非定型うつ病の原因を解説|非定型うつ病の主な症状やなりやすい人の特徴は?治療法や治療後の注意点も紹介

最終更新日:2021年8月24日

非定型うつ病の原因を解説|非定型うつ病の主な症状やなりやすい人の特徴は?治療法や治療後の注意点も紹介

こちらの記事の監修医師
三重心身クリニック
臼井卓士 先生

〇病院名 :三重心身クリニック院長
〇医師  :臼井卓士
〇アクセス:三重県鈴鹿市道伯町字筧田2064-1
〇診療科 :心療内科 精神科 内科
〇経歴:三重大学医学部卒業後、同大学附属病院精神神経科に勤務。
精神科病院の勤務を経験後
2003年 4月 三重大学附属病院心療内科勤務
2004年 1月 同大学精神神経科学講座助手(現 助教)
2004年 5月 三重県こころの健康センター勤務
2006年 4月 同センター技術指導課主査
2008年 4月 三重心身クリニックを開院

<資格> 日本医師会認定産業医/ 日本精神神経学会認定専門医

<所属学会> 日本心身医学会/日本心療内科学会/日本児童青年精神医学会/
日本統合失調症学会/日本精神神経学会/日本統合医療学会

非定型うつ病は、従来のうつ病(定型うつ病)とは異なる症状があります。

本人はつらいと思っても、周囲の人からは「甘え」「わがまま」と見られがちなのが非定型うつ病です。

今回は従来のうつ病と比較しながら、非定型うつ病の原因や治療法についてご紹介します。

非定型うつ病の主な原因

新型うつ病とも呼ばれる非定型うつ病は、20~30代の女性に多いとされています。

原因の部分では定形うつ病と似ている部分もありますが、非定型うつ病はどのような要因で起こるのでしょうか。

性格傾向による影響

非定型うつ病は性格傾向による影響があるといわれています。

遺伝的な原因もあるとされていますが、育った環境による影響が大きいでしょう。幼少期に育った環境は性格の形成に関わるからです。

しかし子どもの頃には発病せず、20~30代になり症状が現れることが多いです。

そこまでの間に、何らかの問題や生きづらさを感じていたという人は少なくありません。

ストレスを感じやすい環境

従来のうつ病と同じように、ストレスを感じやすい環境にいると非定型うつ病になるリスクがあります。

ストレスを感じやすい環境下では、緊張状態が続いたり心のバランスが保てなくなったりします。

そのような状況が続くと非定型うつ病を発症するリスクが高くなるのです。

前頭葉の機能低下

非定型うつ病は脳との関連も分かっています。それは脳の中にある「前頭葉」という部分です。

前頭葉は感情や思考に関わる部分で、ここの機能が低下すると精神面に不調を来します。

何らかの影響で前頭葉の血流が悪くなると、機能が低下し非定型うつ病になるリスクが出てくるのです。

非定型うつ病の主な症状

非定型うつ病の主な症状をご紹介します。

・良いことや楽しみなことに対して明るい気分になる

・嫌なことに対して気分が落ち込む

・気分の変動が激しい

・夕方から夜にかけて憂うつになりやすい

・対人関係に過敏

・他人を責める

・過食

・過眠

非定型うつ病の症状の大きな特徴は「気分が良い時」と「憂うつになる時」があることです。

自分が好きなことに対しては楽しそうなのに、嫌なことが近づくと途端に気持ちが落ち込んでしまいます。

例えば仕事でミスをして落ち込んでいた女性が、翌日に楽しそうに遊びに出かけるというエピソードです。

これを「気分反応性」といい、非定型うつ病と従来のうつ病の違いでもあります。

気分反応性が見られるので、周囲の人から「甘えている」「単なるわがまま」と思われることがあるでしょう。

夕方から夜にかけて憂うつになりやすいのも非定型うつ病の症状の1つで、「身体が鉛のように重い」と表現する人もいます。

ストレス発散などを理由に過食になる人も多く、それに伴い体重増加も見られます。

「うつ病=不眠」のイメージがありますが、非定型うつ病では不眠ではなく過眠になるのが特徴です。

夜しっかり寝たのに、日中も眠くて仕方がないという人もいます。

定型うつ病との見分け方

非定型うつ病は、定型うつ病とどのように見分ければいいのでしょうか。

ここでは非定型うつ病と定型うつ病の見分け方をご紹介します。

症状から見分ける

非定型うつ病と定型うつ病は症状から見分けることができます。

それでは定型うつ病の主な症状を見ていきましょう。

・何に対しても楽しみや喜びを感じられない

・常に落ち込んでいる

・自分を責める

・午前中(特に朝)が憂うつになりやすい

・食欲低下

・不眠(寝つきが悪い・夜中に目が覚める・早朝に覚醒する)

