脳梗塞の症状を解説|脳梗塞を疑うサインは?脳梗塞が起こった時の対処法や普段意識したい予防法もご紹介

最終更新日:2021年8月24日

脳梗塞の症状を解説|脳梗塞を疑うサインは?脳梗塞が起こった時の対処法や普段意識したい予防法もご紹介

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓 先生

〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師  :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業

日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー

三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品

【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」

【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)

2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。

脳の血管が何らかの原因で詰まってしまう脳梗塞は、救急医療体制の整備により死亡率が低下しつつあります。

しかし命が助かっても重篤な後遺症が残る可能性が高い疾患です。

脳の組織は血液から酸素を取り込んでいるため、脳梗塞が起きると組織は酸欠状態に陥り、細胞が徐々に壊死していきます。

壊死した細胞は再生できないため後遺症が残るのです。

後遺症によって歩行や会話といった日常的な動作ができなくなり、生活の質(QOL)が著しく低下することが知られています。

そのため脳梗塞の早期発見はもちろん予防にも力を入れる必要があるでしょう。

今回は脳梗塞の症状や前兆、脳梗塞が起きたときの対応や予防法について幅広く解説します。

脳梗塞の症状

脳梗塞という病名はよく知られており、テレビドラマでは脳梗塞によって突然倒れてしまうシーンが出てくることもあります。

しかし急に意識を失うほどの症状が出ることは珍しく、様々な症状が「前兆」のように出現するのがこの病気の特徴です。

実は様々な症状がある

脳を通る血管のどこが詰まるかによって症状が異なります。よくあるのは左右どちらかに生じる麻痺症状です。

自分では気付かないほどの軽微な麻痺から始まることも多く、片足を引きずって歩いていることに周囲が先に気付くケースがあります。

また口の片側から食べ物や飲み物がこぼれてしまう症状や、真っ直ぐ歩けなくなる症状など様々です。

物が重なって見える、話は聞こえるのに内容が理解できない、話そうとしても言葉がうまく出てこないといった症状もあります。

こうした症状は長く続くとは限りません。ほんの数分・数秒で消えてしまうこともあります。

そのためこうした症状と脳梗塞を結びつけることは難しいでしょう。

しかし血管の詰まりがすぐに解消して症状が消えた場合でも再発する可能性が高く、症状が急激に悪化することも珍しくありません。

合併症や関連する症状

物を飲み込むことがうまくできない場合、誤嚥性肺炎を起こす可能性があります。

また脳だけでなく肺や深部静脈を詰まらせる塞栓症も起きやすい状態です。

関連する疾患としては心房細動などの不整脈が挙げられます。

不整脈が起きると心臓の中で血液が滞留しやすく、そこでできた血栓が脳で詰まりを起こすのです。

脳梗塞の種類

加齢や生活習慣に関連する脳梗塞としてアテローム血栓性脳梗塞が知られています。

加齢によって弾力を失った血管は、血管壁にコレステロールや血栓が付着しやすい状態です。

異物が付着すると血液の通り道は細くなり、血流が悪くなるため更に血栓ができやすく、脳梗塞を引き起こします。

こうした病変は脳に限らず起きますが、アテローム血栓性脳梗塞は脳の太い血管で生じるため重症化するケースが非常に多いのが特徴です。

実は脳梗塞が起きやすい血管もあります。枝分かれした血管の細い部分で起きるのがラクナ梗塞です。

脳の血管は太いものばかりではなく、枝分かれして徐々に細くなっていきます。当然細い血管は詰まりやすく、中でも穿通枝と呼ばれる血管で起きる梗塞がラクナ梗塞です。

