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最終更新日:2022年11月9日

晩婚化で増加…身近に潜む「不妊」の原因と改善法【産婦人科医が解説】

こちらの記事の監修医師
東京衛生アドベンチスト病院附属めぐみクリニック
吉井 紀子

不妊 めぐみクリニック 吉井先生
※画像はイメージです/PIXTA

国立社会保障・人口問題研究所「2015年社会保障・人口問題基本調査」によると、日本の挙児を希望するカップルのうち、10~15%が不妊であり、また不妊を心配したことがあるカップルは約35%におよぶとされています。未婚の人や妊活をはじめていない人であっても「もしかしたら自分は妊娠しにくい身体なのでは」と不安を抱いた経験がある人もいるのではないでしょうか。不妊症の原因を探りながら、いまからできる“不妊予防”について、めぐみクリニックの吉井紀子院長が解説します。

不妊ともっとも関わりが深い「年齢」

妊娠の可否に関わる最も重要な因子は、実は年齢です。加齢とともに、特に30代後半以降は、年々妊娠しやすさ(妊孕性)は低下していきます。


わが国でも女性の高学歴化、社会進出に伴い、女性の晩婚化は急激に進行してきました。その結果挙児を希望する年齢が上昇したことが不妊症患者の増加の一因となっていることは間違いありません。

これには加齢による卵子の減少や卵子の老化から生じる受精卵の異常が大きく関与しています。そのためもっとも効果の高い不妊治療法とされる体外受精、顕微授精等の生殖補助医療においても、やはりその成功率は年齢の上昇とともに明らかに低下していきます。不妊という状態は、加齢とともに進行するものなのです。


令和4年4月1日より不妊治療の保険適用が開始され、ほとんどの不妊治療における費用の自己負担が大幅に軽減されました。これは、不妊治療に家計の一部をあてることが難しかった若いカップルが、医療機関に足を踏み入れたり、治療を進めていったりする際のハードルを引き下げることに一定の効果をあげているようです。


加齢による不妊を予防するためには、20代から30代前半のなるべく若い時期に妊活を開始されることが最も効果的なのですが、女性のライフプラン、ご夫婦のファミリープランはそう単純なものでもありません。将来子供は欲しいけれども現在はまだ妊娠はできないというカップル、あるいはまだ将来をともにする相手に出会えていないという女性の場合には、若い時期の受精卵(胚)や卵子の凍結をしておくという方法も提案はできますが、これらは残念ながら保険適用外の治療となります。

月経痛、性感染症…身近に隠れている「不妊」の一因

「毎月のこと」と放置しがち…月経痛は我慢厳禁

若い頃より月経痛が強い、日常生活に支障がある、などの悩みを抱えている方は要注意です。


20~30代女性の半数以上が月経痛を抱えており(※1)、月経痛で受診した女性のうち子宮内膜症や子宮筋腫などがみつかる方の割合は、20代で3割、30代で5割、40代で7割との報告があります(※2)。

※1) 内閣府「男女の健康意識に関する調査」(平成30年)
※2) 厚生科学研究「リプロダクティブヘルスから見た子宮内膜症等の予防、診断、治療に関する研究」(平成12年)

また月経痛が強い方は、受診した時には診断されなくても、将来的に子宮内膜症を発症するリスクが高いことも知られています。一方、働く女性が月経痛や体調不良などを感じても、婦人科を受診される方は半数にもおよばないという調査結果もあります。


子宮内膜症や子宮筋腫は、不妊の原因となりやすい疾患であり、放っておくと徐々に増悪してしまいます。近年、ピルや他の治療薬の種類も増えてきており、早期に適切な対応をすることで、月経随伴症状の改善のみでなく、隠れていた病気の進行を抑えることもできるのです。


最近では企業も、女性特有の月経に伴う症状による生産性低下などの経済損失に着目し、女性が働きやすい社会環境を整備する方向で動き出しています。月経痛などの症状は、我慢せずに職場の産業医や婦人科を早めに受診することで、将来の不妊予防も期待できるでしょう。

月経不順も不妊の原因に

月経不順は元々の体質からくるもの、急激なダイエットやストレスがきっかけとなっているもの、加齢や卵子の減少によるもの、内科的な合併症によるもの等原因は様々ですが、いずれも不妊の原因となりえます。

