心不全の症状を解説!心不全の前兆は?心不全の原因や日頃から注意しておきたいポイントを紹介します

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最終更新日:2021年8月24日

心不全の症状を解説!心不全の前兆は?心不全の原因や日頃から注意しておきたいポイントを紹介します

こちらの記事の監修医師
フリーランス
末光智子 先生

〇病院名 :フリーランス
〇医師  :末光智子
〇アクセス:
〇診療科 :内科
〇経歴:自治医科大学卒業後、愛媛で地域医療に従事。結婚後、三重県在住、四日市ヘルスプラス診療所(四日市消化器病センター 分院)勤務。日本内科学会認定総合内科専門医、日本医師会認定産業医。Body Element System Japan認定ピラティスインストラクター、ジョイ石井認定イメージングカウンセラー、プロフェッショナル・ファスティングマイスター。著書「すこやかで幸せになるために ココロとカラダを調える」(出版社:ギャラクシーブックス)

心不全はがんと並んで最も多い死亡原因の一つといわれています。
がんは肺がん・胃がん・乳がんなど全ての臓器がんを足して毎年約37万人の方が亡くなっています。
一方、心臓は単一臓器で年間20万人の方が亡くなっているのです。
心臓は単一臓器ですから、実際にはがんより死亡率が高いことが分かります。
誰でもこの20万人の内の一人に入る可能性があるのです。
今回は身近な病気ともいえる心不全の症状や原因などを詳しくご紹介します。

心不全の様々な症状

心不全は心筋梗塞心臓弁膜症など 、心臓の様々な病気を背景に、全身に血液を供給する心臓のポンプ機能に異常をきたし、血液の循環が滞ってしまう状態のことをいいます。

急性心不全

心不全は急性心不全慢性心不全の2種類に分けられます。
まず急性心不全の様々な症状を確認しましょう。
急性心不全に陥ると、強い呼吸困難などの症状が現れます。
その他にも胸の痛みや動悸、咳込み、顔面や手足が蒼白になるといった症状も伴うことが多いです。
重症の場合は呼吸がほとんどできなくなり、意識が朦朧として命を失う危険もあります。

慢性心不全

慢性心不全は心臓の機能が低下している状態が長く続き、動悸息切れなどの症状が現れる状態です。
他にも症状として脱力感や体のむくみ、体重増加などが見られ呼吸困難に陥ることもあります。
さらに進行すると夜間突然息苦しくなって目が覚めたり、安静にしていても息が切れたりすることもあるのです。

心不全の前兆

心不全のサインには次のような症状があります。

・階段を上がるのが辛くなった
・夜寝ると咳が出る
・夜、寝苦しくなって目が覚める
・横になると息苦しく、起きていれば楽である
・足や顔がよくむくむ

心不全の初期症状として挙げられるのが息切れです。
階段や坂道を上る時や重いものを持った時に息切れが激しくなります。
症状が進行すると夜寝苦しかったり、息苦しくなったりして目が覚め、回復するまで時間がかかります。
一般的に眠りについて約1〜2時間くらい経つと息苦しさを感じるようです。
また心臓の機能が落ちて血流が悪くなり、手足や顔がむくみも起こりやすくなります。
次第に全身の倦怠感を感じやすくなります。

息切れや息苦しさが続く

一般的に心不全の初期症状は明確に現れないのが特徴です。
そのため強い症状が出るまで放置されていることが少なくありません。
進行してからでは治療がますます難しくなるため、早期発見が極めて重要です。
家の階段の上り下りで息切れをするようになった、あるいは家族にそのような症状が出ていたら、心不全の前兆の可能性があります。
加齢によっても息切れが起きますし体力低下も同様ですが、心臓に何か異常がある可能性も否定できません。
これらは大事な前兆ですからぜひ専門医に診てもらってください。

夜間の呼吸困難や咳

夜間就眠中の突然の呼吸困難や夜中の激しい咳込みも心不全の前兆の可能性があります。
夜間、呼吸困難が酷くなると誰にも気付かれないまま呼吸ができなくなり、命を失うことになりかねません。
何か身に覚えがあれば病院に行きましょう。

