扁桃腺が白くて痛い理由とは?熱がなければ大丈夫?症状や対処法を解説
(画像=Adobe Stock)

扁桃腺が白くなったり、痛みが出たりする原因の多くは、細菌やウイルスなどによる感染です。軽度の場合は発熱しないこともありますが、重症化すると入院が必要になるため注意しましょう。本記事では、扁桃腺の症状について詳しく解説。正しい対処法についても紹介しますので、参考にしてください。

目次

  1. 扁桃腺が白くなるのはなぜ?熱はないのに痛い原因
    1. 口内炎
    2. 口腔カンジダ症
    3. 扁桃炎
    4. 咽頭炎
    5. 扁桃栓子(膿栓)
  2. 扁桃腺が痛い場合の対処法
    1. 自宅で行う対処法
    2. 市販薬の利用
    3. 病院を受診する
  3. 扁桃炎が重症化した場合
    1. 扁桃周囲炎
    2. 扁桃周囲膿瘍
  4. 扁桃炎は治るまでにどれくらいかかる?
  5. 扁桃炎の症状の重症化を防ごう

扁桃腺が白くなるのはなぜ?熱はないのに痛い原因

扁桃炎が白くなる原因には、次の要因が関係している可能性があります。

  • 口内炎
  • 口腔カンジダ症
  • 扁桃炎
  • 咽頭炎
  • 扁桃栓子(膿栓)

扁桃腺は、舌の付け根の両側にある丸いリンパ組織で、ウイルスや細菌などの侵入に対して身体を守る働きがあります。そのため、乾燥などの外部要因や風邪や疲れなどの内部要因が影響して腫れたり白くなったりすることがあるのです。ここでは、扁桃腺が白くなる原因について詳しく解説します。

口内炎

口内炎は口の中の粘膜に生じますが、扁桃腺の周辺にできることもあります。丸い形状で白っぽいものが多く、患部に触れると強い痛みを生じる場合もあります。

歯ブラシなどで物理的に傷つけて、その傷口から雑菌が入って発症することが多いです。その他にも、ビタミン不足やストレスが関係して発症します。口内炎を潰すと、悪化したり、細菌が繁殖したりする可能性があるため、潰さないようにしましょう。

口腔カンジダ症

口腔カンジダ症とは、口の中にカビが繁殖した状態です。カンジダは人間の身体に常駐する菌ですが、免疫が低下したときに増殖します。その際に、口腔内や扁桃腺に白い付着物が現れることがあるのです。

ストレスや疲れがたまると、免疫も低下するため、誰にでも起こり得る病気だと言えます。カンジダ症が発症すると、患部がピリピリと痛くなったり、味覚がおかしくなったりすることがあります。

扁桃炎

扁桃炎とは、ウイルスや細菌の感染で扁桃腺に炎症を生じた状態です。通常は発熱を伴いますが、軽度の場合は発熱しない場合もあります。

扁桃炎を発症すると、扁桃腺が赤く膨張する上に、白いぶつぶつ状のものが付着したり、白い膜のようなもので覆われたりします。小さな子どもから30代くらいまでの若年層に見られることが多い病気です。

疲れがたまったり、風邪を引いたりして免疫が落ちると発症しやすく、急性期を過ぎると慢性疾患へと移行することもあります。急に高熱や悪寒、頭痛を感じるようになり、全身の倦怠感や関節痛にも見舞われます。

咽頭炎

咽頭炎とはウイルスや細菌が、喉の粘膜に感染して生じる疾患で、扁桃炎を併発することが多いです。喉の痛みやものを飲み込む際の痛み、発熱、倦怠感に見舞われ、耳が痛くなることもあります。疲れがたまったり、寝不足になったりしたときや、季節の変わり目などに発症しやすいです。

扁桃栓子(膿栓)

扁桃栓子とは老廃物や白血球の残骸や食べかすなどが扁桃腺にたまった状態で、「膿栓」とも呼ばれます。身体に害が現れることは少ないのですが、細菌が増殖して炎症を生じることもあります。

扁桃腺にある「陰窩(いんか)」という小さな窪みにでき、臭いがするため、口臭の原因になることも。扁桃栓子を予防するためには、唾液の分泌を促して口腔内を乾燥させないようにするとよいでしょう。また、殺菌効力のある歯磨き粉やマウスウォッシュで口腔内を清潔に保つことも有効な手段です。

