糖尿病は尿で気づくかも?自覚症状は手遅れ?臭いや色、泡の状態を解説!

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最終更新日:2021年8月24日

糖尿病は尿で気づくかも?自覚症状は手遅れ?臭いや色、泡の状態を解説!

こちらの記事の監修医師
高座渋谷つばさクリニック
武井智昭 先生

〇病院名 :高座渋谷つばさクリニック
〇医師  :武井智昭
〇アクセス:神奈川県大和市渋谷五丁目22番地
〇診療科 :内科・小児科・アレルギー科
〇経歴:

【経歴】
2002年    慶應義塾大学医学部卒業
2004年    立川共済病院勤務
2005年    平塚共済病院小児科医長として勤務(内科)
2010年    北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室兼任
2012年    横浜市内のクリニックの副院長として勤務 (スマイルこどもクリニック)
2015年    小谷クリニック 内科・小児科(訪問診療部)部長
2017年    「なごみクリニック」内科・小児科・アレルギー科 院長
2020年4月~ 「高座渋谷つばさクリニック」院長就任

【専門医・認定医】
・小児科専門医・指導医
・日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)
・臨床研修指導医(日本小児科学会)
・抗菌化学療法認定医
・プライマリケア学会認定医
・認知症サポート医

0歳から100歳まで、1世紀を診療するプライマリケア医です。専門は呼吸器・感染症・アレルギーですが、新生児疾患・心療内科疾患・

認知症などを含めて幅広く地域医療を展開しております。

糖尿病になると尿に現れやすいと言います。そのため「尿の泡や臭い、色がどうなったら糖尿病なの?」と疑問をお持ちの方も多いことでしょう。糖尿病は自覚症状がない病気なので、しっかり判断するには病院の受診が必要。糖尿病が疑われる尿の状態や病院の尿検査で分かることを解説しますので、尿の状態が気になる方は参考にしてください。

尿の異変は必ずしも糖尿病である可能性が高いとはいえない

前提として、注意いただきたい点は「尿に異変があった」からといって、必ず糖尿病である可能性が高いというわけではないことです。糖尿病ではなくても、尿に糖が混ざる場合もあります。

腎臓がんや急性腎炎、腎性糖尿病など他の病気の疑いもありますので、尿の状態に異変があった場合は早めに病院で検査を受けてください。

尿で判断していたのは昔の話

血糖値の測定方法がなかったころ、尿の状態によって糖尿病であることを診断していた時代もありました。糖尿病は血糖値が上昇する病気ですが、血糖値の上昇以外にも尿に異変が生じる要因は多くあるため、尿の状態では厳密に「糖尿病である」と判断することはできません。

糖尿病の初期症状は尿に現れる?

糖尿病の初期症状が尿に現れるという俗説もありますが、厳密には異なります。尿の異変は糖尿病の初期に現れるとは限らないからです。初期に「糖尿病としての尿の異変」が現れることもありますが、進行してから現れることも十分にありえます。

糖尿病における尿の状態とは?

糖尿病の尿の状態、所見は次の通りです。

  1. 尿が泡立つ
  2. 尿から臭いがする
  3. 尿の色が通常とは違う
  4. (喉が渇いて)多尿・頻尿になる

糖尿病は重症化してから症状に気づく場合もあるため、注意が必要です。詳しく解説します。

糖尿病が心配なら?① 尿が泡立つ

糖尿病になると尿が泡立ちやすくなります。尿が泡立つのは尿中にたんぱく質やブドウ糖が含まれるためです。

腎臓には血液中の老廃物や塩分をろ過する役割があります。そのため腎臓が正常に機能していれば、尿中にたんぱく質やブドウ糖が含まれることはありません。

しかし糖尿病になると、腎臓のろ過機能がうまく働かなくなるため、たんぱく質やブドウ糖が尿中に漏れ出るのです。たんぱく質やブドウ糖が尿中に増えると、尿が粘っこい状態になり、泡立ちやすくなります。

