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B型肝炎の症状を解説|B型肝炎の主な原因や感染経路は?B型肝炎になった場合の治療法や予防法もご紹介

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  • 鈴木幹啓

最終更新日:2021年8月24日

B型肝炎の症状を解説|B型肝炎の主な原因や感染経路は?B型肝炎になった場合の治療法や予防法もご紹介

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓 先生

〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師  :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業

日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー

三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品

【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」

【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)

2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。

B型肝炎は肝臓の感染症として恐れられている病気です。劇症肝炎といった重篤な状態や、肝硬変・肝がんに移行するリスクがあるからです。

しかしB型肝炎の症状や原因、感染経路について知らない人も少なくありません。

今回はB型肝炎の症状や治療法に至るまで詳しくご紹介します。

B型肝炎の主な症状

B型肝炎は肝臓の感染症の1つであり、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することで発症します。

B型肝炎ウイルス(HBV)に感染すると、1~6ヶ月の潜伏期間の後に初期症状が現れるのが特徴です。

それでは、発症するとどのような症状が現れるのでしょうか。ここではB型肝炎の主な症状をご紹介します。

全身の倦怠感や食欲不振

B型肝炎の初期症状として多いのが、全身の倦怠感や食欲不振です。

とはいえ倦怠感や食欲不振といった症状ですぐにB型肝炎を疑う人は少ないでしょう。

他には発熱・筋肉痛・嘔吐・腹痛といった症状が現れる人もいます。

これらはいわゆる風邪やインフルエンザと似た症状なので、患者さん自身が肝臓の病気だとは気づきにくいでしょう。

皮膚や眼球結膜の黄疸

B型肝炎は肝臓の病気なので、肝臓の働きに関わる症状も出現します。

先ほどお伝えした初期症状に続き、皮膚や眼球結膜に黄疸が現れるのです。

肝臓の病気によって、なぜ黄疸が現れるのでしょうか。

血液中に存在する赤血球には、ビリルビンという黄色い色素が含まれます。

そして古くなって壊れたビリルビンを処理するのが肝臓の役割です。

しかしB型肝炎によって肝臓の機能が低下すると、古いビリルビンが処理されず血液中に蓄積してしまいます。

これによって眼球結膜や皮膚が黄色味を帯びる「黄疸」が出現するのです。

褐色尿の排出

B型肝炎を発症すると尿の色にも異常があらわれます。

紅茶やウーロン茶のような褐色尿が排泄されるのが特徴です。

体調にもよりますが、通常の尿の色は淡黄色から淡黄褐色が正常です。それと比べてかなり濃いのが分かります。

B型肝炎の原因

B型肝炎は肝臓がB型肝炎ウイルスに感染することが原因で発症します。

それでは、どのようなことが原因で感染するのでしょうか。

まず感染の原因は「血液感染」です。その具体的な内容をご紹介します。

・出産時に母体から胎児に感染

・歯ブラシやカミソリの共用

・タトゥーやピアスの器具の使い回し

・注射器の使い回し

・性行為

少しの傷であっても、B型肝炎ウイルスが体内に侵入することがあります。