倦怠感や疲労感を感じる

心不全の代表的な症状として倦怠感・疲労感・脱力感も挙げられます。
心臓から送られてくる血液量が少ないため、全身への酸素供給量が減り疲れやすくなります。
また心臓の機能が低下すると血液の流れが悪くなり体全体に水が溜まり易くなります。
代表的なのが下肢のむくみです。
すねや足の甲を指で押さえて放すと、へこみの圧痕がしばらく残る現象は心不全の前兆とされます。
これらはすべて心不全の危険なシグナルです。
ちょっとしたシグナルも見落とさないようにしましょう。

心不全の原因

心不全の原因は様々ありますが、大きく2つに分けることができます。
一つは心臓そのものに原因がある場合、二つ目は心臓の機能以外に原因がある場合です。
心臓の機能に原因がある場合の病気は虚血性心疾患・心筋症・心臓弁膜症などです。
虚血性心疾患とは狭心症心筋梗塞を指します。
心臓に必要な栄養を届ける冠動脈が閉じたり(閉塞)、狭くなる(狭窄)ことが原因です。
その結果、心筋に血液がうまく流れなくなります。
こうした症状は比較的高齢者に多いのが特徴です。
心筋症とは、心臓の筋肉(心筋)に異常をきたし心臓の機能が低下する病気です。
また心臓の弁の働きが悪くなって血液の出力が弱くなる心臓弁膜症も心不全の原因となります。
心臓そのもの以外の原因として挙げられるのは高血圧性心疾患・糖尿病・腎臓病などです。
心不全はこうした生活習慣病とも関係があります。
虚血症心疾患・高血圧性心疾患・心臓弁膜症は心不全を引き起こす3大原因といわれています。

他には貧血、悪性腫瘍に対する化学療法・X線療法・過度なアルコール摂取なども原因となり得ます。

心不全の治療法

心不全の治療法には薬物治療法非薬物治療法があります。
慢性心不全は長い時間をかけて症状が進みます。
そのため治療によって進行を食い止めながら付き合っていくしかありません。
外科的な治療方法としてはペースメーカーを使い心臓のポンプ機能を取り戻す方法が知られています。

急性心不全はすぐに入院

急性心不全は虚血性心疾患、不整脈、感染症、ストレスなどが原因で起こり、最悪突然死に至ることもある怖い病気です。
夜間に突然息苦しくなって目が覚め、息苦しさが収まるのに時間がかかる場合は呼吸の状態を確認しましょう。
喘息のように呼吸するたびにヒューヒュー音がしたらすぐに入院治療が必要です。
急性心不全は一般的に即入院と考えてください。
激しい呼吸困難や胸の痛み・動悸・顔面や手足が蒼白になるような症状が見られたら、できるだけ早く救急車を呼びましょう。
まずは安静が必要で、酸素吸入や心臓の働きを高める薬などが使われたりします。

薬による治療

心不全の進行予防するためにはによる治療が必要です。
薬剤による治療は症状の緩和と予後改善の二つの目的があります。
投薬の詳細な目的は以下の通りです。

・心臓を保護する薬(ARB他)
・心臓を休ませる薬(β遮断薬他)
・心臓の負担やむくみを取る薬(利尿剤他)
・心臓を力づける薬(強心薬他)

他にも血栓をできにくくする薬、心拍数をコントロールする薬、不整脈を予防する薬などがあります。

原因となっている病気の治療

心不全は色々な病気が原因で血流が停滞(鬱滞)している状態です。
心筋梗塞などの虚血性心疾患や高血圧、心臓弁膜症があれば治療をします。
また貧血や感染症、水分や塩分の過剰摂取なども心不全を引き起こす誘因です。
こうした状況の改善も治療法に挙げられます。

心不全になったら気を付けたいポイント

生活習慣病である脂質異常症・高血圧・糖尿病はサイレントキラーと呼ばれます。
本人が気づかないうちに動脈硬化などが静かに進行するのです。
心不全にはこうした生活習慣病も大きくかかわっています。
基本的に上記の生活習慣病にならないことが大切です。
いくつかポイントを挙げておきます。

