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最終更新日:2021年12月5日

ネガティブな感情と上手くつきあう「気分日記」の書き方

こちらの記事の監修医師

大澤 弘子

ネガティブな感情と上手くつきあう「気分日記」の書き方

(画像=Adobe stock)

毎日、毎分、生じる外的刺激に対する感覚と上手に付き合い、ネガティブなものを自分の中に溜め込まないスキルは、とても重要です。今回は、さまざまな手法があるセルフケアのなかでも、すぐに始められて、自分のペースでやれる方法である「気分日記」について、日テレHR代表の大澤弘子さんが解説します。

目次

  1. ネガティブな感情を溜め込まないコツ
  2. なぜ、ネガティブな感情は生まれてくるのか?
  3. ネガティブな感情の扱い方
  4. 気分日記の書き方

ネガティブな感情を溜め込まないコツ

突然ですが、質問です。

  • 自分の感情や感覚に、日々、どのくらい向き合っていますか?
  • 自分がどんなときにイラっとするかを知っていますか?
  • どんなときにワクワクしてテンションが上がるかを知っていますか?

イラっときたり「腹が立つなあ」と感じたり、悲しかったり、うれしいことがあったりした時に、あなたは自分の「気分」をどのくらい落ち着いて味わっているでしょうか。

日常を忙しく生きていると、ベクトルは常に外側に向かっています。自分の内面ではなく、常に外からの刺激に対応するために脳が使われている状態です。例えば、

  • 次にこれをやる
  • 何時までに間に合わせる
  • 今、自分の発言で〇〇さんの表情が曇った
  • 一生懸命話しているのに●●さんは、さっきから手元でずっと作業しているようでまともに聞いてくれていない
  • わたしが作成した資料が直されている。何かまちがえていたかな?

わたしたちは起きているあいだ中、目や耳、匂いや触覚を含めて、休みなく
常に外的刺激に反応しています。刻々と変わる状況をキャッチしてそれを無意識を含め、脳で処理しているのです。そして、そのうち半分以上の確率で「不安」を感じたり、「イラっと」きたり、「なんだよっ」と憤りを感じたりしていると言われています。

失敗して自信を失っているときや、仕事以外のプライベートでツライことがあったときなどは、これが半分なんかでは済みません。7割以上、場合によっては9割以上の確率で、外的な情報に対してネガティブな感情を抱いています。

このネガティブな感情、その場だけで、過ぎ去っていくならさほど問題にならないのですが、自分ではさほど重大に感じていないくても、知らず知らずのうちにストレスになって蓄積されていきます。

すると、ある朝おきて、急に会社に行くのが嫌になったり、全く「やる気」が出なかったり、ついには毎日がつまらない、楽しいことがない、自分の人生は幸福ではない、という感覚にまで発展してしまいます。自分が消沈している状態では新たなことにチャレンジする気が起きないのはもちろん、誰かのために力を注ごうというモチベーションも持ちづらくなってしまいます。

結果として、自分のことを嫌いになり、人との関係が疎遠になり、益々自分に自信が持てなくなり自己否定感に苛(さいな)まれてしまいます。こんな状態になると、周囲の人にもネガティブな感覚を波及させてしまう上に、何より自分がツライですよね。ツラすぎます。

毎日、毎分、生じている外的刺激に対する感覚と上手に付き合い、ネガティブなものを自分の中に溜め込まないスキルは、セルフケアとしても大変重要なことです。

今回は、さまざまな手法があるセルフケアのなかでも、すぐに始められて、自分のペースでやれる方法として「気分日記」についてお伝えします。

なぜ、ネガティブな感情は生まれてくるのか?