これらのものが定形うつ病の主な症状です。

先ほどお伝えした非定型うつ病の症状を比較すると、違いがあるのが分かります。

定型うつ病は、もともと好きだったことに対しても楽しいと思えなくなります。

一方で非定型うつ病は落ち込んでいたとしても、楽しみなことに対して明るい気分になることができます。

また定型うつ病は自分を責めますが、非定型うつ病は他人を責める傾向にあります。

憂うつになりやすい時間帯や、食事・睡眠に関しても症状が異なるのが分かるでしょう。

これらの症状の違いを基に定型うつ病と見分けることができるのです。

原因から見分ける

非定型うつ病と定型うつ病は、原因から見分けることもできます。

原因が似ている部分もありますが、非定型うつ病は子どもの頃に育った環境が影響するパターンが見られます。

親から見ると「手のかからないいい子」だったとしても、本人はいい子でいようと無理をしていたということがあります。

幼少期からストレスが溜まりすい環境で育ち、大人になってから非定型うつ病を発症してしまうのです。

非定型うつ病は20~30代に多いのは、こういった原因が影響しているといえます。

定型うつ病は中高年の発症率が高いので、ストレスが原因といってもその背景が異なるでしょう。

非定型うつ病になりやすい人の特徴

非定型うつ病と従来のうつ病の違いが分かったところで、次は非定型うつ病になりやすい人の特徴をご紹介します。

・対人関係に不安を感じやすい

・人前で緊張する

・不満が多い

・被害者意識が強い

・些細なことで悩む

・自己愛傾向がある

・物事の捉え方が偏っている

・他者からの評価が気になる

これらの特徴がある人は、非定型うつ病になりやすいとされています。

対人関係に不安を感じやすいので、相手の言動に過敏に反応する傾向にあります。

相手はそんなつもりがなくても、「自分が傷つけられた」「嫌なことを言われた」と思うとカッとなってしまいます。

しかし反対にひどく落ち込む人もいます。いずれにしても、対人関係に敏感で悩みやすいということです。

被害者意識や自己愛傾向があると、対人関係にも影響が出てきます。

対人関係のトラブルがストレスとなり、非定型うつ病を発症する人は少なくありません。

非定型うつ病の治療法

非定型うつ病になったら、どのような治療を行うのでしょうか。

ここでは非定型うつ病の治療法を解説していきます。

適切な治療を行うことで症状の改善が期待できます。

認知行動療法

非定型うつ病と診断されたら、専門家による心理療法を行うことが多いです。

心理療法の中でも認知行動療法は非定型うつ病に有効とされています。

対人関係への過敏さや他人を責めるといった症状も、認知行動療法を行っていくうちに思考の整理がついてきます。

薬物治療

薬物療法も非定型うつ病の治療に用いられることがあります。

しかし定型うつ病のように不眠でもなく、常に落ち込んでいる訳でもないのにどのような薬を使うのでしょうか。

非定型うつ病で薬を使うことが多いのは、不安や恐怖感が強い場合や興奮状態が続いている人です。

不安・恐怖・興奮といったものは、自分では気づかなくてもひどく疲れてしまいます。

また、そのせいで対人関係が上手くいかずストレスが溜まることもあるでしょう。

気持ちを落ち着かせることは、悪循環を防ぐためにも必要なのです。

生活習慣の改善

非定型うつ病の治療では生活習慣の改善も大切です。

過食や過眠といった症状があると、生活リズムや食生活が乱れがちになります。

このような症状がある場合は生活習慣を見直してリズムを整えましょう。

定型うつ病は休息が必要な場合が多いですが、非定型うつ病は休息よりも生活習慣改善のための運動を勧められることがあります。

