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最終更新日:2022年1月4日

大人にも「自分さがし」が必要な理由

こちらの記事の監修医師

大澤 弘子

大人にも「自分さがし」が必要な理由

(画像=Adobe stock)

自分さがしというと「就活生がやること」「自己啓発の古いバージョン」このような、あまりポジティブではないイメージを持つ人も多いです。しかし、大人にも、「自分の在り方をさがす時間」「人生を見つめ直して言語化するために、自分自身に向き合う時間」が重要です。その理由を、人材育成事業を手がける日テレHR代表の大澤弘子さんが解説します。

目次

  1. キャリアに悩む人の共通点
    1. 評価が高いのに悩みが深い人の共通点
  2. 悩みに陥る理由
  3. 「大人の自分さがし」を大切にする理由
  4. 「大人の自分さがし」がもたらすもの

キャリアに悩む人の共通点

キャリアコンサルティングやコーチングを受けに来られる相談者さんは、大学生や20代もいますが、多いのは30代から40代です。中には50歳以上の方もいらっしゃいます。わたし自身が、サラリーマン30年で51歳という背景なので、近い環境の方が多いのかもしれません。男女問わず、多くの方が、相談の冒頭で同じことをおっしゃいます。

「これから、どうやって生きていくのがいいのかなあと思って」

評価が高いのに悩みが深い人の共通点

相談者さんの多くは、周囲の方からの評価が高いです。会社で、組織で「役に立ってない」とか「努力不足」とか「もっと真剣に仕事してくれ」という評価を受けている人はほぼいません。共通点は他にもあります。書き出してみると、

  • 真面目
  • 自分の負の感情をそのまま出さずにコントロールできる
  • 「嫌だからやらない」というのは仕事では通用しないと思っている
  • 内心、納得いかない部分があっても強い責任感からやり遂げる
  • やる以上、しっかり成果を出すことを本気で目指す
    こんな方が多いのです。

悩みに陥る理由

仕事を始めてから、努力もしてきた、人の話に耳を傾けてもきた、周囲の人との協調もはかる意識を持ってきた。お客様や上司・同僚が求めているものを察知して、自分ができる限りのことをやってきた人が、ふとした瞬間から「キャリアに迷う」ことがあります。

がんばってきた人なので、成果は出ているし、周囲からの評価も高いです。なぜそんな頑張り屋さん、努力家さん、協調性も責任感もある人が「悩み」に陥るのでしょうか。よくよくお話をしてみると、共通点がありました。

  • 自分に対する自分の評価が高くない
  • 幸福感が薄い
  • 本心からの願望とやっていることを一致させようと取り組んだことが少ない

実は、自分の願望と不一致であってもある程度までは人は走れます。責任感や他者からの評価に対する自己管理の意識が働くからです。

努力するスキルを持っていたり、自分の時間をコントロールするスキルを持っていたり、人の話を聞くことができるコミュニケーションスキルを持っていたり、求められていることを察知するスキルがあったり、時間内にゴールに辿り着くための分解のスキルがあったり。

すると、願望と不一致であっても、一定の成果を出すこともできます。でも、それが自分の願う姿とズレていると、ある時、

「あれ…?なんかあんまり嬉しくない…」
「あれ…?なんかこの先、このままがんばり続けていくモチベーションがもうない…」

こんな気持ちに襲われるのです。

これは、自分が意識できていない潜在意識・本能からくるアラート信号です。このまま行っても、自分が本当に「やったー」「最高だー」と思えるゴールに辿り着かないことに本能的に気づいたとき、その違和感が「悩み」となって自覚されるようになるのです。

「大人の自分さがし」を大切にする理由

わたし自身の話を少しさせてください。運の良いことに、新卒で希望した仕事に就くことができ、それはそれは一生懸命やってきました。つらいことや体力的にキツいことも、心のどこかでおもしろがって乗り越えてきました。仲間にも先輩にも恵まれていたと思います。そういった周囲の支えに対しては心から感謝しています。

でも入社して5年ほど経った頃から、「あれ…?」の時代に入ったのです。28歳ぐらいだったと思います。そこから35歳ぐらいまで、いろいろ悩み、試行錯誤の連続で、仕事をしながらもHappyだと感じることができなくなりました。

それに伴って、体調も悪くなり、仕事の成果も出にくくなりました。成果をあげる同僚を羨ましく妬ましく思ったり、自分に対する言い訳のような気持ちが大きくなったり、周囲の環境や人のせいにすることが増えたり、ひいてはそんなネガティブ思考になっている自分が自分で嫌になったり。グルグル同じところを徘徊するような日々が続きました。

なかなかダメな人だったと思います。そして今思うと、この時間が本当にもったいなかったなあと思います。まさに、自分の本心が願うやりたいことを自分で分かっていなかったことが、悩みの最大の原因でした。

