自閉症(ASD)の特徴を解説|自閉症が疑われる行動や特性は?自閉症の注意点もあわせてご紹介します

最終更新日:2021年8月24日

自閉症(ASD)の特徴を解説|自閉症が疑われる行動や特性は?自閉症の注意点もあわせてご紹介します

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓 先生

〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師  :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業

日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー

三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品

【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」

【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)

2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。

自閉症はその字面から、自分の殻に閉じこもり心を閉ざす精神的な疾患といったイメージを抱く方が少なくありません。

しかし自閉症は、脳の機能に何らかの障害がある「発達障害」の一種です。

自閉症の症状や行動、注意点を確認して理解を深めましょう。

自閉症の特徴

自閉症の方には以下に挙げる特徴があります。

対人関係の調整が難しい

自閉症の方は相手の思いを察したり、周囲の人の気持ちに合わせて行動したりすることが苦手です。

場の空気が読めず、いつも自分を優先する「超マイペース」な人ともいえます。

基本的に人に対する興味や関心が薄く、相手が何を感じているか、どう思っているかが想像できません。

そのため人と意思の疎通を図ることが難しく、対人関係を築くのが困難といえます。

コミュニケーションが取りにくい

自閉症の方は人との会話のやり取りがうまくできず、コミュニケーションが取りづらい傾向があります。

言葉を字義通り受け取り「言外の意味」を理解しないため、冗談や謙遜などが通じません。

また「まあまあ」や「だいたい」といわれても、程度がわからないために適切な行動がとれず、周囲とトラブルになることもあります。

さらに周囲の人の気持ちが理解できないため、その場にそぐわない発言をしたり、相手を傷つけてしまうようなことを平気で言ったりします。

もちろん、本人に悪気はありません。

実際に自閉症の方と会話をするとどこかチグハグだったり、かみ合わなかったりすることが多い傾向です。

このような点で、自閉症の方とはコミュニケーションを取ることが難しく感じられます。

特に曖昧な表現や言外に本音を置くことが多い日本のコミュニケーションにおいては、トラブルになりやすいといえるでしょう。

こだわりや興味・行動の偏り

自閉症の方は、ある特定の物事に対して非常に強い興味や関心を持っています。それは物質とは限りません。

たとえば数字や記号にこだわる方もいます。

数字を例にとると、膨大な数を瞬時に計算したり記憶したりするといった天才的な能力を発揮する方もいます。

また、ミニカーを片付ける時は1列にきちんと並べないと気が済まない、道を曲がるときは必ず直角に曲がらないといけないという人もいます。

こうした独自の「マイルール」を設けたりするのもこだわりの強い自閉症の特徴です。

いずれにせよ興味の対象は限定的であり、狭く深いのが特徴です。

その他の特性

幼児の自閉症の場合、常同行動といって変わった動作を何回も繰り返すことがあります。

たとえば手のひらを目の前でひらひらさせる、爪先立って歩く、その場でクルクルと回るといった動作です。

また自閉症の方の多くが臨機応変な対応を苦手としています。

そのため新しい物事や変化を嫌がり、いつも同じであることを好む人も少なくありません。

自閉症の特徴的なエピソード例

自閉症の方は、初めての場所に行くとパニックを起こしてしまうことがあります。

たとえば一般的には楽しい場所であるはずの遊園地へ出かけても、初めてであれば不安で体が固まってしまい動けなくなったりします。

周囲が良かれと思って積極的に遊ぶことを促したりしようものなら、不安が一気に高じて突然大声を出すこともあります。

自閉症の方はパターン化された行動を好むので、いつもと違うことをしたり、いつもと違う環境に身を置いたりすることが苦手です。

こうした自閉症特有の症状は周囲がよく理解していないと、トラブルが起きる可能性があります。

自閉症の方にとって初めての場所は要注意であることを、周囲の方は肝に銘じておきましょう。

自閉症が疑われる行動や特性

自閉症を疑う行動や特性にはどういったものがあるのでしょうか。

子供と大人に分けて、それぞれご紹介します。

乳幼児・子どもの場合

自閉症の症状の発現は比較的早く、乳幼児の頃から現れるのが一般的です。

以下に乳幼児や子どもにおける自閉症の代表的な行動例を挙げます。

ただし、こうした傾向が見られるからといって必ずしも自閉症であるとは限りません。

気になる方はまず、地域の保健センターや発達障害者支援センターなど専門の窓口に相談してみましょう。

・お母さんが赤ちゃんを抱っこしたりあやしたりしても目を合わさない、笑わない

・赤ちゃんがお母さんに関心を示さない、後追いをしない

・公園等で他の子どもに関心を示さない、人への興味・関心が薄い

・言葉の発達が遅い

・言葉を話すようになっても会話が成立しない

・保育園や幼稚園・学校では1人で遊ぶことが多い

・ある特定のものへの興味・こだわりが大変強い

・新しい環境や変化が苦手

