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ノロウイルスとは?原因となる食品や症状、対策方法を解説

最終更新日:2021年11月6日

ノロウイルスとは?原因となる食品や症状、対策方法を解説

こちらの記事の監修医師
高座渋谷つばさクリニック
武井智昭 先生

ノロウイルスが原因で生じる食中毒や感染症は、特に子供や高齢者が集団生活を行う保育園、学校、福祉施設、デーサービスなどで発生するとパンデミックにつながることもあるため注意が必要です。本記事では、ノロウイルスの原因や感染経路、症状などについて詳しく解説します。感染してしまったときの対処法や予防のための対策もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

ノロウイルスとは?

ノロウイルスは一般的な急性胃腸炎の原因として最も多い病原体で、乳幼児から高齢者まで幅広い世代に感染します。

人の小腸粘膜の上皮細胞のみで増殖し、乾燥や熱に強く、自然環境の中でも長期に生存でき、感染力が極めて高いのが特徴です。

ノロウイルスは遺伝子型が複数あり変異していくため、一度感染したとしてもその後何度も感染する可能性があります。また、ノロウイルスに対する特効薬ワクチン作られていないので、感染した場合は症状にあわせた対症療法が行われます。

ノロウイルスが原因で発症する食中毒やウイルス性胃腸炎は冬に多い

ノロウイルスは年間を通して発生しますが、主に10月頃から流行が始まり、特に12月から2月にかけての冬季に流行のピークを迎え、3月末頃まで続きます。ノロウイルスが冬季に流行しやすい理由としては、主に次のようなことが考えられます。

  • 低温・低湿度の環境で感染力が高まるウイルスだから
  • 喉や気管支が乾燥してウイルスが付着しやすくなるから
  • ウイルスが乾燥して空気中に浮遊しやすくなるから
  • 冬に旬を迎える牡蠣などの二枚貝を食べる機会が増えるから

ノロウイルスに感染したときの主な症状

ノロウイルスに感染すると、主に強い吐き気嘔吐腹痛下痢脱水38度程度の発熱などの症状が現れます。

通常は1日から3日ほどで回復することがほとんどで、後遺症の心配もありませんが、嘔吐や下痢を繰り返すと脱水症状を引き起こすケースもあるため注意が必要です。

また、中には感染しても発症しない人や、発症したとしても軽い風邪のような症状だけで済む人もいるため、程度には個人差があります。

特に幼児や高齢者は重症化しやすいため要注意

小さい子供や高齢者がノロウイルスに感染すると特に脱水症状を起こしやすく、重症化すると命を落とす可能性があります。

また、乳幼児の場合はノロウイルス感染症に伴って何度も痙攣を起こすケースがあり注意が必要です。吐き気、嘔吐、下痢、発熱のほかに痙攣や意識障害、ひきつけ、頭痛などの症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

ノロウイルスに感染する主な原因・感染経路

(画像=empty plate or dish with knife, fork and spoon on wood tile background/stock adobe.com)

ノロウイルスに感染する主な原因や感染経路としては、主に次の3つが挙げられます。

  • ノロウイルスに汚染された食材の飲食
  • 感染者の排泄物や嘔吐物からの二次感染
  • 感染者が触れたものや調理器具からうつることも

では、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

原因1:ノロウイルスに汚染された食材の飲食

ノロウイルスが付着した食材や、ノロウイルスを体内に蓄積した二枚貝汚染された水などの飲食などが原因で感染するケースは少なくありません。

また、調理者が感染している場合、手洗いが不十分だと手指に付着したウイルスが料理に混入し、経口感染する可能性もあります。

原因2:感染者の排泄物や嘔吐物からの二次感染

ノロウイルスに感染した人の排泄物嘔吐物には原因となるウイルスが多量に含まれています。そのため、感染者の排泄物や嘔吐物を素手で処理したあと、手洗い不十分だと手指にウイルスが残り、口元に触れたときや飲食の際に経口感染する可能性があります。

また、感染者の排泄物や嘔吐物を処理せずに長時間放置していると、やがてホコリなどと一緒に空気中に浮遊し始めます。空気中に浮遊したウイルスを吸っただけでも二次感染が起こる可能性があるため注意が必要です。

原因3:感染者が触れたものや調理器具からうつることも

感染者がトイレの後にしっかりと手を洗わないままドアノブスイッチなどに触れると、その部分を触った他の人の手指にウイルスが付着し、経口感染することがあります。

また、感染者が触ったり汚染された食材に触れたりした調理器具をきちんと消毒せずに使うと、そこからノロウイルスに感染する可能性もあるため注意しましょう。

ノロウイルス感染症の原因となる食べ物とは?