扁桃腺が痛い場合の対処法

扁桃腺が痛い場合は、まずは自宅でできる対処法を心がけるとよいでしょう。次に、市販薬を利用して痛みや炎症を抑える手段もおすすめです。

もし扁桃腺の腫れや痛みが悪化する場合は、重症化を防ぐために、早めに病院を受診してください。ここでは、扁桃腺が痛い場合の対処法について詳しく解説します。

自宅で行う対処法

自宅で行える対処法には、次のようなものが考えられます。

  • 睡眠を取って、しっかりと休息する
  • マスクの着用
  • 水分補給と部屋の加湿で乾燥を防ぐ
  • のど飴などで口内を潤す
  • 喫煙者は禁煙をする

免疫が低下すると扁桃腺が腫れて、痛みが現れます。免疫を低下させないためにも、まずは休息して体力を回復させることが重要です。

また、細菌の増殖を防ぐためにも、口腔内を乾燥させないようにしましょう。喫煙による煙は、炎症を起こした扁桃腺にダメージを与えますので、控えることをおすすめします。

市販薬の利用

市販されている外用薬や内服薬を利用することも有効です。外用薬であれば、口腔咽頭薬と呼ばれる薬を使うとよいでしょう。内服薬には、抗ヒスタミン成分が入っていない眠くなりにくい薬や、子どもでも飲める薬など、さまざまなタイプが存在します。

また、一時的に痛みを抑えるために、市販されている鎮痛薬の利用も一つの手段です。薬剤師に相談して、自分の症状にあった薬を紹介してもらいましょう。ただし、細菌を退治する効果があるのは、医師の処方が必要な抗生剤のみです。

扁桃腺の腫れや痛みが続くようであれば、医師に相談して適切な治療を受けることをおすすめします。

病院を受診する

病院を受診すると、必要に応じて解熱剤や消炎鎮痛薬、うがい薬などを処方してもらえます。ウイルス性の扁桃炎の場合は、風邪に対する治療と同じ方法で対処されることが一般的です。

解熱剤を使用する他にも、うがいをして、睡眠をとり、安静にすると早期の回復を目指せます。また、細菌性の症状だと判断された場合は、抗生剤が処方されることもあります。

扁桃炎が重症化した場合

扁桃炎が重症化した場合は、入院を余儀なくされたり、命に関わる事態に陥ったりする可能性があるため注意が必要です。重症化した場合は、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍などを発症します。それぞれ詳しく解説しますので、参考にしてください。

扁桃周囲炎

扁桃周囲炎とは、のどに感染した細菌が周囲の組織に広がった状態です。病院では、のどの診察や画像検査の結果で扁桃周囲炎が診断されます。

扁桃腺だけではなく他の組織にも炎症の影響が及ぶため、耳まで痛くなることがあります。また、顎の筋肉がけいれんを起こし、開口障害に至るケースもあるため注意が必要です。

扁桃周囲膿瘍

扁桃周囲膿瘍とは、細菌が増殖して扁桃周囲に膿がたまった状態です。首の外側部に膿がたまった場合は、副咽頭間隙膿瘍と呼ばれる状態になり、首が腫れた状態になることもあります。

副咽頭間隙膿瘍は膿がたまった範囲が広がり、危険な状態です。針を刺したり、切開したりして膿を外へ排出する手術が行われることもあります。

扁桃炎は治るまでにどれくらいかかる?

ウイルス性の扁桃炎の場合は、解熱剤を服用したり、うがいをしたりして安静にすると1週間以内に治まることが多いです。

細菌性の場合は、病院で処方される抗生剤を使用すると早期改善につながります。扁桃炎が悪化して、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍になると、入院が必要になり症状改善までに長期の治療が必要になります。

扁桃炎が治まらない場合は、症状を悪化させないためにも、早めに医師に相談して早期に対処してもらうことが重要です。

扁桃炎の症状の重症化を防ごう

扁桃腺が白くなったり、痛みが出たりするのは、細菌やウイルスなどの感染による炎症が原因の可能性があります。

扁桃腺が炎症を起こし、扁桃炎の状態になっても、軽度の場合は発熱をしないこともあります。軽い症状の場合は、市販薬で対応することも可能ですが、症状が続く場合や悪化する場合は病院を受診するようにしましょう。

放っておくと、重症化してしまい入院をして長期的な治療が必要になる場合もあります。扁桃腺の病気を悪化させないためにも、早めの病院受診を心がけましょう。

瀬尾 達
瀬尾 達
【学歴】
大阪星光学院高校 卒業
兵庫医科大学医学部 卒業
京都大学医学部大学院 修了

【職歴および資格】
日本耳鼻咽喉科学会 専門医
厚生労働省指定臨床研修医療機関 指導医
京都大学 医学部 講師
兵庫医科大学 講師
大阪歯科大学 講師
京都大学医学部大学院 専門職学位
兵庫県立大学 講師
兵庫県立総合衛生学院 講師
身体障害者福祉法 指定医
日本耳鼻咽喉科学会認定 難聴担当医
兵庫県 指定難病医療機関
兵庫県立尼崎総合医療センター 研修管理委員

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