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血液検査のCKとは|CKの基準値と高い・低い数値が出たときに疑われる原因

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最終更新日:2021年8月25日

血液検査のCKとは|CKの基準値と高い・低い数値が出たときに疑われる原因

こちらの記事の監修医師
田川市立病院
井林雄太 先生

・井林雄太
・田川市立病院
http://hospital.city.tagawa.fukuoka.jp/
・医師。九州大学医学医学部卒業。
日本内科学会認定内科医
日本内分泌内科専門医
日本糖尿病内科専門医


【所属学会】
日本内科学会
日本内分泌学会
日本糖尿病内科学会。

血液検査で分かる項目のひとつにCKの値があります。CKとはクレアチンキナーゼのことで、エネルギーの代謝に関係する酵素です。CKの値に異常が認められた場合、どのような病気が疑われるのでしょうか。

血液検査でCKが基準値よりも高く、もしくは低くなる原因、そして、異常値だったときに注意すべき病気についてまとめました。

血液検査で分かるCKとは

まずは、血液検査で分かるCKとはどのようなものかについて説明します。

CK(クレアチンキナーゼ)、またはCPK(クレアチンホスホキナーゼ)は筋肉に多く含まれる酵素の一種です。

CKは筋肉のエネルギー代謝で重要な役割を担っていますが、血液検査をすることで、血液中に溶け出たCKの値が分かります。もし値が高いなら、筋肉などの組織が損傷したことで、そこに含まれていたCKが血液中に流出したということです。

血液検査項目にあるCKの基準値

血液検査で分かるCKの基準値は医療機関によって異なります。

そのため、受診した医療機関、専門医による判断が必要になりますが、どの程度が基準値になるのかを成人の場合、子供の場合に分けて見ていきましょう。

ちなみに、CKは筋肉に多く存在するので、一般的に女性よりも男性の基準値が高くなります。

成人のCK基準値

以下は明石医療センターの基準値です。

[引用]

検査項目基準値一般的な検査の意味
CK (クレアチンキナーゼ)男性:59-248 女性:41-153 (U/L)心筋や骨格筋に存在する酵素です。急性心筋梗塞、筋疾患などで上昇します。

[/引用]

参照元:明石医療センター 血液検査結果の見方(https://www.amc1.jp/departments/engineering/kensaka/pdf/kekka.pdf)より一部を抜粋

子供のCK基準値

20歳以下の子供の場合は、年齢によって以下のように基準値が変わります。

[引用]

男児

年齢下限値上限値
0ヶ月44310
1ヶ月44315
3ヶ月43321
6ヶ月42321
1歳39299
2歳43293
3歳43270
6歳46230
12歳51270
15歳50275
20歳48240

女児

年齢下限値上限値
0ヶ月44310
1ヶ月44315
3ヶ月43321
6ヶ月42321
1歳39295
2歳43290
3歳43270
6歳46230
12歳45210
15歳41180
20歳37160

[/引用]

参照元:小児臨床検査基準値(国立成育医療研究センター) 生化学検査 CK(CPK) (https://sogo-igaku.co.jp/lec_in_ped/0302.html#page_CK)より

CKの種類と血液検査で分かる損傷が疑われる箇所

先ほど血液検査でCKの値が高いと筋肉などの組織の損傷が疑われると言いましたが、CKはもともと存在していた箇所によって分子構造が異なります。そのため、分子構造を調べることでダメージを受けている箇所も推測可能です。

CKは場所によって分子構造が異なる

アイソザイムとは、同じ酵素でも、アミノ酸の配列が異なるような酵素のことです。CKには次の3種類のアイソザイムがあり、それぞれ脳、心臓、骨格筋に多く存在しています。