わたしたちは、成長する過程でいろんなことを吸収してきています。

  • 経験したこと
  • 学んだこと
  • 幼少期に親や教師など、周りの大人から伝えられたこと
  • 友人関係の中で見聞きしたこと
  • 書物や情報から得た知識

これらを総合して、自分の価値観や判断基準のようなものを培っていきます。
これをここでは、自分のものさし(=善悪や快不快などの判断基準)と呼ぶことにしましょう。人の言動に対して違和感を感じるのは、あなたのものさしと相手のものさしがズレているときです。

全く同じ人間がいない以上、自分のものさしは相手のものとズレているのですが、そのズレ方が大きいとき、ネガティブな感情が発生しやすくなります。

ネガティブな感情の扱い方

人の言動に対して、自分の中に「ネガティブな感情」がわいたのに気づいたとき、あなたはその感情をどう扱っていますか?また、どうするのが「正しい」と判断していますか?

先日、カウンセリングした方でこんな方がいました。32歳の女性サラリーマンでした。

同僚でとにかく気が合わない、うまくいかない人がいます。わたしの言うことやることに、不満があるのか、いつもわたしの言動に対して批判的な発言をして、これみよがしにわたしの行った作業をやり直したりします。正直、こちらも腹が立ちます。でも次の瞬間、「サポートしようとしてくれているのかもしれない」、「言い方がキツいだけかもしれない」と善意だと思い直して、自分の気持ちを沈めてきました。でも、ある日、出勤したら右耳が水に潜った時のようにくぐもって聞こえづらくなっていることに気づいたんです。突発性難聴でした。聞こえなくなった右の耳。その同僚が座っている席の方でした。

相談者さんの「ものさし」は、周囲の人を悪く言いたくない、合わないと感じる人との出会いも自分が成長できる機会かもしれないと思わなければダメだ!という価値観によって形づくられていたわけです。

そのため、自分を批判したり否定したりする人に対して「腹を立ててはいけない」と思い、その価値観に従って行動してきました。自分の感情を無視し続けてきたことが限界に達したものと考えられます。

人間は誰もが「完璧」ではありません。耳に痛いことを言ってくる人を受け入れて、成長できる機会をいただいたと思って受け止めることができるのは素晴らしいことですが、「悲しい」「悔しい」「どうしてそこまで?という憤り」といった自分の素直な感情を、ネガティブだからという理由で黙殺し続けていると、心とカラダが悲鳴をあげてしまいます。「耳が聞こえなくなる」まで行ってしまったのは、残念なことです。

ネガティブな感情も、心に沸いたものは、その瞬間、無視せずに自分で受け止めてあげてください。そして、次の瞬間にはそれを「過去」のこととして置き去りにしましょう。

「あ、わたしは今、イラッとしたな」

これが、受け止めることです。ネガティブな感情を否定せず、「イラっとしたわたしがいたことを、わたしは確かにキャッチしたよ」と認めてあげるのです。

次に、その理由を考えます。

「なぜイラッとしたんだろう?」

「一生懸命に作った資料を評価してもらえず、悲しかったんだな」
「よくできた資料だったねと言ってもらえなくて悔しかったんだな」

という具合です。その上で、関わった人を恨んだりするのではなく、よくなろうとしている自分の向上心を認めて、「わたしは、向上しようとしているんだな」「頑張ろうとしているんだな」と感じてあげてください。ここでは、人は関係ありません。イラッとした感情も、過去の中に置きます。

「思っていた以上に、わたしは向上心があることがわかった。以上」

こんな風に終わらせるのです。手順をおさらいすると、こうなります。

  • 自分のネガティブな感情を受け止める
  • 受け入れて認めてあげる
  • その背後にある自分の願望に気づく

これで終了です。「次は、こうしよう」「意地悪した相手にリベンジしよう」「次回はアイツが文句言えない出来栄えの資料にしよう」などと思わなくてOKです。過去や他人をどうにかしようともがくと、前向きのエネルギーが損なわれます。自分の向上心を知って、自分を褒めて、終了です。