こうした血管が詰まった場合、酸素不足の影響を受ける範囲が狭いため症状が比較的軽い、あるいは全く症状が出ないケースもあります。

しかし繰り返すうちに血栓が別の部位に移動する可能性がありますし、脳の血流悪化は認知症の引き金にもなり得るので注意が必要です。

脳梗塞は脳血管でできる血栓だけが原因とは限りません。関連疾患で挙げた不整脈など心臓の血栓が原因でおきる心原性脳塞栓症もあります。

加齢や生活習慣病といった血栓が起きやすい状況にない方でも、循環器の異常によってある日突然脳梗塞を発症する可能性があるのです。

脳梗塞のサイン「FAST」

劇的な症状が出るとは限らない脳梗塞において、前兆・サインを見逃さないために覚えておきたいのが「FAST」です。

「Face:顔」、「Arm:腕」、「Speech:会話」、「Time:時間」の頭文字を組み合わせています。

「F」は表情の左右差です。

鏡を見ながら笑顔をつくったとき、片側の頬が上がっていない、あるいは下がっているといった状態になっていないか確認しましょう。

「A」は腕の動きです。腕を前に伸ばしたときに左右同じように動くか、片腕が徐々に下がってこないか確認しましょう。

脳梗塞の疑いがある場合、5秒程度で片腕が下がってきます。

「S」は会話の異常です。まずはきちんと発語できるか、意味のある会話ができるか、相手の話が理解できるか確認しましょう。

「T」は脳梗塞を発症した時刻です。脳梗塞を疑う症状が出たらすぐに時刻を確認し、忘れないようにメモしてください。

脳梗塞は時間との戦い

脳梗塞は、いかに早い段階で治療を開始するかによってその後が決まります。そのためFASTの「T」で時刻を確認することが重要です。

発症から比較的早い段階で治療する場合、血栓溶解剤を使って血栓を溶かすことができるため、治療にかかる負担が軽く済みます。

また血管内にカテーテルを挿入して血栓を除去することも可能です。

脳梗塞の発症直後は治療法の選択肢が多く、回復も早くなり後遺症も軽く済みます。

時間が経過すれば治療法が限られ、回復までに時間がかかり、深刻な後遺症が残る可能性が高まるのです。

脳梗塞が起こった時の対処法

脳梗塞を疑う症状が出たら、脳梗塞だと思って対応してください。

具体的には救急車を呼ぶことです。

軽症と思われる場合でも救急車を

麻痺の症状が出てもすぐに落ち着く、あるいは症状が軽い場合は病院に行くのをためらうかもしれません。

しかしこれが脳梗塞によるものだとすれば、放置することで次に発作が起きたときに重篤な症状が出る可能性があります。

大げさだと思わずに救急車を呼んでください。脳梗塞では1秒でも早く治療を開始することが重要です。

救急車が来るまでの対応

救急車が到着するまでの間は安全な場所で、枕やクッションなどを置かず横になります。

脳への血流を確保し、意識障害や麻痺を悪化させないための処置です。

もし吐き気があれば仰向けは避けてください。嘔吐物で喉をつまらせる可能性があります。

特に1人で救急車を呼んだ場合は救急車到着までに意識障害が出る恐れがあるため、横臥の状態をとってください。

麻痺が出ている状態なら麻痺している部分を上にしておきましょう。

救急車が到着しても自分たちで移動せず、救急隊に任せてください。

脳梗塞の治療法

発症からの経過時間で治療法が異なる脳梗塞では、具体的にどういった治療が行われるのでしょうか。

発症から2週間の急性期とそれ以降の慢性期についてご紹介します。

急性期

発症から4〜5時間以内は比較的早期とされ、血栓溶解薬(t-PA)による治療を行います。t-PAを静脈に直接投与して血栓を溶かし、血流を取り戻すことが可能です。

6時間以内では詰まりを起こしている血管を特定する必要があります。部位が特定できたらその血管の手前までカテーテルを挿入し、ウロキナーゼという血栓溶解剤を投与します。

早期に治療できてもt-PAで効果が出るとは限りません。第一選択肢としてはt-PA、状況を見ながら治療法を変更していきます。

8時間以内で選択するのは血栓を直接取り除く治療法です。カテーテルで血栓を除去し、血流を取り戻します。

またt-PAの投与と血管内治療を並行させるなど、治療開始が早ければ様々な選択肢があるのです。

また動脈硬化が原因で起こる脳梗塞には抗血小板薬(バイアスピリン等)、心房細動などに起因する場合は抗凝固薬(ワーファリン等)を早い時期から投与して、症状の進行や再発を防ぎます。

