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2021年秋の流行の兆し?手足口病の「症状」と「感染対策」

最終更新日:2021年11月29日

2021年秋の流行の兆し?手足口病の「症状」と「感染対策」

こちらの記事の監修医師
けいこ豊洲こどもクリニック
塚田 佳子(つかだ・けいこ) 先生

(※画像はイメージです/PIXTA)

この秋に東京都内を中心に流行が見られた手足口病についてご紹介したいと思います。手足口病という感染症はどんな疾患なのでしょうか? また、ご家庭で気をつけたいこと、保育園、幼稚園への登園の目安などを、けいこ豊洲こどもクリニックの塚田先生がお伝えします。

手足口病とは

「保育園のクラスで手足口病が流行っている→うちの子が発熱した→手のひらや足の裏をみても発疹はない→他の病気なの!?」と慌てて受診されるケースが多くあります。よくよくみるとお子さんは口に手を入れており、よだれが多く、肘、膝、おしり、もしくはみえづらい口腔内に発疹がみられることがあるのです。 (ちなみに発疹は「ほっしん」と読みます。時々、受診される方がはっしんと言われる方もいらっしゃいますが、正しくは「ほっしん」と読みます。)

手足口病は厚生労働省によると毎年7月下旬に流行る夏のウィルス性感染症です。口腔粘膜や手、足に水疱性発疹が発生する感染症として知られています。2021年の10月〜11月には、都内にある筆者の病院があるエリアでは比較的多い印象がありますが、同じ都内でも流行がみられていない地域もあり、地域差があるように感じます。

受診されるお子さんは、冒頭にご紹介したように発熱した、もしくは手や足に発疹が出た!という方が多いですが手のひらや足の裏をみるだけでは発疹に気が付きにくい「かくれ手足口病」というケースもあるので要注意です。

手足口病の原因ウィルスで有名なものはコクサッキーA6、A16、エンテロウィルス71です。これらウィルスの種類によって発疹の出る部位や症状が変わることもあり、手掌、足底の他、肘周囲、膝裏、臀部に発疹が出ることもあり、これらを総称して手足口病と名付けているうえに症状が多岐にわたるので「かくれ手足口病」のエピソードには現場では多く遭遇します。

手足口病の感染経路対策

手足口病の好発年齢は4歳以下のお子さんに非常に多いですが、学童にも流行がみられることがあり、家庭内感染などで成人にも発症することがあります。感染経路は飛沫感染、経口感染、水疱内容物からの接触感染で起きるため保育園で一人感染者が出るとその後、数人続くことがあり、集団生活の中では避けにくい疾患の一つといえるでしょう。

感染後は唾液や鼻汁、便中からのウィルス排泄が2〜4週間ほど続くこともあるため、家族内や集団生活では注意が必要です。症状として、発熱は罹患したお子さんのうち約1/3の子にあらわれる程度で38℃以下のことが多く、現場では発熱を認めないお子さんが多い印象です。

3〜5日の潜伏期の後に口腔粘膜、手掌、足底、足背、肘、膝、臀部などに2~3mmの水疱性発疹が出現することがありますが文献によるととくに痛みやかゆみは伴わないと言われております。

しかし、医療現場では冒頭でご紹介しましたように口に手を入れて来院されるお子さんや、よだれが増え食欲が落ちるお子さんを多く経験しますので、口腔内水疱性発疹については痛みや違和感はあるものと認識しております。実際には手足に発疹があらわれるのみで発熱もなく経過するお子さんも多く、気づかれないケースもあるでしょう。

予後良好な疾患ではありますが、稀に急性髄膜炎を合併することがあり、感染数週後に爪が剥がれ落ちる爪甲脱落症が発症することがありますのでしばらくは注意が必要です。手足の水疱性発疹は通常は3~7日で治まります。

手足口病の治療方法

治療法はウィルス性疾患ですので対症療法がメインになります。

とくに乳幼児のお子さんでは機嫌は悪くなくても口腔内水疱があり、その痛みで食事や水分摂取が困難になることがあります。この場合には鎮痛剤を使用することで一時的に口腔内の痛みを軽くできるため、鎮痛剤が効いているおよそ4~5時間の間に本人の好きな水分や食事を少しずつ摂取してもらうように促します。

この時に与える食事や水分に関しては、刺激の少ない薄味の食べ物をおすすめします。通常は2~3日で口腔内の痛みは緩和するのでこの間は栄養面への気遣いは少しお休みして本人が好むような飲み物、食べ物を中心に与えましょう。現場ではゼリーやヨーグルトなど喉越しが良く刺激が少ない物が与えやすかったという感想をいただいております。

口腔内の痛みや違和感に対して使用する鎮痛剤に関しては乳幼児では安全に使用できる薬剤や量が決まっているため、食欲が落ちていると感じた場合には早めの小児科受診をおすすめします。

手足に出現する発疹については痛みやかゆみを伴うことは少ないとされていますがかゆみがある場合には抗ヒスタミン剤の塗布を考えることもあります。

手足口病の予防方法

普段の予防としては流水と石鹸による手洗い、排泄物の処理に注意していただくことが最優先になりますが流行している時期にはできるだけ集団生活を避けるという方法もご検討いただければと思います。

罹患後の気になる登園、登校の目安は、解熱し食欲や元気が普段通りになれば登園、登校可能となります。これは唾液や便から2~4週間も長く排泄されるためその期間を休んでいるのは非現実的だという判断からです。

もちろんその間は周りに感染を拡大させないよう、本人はもちろん、ご家族や保育士、担任の先生にももう一度、手洗いや装着できる年齢ではマスクを徹底するなど感染拡大防止にご協力いただけますようお願いしたいと思います。

症状が多岐にわたるため、普段見慣れていないと判断が難しい側面もありますため手足口病かな?と思われた時には一度小児科でみてもらうようにしましょう。

こちらの記事の監修医師

けいこ豊洲こどもクリニック

塚田 佳子(つかだ・けいこ) 先生

けいこ豊洲こどもクリニック 院長
獨協医科大学医学部卒業。小児科(小児神経)を専門に大学病院や関連病院で経験を積み、小児科専門医・子どもの心相談医となる。 2020年6月、「豊洲駅」そばにけいこ豊洲こどもクリニックを開業。 臨床心理士によるカウンセリング、循環器専門医による診療、各種予防接種や健康診断など、幅広い医療サービスを提供している。