ノロウイルス感染症の原因となる食べ物にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、ノロウイルスの原因になりやすい食べ物を具体的に3つ紹介していきます。

原因食品1:生牡蠣などの二枚貝

牡蠣をはじめとした二枚貝は、特にノロウイルスの原因になりやすい食べ物として広く知られています。牡蠣以外では、シジミ、ウチムラサキ貝、バカガイ、大アサリ、アサリなどが挙げられます。

牡蠣をはじめとした二枚貝は、海水を体内に取り込んでエサを残しながら排出するという性質があるため、生息域が汚染されていると体内にノロウイルスを蓄積してしまいます。

ノロウイルスは貝の体内では増殖できないものの、ノロウイルスを蓄積した二枚貝を生や加熱が不十分な状態で食べると人に感染するため注意が必要です。

原因食品2:寿司や刻み海苔、鶏肉などあらゆる食べ物

調理する人の手指などに付着したノロウイルスが食品についてしまうと、あらゆる食べ物が感染の原因になる可能性があります。たとえば、寿司や刻み海苔、鶏肉、パン、お菓子、サラダなどが原因で感染が起こるケースも珍しくありません。

原因食品3:汚染された水

消毒が十分にされていない井戸水など、ノロウイルスに汚染された水を飲むことでもノロウイルスに感染する可能性があります。旅先などで飲用が推奨されていない水を飲むことはやめておくのが良いでしょう。

ノロウイルスに感染したときの対処法

ノロウイルスに感染し、ひどい下痢の症状が起こると薬を服用したくなりますが、強い作用がある下痢止めを飲むとウイルスをうまく排出できずに長引く可能性があるのでおすすめできません。

では、ノロウイルスに感染したときはどのように対処すればいいのでしょうか。ここからはノロウイルスに感染したときの対処法について解説していきます。

対処法1:経口補水液などでこまめに水分補給する

ノロウイルスに感染したときは、まずは安静にすることが大切です。なるべく楽な姿勢で横になり、体を休めましょう。

嘔吐や下痢によって水分や電解質が多量に排出されると、脱水症状を引き起こす可能性があるので、経口補水液などでこまめな水分補給を行ってください。

対処法2:食事をとるときは消化に良いものを選ぶ

ノロウイルスに感染したときは、無理に食事を取ろうとする必要はありません。吐き気や嘔吐、下痢などの症状が落ち着くまでは水分補給だけしっかり行いましょう。

症状が落ち着き、食欲がわいてきたら、おかゆ、うどん、みそ汁など消化に良いものを選んで少しずつ食べるようにしてください。

対処法3:症状が重い場合は早めに医療機関を受診する

ノロウイルス感染症は、通常なら1日から3日ほどで症状が改善しますが、以下のような場合は速やかに医療機関を受診することをおすすめします。

  • 症状が3日以上改善しない
  • 1日10回以上嘔吐や下痢などの症状がある
  • 水分補給もままならない
  • 便に血液が混じっている
  • 呼吸が不安定で意識が朦朧としている
  • 高熱があり、ぐったりしている

  ●けいれんをしている(特に小児)

  ●尿量がすくなく、ぐったりしている

ノロウイルスの二次感染を防ぐポイント

ノロウイルスは感染力が非常に強いため、もし家族などがノロウイルスに感染した場合は二次感染を起こさないよう、適切な対策をとることが欠かせません。

そこで、ここからはノロウイルスの二次感染を防ぐポイントを3つ紹介します。感染を拡大させないために、ぜひ参考にしてください。

感染者の嘔吐物や排泄物に直接触れない

ノロウイルスの二次感染の多くは感染者の嘔吐物や排泄物から起こります。そのため、二次感染を防ぐためには、感染者の嘔吐物や排泄物に直接触れないことが大切です。

嘔吐物や排泄物を処理する際は必ずビニール手袋マスクを着用し、一度使用したものは使いまわさずに処分しましょう。作業が終わったら丁寧な手洗いも忘れずに行ってください。