非定型うつ病の治療後の注意点

非定型は早期発見・早期治療により回復が見込まれます。

しかし治療後に無理をしてしまうと、再燃のリスクが出てきてしまいます。

そこで、非定型うつ病の治療後の注意点を見ていきましょう。

自分の考えや価値観を見直してみる

非定型うつ病を発症している時は、なかなか自分の考えや価値観に気づくことができないものです。

しかし治療をしていく中で、気づくことも多いのではないでしょうか。特に認知行動療法によって多角的な考え方ができるようになります。

自分の考えや価値観を見直すことで、今後の対人関係やストレス回避に繋げることができるでしょう。

生活習慣を乱さないように心がける

先ほど非定型うつ病の治療で、生活習慣の改善をご紹介しました。

症状が改善したからといって、改善した生活習慣を乱さないように心がけましょう。

食生活や生活リズムが乱れると、精神のバランスが取れなくなってしまうリスクがあるからです。

栄養バランスのとれた食事や早寝早起きを心がけ、適度な運動を継続してください。

また同じ症状が出たら受診する

治療後に考え方や生活習慣に注意していても、また同じ症状が出ないとは限りません。

強いストレスやトラブルをきっかけに、症状が再燃するリスクがあるのです。

これは非定型うつ病も定型うつ病も同じことがいえます。

もしもまた同じ症状が出たら、受診を検討してください。早めに受診して対策することで、早期に回復することが期待できるからです。

まずは一人で抱え込まずに相談してみよう

非定型うつ病は周囲の人から「甘え」「わがまま」と見られてしまうことがあります。

また性格として捉えられるパターンもあるでしょう。

しかし本人の心の中はとても複雑で、気分の浮き沈みに疲れていることも少なくありません。

他人を責めたり対人関係に敏感に反応したりするのは、性格ではなく非定型うつ病の可能性があります。

好きなことに対して明るい気持ちになることができたとしても、その他のことにひどく落ち込んでしまうのはつらいことです。

「もしかして非定型うつ病かも」と思ったら一人で抱え込まずに医師に相談してみましょう。非定型うつ病は早期発見が大切です。

まとめ

今回は非定型うつ病についてご紹介しました。

非定型うつ病は、性格傾向による影響・ストレスの多い環境・前頭葉の機能低下など様々な原因が考えられます。

症状は定型うつ病と異なる点が多く、気分の浮き沈みが激しいのが特徴です。

そのため、周囲の人からは「わがまま」と思われてしまうことも少なくありません。しかし本人はつらい思いや生きづらさを感じています。

非定型うつ病は早期発見・早期治療が大切です。もし非定型うつ病の症状に悩んでいたら、早めの受診を検討してください。

こちらの記事の監修医師

三重心身クリニック

臼井卓士 先生

〇病院名 :三重心身クリニック院長 〇医師  :臼井卓士 〇アクセス:三重県鈴鹿市道伯町字筧田2064-1 〇診療科 :心療内科 精神科 内科 〇経歴:三重大学医学部卒業後、同大学附属病院精神神経科に勤務。 精神科病院の勤務を経験後 2003年 4月 三重大学附属病院心療内科勤務 2004年 1月 同大学精神神経科学講座助手(現 助教) 2004年 5月 三重県こころの健康センター勤務 2006年 4月 同センター技術指導課主査 2008年 4月 三重心身クリニックを開院 <資格> 日本医師会認定産業医/ 日本精神神経学会認定専門医 <所属学会> 日本心身医学会/日本心療内科学会/日本児童青年精神医学会/ 日本統合失調症学会/日本精神神経学会/日本統合医療学会

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