日本では集団予防接種などで注射器の使い回しが行われていたことがありました。

また輸血に使われる血液製剤にB型肝炎ウイルスが含まれていたことがあったのです。

これによるB型肝炎ウイルスの感染が社会問題となりました。

対策が取られ、針の使い回しは行われていませんが針刺し事故といった医療事故は0ではありません。

B型肝炎の主な感染経路

B型肝炎の感染には「垂直感染」と「水平感染」の2種類があります。

垂直感染は主に母子感染です。

特に若者に多い傾向にあるのが水平感染に含まれる性感染です。

ここでは、主な感染経路である母子感染と性感染についてご紹介します。

母子感染

出産時や乳幼児期に、母親を通してB型肝炎ウイルス(HBV)に感染することがあります。

胎児が産道を通る際に母体の体液や血液に触れ、胎児の口内や傷口からHVBが侵入するといった感染経路です。

しかし、胎児がウイルスを保有してもすぐに発症する訳ではありません。数年から数十年という期間を経て発症することがあります。

乳幼児期は免疫力が低く抗体を作ることができないため、ウイルスが体内に残った「持続感染」の状態になるのです。

持続感染している人を「持続感染者(キャリア)」と呼びます。

10代頃になると、体内の免疫システムがB型肝炎ウイルス(HBV)を異物と認識します。

そして白血球がB型肝炎ウイルス(HBV)に感染した細胞ごと攻撃して肝炎を発症するのです。

その際にHBe抗体が作られるため、多くの場合は特定の時期をすぎると肝機能が安定します。

ですが慢性肝炎や肝硬変など重篤な症状を引き起こすリスクがない訳ではありません。

日本では母子感染を防ぐために、1986年から妊婦は必ず「HBs抗原検査」を受けることとなりました。

対策が徹底されるようになったので、日本での母子感染の例は急激に減少したのです。

性感染

B型肝炎は母子感染以外にも成人になってから感染する場合があります。

中でも若者の感染経路として注目されているのが性感染です。

B型肝炎ウイルス(HBV)は精液・膣液・血液に含まれているため、コンドームをつけない性行為はリスクが高まります。

B型肝炎ウイルスを保有していると分かっていれば自身で対策を取ることができるでしょう。

しかし、キャリアの人の中には自分がウイルスを保有していることに気づいていない人/strong>もいます。

このパターンでの感染が少なからずいることを知っておきましょう。

B型肝炎の検査を受けるべき初期症状

「B型肝炎に感染したかも…」と心配になったら、早めに診断を受けましょう。

まずはB型肝炎の初期症状、さらには検査を受けるべき症状を知っておく必要があります。

B型肝炎は肝臓に起こる炎症なので、肝臓の機能が低下するのがポイントです。

以下のような症状があればB型肝炎の初期症状を疑いましょう。

・疲れやすくなった

・発熱や筋肉痛など風邪のような症状がある

・食欲が低下した

・食事は摂れているが体重が減った

・胃のむかつきや吐き気がある

・眼球や皮膚が黄色っぽい

・紅茶やウーロン茶のような褐色の尿が出る

これらの症状はB型肝炎の初期症状の可能性があります。

早期発見・早期治療のためにも、早めに医療機関を受診して相談しましょう。

B型肝炎の検査方法と検査可能な時期

B型肝炎かもしれないと思ったら、早めに検査をして対策を行うことが大切です。

それは自分の身体を守るためでもあり、大切な人に感染させないためでもあります。

B型肝炎の検査とはどのようなことを行うのでしょうか。

B型肝炎の検査方法

B型肝炎の検査には以下の2種類があります。

・B型肝炎即日検査

・HBV-NAT検査

B型肝炎即日検査は、B型肝炎ウイルス(HBV)を構成するタンパク質「HBs抗原」が血液中に含まれているかをチェックします。

血液中にHBs抗原があれば、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染しているという意味になります。15分程で結果が分かるのが特徴です。

