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腎盂腎炎の症状とは?原因・検査・治療法・予防法まで解説

最終更新日:2021年12月1日

腎盂腎炎の症状とは?原因・検査・治療法・予防法まで解説

こちらの記事の監修医師
あおき内科・さいたま糖尿病クリニック
青木 厚 先生

残尿感や頻尿、発熱などの症状は、腎盂腎炎の可能性があります。腎盂腎炎は放置すると重大な事態に陥る恐れがあるため、早急に治療を受けなければなりません。腎盂腎炎の症状をチェックして、少しでも当てはまる場合は早めに医療機関を受診しましょう。ここでは、腎盂腎炎の症状や原因、検査方法、治療法、予防法などについて詳しくご紹介します。

腎盂腎炎とは

腎盂腎炎とは、腎臓に細菌が感染して炎症が起きる病気です。腎臓で作られた尿は、腎盂から尿管を経て膀胱に溜まり、尿道から排出されます。尿が通るところは尿路といい、ここには細菌が存在しません。しかし、何らかの原因で細菌が侵入した際には、尿路感染症を引き起こします。

尿路感染症は、細菌が感染した部位に応じて下部尿路感染症と上部尿路感染症に分類されます。上部尿路感染症の多くは、腎盂腎炎です。腎盂で繁殖した細菌が引き起こした炎症が腎臓にまで炎症が及んだものを腎盂腎炎といいます。一方、下部尿路感染症は尿道や膀胱に起きた感染症のことです。

腎盂腎炎の症状

腎盂腎炎には、急性腎盂腎炎と慢性腎盂腎炎があります。それぞれの症状は次のとおりです。

急性腎盂腎炎の症状

急性腎盂腎炎は、急激に発症します。症状は頻尿排尿時中残尿感ですが、発熱全身倦怠感背中や腰の痛み悪心嘔吐などが起きる場合もあります。また、細菌が血液を介して全身に広がると、血圧低下や急性腎不全、多臓器不全となり命に関わる恐れがあるため、早期に治療を受けることが重要です。

慢性腎盂腎炎の症状

慢性腎盂腎炎は自覚症状がないケースもあります。症状が現れたとしても、微熱食欲不振軽い腰痛などのため、医療機関を受診する必要がないと自己判断してしまう場合もあるでしょう。しかし、症状が急激に悪化すると、急性腎盂腎炎のように高熱全身倦怠感背中や腰の痛みなどが生じます。また、膀胱に溜まった尿が尿管や腎臓へ逆流することが原因で慢性腎盂腎炎が起きている場合は、腎盂腎炎を繰り返すことで腎臓の機能が低下し、腎不全になる恐れがあります。

腎盂腎炎の原因

尿路に細菌が侵入しても排尿によって対外へ排出されるうえに、免疫機能によって根絶されるので、すぐに腎盂腎炎になるわけではありません。前立腺肥大症尿路結石尿路悪性腫瘍糖尿病ステロイド内服などが原因で感染が起きやすい状態になっていると、腎盂腎炎を発症するリスクが高まります。

腎盂腎炎の検査・診断

(画像=Doctor’s hand holding a bottle of urine sample)

腎盂腎炎の診断には、尿検査血液検査超音波検査などが必要です。尿検査では、尿中の白血球や細菌を調べます。血液検査では、CRPや白血球、プロカルシトニンなどを調べます。超音波検査では、尿の通過障害の有無をはじめとした腎盂腎炎特有の所見がないか確認します。

腎盂腎炎の治療法

腎盂腎炎は細菌感染が原因のため、細菌を死滅させるために抗菌薬を使用します。軽傷の場合は抗菌薬治療で比較的早く改善すると考えられますが、治療後は再発の有無を確認するために1~2週間後に尿検査を行います。治療中は、安静に過ごすと共に、十分に水分補給が必要です。高熱が出る、食事を十分にとることができない、血圧が下がっている、全身状態が悪い、といった場合は入院して抗菌薬を点滴します。

症状が軽快すれば、医師の判断のもとで抗菌薬の内服治療へ変更できます。もし、検査や治療の際に尿路基礎疾患が見つかった場合は、腎盂腎炎の症状が治まってから治療を開始します。ただし、腎盂腎炎の治療と同時に尿路基礎疾患の治療を行う場合もあります。

腎盂腎炎の予防法

腎盂腎炎の原因は、本来無菌状態である膀胱に細菌が侵入し、繁殖した細菌が腎盂や腎臓へ到達することです。そのため、細菌の膀胱への侵入を防ぐことで腎盂腎炎を予防できます。陰部を清潔な状態に保つことが大切です。女性は男性と比べて尿道が短いため、膀胱に細菌が侵入しやすく、腎盂腎炎になるリスクが高いと言えます。

生理中はナプキンをこまめに取り替える、排便後は前から後ろに向かって拭くなどして、膀胱への細菌の侵入を防ぎましょう。また、尿道に侵入した細菌は排尿によって体外へ排出されるため、トイレを我慢しないことも重要です。水分不足はトイレの回数が減ることに繋がるため、こまめな水分補給を心がけてください

子供の腎盂腎炎の特徴

子供の腎盂腎炎の症状は大人と同じです。ただ、子供は大人と比べて脱水しやすい点に注意が必要です。また、子供は自分の症状をうまく伝えられないため、腎盂腎炎の発見が遅れる恐れもあります。ぐったりしている腰や背中を痛がっている発熱があるといった場合は、かかりつけ医に相談しましょう。

また、オムツをこまめに取り返る、排尿を我慢しないよう促すなどして、尿路への細菌の侵入をできる限り防ぐことが大切です。

少しでも腎盂腎炎が疑われる場合は医療機関を受診しましょう

急性腎盂腎炎は、悪化すると生命にもかかわる恐れがあるため、少しでも疑われる場合は医療機関を受診しましょう。また、慢性腎盂腎炎は自覚症状に乏しいため、発見が遅れる恐れがあります。気になる症状があれば医師に相談し、必要に応じて検査を受けてください。また、日頃から排便時の正しい拭き方やナプキンのこまめな交換などを心がけて、尿路へ細菌が侵入しないよう対策しましょう。

こちらの記事の監修医師

あおき内科・さいたま糖尿病クリニック

青木 厚 先生

〇医師名:青木厚
〇クリニック名:あおき内科・さいたま糖尿病クリニック
〇アクセス:埼玉県さいたま市見沼区東大宮5-39-3 英和ビル3F
〇診療科目:内科・糖尿病内科・内分泌代謝内科・漢方内科

【所属学会・認定医など】
医学博士(自治医科大学)
日本内科学会 認定内科医・ 総合内科専門医
日本内分泌学会 内分泌代謝科(内科)専門医
日本糖尿病学会 専門医 ・研修指導医
【経歴】
2002年 福井医科大学(現 福井大学)卒業
2002年 長野赤十字病院
2004年 川崎市立川崎病院 内科
2006年 自治医科大学附属さいたま医療センター 総合診療科
2008年 自治医科大学附属さいたま医療センター 内分泌代謝科
2010年 自治医科大学大学院 医学研究科 入学
2014年 自治医科大学大学院 医学研究科 卒業 医学博士 習得
2015年 青木内科・リハビリテーション科 開設