食物アレルギーの原因を解説!食物アレルギーの主な症状は?発症した時にとるべき行動や予防法をご紹介

最終更新日:2021年8月24日

食物アレルギーの原因を解説!食物アレルギーの主な症状は?発症した時にとるべき行動や予防法をご紹介

こちらの記事の監修医師
長浜赤十字病院
安齋祐子 先生

〇病院名 :長浜赤十字病院
〇医師  :安齋 祐子
〇アクセス:滋賀県長浜市宮前町14番7号
〇診療科 :小児科
〇経歴: 2001年:自治医科大学卒業
2013~2016年:長浜赤十字病院小児科医長
2016年~2018年:上海グリーンクリニック
2018年~現在:長浜赤十字病院小児科部副部長

年齢や性別に関係なく、今まで食べていた食べ物でアレルギー症状を起こすことも少なくありません。
しかし食べ物は、摂取しないと体が上手く機能しなくなるほど大切なものです。
なぜ食物アレルギーが起こるのか、その原因や注意したい食べ物、食物アレルギーの対処法を解説します。
食物アレルギーについての知識を増やし、万一に備えて対処法を学んでいきましょう。

食物アレルギーの原因

人間には、体内に入った有害な菌やウイルスなどを異物として排除する免疫システムがあります。
これが過敏に反応する現象がアレルギーです。
食物アレルギーでは、特定の食べ物を摂取することで免疫システムが過敏に反応し、人体に不利益な症状を生じさせています。
食物アレルギーの原因にはどのようなものがあるのでしょうか。

特定の食物の摂取

アレルギーは、アレルゲンと呼ばれるアレルギーを引き起こす物質を体内に取り込むことで引き起こされます。

体内で有害な細菌やウイルスを殺す役目を担っているのはIgE抗体(免疫グロブリンの一種)です。

これが無害な物質を有害だと判断してしまい、それらを体外に排出しようと活発に働くことでアレルギー症状が起こります。

例えば埃は埃だけに反応するIgE抗体、ダニはダニに反応するIgE抗体と、個人によってIgE抗体が反応する物質は異なります。

食物アレルギー場合は、アレルゲンを含む食べ物を体内に摂取したときにこの症状が起こるのです。

原因物質はタンパク質

現時点では、食物アレルゲンの原因物質はタンパク質であることがわかっています。
しかしなぜ無害であるはずのタンパク質が、体内ではIgE抗体によって有害だと判断されてしまうのか、そのメカニズムは不明です。
しかし、牛や鶏などの肉や魚に対するアレルギー患者は比較的少ないです。
人間の筋肉構造と牛や鶏の筋肉構成が類似しているために、異物と認識されにくいのではないかと考えられています。

食物アレルギーのよくある原因食物

食物アレルギーを引き起こす原因食物は様々で、年齢によっても発症原因が変化します。
新生児から幼児期間での発症率が高いのも食物アレルギーの特徴です。
食物アレルゲンは0歳から6歳ごろの場合、鶏卵牛乳でアレルギーを発症する可能性が高いです。
他にも、幼少期に発生しやすい食物アレルゲンとして以下のようなものが挙げられます。

・小麦
・大豆

7歳以上になると上記に加え、マンゴーやいちごなどの果物類、ピーナッツなどのナッツ類、そば、蟹やエビなどの甲殻類もアレルギー発症原因の食物ですので注意しましょう。
7歳以上からの食物アレルギー発症率は、6歳までに比べて低くはなります。
しかし、大人でもある日突然発症するケースはありますので気を付けてください。

食物アレルギーの主な症状

食物アレルギーの症状は食べ物を摂取して約2時間以内に起こることが多いです。
その症状は人によって異なりますが、大きく5つのカテゴリーに分かれます。
これから説明する症状が食物を摂取した後に現れる人は、食物アレルギーの可能性があります。
具体的にどのような症状があるのか、食物アレルギーの主な症状をみてみましょう。

皮膚症状

アレルギー症状が皮膚に現れる場合は、以下のような症状が首回りや全身に現れます。

・じんましん
・あかみ
・むくみ
・湿疹・かゆみ

肌荒れや他のアレルギー症状とも類似点が多いため、判断が難しいでしょう。
どのアレルゲンに反応しているか確認してから対処する必要があるので、自己判断せずに医師に相談しましょう。

