喉や耳の片側が痛いのはなぜ?考えられる原因と対処法について解説
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片側の喉や耳の痛みが強い場合、なんらかの原因で喉や耳の炎症やがんなどの病気を発症している場合があります。軽度から重度の病気が考えられますので、気になる場合は医師に相談するとよいでしょう。本記事では、喉や耳の痛みで考えられる原因や病気について解説します。対処法についてもお伝えしますので、参考にしてください。

目次

  1. 片側の耳と喉が痛い原因は?
  2. 耳と喉が痛い場合に考えられる重篤な病気
    1. 扁桃周囲膿瘍
    2. 咽頭がん
  3. 耳が痛い場合に考えられる病気
    1. 外耳炎
    2. 中耳炎
  4. 喉が痛い場合に考えられる病気
    1. 扁桃炎
    2. 風邪や咽喉頭炎
    3. 声帯ポリープ
  5. 喉や耳が痛いときの市販薬の選び方
    1. 喉が痛いとき
    2. 風邪をひいたときや耳が痛いとき
  6. 片側の喉や耳の痛みが悪化する場合は病院を受診しよう

片側の耳と喉が痛い原因は?

片側の耳と喉が痛い場合は、虫歯や耳の傷、風邪などの原因が考えられます。耳に伸びる神経は、喉の神経とネットワークを形成しているため、耳と喉が同時に痛くなることがあるのです。

風邪の悪化や虫歯の症状がある場合は、内科や歯科医院を受診して、医師に相談することをおすすめします。とくに、ものを飲み込みにくい、口を大きく空けられないなどの症状がある場合は、重篤な病気の可能性があるためすぐに病院を受診しましょう。

また、耳と喉が同時に痛いと原因が分からず、どこの診療科を受診すれば良いか分からない場合もあるかもしれません。その場合は、首から上の症状のチェックを専門とする耳鼻咽喉科を受診するのも一つの手段です。

耳と喉が痛い場合に考えられる重篤な病気

ここでは、耳と喉が痛い場合に考えられる重篤な病気を紹介します。自分では対処のしようがない病気のため、すぐに病院を受診しましょう。

扁桃周囲膿瘍

扁桃周囲膿瘍とは喉が細菌やウイルスに感染して、膿がたまった状態です。扁桃炎が悪化した結果、発症することがあります。扁桃周囲膿瘍になると、次のような症状に見舞われます。

  • 喉の激しい痛み
  • 耳の痛み
  • リンパの腫れ
  • 発熱や倦怠感
  • 口を開けづらい状態
  • 食べづらい状態
  • 通常とは異なる声質
  • 強い口臭

喉の片側に痛みを感じる点も特徴です。20~30代の若年層が発症する傾向にあり、女性よりも男性に見られることの多い病気です。針を刺したり、切開したりして膿を摘出する手術が行われることもあります。

咽頭がん

咽頭がんは、初期のころは自覚症状がないこともありますが、次のような初期症状が現れます。

  • 継続的な喉の痛み
  • 耳の痛み
  • 飲み込むときの違和感
  • 吐血
  • 口の開けづらい状態
  • 舌の動かしにくい状態
  • 口の奥や喉、首のしこり
  • 声の変化

50~70代の中高年に起こりやすく、女性よりも男性の方が見舞われることの多い病気です。初期症状に気づいたら、医師に相談することをおすすめします。

耳が痛い場合に考えられる病気

耳が痛い場合に考えられる病気は、外耳炎や中耳炎などの耳の炎症が考えられます。ここでは、耳が痛くなる病気について解説します。

外耳炎

外耳炎とは鼓膜よりも手前の耳の中で炎症が起きた状態です。原因の多くは、耳の掃除のやり過ぎが考えられます。

外耳炎になると痛みだけではなく、かゆみも現れます。悪化させないようにするため、かき過ぎないように注意しましょう。痛みやかゆみの他にも、耳閉感や難聴、耳鳴り、耳垂れの症状を発症することがあります。

外耳炎が治らない状態で放っておいた場合に考えられることは、外耳道真菌症と呼ばれる感染症への進行です。症状を進行させないためにも、早めの耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。

中耳炎

中耳炎は耳の鼓膜の奥で炎症を起こした状態です。ほとんど自覚症状を感じることもなく、病気が進行することもあります。そのため、耳に少しでも違和感がある場合は、早めに医師に相談した方がよいでしょう。

中耳炎には、急性中耳炎や滲出性中耳炎などの複数の病気があり、各病気に応じて治療法が異なります。急性中耳炎は強い耳の痛みと発熱がある一方で、滲出性中耳炎は耳の痛みや発熱が現れづらい点が特徴です。

喉が痛い場合に考えられる病気

喉が痛い場合に考えられる病気は、次のとおりです。

  • 扁桃炎
  • 風邪や咽喉頭炎
  • 声帯ポリープ

喉の炎症における原因の多くは、ウイルスや細菌の感染です。また声帯ポリープは、喉の奥にある声帯が傷ついた状態で負担をかけると発症しやすいです。各病気の原因や対処法について解説しますので、参考にしてください。

