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川崎病の原因を解説!川崎病の主な症状や治療法は?川崎病の予防法や治療後の注意点もあわせてご紹介します

最終更新日:2021年8月24日

川崎病の原因を解説!川崎病の主な症状や治療法は?川崎病の予防法や治療後の注意点もあわせてご紹介します

こちらの記事の監修医師
長浜赤十字病院
安齋祐子 先生

川崎病は1967年に川崎医師により報告された「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」のことをいいます。
日本では年間約15,000人の子どもが発症する病気ですが、その原因や症状はあまり知られていません。
誰でもかかる可能性がある病気だからこそ、症状を知り早期発見に努める必要があります。
今回はそんな川崎病の原因や症状について詳しくご紹介します。

川崎病の原因

川崎病は日本だけでなく世界各地で報告されている病気です。
しかし、世界各国とはいっても日本を始めアジアでの報告が多いのが特徴です。
そこには、何か理由があるのでしょうか。まずは川崎病の原因をチェックしていきましょう。

明確な原因は不明

川崎病は、細菌やウイルスの感染が引き起こすのではないかといわれていますが、明確な原因は不明です。
様々な仮説が立てられ研究されているものの、原因の特定には至っていません。
発病する子どもが多い地域や、まれに同時期に兄弟・姉妹で発病するパターンもあります。
しかしその理由も明らかになっておらず、川崎病自体は人にうつる病気ではないとされています。
ただ子どもに特有の病気だということや、血管に炎症が起こるということは明らかです。

免疫細胞が自分自身を攻撃する場合も

川崎病の原因は明確ではないものの、免疫細胞との関連性の仮説が立てられています。
免疫細胞は、細菌やウイルスが外部から侵入すると、身体を守るために体内の白血球の数を増やします。
しかし、増殖した白血球が血管の壁に集まることで血管に炎症を起こすことがあるのです。
免疫細胞が自分自身を攻撃する状態であり、これが原因で起きる病気を「自己免疫性疾患」と呼んでいます。
川崎病は免疫細胞の自分自身への攻撃が原因ではないかという説が有力です。

川崎病の主な症状

川崎病は原因がはっきりしていないため、どのような病気なのか不安に思う人は少なくありません。
ここでは川崎病の主な6つの症状をご紹介します。
6つの症状のうち5つ以上、あるいは4つ以上かつ冠動脈の病変があれば川崎病と診断されます。
症状を見逃さないことで、早めの受診に繋げることができます。

38度以上の高熱が続く

川崎病の代表的な症状は、38℃以上の発熱です。ほとんどの場合、症状は高熱から始まります。
子どもの場合、発熱はよくあることのように思える人もいるでしょう。
川崎病の発熱を見分けるポイントはこちらです。

・予兆のない急激な高熱
・38℃以上の高熱が続く

例えば風邪に伴う発熱の場合、咳や鼻水といった他の症状が先に出ることも少なくありません。
しかし川崎病は急激な高熱というのが大きな特徴です。
また、長期にわたる高熱もインフルエンザや風邪症状には見られません。
高熱が続くため、ぐったりしたり食欲がなくなったりすることが多いです。

発疹

川崎病の症状の1つに発疹があります。発疹の出方や程度には個人差があるので、これだけで川崎病を疑うのは難しいでしょう。
そんな中で、川崎病の特徴ともいえるのがBCGの跡が赤く腫れることです。
もし気になる点があれば写真に残しておくと受診の時に説明しやすくなります。

眼球結膜の充血

高熱が出るのと同じ時期か数日後に、眼球結膜の充血が見られるのも川崎病の特徴です。
ほとんどの場合、両眼が赤く充血します。充血はするものの目やには出ません。

唇や舌が赤くなる

川崎病では、唇や舌が赤くなるという特徴的な症状が現れることがあります。
見た目にもすぐにわかるような唇や舌の赤みで、発病から数日後に出現することが多いです。
唇は赤くなるだけでなく、乾燥したり縦にひび割れを起こしたりする場合もあります。
高熱で水分が足りていないという訳ではなく、川崎病の症状の1つなのです。
また、赤くなった舌は乳頭の腫れによって表面がブツブツしてきます。
いちごのように赤くブツブツしているので「いちご舌」とも呼ばれます。

手足の腫れ

川崎病では発疹の他に手のひらや足の裏が真っ赤に腫れることがあります。
しもやけのようにふくれ、指で押してもあとがのこらない硬性浮腫と呼ばれる状態です。
症状が回復して熱が下がりはじめると、指先の爪と皮膚との間から皮がむけてきます。時には手のひら全体の皮がむけることもあります。
発病から2~3週間後に見られることが多いです。
この症状は手足がテカテカしていたり、パンパンに腫れあがっていたりするのが特徴です。

首のリンパの腫れ

川崎病の患者さんの半数以上に、首のリンパの腫れが起こります。
耳の後ろから首にかけてのリンパが腫脹し、触ると硬く感じます。
多くの場合、首の片側のリンパが腫れるのが特徴です。

川崎病が発症しやすい人

川崎病の原因は分かっていないものの、発生頻度が高い地域があります。
それでは、川崎病を発症しやすい人の特徴があるのでしょうか。
川崎病の患者さんは世界各国で報告されているものの、頻度が高いのは日本人・韓国人・日系アメリカ人です。
アジア人が多いのですが、中でも日本人の発症率が高いのが特徴です。
子どもの病気という印象がある川崎病ですが、その印象の通り4歳以下の発病が多くなっています。
特に1歳前後の乳幼児に多く、この時期の高熱には注意が必要です。