3種類のCKと多く存在する場所

アイソザイム多く存在する場所
CK-BB脳、平滑筋
CK-MB心筋
CK-MM骨格筋

血液検査でCKの値に異常があった場合、そのアイソザイムを分析することで、損傷が疑われる箇所を絞り込めます。

損傷が疑われる箇所ごとの追加検査項目

血液検査でCKの値が高かったときに追加検査が必要かは、受診した医療機関、医師が判断しますが、一般的には次のような追加検査が行われます。

損傷が疑われる箇所ごとの追加検査項目を表にまとめました。

CKの値が高かったときの追加検査項目

損傷が疑われる箇所主な追加検査項目
頭部CT、MRI
心臓心電図検査、心臓超音波検査
骨格筋筋電図検査、筋生検

CKの異常値が何かしらの病気のせいであると疑われるなら、このようなアイソザイム分析や追加検査によってより詳しく調べられます。

血液検査でCKの値が高い・低い場合の原因

血液検査でCKが基準値よりも高かったり、低かったりするときは、どのような原因が考えられるのでしょうか。高い場合と低い場合に分けて、その原因について説明します。

CKの値が基準値よりも高くなる原因

繰り返しになりますが、血液検査でCKの値が高かった場合は、筋肉などの組織が損傷して、そこからCKが血液中に流出した可能性が高いです。

どの組織が損傷しているのかはアイソザイム分析により推測されますが、骨格筋に多く存在するCK-MMであれば進行性筋ジストロフィーや多発性筋炎、横紋筋融解症が疑われます。

また上昇しているのが心筋に存在するCK-MBなら、心筋梗塞や心筋炎の可能性があります。

急性心筋梗塞の場合は、CKの値が上昇し始めるのは胸痛発作から5時間前後です。

急性心筋梗塞は早く適切な治療を行えば、後遺症は残りません。反対に治療が遅れると、心不全に移行し、死に至るリスクもあり、CKは心筋梗塞の診断をする際の重要な指標になります。

最後はCK-BBの値が高かったときの場合です。この場合は脳の外傷、または、脳梗塞や脳出血などが考えられます。

CKの値が基準値よりも低くなる原因

CKの値が基準値よりも高いなら筋肉組織の損傷が考えられますが、もし基準値よりも低い場合はどのような原因があるのでしょうか。

CKの値が低くなる主な病気には、次のようなものがあります。

【CKの値が基準値よりも低くなる病気】

・甲状腺機能亢進症

・高ビリルビン血症

・関節リウマチ

・高アルカリフォスファターゼ血症

・SLE

詳しくは次に説明しますが、激しい運動によりCKの値が上昇することもあります。しかし、その反対に運動不足がCKの低値の原因である可能性は低いです。CKの値は高くても注意すべきです。しかし、低い場合も上記のような代謝酵素に影響を与える病気が原因のケースがあるため注意してください。

異常がなくても血液検査でCKの値が高くなるケース

血液検査でCKの値が基準値より高くても、何かしらの病気とは限りません。例えば、次のような場合も血液中のCKの値は上昇します。

【異常がなくても血液検査でCKの値が高くなるケース】

・筋トレや過度な運動

・筋肉注射

筋トレや過度な運動

血液中のCKの多くは骨格筋に存在していたCK-MMです。そのため、病気などで組織が損傷する以外にも、筋トレや過度なトレーニングを行なった後はCKの値が上がります。運動の強度が高ければ、検出されるCKの値も高くなりやすいです。

そのため、血液検査を受ける数日前から激しい運動は避けましょう。

筋肉注射

運動のほかには、筋肉注射もCKの値が高くなる原因になります。皮膚と筋肉の間の皮下組織に針を刺す皮下注射に対して、筋肉注射は筋肉内に針を刺すため、皮下注射に比べて筋肉注射は吸収速度が早いです。

しかし、筋肉に針を刺すと骨格筋に存在していたCK-MMが流出して、血液検査で検出されるCKの値が高くなります。このようなケースでは、疾患が原因ではないので心配いりません。

血液検査でCKが異常値であれば必要に応じた追加検査が重要

血液検査で分かるCKの基準値、そして、高い・低い場合の原因について説明してきました。高値のCKは血液検査の前に激しい運動をした場合、筋肉注射を受けていた場合にも検出されやすいです。そのため、基準値より高くても、体に異常がないこともあります。

病気などによる組織の損傷が疑われるなら、より詳しく原因を調べるための追加検査が必要なので、医療機関からの指示に従うようにしてください。

こちらの記事の監修医師

田川市立病院

井林雄太 先生

・井林雄太 ・田川市立病院 http://hospital.city.tagawa.fukuoka.jp/ ・医師。九州大学医学医学部卒業。 日本内科学会認定内科医 日本内分泌内科専門医 日本糖尿病内科専門医 【所属学会】 日本内科学会 日本内分泌学会 日本糖尿病内科学会。