なりたい自分の姿と、毎日やっていること=行動とが、ズレていたことが今はよくわかります。好きなことをやれていると「意識」では思っていましたが、「無意識」ではこのままでいいのか?本当に死ぬまでこの仕事をやりたいほど好きじゃないでしょ?という声が頭をもたげてきていたのだと思います。

こんな時は、一旦停まって「自分が本心で願っていることは何なのか」「毎日の仕事を通じて、それを実現するためには何をがんばるのが良いのか」このような問いにちゃんと答えを出す絶好の機会です。

限られた一回の人生、グルグル期間は短い方が楽しい。できればない方がHappyです。悩んだことも無駄になるわけではないですが、その時間、願うことに向かって進めばよかったと思うのです。

自分さがしというと、就活生がやること、若者が社会に出る前後でやること、自己啓発のちょっと古いバージョン?という、あまりポジティブではないイメージを持つ人もいます。大人になって、いい歳してそんなことをやるってちょっとどうなの…?と。

でも、大人には、「自分の在り方」をさがす時間、自分の人生を見つめ直して言語化すべく、自分自身に向き合う時間が重要だとわたしは思っています。

「大人の自分さがし」がもたらすもの

自分の人生をどうするか、運転席に座るのは自分しかいません。誰も座ってくれないし、座られても困ります(笑)。

そのとき、どの道を選び、どんなスピードで走るのかということばかりに目が行きがちですが、一番大事なことは「どこへ向かうのか」です。

わたしがパーソナルキャリアコンサルティングやコーチングでお手伝いするのは、この目標地点をしっかり定めることです。ここが決まると、今の一つひとつの仕事や活動での目標を立てることもスムースにできるし、一つひとつの目標を達成するための技術を身につければ、確実に達成していくことができます。

頑張ることと流すこと、受け入れることとスルーすること、時間を優先的に注ぎ込むことと無視してしまうこと、こんな分類も「基準」が決まると楽になります。もちろん道に迷うこともない。

死ぬまで生きる人生を送る中で、一番重要なことは「どこに向かいたいか」です。これが、自分らしい後悔のないキャリアビルディングの根っこになると思うのです。

社会人になり、ある程度、仕事をしてみてると、何も経験していないときには見えていなかった事実や自分自身に対する理解も深まっているものです。だからそこで改めて取り組むのが、大人のための自分さがし。

恥ずかしいことでもなければ、陳腐でもない。むしろ適当にやり過ごしていると、近い将来、どこかで行き詰まったり、人との良好な関係を築けなくなったり、環境や他者のせいで、自分が不幸に思えたりする要因になるかもしれません。

恨めしく人のせいにして生きる人生は、幸福につながりません。強い恨みから発生する「今に見てろよ」「絶対にぶっ潰してやる」というエネルギーが支えになって大きな成果が出ることもありますが、寿命を全うするまでそれを続けるのはなかなか辛く、満ち足りた幸福なゴールとは違う気がします。

日常の仕事に満足感や達成感が薄くなってきたなと感じたら、ぜひ一度、立ち止まって自分の本心が望む「行き先」について、自分自身と腹を割って話してみるのが良いと思います。

大澤 弘子
大澤 弘子(おおさわ・ひろこ)
国家資格キャリアコンサルタント 日本青少年育成協会認定教育コーチ(中級)
日本テレビでプロデューサー歴25年。各界の著名人を取材し、誰しも「自分の軸」に気づいて殻を破る転換点があると知って感動。史上初のNHKとの共同制作実現、タレントと視聴者が「ワーキングマザー」として交流するサークルなど、TV番組の枠を越えた取り組みを推進。2016年、慶應義塾大学大学院SDM研究室・前野隆司教授に学び「最大の成果を出すチームに共通する力」を導く。2019年「日テレHR」スタート。上場企業の人材育成に従事。2020年には全国170,000人の人事パーソンが選ぶ「HRアワード」受賞。サラリーマンこそ「キャリアビルディング」意識が必要と考え、人材育成コンサル・研修・個別コーチングも多数。

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大澤 弘子

国家資格キャリアコンサルタント 日本青少年育成協会認定教育コーチ(中級)
日本テレビでプロデューサー歴25年。各界の著名人を取材し、誰しも「自分の軸」に気づいて殻を破る転換点があると知って感動。史上初のNHKとの共同制作実現、タレントと視聴者が「ワーキングマザー」として交流するサークルなど、TV番組の枠を越えた取り組みを推進。2016年、慶應義塾大学大学院SDM研究室・前野隆司教授に学び「最大の成果を出すチームに共通する力」を導く。2019年「日テレHR」スタート。上場企業の人材育成に従事。2020年には全国170,000人の人事パーソンが選ぶ「HRアワード」受賞。サラリーマンこそ「キャリアビルディング」意識が必要と考え、人材育成コンサル・研修・個別コーチングも多数。