HBV-NAT検査では、B型肝炎ウイルスを作っている核酸を増幅することで、血液中にどれだけウイルス含まれているかを測ることができます。

こちらの検査は結果が分かるまでに4~5日かかります。

B型肝炎の検査可能時期

B型肝炎ウイルスに感染した可能性があると、できるだけ早く検査したいと思う方がほとんどです。

しかし他のウイルスと同じくB型肝炎ウイルスにも潜伏期間があります。

B型肝炎ウイルスの潜伏期間は1~6か月と長いため、ウイルスに接触してすぐの段階では陰性となってしまうのです。

感染しているかどうかがわからない「ウインドウピリオド」という期間があるため、B型肝炎の検査をする際は以下の時期に合わせてください。

・B型肝炎即日検査:感染が疑われる日から2ヶ月以上が経過

・感染が疑われる日から35日以上が経過

この期間を目安に検査を行いますが、ウイルスに接触した可能性がある人にとっては長く感じるはずです。

潜伏期間も個人差がありますので、ウイルスに接触した可能性がある人は早めに医師に相談してください。

B型肝炎の治療法

B型肝炎と診断された際にどのような治療法があるのか、治療によって良くなるものなのか気になるでしょう。

急性肝炎の場合は、薬を使わず安静にすることで改善が見込めます。しかし症状が重い場合は抗ウイルス薬の投与を行います。

抗ウイルス薬をはじめとしたB型肝炎の治療法について見ていきましょう。

抗ウイルス療法

B型肝炎の中でも慢性肝炎の場合は治療に抗ウイルス薬を用います。治療に用いる薬剤は以下の通りです。

・インターフェロン

・核酸アナログ製剤

インターフェロンは免疫の向上や抗ウイルスの作用があり、B型肝炎ウイルス(HBV)の働きの抑制が期待できます。

核酸アナログ製剤は、B型肝炎ウイルス(HBV)を作っている核酸の合成を邪魔することで、ウイルスが増えるのを抑え込む効果があります。

どちらもウイルスを攻撃することで、肝炎の悪化を防ぐことを目的とします。

肝庇護療法

B型肝炎になると肝臓の機能が低下して様々な不調が現れます。

弱ってしまった肝臓の機能を高め保護するのが肝庇護療法です。

肝臓庇護療法に用いる主な薬剤は以下の通りです。

・グリチルリチン製剤

・ウルソデオキシコール酸

・小柴胡湯(しょうさいことう)

これらの薬剤は、抗ウイルス薬のようにB型肝炎ウイルス(HBV)の働きを阻害・攻撃するものではありません。

しかしウイルスによって弱った肝臓を保護することで機能の回復を目指します。

インターフェロンが使えない人や肝硬変に移行した患者さんに用いる場合もあります。

免疫療法

免疫療法はステロイドリバウンド療法とも呼ばれ、患者さん自身が持つ免疫力を活性化させる治療法です。

B型肝炎ウイルスが体内に侵入すると、免疫システムが働きウイルスを異物と認識します。

そして免疫システムが肝臓の細胞を破壊し、肝機能が低下してしまいます。

免疫療法ではプレドニンのようなステロイド剤を投与し、免疫機能を一時的に低下させます。

免疫機能が低下すれば、それだけB型肝炎ウイルスが増えてしまうので不安に思う人も多いでしょう。

短期間でステロイドを投与した後に、投与を中断することで免疫力を一気に高めることを狙います。

一時的であってもB型肝炎ウイルスが増えるため、肝臓への負担は否定できません。

そのため免疫療法を行う際は入院して体調管理を行う必要があります。

また肝臓の機能が弱っている患者さんにはリスクが大きいため、別の治療法を選択することが大半です。

B型肝炎の予防法

血液を介してB型肝炎ウイルスが体内に侵入し、肝臓が炎症を起こすのがB型肝炎です。

つまり、B型肝炎ウイルスを体内に侵入させないことがB型肝炎の予防となります。

それでは、HBVに感染しないためにはどうすればいいのでしょうか。

先ほどお伝えしたように、B型肝炎ウイルスの主な感染経路は「母子感染」や「性感染」です。

この感染経路を断つことでHBVの侵入を防ぎ、B型肝炎を予防することができます。

まず母子感染を予防するためには妊娠中の検査が必要です。

もしも母体がB型肝炎ウイルスを保有しているのであれば、普通分娩ではなく帝王切開で出産することで胎児の感染予防になります。

これは胎児が産道を通過する時や出産直後に、母体の血液に触れることを防ぐためです。

性感染は個人の心がけで予防につながる方法がたくさんあります。

B型肝炎の患者さんやキャリアの人との性行為では以下のことに注意してください。

・性行為の際はコンドームを使用する

・出血を伴う激しい性行為は避ける

・アナルセックスやオーラルセックスを行わない

・生理中の性行為は避ける

性行為の他にも日常生活の中で感染するリスクがあります。

B型肝炎ウイルスを保有する体液や血液が、傷や粘膜に触れてしまった場合です。

このような感染を防ぐためには、カミソリや歯ブラシの共用を避けましょう。

まとめ

B型肝炎の初期症状は全身倦怠感・食欲不振など肝臓の病気にすぐ結びつくものではありません。

しかし肝臓の機能が低下することで身体に様々な症状が出てくる可能性があります。

また放っておくと重篤な状況になることもあるので注意が必要です。

B型肝炎を予防するためには、B型肝炎ウイルスを体内に侵入させないことが大切です。

もしB型肝炎になったかも、と不安に思うことがあれば早めに医療機関を受診してください。

こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木幹啓 先生

〇病院名 :すずきこどもクリニック 〇医師  :鈴木幹啓 〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2 〇診療科 :小児科 〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO 1975年三重県伊勢市生まれ 1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度) 2001年自治医科大学卒業 日本小児科学会認定小児科専門医 国家資格ケアマネジャー 三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院 平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院 【製薬会社社外講師・CM出演等】 グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品 【メディア出演・TV監修】 日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」 【著書】 日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社) 開業医を救うオンライン診療(幻冬舎) 2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。