糖尿病が心配なら?② 尿から臭いがする

糖尿病になると尿から甘い香りがします。なぜなら血液中のブドウ糖を腎臓では処理できなくなり、ブドウ糖が尿に含まれるからです。

しかし尿から甘い香りがするのは、糖尿病の初期症状としてはわかりづらく、糖尿病が重症化してからわかることだとも言われています。重症化した状態はインスリンが十分に働かないために、血液中のブドウ糖が慢性的に増えている状態です。尿から甘い香りがしたら、すぐに医師に相談してください。

糖尿病が心配なら?③ 尿の色が通常とは違う

糖尿病で腎臓に異常があると、尿が濁ったり、褐色のような濃い色味を帯びたりすることがあります。尿が濁っているのは、たんぱく質が尿中に含まれているためです。一方、尿が褐色を呈するのは、尿に赤血球が含まれるからです。

赤血球は血液に含まれる成分です。腎臓のろ過機能が正常に働かずに、赤血球が尿中に漏れ出ると尿が褐色になります。また血尿の場合は、腎臓がんや急性腎炎の疑いもあるため、すぐに病院を受診する必要があります。

糖尿病が心配なら?④ 喉が渇いて多尿・頻尿になる

糖尿病になると喉の渇きとともに多尿や頻尿になることがあり、これらは糖尿病の初期症状だと思われがちです。しかし重症化してから気づく場合もあるので注意が必要です。

糖尿病になると血液中のブドウ糖の濃度が上昇するため、血中濃度を下げるための水分が必要になります。血中濃度を下げるために、人間の身体が生理的に水を欲した状態が喉の渇きです。

喉が渇くことで水を多く飲むから、排出するべき尿の量が増え多尿や頻尿になります。1日の尿が3リットル以上になると、多尿だと言われています。

糖尿病が心配ならば病院の尿検査を受けるべき理由

糖尿病には初期症状があるとは言われますが、自覚症状がないことの方が多いのです。そのため糖尿病の自覚症状がないからといって自己判断をせずに、病院の尿検査を受けましょう。

病院で尿検査を受けると自覚症状がわかりづらい糖尿病でも早期発見が可能になるかもしれません。少しでも尿に異常を感じたら、医療機関に相談することをおすすめします。さらに定期的に病院で検査を受けるのも重要です。

次に病院で分かる尿の異常について解説しますので、参考にしてください。

病院検査で分かる糖尿病における尿の成分は?

病院の検査で分かる糖尿病の尿所見には、「尿糖」と「尿たんぱく」が検出されることが多々あります。血糖値を参考にしたり、尿たんぱくの一種である尿中アルブミンの濃度を測ったりして、糖尿病の状態を判定します。

糖尿病の尿所見「尿糖」とは?

「尿糖」とは血液中のブドウ糖の量が、腎臓の処理能力を超えてしまい尿中に漏れてきた状態です。病院の検査で分かる血糖値が170mg/dl以上になると、尿糖になると言われています。ただし、尿糖が出たからと言って、必ずしも糖尿病とは限らないため、尿糖は一つの指標に過ぎないため、御注意下さい。あくまでも糖尿病は血糖値の値で決まります。

正常な空腹時血糖値が110mg/dl未満、食後2時間後の正常な血糖値は140mg/dl未満です。正常な血糖値から考えても、尿糖が出たときの血糖値はかなり高くなっている可能性があることがわかります。尿糖が出た場合は、病院で血糖値(およびHbA1c)を測定し、糖尿病の有無の診断を受けて下さい。

糖尿病腎症になると「尿たんぱく」が出る

    糖尿病腎症になると尿たんぱくが出ます。糖尿病腎症とは糖尿病の合併症のひとつで、初期症状のころは尿中のアルブミンで判定。尿中アルブミンとは尿に含まれるたんぱく質の主成分で、正常な人にも少量含まれます。