呼吸器症状

呼吸器症状では咳やくしゃみが止まらない、息苦しさを感じる、声がかれるなどの花粉症やダストアレルギーと似た症状が現れます。
またのどが締め付けられる、のどがむくむなど、気管支の中が詰まったような状態になり息が出来なくなる場合もあるので注意しましょう。

粘膜症状

粘膜の症状は目や鼻、口内などに異常が起きる症状です。
目であれば、以下の状態になることがあります。

・かゆみ
・涙が止まらない
・瞼が腫れる
・充血する

また鼻であれば、以下の症状があります。

・鼻水
・鼻づまり
・くしゃみ

これらは呼吸器同様に花粉症やダストアレルギーなど他のアレルギーと似た症状のため、食物アレルギーと断定するのが難しいです。
口内では舌や唇に違和感や腫れ、かゆみなどが起こります。

消化器症状

消化器症状は、即時型と遅延型でアレルギーの症状が分かれます。
即時型はアレルゲン食品を摂取した後に以下のような症状が起こります。

・腹痛
・吐き気
・嘔吐
・下痢
・便秘

遅延型のアレルギーでは貧血、体重減少などの症状がみられます。
消化器でのアレルギー症状で、アレルギーの原因を確実に診断する為の方法が食物経口負荷試験です。
この方法では原因と考えられる食べ物を完全に除去し、症状が改善した後に再びその食べ物を摂取して症状が再現されるかを確認します。

ショック症状

アレルギー症状のなかでも重度が高く、注意しなければいけないのがショック症状です。
非常に危険な症状で、先ほど紹介した症状のうち2つ以上の症状が重度かつ同時に現れたときのことを指します。
全身の器官が連鎖するように過剰に反応するため、今までのアレルギー反応に加え、アナフィラキシーショックの状態に陥ります。
具体的な症状は動悸がする・血圧が下がる・意識がもうろうとするなどです。
アナフィラキシーショックは最悪の場合、死亡するケースもあります。
そのため出来るだけ早く適切な処置や治療をすることが大切です。
しばらく様子を見てから病院へ行くようなことはせず、体が動かせない場合は、足を上げて頭をさげる体位をとり、嘔吐物をつまらせないように呼吸がしやすいようにして救急車を呼ぶなどして即受診しましょう。

アレルギー症状が出た場合にとるべき行動

アレルギー症状が出た場合に取るべき行動がいくつかあります。
その中でも、必要性が高い2点を紹介します。
自分はもちろん、周りにアレルギー症状を起こした人がいるときは、特にこの2点に注意しながら対応していきましょう。

自己判断せずに受診する

アレルギー症状といっても、人によって現れる症状は様々です。
中には、花粉症やダストアレルギーなどと似た症状が起こります。
また、湿疹やかゆみがないからといってアレルギーではないと限りません。
アレルギー症状も軽いものから重症度の高いものまで多岐にわたります。
いつもの体調と比べて何らかの異変を感じた場合は、自己判断せず病院に行って医師に相談しましょう。

食べたものを覚えておく

食物アレルギーでは、どんな食べ物を食べてアレルギー症状を起こしたのかを医師に伝える必要があります。
そのため、直近で何を食べたかを覚えておきましょう
さらにどのぐらいの量を食べたのか、食べてからどのくらいの時間が経過してから症状が出たかなどもメモしておいてください。
それらを踏まえたうえで医師が診察・検査を行い、どの食べ物でアレルギーを起こしているのかの特定や今後の治療について検討していきます。

食物アレルギーの治療法

現時点での食物アレルギーの治療法について紹介していきます。
食物アレルギーは、医師が検査などで適切に診断した内容を元に対策を行います。
自己判断で行わないように注意をしてください。

食物アレルギーを完治させる薬はない

残念ながら、食物アレルギーを完治させる薬はありません
ただし症状を緩和させる薬はありますので、常に携帯しておくことをおすすめします。
どの薬を携帯するかは医師の判断に委ねましょう。
アナフィラキシーショックのときは、命の危険もあります。
そのためアドレナリン注射器(エピペン)を事前に処方される場合があります。
処方された場合はアレルギー患者だけでなく家族も注射の打ち方を練習し、注射するタイミングを事前に確認しておいてください。