治療と同じくリハビリテーションも早期開始が重要です。

発症当日からでもリハビリテーションを開始し、日常的な動作を取り戻します。

慢性期

血栓ができやすくなっているため、抗血小板薬や抗凝固薬による薬物治療を継続します。

また麻痺が出ている場合はリハビリテーションの継続が重要です。

脳梗塞の発症が生活習慣と結びついていることが分かれば、血圧や血糖値・喫煙・飲酒などの管理も並行して行います。

脳梗塞の予防法

脳梗塞は生活習慣と密接に関係しているため、ある程度の予防が可能だといえます。

脳梗塞にならないために、以下を心がけましょう。

高血圧・糖尿病・脂質異常症などの治療

高血圧や糖尿病・脂質異常症は動脈硬化を引き起こすため、脳梗塞のリスクを高めます。

医師の処方薬は正しく服用し、食事や運動といった生活習慣のコントロールを継続することが大切です。

過度な飲酒を避け禁煙する

飲酒は適量に止め、喫煙はやめましょう。

喫煙は動脈硬化の原因であり、若い頃からの喫煙習慣が若年性脳梗塞を誘発するケースがあります。

禁煙は1日でも早く実施してください。

こまめな水分補給

脳梗塞は夏に起きやすく、時間帯としては朝に多いことが知られています。

眠っている間は水分を摂りませんし夏は発汗によって水分が不足し、血液が濃縮されて血栓ができやすいことが原因です。

人間の体の6割は水分であり、これを保つためには1日約1.5Lの水分摂取が望まれます。

また水分が不足しがちな起床時や運動後・入浴後、寝る前に水分補給を心がけましょう。

とはいえ冬も油断できません。喉の渇きを感じないため積極的に水分を摂らなくなり、知らず知らずのうちに水分不足になりがちです。

季節を問わず1日1.5Lの水分摂取を目指しましょう。

体重や血圧の管理

適正体重を把握しておくことも大切です。肥満気味の方は日頃から腹八分目の食事を心がけ、ウォーキングなどの簡単な運動を継続しましょう。

無理のない運動強度でも継続することがカギとなります。

血圧測定は通常病院や薬局備え付けの機器で実施しますが、血圧に不安がある場合は自宅に測定器を導入するといいでしょう。

病院で測定したときには分からなかった血圧の異常に気付くことができます。

最近はスマートウォッチを使って血圧を測定することも可能です。

数値は誤差があっても傾向を確認するには十分でしょう。

まとめ

救急医療の充実や治療法・治療薬の開発により、脳梗塞は後遺症を最小限に抑えて治療することが可能になりました。

しかし梗塞部位や治療開始時間によってはリハビリや長年の服薬管理が必要になり、QOLを低下させてしまいます。

脳梗塞を疑ったらすぐに受診し、早期に治療を開始しましょう。

また脳梗塞の予防には日頃の生活習慣が重要です。食生活や運動・睡眠などを全面的に見直し、脳梗塞のリスクを下げていきましょう。

こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木幹啓 先生

〇病院名 :すずきこどもクリニック 〇医師  :鈴木幹啓 〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2 〇診療科 :小児科 〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO 1975年三重県伊勢市生まれ 1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度) 2001年自治医科大学卒業 日本小児科学会認定小児科専門医 国家資格ケアマネジャー 三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院 平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院 【製薬会社社外講師・CM出演等】 グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品 【メディア出演・TV監修】 日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」 【著書】 日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社) 開業医を救うオンライン診療(幻冬舎) 2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。

    • 和歌山県新宮市下田2-3-2地図を見る
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    「すずきこどもクリニック」は、和歌山県新宮市下田にあります。こちらの院長は、親しみやすい人柄から「地域の良き相談相手」として多くの患者さんに信頼されています。院長は大病院での勤務経験や小児科医長の実績をいかし、「子どもの”心身の健康、成長発達、病気予防・治療”をトータルにサポートしたい」という想いで平成22年小児専門クリニックを開院。広々と清潔感の溢れるクリニックでは19時まで診療受付が可能なことから、学校や仕事の後でも通いやすいと評判です。さらには再診外来や初診外来のオンライン診療も可能となり利用者が増えています。

     
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