川崎病の治療法

川崎病は血管が炎症を起こす病気なので、治療の基本はこの炎症を抑えることです。
病状によって期間は異なりますが、多くの場合1~2週間入院して治療を行います。
ここでは川崎病の治療法についてご紹介します。

発熱や炎症を抑えるのが最優先

血管の炎症がひどくなると、血管に瘤(こぶ)ができて重篤な状態を引き起こすリスクがあるからです。
心臓に栄養を送る役割を果たす冠動脈が瘤で詰まってしまうと、「心筋梗塞」を起こします。
そのため川崎病は冠動脈瘤をつくらないように、炎症を抑えることが大切です。
川崎病で発熱や炎症を抑える治療方法はこちらです。

・免疫グロブリン療法
・アスピリン療法

免疫グロブリン療法は、点滴で免疫グロブリン製剤を血管内に流していきます。血液の流れによって全身の炎症を抑えることが目的です。
血管の炎症を抑える効果があるため、冠動脈瘤を防ぐことができます。
ごくまれにアレルギー症状が出現し、発疹や血圧低下を引き起こすリスクがあるため治療中の観察が必要です。
アスピリン療法は、血管の炎症を抑えるとともに血栓を予防する効果が期待されます。
血栓とは血が固まって血管内で栓になったものです。
これができると心筋梗塞のリスクが高まるため、血が固まらないように対処しなければなりません。
免疫グロブリン療法と異なるのは、アスピリンは内服という点です。症状が比較的軽い患者さんは、アスピリン療法のみという場合もあります。
症状の重さによっては、免疫グロブリン療法と併用することもあります。

症状に合わせた薬の投与

高熱が続く場合はそれだけ血管の炎症が強い可能性があります。
そのため基本的な治療に加えて、追加の治療が必要です。
できるだけ早く炎症を抑えて、冠動脈瘤を予防しなければなりません。
症状に合わせて、場合により用いられる薬剤や治療法は以下の通りです。

・抗TNF-α薬:炎症を起こすTNF-αの働きを抑制する
・免疫抑制剤:炎症を抑える
・血漿交換:炎症を起こす成分を取り除く
・ステロイド:炎症を抑える

これらの薬剤の投与方法は、免疫グロブリンに反応しない川崎病に対する治療法で、内服や点滴など様々です。より適切な薬剤・投与方法を医師が検討しますが、現在も最も有効な治療法が研究されている途中です。
万が一冠動脈瘤が出来てしまった場合には、より血栓を防ぐ効果が高い「ワルファリン(ワーファリン)」を用います。

川崎病の治療後の注意点

川崎病の治療を行い症状が改善しても注意しなければならないことがあります。
注意点を考える上で重要なのは、後遺症があるかどうかです。
治療を行っても冠動脈に障害が残ることもあります。その場合は、主治医の指示のもと今後の治療や生活について検討しなければなりません。
そして川崎病は後遺症がなく退院しても、定期的な検査が必要とされています。
薬物療法で血管の炎症は改善したものの、1度は冠動脈瘤のリスクがあったのです。
心臓に何らかの異常がないか定期的にチェックしなければなりません。
検査は、主に心電図や心エコーを行います。退院後は1か月・3か月・6か月と頻繁に受診をします。
もし問題なく経過すれば1年に1回など頻度が減っていくことが多いです。
いずれにしても、主治医の指示に従い定期的に検査を受ける必要があります。

川崎病の予防法

川崎病は子どもに好発し、冠動脈瘤ができるリスクがある病気です。
子どもであっても心筋梗塞が起こるかもしれないと思うと、恐ろしく感じる人は多いはずです。
予防できるものならしたいのですが、原因がはっきりしていない川崎病には明確な予防法もありません。
病気を予防することは難しいのですが、早期発見によって早期に炎症を抑えることはできます。
現状でいえる川崎病の予防法とは、早期発見・早期治療により冠動脈瘤ができないようにすることなのです。

重症化しないためにも異常を感じたら受診を考える

川崎病を重症化させないためにできることは、異常を感じたらすぐに受診を考えることです。
先ほどご紹介した川崎病の症状を振り返ってみましょう。
5日以上続く高熱・発疹・眼の充血・唇や舌の赤み・手足の腫れ・リンパの腫れです。
突然の高熱から始まり、時間差でその他の症状が出現することもあれば、ほぼ同時期に出ることもあります。
上記すべての症状が出るとは限らないので、少しでもおかしいと思ったら受診することが大切です。
38℃以上の高熱が5日続いてから受診というのではなく、他の症状があれば早めに受診してください。
発疹や眼の充血は一時的に出現する場合があるので注意しましょう。写真に残しておくと診断の際に判断材料となります。

まとめ

血管に炎症を起こす川崎病ですが、はっきりとした原因が分かっていません。
日本人に多いといわれているものの、遺伝や感染症との関連も明確ではないのです。
原因が分かっていないため、予防法もないのが現状です。
川崎病の恐ろしいところは、冠動脈瘤ができて心筋梗塞を引き起こすリスクがあることです。
そのため、川崎病と診断されたら炎症を抑えて冠動脈瘤を防ぐことが大切です。
早期発見・早期治療により、血管の炎症を抑えることができ冠動脈瘤の発生を予防できます。
川崎病の症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

こちらの記事の監修医師

長浜赤十字病院

安齋祐子 先生

〇病院名 :長浜赤十字病院
〇医師  :安齋 祐子
〇アクセス:滋賀県長浜市宮前町14番7号
〇診療科 :小児科
〇経歴: 2001年:自治医科大学卒業
2013~2016年:長浜赤十字病院小児科医長
2016年~2018年:上海グリーンクリニック
2018年~現在:長浜赤十字病院小児科部副部長