必要最小限の除去と栄養指導

日常生活では、アレルギーを誘発する原因食物を限りなく除去した形で、食べ物を摂取していきます。
食べられる範囲や量については医師が判断し、指導を行います。
ただ「心配だから」「念のため」というような、過剰な除去は誤ったやり方です。行わないようにしてください。
食べられる範囲のものを適切に摂取していても、体調が悪いときや摂取し直後の激しい運動で症状が誘発される可能性があることにも注意しておきましょう。

食物経口免疫療法(経口減感作療法)

食物アレルギーの治療法の1つとして食物経口免疫療法(経口減感作療法)があります。
食物傾向免疫療法とは以下のようなものです。

自然経過では早期に耐性獲得が期待できない症例に対して、事前の食物経口負荷試験で症状誘発閾値を確認した後に原因食物を医師の指導のもとで経口摂取させ、閾値上昇または脱感作状態とした上で、究極的には耐性獲得を目指す治療法(出典:食物アレルギー診察ガイドライン2016:https://www.jspaci.jp/allergy_2016/index.html )

治療の流れとしては、医師から指示された量のアレルギー原因食物を毎日食べていきます。
誘発された症状や程度を確認しながら徐々に量を増やしていき、耐性化を図っていく治療法です。
ただ、この治療法は治療対象の原因食物でアナフィラキシーショックを起こすケースがあります。
また治療終了後に、原因食物でアレルギー症状を誘発するケースがあり、先述のガイドラインでは一般診療として推奨されていません
この治療法を推奨している専門機関で受診する場合でも、注意しながら治療していきましょう。

食物アレルギーの予防法

食物アレルギーの予防法は、妊娠中の母体からスタートします。
まず妊娠中や授乳期間中に、母親が摂取するものから特定の食物を除去しないようにしましょう。
食物除去をすることで、胎児がその食物を有害なものと誤った判断を行う可能性があります。
他にも、アレルギーが心配で離乳時期を遅らせるのもよくありません。日本小児科学会では卵アレルギーを防ぐために生後5-6か月から加熱卵の摂取を推奨しています。
逆に食物アレルギーを誘発させる原因の1つになりますので注意しましょう。
新生児からのスキンケアが食物アレルギーを防ぐのは立証されていませんが、家人がピーナッツをよく食べる家では肌があれている子はピーナッツアレルギーを発症しやすいという報告があります。
しかし、スキンケアはアトピー性皮膚炎発症のリスクを抑えることが確認されていますのでスキンケア、アレルギーマーチを起こさないためにスキンケアを大切にしましょう。アトピー性皮膚炎による皮膚の炎症は、抗原の経皮感作を促進して食物アレルギーを引き起こすといわれています。アトピー性皮膚炎に対しては積極的に治療をして綺麗な肌を保つことが大切です。

食物アレルギーは一度検査しておくのがおすすめ

今まで食べても問題がなかった食べ物でも、ある日アレルゲンとして体が反応しアレルギーを発症するケースも少なくありません。
しかし、症状がないにも関わらず、気になるから検査をするというのは、子供に関しては特にお勧めできないことです。食物アレルギーは症状と検査を組み合わせてようやく診断がつく問題ですので、闇雲なアレルギー検査は不必要な除去食につながりかねませんので注意が必要です。
どの病院で受診したらいいか迷う場合は、日本アレルギー学会が認定している病院での受診を検討してみてください。
また小児科を対象として、アレルギー症状を観察する食物経口負荷試験を行っている施設があります。
これらを参考にして訪ねてみましょう。

まとめ

食物アレルギーは、乳幼児期から発症することがほとんどです。
特に乳幼児はどの食べ物を食べていいのか判断できないので、アレルギーと診断されたときはその食べ物をどの程度除去すべきかきちんと医師と相談して、大人が管理してあげましょう。
また大人になってから突然、アレルギー症状を起こすこともあります。
大人であっても、症状がないからといって油断しないようにしましょう。
食物アレルギーがあっても、食べるものを注意することで他の人と変わらない日常生活を送ることができます。
過剰に反応せずに、医師に相談しながら対策を行っていきましょう。

こちらの記事の監修医師

長浜赤十字病院

安齋祐子 先生

〇病院名 :長浜赤十字病院 〇医師  :安齋 祐子 〇アクセス:滋賀県長浜市宮前町14番7号 〇診療科 :小児科 〇経歴: 2001年:自治医科大学卒業 2013~2016年:長浜赤十字病院小児科医長 2016年~2018年:上海グリーンクリニック 2018年~現在:長浜赤十字病院小児科部副部長

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