尿中アルブミン濃度は30mg/dl未満だと正常だと言われていて、30ml/dlを超えてくると糖尿病性腎症が疑われます。さらに300mg/dl以上になると、たんぱく尿で腎臓になんらかの疾患がある状態です。

糖尿病の自覚症状は手遅れになることも?|怖い糖尿病の合併症

糖尿病は自覚症状が出始めてからでは手遅れになることも多いので、定期検査を受けましょう。糖尿病で起こる合併症は次の3つです。

  • 糖尿病性腎症
  • 糖尿病性網膜症
  • 糖尿病性神経障害

ここでは糖尿病の代表的な合併症を解説しますので、どうぞご覧ください。

糖尿病性腎症

糖尿病性腎症は腎臓がろ過機能を発揮するのに必要な糸球体が硬くなったり、繊維状になったりすることで発症します。初期症状はなく無症状で病気が進行するため、初期のころは尿検査をしないと判定できない病気です。

病状が悪化すると、疲れやすい、顔色が悪い、手足のしびれや嫌味、筋肉のこわばりといったさまざまな症状が現れます。病状が悪化してからは回復が難しくなるので、早期発見で悪化させないことが重要です。

糖尿病性網膜症

糖尿病性網膜症になると、視力が低下します。なぜなら、糖尿病が原因で目の奥にある網膜が障害を受けるからです。

初期症状は感じらませんが、目の検査をすると小さな出血が観られます。症状が悪化すると、目のかすみの自覚症状が感じられ、目の網膜へとつながる血管が詰まるといった症状もみられます。末期症状には視力の低下が起き、最悪の場合、失明することもあるのです。

糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害は糖尿病による高血糖の状態が続くことで、全身の神経に障害が起こる病気です。血糖値が高いために神経周辺の血管が痛んだり、神経自体が変性したりして、神経が正常に働かなくなるのです

糖尿病性神経障害になると、自律神経や運動神経、感覚神経の働きが障害されて起こる症状に悩まされます。たとえば立ちくらみや排尿障害、勃起障害などの自律神経症状が起こります。さらに手足の感覚異常や身体を動かしにくいといった症状も起こる大変な病気です。

糖尿病が気になったらすぐに病院で尿検査を受けよう

糖尿病は自覚症状がないと言われるほど、初期症状がわかりづらい病気です。そのため糖尿病を予防するには、病院で定期的に尿検査や血液検査を受ける必要があります。

病院の検査では血糖値や尿中アルブミンという尿たんぱくの一種を測定して、糖尿病の初期症状を見つけます。糖尿病になると腎症や網膜症、神経障害といった思い合併症のリスクもありますので、早期発見のために病院で定期的に尿検査を受けるようにしましょう。

こちらの記事の監修医師

高座渋谷つばさクリニック

武井智昭 先生

〇病院名 :高座渋谷つばさクリニック 〇医師  :武井智昭 〇アクセス:神奈川県大和市渋谷五丁目22番地 〇診療科 :内科・小児科・アレルギー科 〇経歴: 【経歴】 2002年    慶應義塾大学医学部卒業 2004年    立川共済病院勤務 2005年    平塚共済病院小児科医長として勤務(内科) 2010年    北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室兼任 2012年    横浜市内のクリニックの副院長として勤務 (スマイルこどもクリニック) 2015年    小谷クリニック 内科・小児科(訪問診療部)部長 2017年    「なごみクリニック」内科・小児科・アレルギー科 院長 2020年4月~ 「高座渋谷つばさクリニック」院長就任 【専門医・認定医】 ・小児科専門医・指導医 ・日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD) ・臨床研修指導医(日本小児科学会) ・抗菌化学療法認定医 ・プライマリケア学会認定医 ・認知症サポート医 0歳から100歳まで、1世紀を診療するプライマリケア医です。専門は呼吸器・感染症・アレルギーですが、新生児疾患・心療内科疾患・ 認知症などを含めて幅広く地域医療を展開しております。