また、ノロウイルスの症状が治まってからも、3週間前後は排便時にウイルスが排出されることがあります。そのため、ノロウイルスに感染した人は症状が治まってからもしばらくは他の人にうつさないよう、排便後のトイレの除菌や手洗いを欠かさずに行いましょう。

嘔吐物などで汚れた床は塩素系漂白剤などで消毒する

ノロウイルスは、熱やアルコール消毒剤に強い「ノンエンベロープウイルス」と呼ばれるタイプに分類されるウイルスのため、エタノールなどのアルコール系消毒剤効きません

そのため、感染者の嘔吐物などで汚れた床は嘔吐物を処理したあと、塩素系漂白剤次亜塩素酸ナトリウムを含ませた布を被せてしばらく時間を置き、しっかりと消毒しましょう。

ただし、塩素系の消毒剤は皮膚への刺激が強いため、使用時は必ずビニール手袋を着用し、水で適切な濃度に希釈してから使うようにしてください。

ウイルスが浮遊するため十分に換気を行う

ノロウイルスに感染した人が室内で嘔吐や下痢をすると、ホコリと一緒にウイルスが空気中に長時間浮遊します。ウイルスを含んだホコリを周りの人が吸い込むと、二次感染を引き起こすリスクがあるため、嘔吐物や排泄物の処理が終わったあとは必ず窓を開け、十分な換気を行いましょう。

換気によってウイルスを含んだホコリを排出し、室内に新鮮な空気を取り込めば、空気を介した二次感染のリスクをグッと下げることができます。

ノロウイルス感染症を予防する対策方法

今のところノロウイルス感染症に対する薬やワクチンは作られていないので、感染しないためには日頃からきちんと対策して予防することが大切です。ここからはノロウイルス感染症を予防する対策方法を、具体的に4つ紹介していきます。

対策1:調理前や食事前にきちんと手洗いをする

ノロウイルス感染症を予防するためには、手洗いの徹底が必須です。

ドアノブや手すり、スイッチなど、多くの人が手を触れる場所にはさまざまなウイルスが付着している可能性が高く、ノロウイルスも例外ではありません。ノロウイルスが付着した部分に触れた手で口元や鼻などを触ると、そこから体内にウイルスが侵入し、感染を引き起こしてしまう場合があります。

だからこそ、手指に付着したウイルスを物理的に除去するために、手洗いは欠かせません。特に食品を扱う調理前や食事前などには、指の間や爪の間まで洗い残しのないよう徹底的に洗い流しましょう。

対策2:食器や調理器具をしっかり洗浄・消毒する

ノロウイルス感染症は、ウイルスが付着した物を介して感染するケースがあるため、予防のためには日頃から食器や調理器具をしっかりと洗浄・消毒しておくことが大切です。

また、感染者が使った食器は他の人が使ったものと一緒にせず、使用したあとすぐに塩素系の消毒液に浸けて、しっかりと消毒を行いましょう。

対策3:原因になりやすい食材は十分に加熱して食べる

ノロウイルス感染症の原因になりやすい食材はなるべく生食を避け、十分に加熱してから食べるようにしましょう。

牡蠣などの二枚貝は、中心部を85℃から90℃で90秒以上加熱してから食べるのがおすすめです。サッと湯通ししたぐらいではウイルスの感染力は失われないため注意しましょう。

対策4:食品取扱者は定期的に検便を行う

ノロウイルスに感染している人が調理したものが原因となって、集団食中毒が発生してしまう可能性もあるため、食品取扱者は定期的に検便を行うようにしましょう。

ウイルスに感染していても症状が現れないケースもあるため「自分は大丈夫」と過信しないことが大切です。

検便によりノロウイルスの感染が事前にわかっていれば、調理担当から外れるなどの対策をとることができ、食中毒事故のリスクを回避することができます。

ノロウイルスに関するよくある疑問

(画像=木製 ビジネスイメージ Q&A/stock adobe.com)

ここからは、ノロウイルスに関するよくある疑問にまとめてお答えしていきます。

ノロウイルスの潜伏期間はどのくらい?

