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尿酸値が高い原因とは?食事や運動など簡単にできる対策方法も紹介

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最終更新日:2021年8月26日

尿酸値が高い原因とは?食事や運動など簡単にできる対策方法も紹介

こちらの記事の監修医師
田川市立病院
井林雄太 先生

〇病院名 :田川市立病院
〇医師  :井林雄太
〇アクセス: 福岡県田川市大字糒1700番地2
〇診療科 :糖尿病内分泌内科
〇経歴:
日本内科学会認定内科医
日本内分泌内科専門医
日本糖尿病内科専門医
【所属学会】
日本内科学会
日本内分泌学会
日本糖尿病内科学会
【経歴】
九州大学医学医学部卒業
田川市立病院

「尿酸値が高いと言われたけど、原因はなんだろう?」

「どうすれば尿酸値を下げることができるの?」

突然、病院で尿酸値が高いと指摘されると戸惑ってしまいますよね。「痛風になりたくないから尿酸値をなんとか下げたい」と思っている方もいるかもしれません。ここでは、尿酸値が上がる原因から下げるために日常生活で簡単にできる方法までご紹介します。

尿酸値はどこまで上がると“高い”の?

尿酸とは肝臓で作られる代謝物の1つです。食べたものや壊れた細胞から作られます。体に悪いイメージのある尿酸とはいえ、実は常に私たちの体に存在している物質です。

次の範囲内の値であれば正常ですので問題ありません。

〈基準値〉

男性:3.0~6.9㎎/dl

女性:2.5~6.0㎎/dl

これが7mg/dl以上になると「高尿酸血症」と診断されます。さらに8~9mg/dl以上になると糖尿病や腎障害、高血圧などの合併症が起こりやすくなることが特徴です。

尿酸値が高い原因

尿酸値が高くなる原因には、遺伝や食生活などさまざまなものがあります。それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

尿酸が作られやすく排泄されにくい

尿酸値が高くなるのは「尿酸が作られやすい」こと、そして「作られた尿酸が排泄されにくい」ことが原因です。尿酸を作ったり排泄したりする働きは、ある程度は遺伝によって決まります。

日本人の場合はどちらかというと、尿酸を排泄する働きが弱くなっているケースが多いようです。生活習慣病とは無縁のはずの子供でも痛風を発症することがあるのは、遺伝により尿酸が体にたまりやすいことが関係していると考えられています。

食生活の乱れ

尿酸はプリン体から作られます。そのためプリン体を多く含む食事をしていると、尿酸値が上がってしまうことがあるものです。プリン体を多く含む食べ物としては、主に次のものが知られています。

・あんこう

・レバー

・カツオ

・肉類

・魚類

また、種類を問わずアルコールの摂取も尿酸値を上げる原因です。とくにビールはプリン体が多いというイメージをもっている方が多いでしょう。100gあたり300mg前後のプリン体が含まれているあんこうやレバーと比べると、ビールは大瓶1本(633ml)でも50mg程度しか含まれていません。

実はプリン体の量そのものはそこまで問題ではありません。アルコールが尿酸の産生を促進してしまうこと、そして尿酸の排泄を妨げる働きがあることが問題なのです。そのため飲むお酒の種類はあまり問題ではなく、アルコールの摂取量のほうが尿酸値の上昇に関係しています。

薬の副作用

尿酸値を上げてしまう薬として、次のようなものが知られています。

・利尿薬(フルイトランやラシックスなど)

・喘息の薬(テオフィリン)

・結核の薬(ピラジナミドなど)

利尿薬のフルイトランで尿酸値が上がる原因は明らかになっていませんが、尿酸を排泄する機能に影響を与えたり、利尿効果によって体内の水分が濃縮されたりすることが原因のようです。

ラシックスは尿酸の排泄機能の働きを弱めてしまうため尿酸値が上がりやすくなります。テオフィリンはプリン体の利用を抑えてしまうこと、ピラジナミドは尿酸を排泄する働きを抑えてしまうことが原因です。

閉経

女性ホルモンの1つであるエストロゲンには、尿酸の排泄を促す働きがあります。そのため閉経によってエストロゲンの分泌量が減ると、尿酸が排泄されにくくなってしまうのです。閉経は50歳前後で迎えることが多いため、女性の痛風の患者も50代ごろから増えてきます。

ストレス

意外かもしれませんが、ストレスも尿酸値が高くなる原因です。ストレスがかかると、尿酸を作り出す酵素の働きが活性化することが近頃の研究で分かっています。

高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームなどともストレスは関係しているため、現代のストレス社会は健康の大敵であると言えるでしょう。

負荷の高い運動

運動は健康を維持するうえで大切なものです。しかし、やりすぎはかえって害になることもあります。息が切れるほどの激しい運動や筋トレは、尿酸値を上昇させることで知られています。とくに短時間で一気に負荷をかけると上がりやすくなることが特徴です。

尿酸値が高いと「痛風」になることも

贅沢病と言われていたこともある痛風。現在は生活習慣病の1つとして考えられています。痛風は尿酸値の値と密接な関係がある疾患です。

痛風の原因

痛風は尿酸が結晶化することでおこります。尿酸の結晶は、まるでウニのトゲのような形をしているため、結晶化すると激しい痛みを伴うのです。尿酸値が7.0mg/dlより高い高尿酸血症の状態が長く続くことで結晶化しやすくなります。

痛風の症状

足の指の付け根に出る激しい痛みが主な症状です。ほかにひざや足首、足の甲や耳たぶなどに症状が出ることもあります。症状が出る前に足がむずむずしたり違和感を覚えたりすることがあり、その後、急激に症状が進むことが特徴です。