扁桃炎

扁桃炎とは喉の奥にある扁桃腺が細菌やウイルスに感染して、炎症を起こした状態です。扁桃腺が赤く腫れ、白いぶつぶつしたものが付着することがあります。喉の痛みが強く、高熱の原因にもなるのです。

小さな子供から30代くらいまでの若年層が見舞われることの多い疾患で、疲れがたまったり、風邪を引いたりして免疫が低下すると発症します。扁桃炎は重篤化すると、入院が必要になる場合もありますので、早めに医師に相談しましょう。

風邪や咽喉頭炎

風邪や咽喉頭炎は、ウイルス感染や乾燥が原因で、喉の奥に炎症を起こした状態です。自分でできる対応策としては、室内を加湿したり、うがいをしたりする方法が考えられます。

痛みや発熱で身体がつらい場合は、痛み止めや解熱剤を使用して、発熱を抑えることも有効です。できる限り、安静にして早期回復を目指しましょう。喉の腫れが悪化した場合は、入院を要することもあります。

声帯ポリープ

声帯ポリープとは、喉の奥にある声帯にポリープができて、声の発生がしづらくなる病気です。喉の奥にものが詰まった感じやイガイガした違和感が出ることがあります。また、かすれ声になったり、唾液を飲み込むときにしみるような痛みを感じたりもします。

声帯ポリープの原因は、風邪や喫煙で喉に炎症を起こした状態で、声帯を酷使することです。声帯を酷使した際に、血管が破れて内出血を起こし血腫ができるのです。血腫ができた状態で大きな声を出し過ぎることで、ポリープが形成されます。

声帯を傷つけると発症する病気であるため、声の発生により喉を酷使する歌手やアナウンサーなどに起こりやすいです。血腫ができた時点で大きな声を出さないようにすると、ポリープを形成せずに自然治癒します。喉の痛みがある場合は、大きな声を出さないことが重要です。

喉や耳が痛いときの市販薬の選び方

ここでは、喉や耳が痛いときの市販薬の選び方をご紹介します。薬剤師に相談する際の参考にしてください。

ただし、喉や耳の痛みの原因が細菌感染の場合は、市販薬では効果がないこともあります。そのため、病院を受診して必要に応じて抗生剤を処方してもらうことも重要です。

とくに、喉や耳の痛みを繰り返しており、扁桃炎が悪化している場合は重篤化の可能性もあるため、早めに病院を受診しましょう。

喉が痛いとき

喉が痛いときは、喉の痛みを軽減させ、炎症も抑えられる薬がおすすめです。鎮痛成分であるイブプロフェンやNSAIDsだけではなく、トリネキサム酸やグリチルリチン酸、カンゾウなどの抗炎症成分が含まれている薬を選ぶとよいでしょう。抗炎症成分が含まれると、喉の腫れも緩和が期待できます。

のど飴やトローチなどで、喉の乾燥を防ぐのも症状悪化を防止するために有効な手段です。薬剤師に症状や熱の有無を伝えて、適切な薬を紹介してもらってください。

風邪をひいたときや耳が痛いとき

風邪には総合感冒薬を利用するとよいでしょう。たんが絡む場合は、ブロムヘキシン塩酸塩やLカルボシステインなどの痰の排出を促す成分が含まれる薬剤がおすすめです。

風邪で耳が痛い場合は、喉の痛みと同じく、痛みを抑える成分が含まれる総合感冒薬がおすすめです。

片側の喉や耳の痛みが悪化する場合は病院を受診しよう

片側の喉や耳が痛い場合は、風邪にとり喉に炎症を起こしている可能性があります。風邪が治ると、痛みも徐々に取れることでしょう。

ただし、喉や耳の痛みを繰り返したり、悪化したりする場合は重篤な病気を抱えている可能性があるため、速やかな病院の受診をおすすめします。また、細菌感染による扁桃炎などの場合は、抗生剤を病院で処方してもらい治療を受ける必要があります。

痛み止めや抗炎症薬は市販されていますが、抗生剤は病院でしか処方を受けられないため注意しましょう。

瀬尾 達
瀬尾 達
【学歴】
大阪星光学院高校 卒業
兵庫医科大学医学部 卒業
京都大学医学部大学院 修了

【職歴および資格】
日本耳鼻咽喉科学会 専門医
厚生労働省指定臨床研修医療機関 指導医
京都大学 医学部 講師
兵庫医科大学 講師
大阪歯科大学 講師
京都大学医学部大学院 専門職学位
兵庫県立大学 講師
兵庫県立総合衛生学院 講師
身体障害者福祉法 指定医
日本耳鼻咽喉科学会認定 難聴担当医
兵庫県 指定難病医療機関
兵庫県立尼崎総合医療センター 研修管理委員

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