ノロウイルスの潜伏期間は24時間48時間です。症状が治まったあとも3週間前後は便の中にウイルスが排出される可能性があるため、トイレの消毒や手洗いなどは引き続き徹底して行うことをおすすめします。

子供同士が密接に関わる保育園での集団感染を防ぐには?

保育園での集団感染を防ぐためには、手洗いを徹底すること、手洗い後のタオルを共有しないこと、調理従事者は衛生管理に特に気を配ること、園児が触れるものの消毒を徹底すること、嘔吐物で汚れた衣服はビニール袋に密閉して自宅で洗ってもらうことなどが挙げられます。

ノロウイルスとロタウイルスの違いとは?

ノロウイルスとロタウイルスはどちらも冬場に流行し、症状も似ていることから見分けが難しい場合があります。

大きな違いとしては、ノロウイルス乳幼児から高齢者まで幅広い年代で感染するのに対し、ロタウイルスは主に乳幼児の間で感染することが挙げられます。

また、ノロウイルスにはワクチンがありませんが、ロタウイルスには感染を予防するためのワクチンが存在する点も両者の違いの1つです。

ストレスが原因でノロウイルスにかかることはある?

過度なストレスによって神経性の胃腸炎が生じることはありますが、ストレスが直接的な原因となってノロウイルス感染症にかかることはありません。

ただし、ストレス寝不足によってリンパ球の機能低下など、免疫抵抗力が下がっていると、さまざまな体調不良を引き起こす可能性があるため、なるべくストレスをため込まないよう心がけることは大切です。

ノロウイルスは夏場も発生する?

ノロウイルス感染症の流行時期は冬ですが、ノロウイルス自体は1年を通して存在しているため、夏場にも感染するリスクはあります。夏の間も油断せずに、きちんと感染予防に取り組むことをおすすめします。

まとめ:ノロウイルスの原因を知って予防・対策をしっかりと

ノロウイルスは非常に感染力が強く、1人が感染すると周りの人に二次感染しやすいのが特徴です。特に乳幼児や高齢者が感染すると脱水症状や脳症・脳炎症状を引き起こす可能性があり、命にかかわる場合もあります。ぜひ今回紹介した内容を参考に、しっかりと感染対策を行っていきましょう。

こちらの記事の監修医師

高座渋谷つばさクリニック

武井智昭 先生

〇病院名 :高座渋谷つばさクリニック
〇医師  :武井智昭
〇アクセス:神奈川県大和市渋谷五丁目22番地
〇診療科 :内科・小児科・アレルギー科
〇経歴
2002年    慶應義塾大学医学部卒業
2004年    立川共済病院勤務
2005年    平塚共済病院小児科医長として勤務(内科)
2010年    北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室兼任
2012年    横浜市内のクリニックの副院長として勤務 (スマイルこどもクリニック)
2015年    小谷クリニック 内科・小児科(訪問診療部)部長
2017年    「なごみクリニック」内科・小児科・アレルギー科 院長
2020年4月~ 「高座渋谷つばさクリニック」院長就任
〇専門医・認定医
・小児科専門医・指導医
・日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)
・臨床研修指導医(日本小児科学会)
・抗菌化学療法認定医
・プライマリケア学会認定医
・認知症サポート医

    • 神奈川県大和市渋谷5-22地図を見る
    • 046-279-5111
    • 内科 小児科 アレルギー科
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    高座渋谷つばさクリニックは、小田急電鉄江ノ島線「高座渋谷駅」より徒歩すぐにあります。内科・小児科・アレルギー科の診療を行っています。地域の健康を守るプライマリケア医師が常勤しており、少しでも不安に思ったら気軽に相談できるクリニックです。院長は、慶應義塾大学医学部卒業後、立川共済病院、平塚共済病院小児科医長、小谷クリニック内科・小児科部長、なごみクリニック内科・小児科・アレルギー科院長など長年の経験があり、2020年より高座渋谷つばさクリニック院長に就任しています。0歳の赤ちゃんからお年寄り、障害を持った方など誰でも安心して相談できます。明るく清潔感のある院内とアクセスの良い立地で通いやすいクリニックです。

     
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