 聖路加国際病院心療内科医員・緩和ケア科副医長
平成 14年 横浜相原病院心療内科医長

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