痛くない首のしこりは大丈夫?考えられる病気や原因を解説
(画像=Adobe Stock)

痛みのない首のしこりの原因は、脂肪腫や良性の腫瘍が考えられます。その一方で、がんをはじめとした悪性腫瘍の場合もあるため、気になる場合は医師の診察を受けた方がよいでしょう。本記事では、首にしこりができた場合に考えられる病気について、痛みの有無やその他の症状を詳しく解説します。

目次

  1. 痛くない首のしこりは、病院に行くべき?
  2. 首のしこりが痛くない場合に考えられる原因
    1. 脂肪腫
    2. 耳下腺腫瘍
    3. 悪性リンパ腫
  3. 甲状腺の腫れによる首のしこり
  4. 唾液腺の腫れによる首のしこり
    1. 唾石症
    2. シェーグレン症候群
  5. 注意すべき首のしこり
  6. 首のしこりが気になる場合は病院を受診しよう

痛くない首のしこりは、病院に行くべき?

首のしこりに気が付いたら、念のために病院を受診した方がよいでしょう。痛みのあるしこりは、細菌やウイルスの感染によるリンパ節の炎症の可能性があります。

その一方で、痛みがないしこりは、可能性が低いながらも悪性腫瘍の可能性があります。とくに、しこりが固かったり、数が増えている場合は注意が必要です。首のしこりを診てもらうには、まずは耳鼻咽喉科を受診するとよいでしょう。

首のしこりが痛くない場合に考えられる原因

痛くないしこりが首にできた場合に、考えられる原因は次のとおりです。

  • 脂肪種
  • 耳下腺腫瘍
  • 悪性リンパ腫

各疾患について詳しく解説しますので、参考にしてください。

脂肪腫

脂肪腫とは、しこりの内部に脂肪の塊が入った良性の腫瘍です。首に限らずどこにでもできる可能性があり、手術で摘出しない限り、残ったままです。自然に無くなることはないため、大きくなり患部に痛みを生じる場合は脂肪種の摘出も検討されます。

大きいものから小さいものまで、大きさはさまざまですが、大きくなり過ぎると手術時のリスクも高くなったり、傷跡が残りやすくなったりします。そのため、ある程度の大きさに成長した場合は、早めに治療した方がよいでしょう。

耳下腺腫瘍

耳下腺腫瘍とは、耳の前や下にある唾液を作り出す耳下腺にできものができた状態です。耳下腺腫瘍の約80%は、良性だといわれています。しかし、腫瘍が大きくなると神経を圧迫して顔面神経麻痺になることもあるため、注意が必要です。

良性の小さな腫瘍の場合は、放っておいても問題はありません。しかし、悪性の可能性もあるため、自己判断をせずに病院で検査を受けた方がよいでしょう。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫とは、血液中に存在するリンパ球ががん化する病気です。リンパ球は全身に存在するため、さまざまな部位に転移する可能性があります。

発赤や痛みを伴わないため、発症したことに気付かないことも。がんが進行すると、発熱や体重減少、寝汗などの全身症状が現れます。

甲状腺の腫れによる首のしこり

甲状腺が腫れて、しこりになることもあります。甲状腺の腫れの多くは良性ですが、悪性の場合もあるため注意が必要です。甲状腺が腫れると、動悸や多汗、脱毛、下痢、便秘などの首のしこり以外の症状も現れます。

自覚症状がない場合であっても、悪性腫瘍の可能性もあります。甲状腺の腫れがある場合は、病院を受診した方がよいでしょう。甲状腺が腫れている場合は、のどぼとけと鎖骨の間を触ると、膨らみを確認できる場合があります。

唾液腺の腫れによる首のしこり

唾液腺には耳の下にある耳下腺と、顎の下にある顎下腺や舌下腺があります。耳の下が腫れた場合は耳下腺腫瘍、顎の下が腫れている場合は顎下腺腫瘍が疑われます。各部位にできた腫瘍は、良性と悪性があり、良性の場合は腫れやしこり以外の症状はほとんどありません。

また、ウイルスや細菌感染による炎症性の疾患も考えられ、その場合は発熱や痛みを伴うことが多いです。

炎症や腫瘍以外の場合は、シェーングレン症候群や唾石症が考えられます。ここでは、炎症や腫瘍以外の唾液腺の腫れやしこりについて解説します。

唾石症

唾石症とは、唾液に含まれるカルシウム塩が唾液管を塞ぐことが原因でおこる病気です。唾液腺が腫れて痛みを伴います。とくに、ものを食べる最中に激しい痛みを伴う点が特徴。

小さな唾石の場合は、自然になくなることもありますが、大きいものだと手術で摘出する必要があります。

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群は、唾液の分泌が減少する自己免疫疾患です。唾液腺は腫れるのですが、痛みを伴わないことが多い点が特徴です。

シェーグレン症候群になると、唾液の減少による口の渇きだけではなく、涙の分泌量の減少によるドライアイの症状にも見舞われます。中年女性に発症することが多く、難病指定されている病気です。

注意すべき首のしこり

注意すべきしこりは、次のようなしこりです。

とても固いしこり 新しくできたしこり、高齢者のしこり しこりでものを飲み込むのが難しくなった場合 しこりができて、声が枯れた場合

痛みのないしこりは、痛みのあるしこりよりも、がんの可能性が高いため、注意が必要だといわれています。今までになかったしこりに気づいたら、早めに病院を受診した方がよいでしょう。

首のしこりが気になる場合は病院を受診しよう

首にしこりができる原因の多くは、リンパ節の腫れです。細菌やウイルスに感染すると、リンパ節が腫れて痛みを伴うことがあります。細菌やウイルスの感染から回復して、炎症が治まれば、首のしこりや痛みも落ち着くでしょう。

以前からあるような痛みのないしこりの場合は、脂肪腫や良性の耳下腺腫瘍などが原因である可能性が高く、重篤な疾患ではないことが多いです。

しかし、中には悪性リンパ腫やその他のがんの可能性もあるため、しこりが急に現れたり、増加したりする場合は、病院を受診した方がよいでしょう。

瀬尾 達
瀬尾 達
【学歴】
大阪星光学院高校 卒業
兵庫医科大学医学部 卒業
京都大学医学部大学院 修了

【職歴および資格】
日本耳鼻咽喉科学会 専門医
厚生労働省指定臨床研修医療機関 指導医
京都大学 医学部 講師
兵庫医科大学 講師
大阪歯科大学 講師
京都大学医学部大学院 専門職学位
兵庫県立大学 講師
兵庫県立総合衛生学院 講師
身体障害者福祉法 指定医
日本耳鼻咽喉科学会認定 難聴担当医
兵庫県 指定難病医療機関
兵庫県立尼崎総合医療センター 研修管理委員

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