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子どもの「発熱」「目、口、手足の赤み」…もしかして“川崎病”かも

最終更新日:2021年11月30日

子どもの「発熱」「目、口、手足の赤み」…もしかして“川崎病”かも

こちらの記事の監修医師
東京都立小児総合医療センター 小児科専攻医
村田 雄基(むらた・ゆうき) 先生

(画像=※写真はイメージです/PIXTA)

お子さんが発熱したとき、機嫌が悪くなったり食欲も減ってきたりして、とても心配になってしまいますよね。熱が長引くなか、身体のあちこちが赤くなったり、発疹が出てきたりしたら、それは「川崎病」かもしれません。聞きなれない方も多いかと思いますが、お子さんに特徴的な病気です。川崎病の特徴や対処法を確認しておきましょう。

身体中の血管に炎症が起こる「川崎病」

<川崎病とは?>

川崎病は、身体中の血管に炎症が起こる病気です。発熱に加えて目の充血、口や唇の赤み、首の腫れ、手足の赤み、体幹の発疹といった6つの症状があります。症状が出揃うまで数日かかるため、初めのうちは他の病気と区別はつきにくいです。

治療をしないと、2~3割のお子さんに、心臓が動くのに必要な冠動脈に瘤(こぶ)ができてしまう可能性があります。その場合、将来冠動脈が狭くなる・詰まるなど、心臓の病気を若いうちに起こしてしまう可能性が出てきます。そんな事態を防ぐために、我々子どもを診る医師は発見と治療のタイミングを逃さないよう、日々の診療で目を光らせています。

<川崎病の誘因>

川崎病は川崎富作先生(1925-2020)が発見された病気ですが、その原因は未だはっきりしていません。色々な説があり、ウイルスのせいではないかとも言われていますが、証明はされていません。

アジア人に多いとされていて、日本で発症するお子さんは年間1万人を超えており、決して少なくない病気です。

年々患者数が増える傾向にありましたが、コロナ禍の真最中である2020年にはぐっと少なくなりました。ウイルスによるものだとしたら、皆さんの接触を控える行動や手洗いが功を奏した可能性もありますが、原因不明である以上は憶測の域を出ません。

目や口、手足の赤みの経過を記録しておくと、診断に役立つ

<川崎病の診断>

診断は、発熱に加えて、目・口・体幹・手足の赤みや首の腫れなどの症状で決まります。すべて出揃っていれば、それだけで診断が決まることもありますが、実際には泣いた後で目が赤くなっているだけのように見えることもあり、判定が難しいことも多いです。

悩ましいときには翌日にもう一度病院に来てもらう場合や、入院できるように大きな病院へ紹介状を書いてもらう場合があります。

また、発熱したときは「熱型表」という記録用紙があり、これにどれくらいお熱が上がり下がりしたかを記録していただくと、お医者さんとしてもとても助かります。川崎病に似た症状のある病気がいくつかあるため、参考になるのです。

診断がついたら、入院して治療スタート

<川崎病の治療>

治療の一番の目標は、この治療をしっかり行うことで、大事な心臓の血管を守ってあげることです。最初には、免疫グロブリンという点滴のお薬を使用します。他にアスピリンという、同じく身体に起きている炎症を抑える働きのある飲み薬なども一緒に使います。発症の早さや採血の結果によっては、より重症との判断になり、ステロイドの点滴薬も併せて使うことがあります。

次に治療を開始して以降のお話です。しっかりお熱が下がり、血液検査で炎症の値が十分に下がってきたら、飲み薬の量を減らしていきます。それでも大丈夫であれば退院して、外来で様子をみることができます。

しかし、点滴の治療をした後でもお熱が上がってきたり、心臓の超音波検査で血管に瘤(こぶ)ができかかっていたりしたら、より治療を強化する必要があります。

2回目からは同じ免疫グロブリンを使うことが多いですが、それ以降はそれぞれの施設によってより多めのステロイドを使う場合や、免疫を抑えるお薬を使うこともあります。

心臓を守るため、退院後も定期検査することが大切

退院した後は、基本的には外来で心臓の超音波検査や、心電図の検査を定期的に行っていきます。最初は数ヵ月おきに通いますが、問題がなければ1年後、5年後…と間隔があいていき、最後まで問題がなければ終了です。

また、小さいお子さんの場合は免疫グロブリンを使用したことでワクチンの効果が薄れてしまうため、投与してから一定期間ワクチンの接種を見送る必要があります。これについてはかかりつけのお医者さんに相談すれば、適切なスケジュールを組みなおしてくれますので安心してくださいね。

最初に診断がついたときには不安になってしまう方も少なくない川崎病ですが、一番大事なのは、症状が出始めたときに「きっと大丈夫」ではなく「もしかしたらそうかも?」と思ってお医者さんに診てもらうことです。また、突然外来で川崎病ですと言われて驚いてしまわないよう、本記事を通して全体の流れを知っておいていただけると幸いです。

こちらの記事の監修医師

東京都立小児総合医療センター 小児科専攻医

村田 雄基(むらた・ゆうき) 先生

1989年生まれ。平成29年旭川医科大学医学部卒。平成30年より南相馬市立総合病院で初期研修の後、令和2年より東京都立小児総合医療センター勤務。