・通学はいつも決まった道を決まった道順で通らないと気が済まない

・着る服や物の位置などがマイルールから外れることが許せない

・怒られているのに笑ってしまう

・集団行動が苦手

会話が成立しないというのは、たとえば「このおもちゃ、好き?」と尋ねても「このおもちゃ、好き?」とオウム返しをしてくることです。

マイルールについては、たとえば自分が使うコップやそれを置く位置を決めて遵守することです。

違う場所に置いたり、違うコップで飲ませようとしたりすると癇癪を起こしてしまいます。

大人の場合

大人の自閉症も症状があります。

子どもの頃に自閉症と診断され、適切な療育を受けてきた人もいるでしょう。

しかし大人になってから診断を受けて初めて自閉症とわかった人もいて、年々このケースが増加しています。

自閉症は子どもでも大人でも基本的には変わりません。

対人関係がうまく築けない、人とコミュニケーションがうまく取れない、興味の偏りやこだわりがあるのが特徴です。

こうした症状が子どもの頃に現れてはいても、生活を営んでいく上で大きな問題とはならなかった方もいます。

また親や周囲に発達障害の知識や理解がなく、「変わった人」としか思われない中で成長していったケースも少なくありません。

そうした場合、大人になってから初めて自分が自閉症だと知る方が増えています。

身の回りの人に下記のような行動が見られる場合、地域の専門窓口や職場の産業医等の診察を勧めてみると良いでしょう。

また自分にこうした行動の傾向がある場合、生きづらさを感じている方も多いです。精神科や心療内科を受診してみてください。

・場の空気を察したり、人の気持ちを考えたりすることが苦手

・言われたことは字義通りに受け取ってしまう

・冗談や比喩が通じない

・会話がかみ合わないため雑談が苦手

・「後で」「少し」などあいまいな言い方をされると理解できない

・興味や関心が限定的で、好きな事へのこだわりや集中力が非常に高い

・融通が利かない

・急な予定の変更などに対し、臨機応変に対応できない

・集団行動が苦手でプロジェクトチームを組むような仕事がうまくできない

・相手の立場や状況を理解しづらい

・自分ひとりで同じ作業をずっと続けるような仕事は得意

「字義通りに受け取ってしまう」ということについて具体例を見てみましょう。

たとえば相手が謙遜して「うちの子はたいしたことありませんから」と言ったとします。

しかし自閉症の人は「その子どもは能力の低い人間だ」と思ってしまうのです。

さらに自分でも「あなたのお子さんは大したことない子だから」と発言してしまうこともあり、場が凍り付かせてしまうことがあります。

次に「少し」や「後で」といったあいまいな表現が分からない点についてです。

たとえば上司に「今忙しいから後にして」といわれても、どの程度「後」なのかが理解できません。

「15分後に」のように具体的な指示が必要です。

ちなみにこうした具体的な指示は、自閉症とは関係なくコミュニケーションを円滑にする上で有効といえます。

最後にこだわりや集中力について具体例を見てみましょう。

自閉症の方は好きな物事に対してはかなりの集中力を発揮します。

たとえば好きなゲームに没頭していると、仕事に行くのを本当に忘れてしまうほどです。

「スペクトラム」という捉え方

最近では「自閉症」といわず、「自閉スペクトラム症」と呼ぶことが多くなっています。

自閉症は同じく発達障害の一種であるアスペルガー症候群などの症例において明確な区別がつきにくいためです。

また自閉症とアスペルガー症候群は、対人関係やコミュニケーションに障害を抱えているという点においては共通しています。

そのため現在はあえて分類していないのです。

「あいまいな境界を持ちながら連続している」という意味の「スペクトラム」を用いて、「自閉スペクトラム症」と呼んでいます。

自閉症はアスペルガー症候群と症例が重なるだけではありません。

これから述べるように他の疾患や発達障害と併存していることも多いため、「スペクトラム」として捉えるのは適切といえます。

自閉症の併存症

自閉症は他の発達障害と併存しやすいといわれています。

たとえば注意欠陥多動性障害(ADHD)が併存しているとしましょう。

自閉症の特徴である対人関係やコミュニケーションの障害・こだわりの強さに加え、落ち着きのなさや衝動的な行動が見られます。

落ち着きのなさ・衝動的な行動は注意欠陥多動性障害(ADHD)の症例です。

学習障害(LD)が併存していると、自閉症の症例の発現に加え、読み書き計算がとても苦手になりやすくなります。

自閉症は知的障害と併存することが多く、知的障害があるとてんかんや睡眠障害も起こりやすいでしょう。

自閉症の治療法

自閉症の特徴や症例の数々を見てきました。

ではこれらを治すにはどういった方法があるのでしょうか。

個々の発達ペースに沿った療育

自閉症は先天的な脳の機能障害であり、現代の医学では治療できません

したがって自閉症の治療は、地域の療育センター等が行う「療育(治療教育)」が基本となります。

個々人の発達段階に応じた個別の療育プログラムが組まれ、本人の潜在能力を引き出し、自分は何ができるかを明確にして自己肯定感を養います。

同時に自分ができないことに関しては周囲のサポートを得たり、相談したりすることで社会との適切なかかわり合い方を身に着けていきます。

こうすることによって生活上の困難を減らし、少しでも生きやすくなることを目指しているのです。

子どもが自閉症の場合、親のサポートプログラムもあります。

親は積極的に参加して、かかわり合い方や気持ちの持ち方などを学ぶといいでしょう。

大人の自閉症の場合は、地域の発達障害者支援センターやハローワークなどで就労支援を行っています。

また専門のグループケアに取り組んでいる医療機関もあるので、自治体の発達障害専門窓口で相談してみてください。