・塩分摂取を控える
・禁煙
・飲酒を控える
・休養・睡眠
・風邪に要注意

気になる症状が出たらなるべく早く専門医の診察を受けてください。
定期的な健康診断は早期発見に有効です。

心不全の予防と日頃の注意

心不全にならないためには正しい生活習慣を身につけることです。
暴飲暴食・塩分過多・たばこの吸いすぎ・太りすぎなどを改善することが心不全予防の第一歩といえます。
生活習慣を改め心不全を寄せ付けないことが重要なのです。

生活習慣に気を付ける

心不全はあらゆる循環器疾患の終末期といわれています。
しかし心臓疾患や血管疾患の方誰もが心不全になるわけではありません。
リスクが高いのは高血圧・肥満・糖尿病・コレステロール値が高い人たちです。
日本人の死亡原因のトップはがんですが、高齢者に限れば、がんと循環器病で亡くなる方は同数といわれています。
胃がんや肺がんというとみなさん怖がりますが、心不全というとがんほどの怖いイメージがないかもしれません。
しかし心不全は早い段階で生活習慣を改善することによって予防できます。
心不全の恐ろしさを知っていれば、生活習慣を改めようと思えるかもしれません。

日頃から血圧や体重を管理する

心不全に高血圧・太りすぎ・高コレステロールは大敵です。
日頃から血圧や体重を管理し、体調の把握につとめましょう。
一度心不全になると悪化と寛解を繰り返しやすいため、上手に付き合っていかなければなりません。
できるだけ良好な状態に保つためには内服の継続と食生活や生活習慣の自己管理を行うことが重要です。
心不全と長く付き合っていくためにも自身の体調と向き合ってください。
毎日血圧や体重を計って記録し、心不全の症状が出ていないかチェックすることが重要です。

定期的に健康診断を受ける

心不全の兆候がなくても、定期的に健康診断を受けて自分の身体のチェックを行うことはとても大切です。
心臓の状態を調べる検査として心電図検査が挙げられます。
痛みや苦痛がなく、また短時間で行えるのがメリットです。
健康診断では任意項目とされていることがあるので、積極的に受診しましょう。
他にもいくつか検査方法があります。

・運動負荷心電図
・24時間心電図(ホルター心電図)
・心臓のポンプ機能を確認する心エコー
・冠動脈CT検査
・心筋シンチガラフィー
・心臓カテーテル検査

自己判断せずに専門医に相談を

心不全の薬は自己判断で中止しないでください。
自己判断で中止すると心不全増悪のリスクが高まります。
服用によって気になる症状が出たら、必ず主治医に相談しましょう。
また次に該当する場合は、心不全のリスクについて循環器内科の医師に相談してください。

・健康診断で血圧が高い
・血糖値が高い
・腎臓が悪い
・階段の上り下りがつらい
・足や顔にむくみがある
・夜間就眠中に咳が出る
・息苦しくなって目が覚める

まとめ

心不全患者数は2030年には130万人に達するという深刻なデータがあります。
その時にはがんによる年間死亡者数に大きく差をつけて、死因のトップになるかもしれません。
今でも年間20万人以上の方が心不全で亡くなっていますが、心不全によって何が起きるかを知らない方が多いのが現状です。
心不全のことをよく理解し、決して侮ってはいけないということを認識しておきましょう。

こちらの記事の監修医師

フリーランス

末光智子 先生

〇病院名 :フリーランス 〇医師  :末光智子 〇アクセス: 〇診療科 :内科 〇経歴:自治医科大学卒業後、愛媛で地域医療に従事。結婚後、三重県在住、四日市ヘルスプラス診療所(四日市消化器病センター 分院)勤務。日本内科学会認定総合内科専門医、日本医師会認定産業医。Body Element System Japan認定ピラティスインストラクター、ジョイ石井認定イメージングカウンセラー、プロフェッショナル・ファスティングマイスター。著書「すこやかで幸せになるために ココロとカラダを調える」(出版社:ギャラクシーブックス)