最終更新日:2022年5月14日
冷やしてないと痛い!いつまで冷やす?病院に行くべき目安は?

こちらの記事の監修医師
みなと芝クリニック
川本 徹 先生

やけどをしたときは、何よりも先に冷やすことが肝心です。すぐに赤みや痛みが引いた場合はいいのですが、程度によっては、冷やしてないと痛いときもあります。やけどの部分を冷やしてないときも痛い場合は、いつまで冷やせばいいのでしょうか。やけどをしたときの対処法といつまで冷やす必要があるかについて解説します。
やけどの対処法はまず「冷やす」
やけどをしたときに始めにすべきことは、患部を「冷やす」ことです。なぜ、やけどは冷やすことが重要なのでしょうか。
なぜ冷やすことが重要?
やけどは、原因となるものとの接触時間が長くなるほど、重症化します。ですから、原因となるものから患部を素早く離して冷やすことで、やけどの進行を止めることが大切です。また、早い段階で冷やし始めると、やけどによる痛みも抑えることができます。
やけどしたときの冷やし方
やけどをしたときは、患部を流水で冷やします。最低でも5分、できれば15分〜30分くらいは流水をかけて、しっかり冷やすことが大切です。
このとき、患部に直接流水を当てると、水の圧力がダメージになって痛むことがあるので、患部の少し上に当て、患部に流れていくようにすることがポイントです。
顔など流水で冷やしにくい場合
顔など、流水をかけ続けることが難しい部位をやけどした場合は、濡れタオルや乾いたタオルで巻いた保冷剤・氷を使ってください。このとき、保冷剤や氷が直接肌に当たると、あらたな皮膚トラブルになったりすることがあるので、必ずタオルなどの布にくるみ、間接的に患部に当てるようにしましょう。
やけどで冷やすときの注意点
やけどを冷やすときは基本的に、患部に直接水が当たるようにしますが、やけどの部分が強く痛んだり、皮がめくれていたりするようであれば、衣服やガーゼを当てた上から冷やしてください。服を着たままやけどした場合は、無理に脱がせる必要はありません。服を脱がせる間にやけどが進行したり、服の摩擦によって水疱が破れたりすることがあります。ですから、服は着たままの状態で大丈夫です。
子供の場合は、大人と比べて体表面積が小さいため、冷やし続けると体温低下を引き起こすことがあります。冷やし過ぎないよう注意が必要です。
いつまで冷やす必要がある?
やけどをしたときに痛みがあるなら、痛みが引くまで冷やしましょう。しっかり冷やすことでやけどの進行を止め、回復を早めます。
冷やしていないと痛いやけど…痛みを和らげるには

やけどをした部分が痛いと、痛みが気になって、いろいろなことが手につかなくなるでしょう。そこで、痛みを和らげるには、市販薬の使用が効果的です。
患部に軟膏を塗りラップなどで覆う
やけどをした箇所に、やけどに効果のある軟膏を塗り、ラップで覆うようにしましょう。症状が軽ければ、ワセリンなど、皮膚を保護するものでも大丈夫です。こうすることで、火傷の痛みを和らげることができます。
痛みが続く場合は、この上からタオルに巻いた保冷剤などで冷やしてください。
ロキソニンなど市販薬を使う
やけどをしたところが痛くて我慢できない場合は、ロキソニンやバファリンなど、市販の鎮痛剤を飲みましょう。痛みが和らぐだけで、だいぶ楽になります。
冷やしていないと痛いやけど…病院に行く目安は

やけどが広範囲だったり、顔面や陰部など粘膜のある部分だったりする場合は、直ちに受診しましょう。皮膚の色が黒や白に変色していれば、皮膚だけでなく奥深いところまでダメージを受けているサインです。治療が遅れると感染症を起こし、創傷治癒が遅れるために、痕が残ることがあるので、早期治療が重要です。また、やけどの程度が軽くても、水疱が出来た場合は、水疱が破けると感染症を起こす危険性があるので、なるべく病院に行って処置してもらいましょう。
まとめ
冷やしていないと痛いやけどは、軽症だとは言えません。冷やしていないと痛いほどになると、気になって仕事や勉強が手につかなかったり、つらい思いをしたりして大変なので、初期にしっかり冷やして、やけどの進行を止めることが大切です。
軟膏や鎮痛剤などの市販薬で、痛みをある程度緩和することはできますが、それても改善しない場合には、病院を受診しましょう。

こちらの記事の監修医師
みなと芝クリニック
川本 徹 先生
〇診療科 :内科、消化器科、皮膚科、外科、整形外科、大腸・肛門外科
《 経歴 》
筑波大学臨床医学系消化器外科講師(1996~2006)
東京女子医科大学 非常勤講師