個別の症状は薬で軽減する場合も

自閉症はてんかんや睡眠障害など他の疾患と併存することがあるため、こうした疾患に対してはで症状が軽減することもあります。

主治医の診察を受け、相談の上で処方してもらいましょう。

自閉症の注意点

自閉症の方と接する場合、周囲の人はどんなことに注意したらよいのでしょうか。

自閉症の注意点について解説します。

周囲の理解

自閉症の方が対人関係やコミュニケーションに障害を抱えていることを、周囲の人がしっかりと理解していることが大切です。

家族は勿論、一緒に働く職場の人や学校関係者など本人に関わる全ての人が含まれます。

自閉症をはじめ発達障害を持った方は、昔であれば家族とだけ一緒にいればいい、という考え方でした。

しかし現在は学校教育を受け、成人したら社会で働くという生き方が当たり前になっています。

しかしそれは発達障害を持つ人にとって非常に「生きづらい世の中」だといえます。

こうした生き方は、苦手とする人とのコミュニケーションがものをいう世界だからです。

現在厚労省では、自閉症の方と一緒に働いている方向けの「精神・発達障害者しごとサポータ養成講座」を行っています。

身近な自閉症の方を理解し応援するためにも、家族以外の周囲の方がこうした取り組みに積極的にかかわることを期待します。

二次的な問題の軽減

自閉症の方は周囲の無理解の壁にぶつかることで、自己肯定感がなくなったり人に会うのが嫌になったりしがちです。

その結果うつ病や引きこもり、対人恐怖症やパニック障害といった二次的な症状を引き起こす傾向があります。

こうした問題を減らすためにも、周囲の方の理解がとても大切といえるのです。

ライフステージを通じたサポート

自閉症の症状は、程度の差こそあれ生涯続きます。

そのため年齢に応じた適切なサポートは今後もずっと必要です。

最終的には自閉症の方が自立して生きることが目標ですが、ライフステージを通じて必要とされるサポートを続けていかなければなりません。

そうすることで、特に成人においては就労支援のみならず快適な住環境をも獲得できるからです。

自閉症の方に限らず、人には誰でもできることとできないことがあります。

「お互いさま」の気持ちで、できない部分をサポートし合うのが真の共生社会の在り方ではないでしょうか。

まとめ

近年、大人になってから自閉症や何らかの発達障害を持っていたことが判明したというケースが増えています。

そうした人は子供の頃から自分が他の人と違うことに苦悩し、生きづらさを抱えながら生きていた人々です。

親が発達障害の知識や理解がなかったことで冷たく扱われて育ち、自己肯定感がかなり低い状態で大人になった人もいます。

そのため自分が発達障害だったと分かったことで、「自分はダメな人間ではなかったのか」と安心する人も少なくありません。

周囲の人は自閉症やその他の発達障害について知識を得て接することで、相応にコミュニケーションをとることは十分可能です。

自閉症の場合、はっきりとした具体的な表現や言い回しをすればトラブルにもなりません。

また自閉症に限らず発達障害を抱える人は、得意なこと・好きなことに関しては天才とすら呼べる能力を持っています。

自閉症の方にもそうでない方にも、共に安心して暮らせる世の中を作ることが求められています。

こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木幹啓 先生

〇病院名 :すずきこどもクリニック 〇医師  :鈴木幹啓 〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2 〇診療科 :小児科 〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO 1975年三重県伊勢市生まれ 1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度) 2001年自治医科大学卒業 日本小児科学会認定小児科専門医 国家資格ケアマネジャー 三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院 平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院 【製薬会社社外講師・CM出演等】 グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品 【メディア出演・TV監修】 日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」 【著書】 日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社) 開業医を救うオンライン診療(幻冬舎) 2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。

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    「すずきこどもクリニック」は、和歌山県新宮市下田にあります。こちらの院長は、親しみやすい人柄から「地域の良き相談相手」として多くの患者さんに信頼されています。院長は大病院での勤務経験や小児科医長の実績をいかし、「子どもの”心身の健康、成長発達、病気予防・治療”をトータルにサポートしたい」という想いで平成22年小児専門クリニックを開院。広々と清潔感の溢れるクリニックでは19時まで診療受付が可能なことから、学校や仕事の後でも通いやすいと評判です。さらには再診外来や初診外来のオンライン診療も可能となり利用者が増えています。

     
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