そして、このような感情の受け止め方をする習慣づくりにオススメなのが「気分日記」です。

気分日記の書き方

気分日記の書き方は、難しくありません。デジタルでも手書きでも、自分がやりやすい方を選んでください。イラッときたらメモする。その時に、すぐにです。

何回書いても構いません。コツは長々と書かず、何があったか、どう感じたか、どんな自分に気づいたかというだけ。誰にも見せるものではありません。自分だけのメモとして、何ものにもフタをせず、本心であるがままに書くことが重要です。

そして夜。ベッドに入る前に、その日のメモをさっと見直してみましょう。総合して、どんな気分の日だったのかを振り返ってみます。これも長々と時間をかけて熟考する必要はありません。最初は3分以内を目安に。慣れてきたら5分ぐらいじっくり振り返ってもOKです。

今日は、どんな自分の本心をキャッチしたか。その裏側には、どんな自分の願いがあると思ったか。それを言語化してメモしたら、その日の「気分日記」の完成です。

感情が動いた瞬間にメモすることによって、落ち着くことができます。感情を爆発させてしまうこともなくなり、飲み込んで自分の中に蓄積させてしまうこともなくなります。書き出すことで、感情が、自分の中から紙やPC画面の中に移動させるイメージです。

それを1日の終わりにさっと見返してみる。何日か継続していくと、自分がネガティブな感情を抱くシチュエーションをある程度、体系づけることができます。その裏側にある自分の願望をより詳細に整理できるようになります。ここが見えてくると、自分の本心から願う姿になるために、何をしたらいいかということを自然に考える習慣がついてくるのです。

ここまで来ると、自分の願望に向けて日々一歩ずつ成長していく自分が始まります。周囲の人の態度や言動、過去に自分がもった感情に執着することなく、そこから見えてきた自分の願いを叶える方に意識を注ぐ自分になれます。

ネガティブな感情は、満たしたいけど満たせていない本心の願望の表出でもあります。つまり、本当の自分が願うことを自分で知る糸口でもあるわけです。ネガティブな感情を抱く時があってもOKです。その時の自分を無視したり黙殺したりせず、気づきのヒントとして受け止めて、なりたい自分になるために活かせばいいのです。

よかったらぜひ一度、やってみてください。やり方にあまり拘らず、やりやすい形で構いません。2週間ほど書きだしてみると、自分の願いを感じられるようになってくると思いますよ。

大澤 弘子
大澤 弘子(おおさわ・ひろこ)
国家資格キャリアコンサルタント 日本青少年育成協会認定教育コーチ(中級)
日本テレビでプロデューサー歴25年。各界の著名人を取材し、誰しも「自分の軸」に気づいて殻を破る転換点があると知って感動。史上初のNHKとの共同制作実現、タレントと視聴者が「ワーキングマザー」として交流するサークルなど、TV番組の枠を越えた取り組みを推進。2016年、慶應義塾大学大学院SDM研究室・前野隆司教授に学び「最大の成果を出すチームに共通する力」を導く。2019年「日テレHR」スタート。上場企業の人材育成に従事。2020年には全国170,000人の人事パーソンが選ぶ「HRアワード」受賞。サラリーマンこそ「キャリアビルディング」意識が必要と考え、人材育成コンサル・研修・個別コーチングも多数。

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大澤 弘子

国家資格キャリアコンサルタント 日本青少年育成協会認定教育コーチ(中級)
日本テレビでプロデューサー歴25年。各界の著名人を取材し、誰しも「自分の軸」に気づいて殻を破る転換点があると知って感動。史上初のNHKとの共同制作実現、タレントと視聴者が「ワーキングマザー」として交流するサークルなど、TV番組の枠を越えた取り組みを推進。2016年、慶應義塾大学大学院SDM研究室・前野隆司教授に学び「最大の成果を出すチームに共通する力」を導く。2019年「日テレHR」スタート。上場企業の人材育成に従事。2020年には全国170,000人の人事パーソンが選ぶ「HRアワード」受賞。サラリーマンこそ「キャリアビルディング」意識が必要と考え、人材育成コンサル・研修・個別コーチングも多数。