「風が吹くだけでも痛い」と言われるほど耐えがたい激痛が起きますが、痛風の発作が起きてから1~2週間で痛みはほとんど感じなくなることが多いでしょう。ただし痛風発作が起きた部位に生じる関節の腫れは、しばらく続くこともあります。

痛風の症状としては激痛や腫れがメインですが、合併症として高血圧や脂質異常症、高血糖や脂肪肝などを発症することもあるため、早めに尿酸値のコントロールを行うことが大切です。

日常生活で尿酸値を下げる方法

尿酸値が高いからといって必ず痛風になるわけではありません。しかし、間違いなく痛風のリスクは上がります。痛風の発作が起きると歩くことも困難なほどの激痛に悩まされるため、日頃の生活で尿酸値が上がらないようにしておくことが重要です。

食生活を見直す

プリン体の多い食事やアルコールを好む方は、食生活を見直しましょう。プリン体は尿酸に代謝されるため、摂りすぎには注意が必要です。動物の内臓や肉類を大量に食べることを避けたり、動物性ではなく植物性の油を使ったりするように心がけます。

肉類は1日に70g程度なら問題ありません。健康食品として知られるスピルリナやビール酵母、ローヤルゼリーもプリン体が多いので注意してください。またアルコールは、尿酸の排泄を阻害してしまうため飲み過ぎないようにします。ビールなら1日に500ml、日本酒なら1合が目安です。

水分を積極的に摂る

尿酸値を下げるためにはプリン体をできるだけ体に取り込まないこと、そして尿酸の排泄を促すことが大切です。尿酸の排泄量を増やすために、水分をこまめに摂るように心がけましょう。

水分の摂取量を増やすことで、尿と一緒に尿酸も排泄できます。水分量は1日に2リットル程度が目安です。ただしジュースやアルコールではなく、水を飲むようにします。

体を動かす習慣をつける

肥満の方は軽い運動もおすすめです。短時間で強度の高い運動をするとかえって尿酸値を上げてしまいますが、ゆっくりとウォーキングをする程度であれば大きな問題にはなりません。

尿酸値は肥満の方ほど高くなる傾向にあるため、体重のコントロールを目的とした運動が肥満の方にとっては効果的です。ただし運動だけで体重を落とすことは難しいため、食生活の改善も忘れずに行いましょう。

【番外】コーヒーを飲めば尿酸値を下げられる?

「コーヒーは尿酸値を下げる効果がある」と言われていた時期があります。しかし最近の研究では、コーヒーを摂取しても尿酸の値に良くも悪くも影響がないことがわかりました。コーヒーの摂取量が多い人たちと少ない人たちとで尿酸値の比較をしても、とくに関連性が見られなかったのです。

ただし、コーヒーの摂取量が多い人たちでは痛風の発症が抑えられたという結果は出ています。つまり、尿酸値の値には影響を及ぼすことはないものの痛風の発症は抑えられるということです。痛風が気になる方はコーヒーを飲む習慣をつけてみてもよいかもしれません。

尿酸値の値次第では薬の服薬を始める

尿酸値が高い状態のまま放っておくと、痛風を招いてしまうおそれがあります。薬を服用することで尿酸値をコントロールできれば、痛風発作はある程度抑えられるものです。

尿酸値を下げる薬を飲み始める

7mg/dl以上を超えると高尿酸血症とされますが、基準値を超えたからといって必ず服薬が必要になるわけではありません。痛風発作の経験があったり、尿酸値が8mg/dl以上だったりする場合は、薬を使った治療を始めることが多いでしょう。

9mg/dl以上を超えると痛風発作を起こすリスクが高まるほか、糖尿病や腎障害などの合併症を起こしやすくなるためほとんどの場合で薬を使った治療が始められます。

医師の指示通りに飲むことが大切

薬の服用は必ず医師の指示通りに行うことが大切です。不思議なことに、尿酸値は高くなるだけではなく低くなった場合にも痛風発作を起こすことがあります。

はっきりとした理由はわかっていませんが、急激に尿酸値が下がると発作が起こりやすくなってしまうのです。そのため薬の服用を始める場合は、3~6ヶ月ほどかけてゆっくりと尿酸値を下げていきます。

ところが、痛風の発作が起きるとあまりの痛さに耐えきれず「尿酸値を下げれば痛みもおさまるはず」といって自己判断で薬を飲んでしまう方がいるものです。これはかえって発作を酷くしてしまう可能性があります。発作が起きると薬を飲みたくなる気持ちはわかりますが、尿酸値の急激な変動を避けるためにも薬は医師の指示通りに飲むことが大切です。

尿酸値が高い原因は体質や食生活などが原因

尿酸が作られやすく、排泄されにくい体質の方は尿酸値が高くなりやすい傾向にあります。またプリン体を多く含む食事を好む方も高くなることが多いでしょう。そのほか、閉経やストレスなども尿酸値が高くなる原因です。

食生活を見直したり水分を多めに摂ったりして尿酸値が上がらないようにしましょう。痛風発作が起きたり尿酸値が8mg/dl以上になったりすると薬での治療が考慮されます。痛風は「もう二度と経験したくない」と言われるほどの激痛ですので、日頃の生活でしっかりと尿酸値をコントロールしていきましょう。

こちらの記事の監修医師

田川市立病院

井林雄太 先生

〇病院名 :田川市立病院 〇医師  :井林雄太 〇アクセス: 福岡県田川市大字糒1700番地2 〇診療科 :糖尿病内分泌内科 〇経歴: 日本内科学会認定内科医 日本内分泌内科専門医 日本糖尿病内科専門医 【所属学会】 日本内科学会 日本内分泌学会 日本糖尿病内科学会 【経歴】 九州大学医学医学部卒業 田川市立病院