実際、妊活を始めてからでも婦人科を受診されれば、必要に応じて排卵誘発剤などを使用することで、ほとんどのケースでは月経や排卵を整えていくことが可能です。

ただし、なかには若くして卵子数が極端に減少している場合もあり、20代で閉経されてしまう方もいるのです。月経不順のある方は、一度は婦人科を受診して原因を調べてもらうことをお勧めします。


また、日本人女性のやせや肥満がともに栄養障害として問題視されています。特に20~30代の生殖年齢女性におけるスリム志向やダイエットによる低栄養、やせは月経不順や無排卵による不妊を引き起こすばかりでなく、わが国で低出生体重児の割合が高いことの1番の原因となっています。

栄養障害のある女性の赤ちゃんは、胎児期から低栄養状態にあり、出生時の体重が低くなるだけでなく、将来生活習慣病を発症しやすいという説も定着してきています。妊娠前からの女性の栄養状態は、生まれてくるお子さんの生涯に関わる問題をも含んでいるのです。

性感染症も不妊につながる

性器クラミジア感染症、淋病などは、感染を放置しておくと不妊の原因となることがあります。

特にクラミジア感染症は無症状の感染者が多く、知らないうちに感染を広めていること、1度感染して治療しても再感染を起こし得る性質などから、日本で感染者の報告が最も多い代表的な性感染症となっています。

女性のクラミジア感染の多くは、子宮の入り口(頸管)より上行性に感染が拡大し、卵管内、時に腹腔内までにも炎症がおよぶことがあります。クラミジア感染既往のある方では、卵管狭窄や閉塞を認める割合が高く、不妊や子宮外妊娠の頻度も高くなります。

感染早期に治療すれば治癒率は高いため、妊活前には検査を受け、必要あればパートナーとともに治療を受けることが大切です。

不妊カップルの約半数が「男性側にも要因」

不妊となりやすい要因について、主に女性に関わることを挙げてきました。

しかし世界保健機構(WHO)の調査報告によれば、不妊要因が男性にある場合が約4分の1、男性と女性の両方にある場合が約4分の1、つまり不妊カップルの約半数には男性側の要因も関わっているのです。

現代人は精子数が減少してきているという報告もあり、その原因として、環境や生活習慣の変化が挙げられています。喫煙や過剰なアルコール摂取、肥満、ストレス等は精液所見を悪化させます。将来の妊活のためにも男性も生活習慣の見直しをしてみましょう。

また、男性は年齢が上昇しても精子が作られますが、男性の加齢も精液所見を悪化させたり、流産率を上昇させたりすると言われています。

大切なのは「元気な赤ちゃんを授かること」

将来不妊にならないために、今からでも準備できることについてご説明してきました。しかしみなさんの最終的なご希望は、“妊娠すること”自体ではなく健康な妊婦生活を送り元気な赤ちゃんを授かることにあるはずです。

生殖年齢にあるすべての女性やカップルが、将来の妊娠や出産のためにご自身の生活や健康と向き合うことを『プレコンセプションケア』と呼び、2012年にWHO が推奨して以来、わが国でも浸透してきています。


食事の内容や質を意識すること、適度な運動の習慣をつけること、禁煙やアルコール摂取量の見直し、葉酸サプリメントの服用などもプレコンセプションケアの主要な項目です。また、風疹ワクチンを接種することや、子宮がんや乳がん、歯科の検診を受けること等もこれに含まれます。


日頃からご自身のヘルスケアに意識を向けてみる、婦人科に気軽に相談できるかかりつけ医をつくるなど、将来の妊娠、そして出産のためにまずできることから始めてみましょう。

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こちらの記事の監修医師

東京衛生アドベンチスト病院附属めぐみクリニック

吉井 紀子

1994年慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学産婦人科学教室とその関連病院に勤務。2005年から2017年ファティリティクリニック東京副院長。2017年6月より東京衛生病院産婦人科勤務、10月より東京衛生病院附属めぐみクリニック(現:東京衛生アドベンチスト病院附属めぐみクリニック)院長就任。

医学博士(慶應義塾大学)
日本産科婦人科学会産婦人科専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医

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