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9割が家系による遺伝…重大な合併症を引き起こす「糖尿病」の症状と治療法  

最終更新日:2021年10月29日

9割が家系による遺伝…重大な合併症を引き起こす「糖尿病」の症状と治療法  

こちらの記事の監修医師
めじろ内科クリニック
久野伸夫 先生

重大な合併症につながることのある糖尿病。症状を抑えるためには、早期治療・早期発見が重要です。めじろ内科クリニックの久野伸夫先生が「糖尿病」の症状や治療法について解説します。

のどが渇く、頻繁にトイレに行きたくなる…もしかして糖尿病かも

この1~2カ月、のどが渇くしおしっこも近い、体もだるくて重たい気がする、普段通り食事をとっているのに体重が減ってきた。これらの症状が出た場合、糖尿病であると考えられます。

糖尿病は血糖値を下げるインスリンというホルモンの不足から起こる病気です。インスリン不足で血糖値が上がると、血液中の糖分(ブドウ糖)を薄めたくて体中から水分を血管内に集めてきます。そのため、体は脱水状態となり、のどが渇くのです。

のどが渇く症状が出始めると、たくさん水分を飲むようになります。体は血液中の過剰な糖分をおしっこで出そうとしてたくさん作るため、頻繁にトイレに行きたくなるのです。

インスリンは人の細胞の活動エネルギーである糖分を個々の細胞内に取り込む働きをしています。インスリンの不足で細胞は糖分が取り込めず、代わりに脂肪を分解してエネルギーにするため、内臓や皮下の脂肪が消費され痩せていくのです。

糖尿病がわかるきっかけは

糖尿病の多くは人間ドックを含めた健康診断で発見されます。しかし、健康診断の対象でない方や健康診断を受けない方などは、のどの渇き、頻尿、体重減少で受診され、発覚する場合が多いです。

あまりの高血糖で意識をなくし救急搬送されて糖尿病が発見される方もいます。意識回復後の話では、のどの渇きを潤すためにお水やお茶ではなく、ますます血糖値を上げてしまう糖分の入ったジュースやスポーツドリンクを飲んでいたとのことでした。

糖尿病ってどんな病気

糖尿病の90%は家系による遺伝性の2型糖尿病です。食べ過ぎ、太り過ぎ、お酒の飲み過ぎが引き金となって糖尿病遺伝子が起動し、膵臓でのインスリンを生み出す量が減少し、発病します。また、成人前や20代でも、自身の免疫異常のため膵臓でインスリンが全く作られなくなる1型糖尿病が急激に発病する場合もあるため、油断してはいけません。

血糖値が高いと何が困るかですが、放っておくと高血圧、高コレステロール血症、喫煙と同様に動脈硬化を進めてしまいます。脳梗塞や心筋梗塞等の原因となる太い血管の障害だけでなく、細い血管も障害され糖尿病三大合併症といわれる、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害を数年~十数年かけて引き起こすのです。

糖尿病三大合併症とは

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、眼底の血管がもろくなり出血し、網膜剥離を起こして失明に至ってしまう病気です。

糖尿病性腎症

糖尿病性腎症は、腎臓の血液ろ過のフィルターを担う血管が障害を受け、体に必要な蛋白質が漏れ出したり、老廃物を排泄できなくなり、最終的には透析に至ってしまう病気です。

糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害は、高血糖のため神経細胞自体が障害を受けるとともに、神経に栄養を送る血管の血流が悪くなり感覚異常を引き起こす病気です。

特に、足では、感覚異常の上に動脈硬化での血行不良が加わり、治りも悪く傷ができても痛みがわかりません。そのため放置され易く壊疽(腐ること)を起こすこともあります。そうなると足の指や足を切断しなければならなくなります。

糖尿病の診断は

血液検査で空腹時血糖値と随時血糖値、そしてHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の数値から診断することが可能です。空腹時血糖値で126mg/dl以上、随時血糖値で200mg/dl以上のどちらか一方が認められ、日を変えて再度どちらかの異常が確認できれば糖尿病と診断されます。

空腹時血糖値か随時血糖値が上記の数値以上で、その時に同時に測定したHbA1cの数値が6.5%以上でも診断できます。健康診断や人間ドックでは空腹時血糖値とHbA1cを同時に測っていることが多く、気になる方は最近の結果を確認してみてください。

糖尿病の治療は

HbA1cを7%未満に維持することを治療目標に置きます。この目標値を達成していれば糖尿病三大合併症は進行しません。合併症なく天寿を全うしてもらうのが目標です。

まず、治療の基本となる食事療法と運動療法を行います。食事療法では、体格に応じた適正な食事量の維持と節酒で、運動療法では摂取したエネルギーの消費で血糖値の改善を期待します。運動にはインスリンの作用を高める効果もあります。また、糖尿病の治療方法は、1型と2型で治療方法が異なります。

1型糖尿病の治療方法

1型糖尿病に関しては、インスリンが全く膵臓で作られない状態ですので、注射でインスリンを補う治療になります。毎食時と寝る前の計4回、インスリンの注射を自分で行います。

2型糖尿病の治療方法

2型糖尿病では、飲み過ぎ食べ過ぎ・太り過ぎ運動不足が発症原因なので、生活習慣をできるだけ改善してもらい、食事・運動療法で不十分な場合に薬で治療します。

栄養分の貯蔵庫である肝臓からの糖分の放出を抑える薬、腎臓から糖分をおしっこで排泄する薬、インスリンの効きを良くする薬、腸で摂取した糖分の吸収を遅らせる薬、膵臓を刺激してインスリンを出させる薬などが使われます。

それでも血糖値が高い場合はインスリンを1日1~4回の範囲で注射します。また注射剤としてはGLP-1受容体作動薬という、食事摂取に反応して膵臓からインスリンを出させて食後の血糖を下げる薬もあります。毎日1回か週1回注射します。最近ではこの種の薬の内服薬も開発されています。

糖尿病は早期発見・早期治療が重要。心当たりがある方は病院に相談を

糖尿病は高血糖により大小の血管を傷害する病気です。脳梗塞、心筋梗塞そして糖尿病三大合併症で不自由な状態にならないよう、早期発見・早期治療が重要です。

健診や人間ドックを定期的に受け、異常があれば放っておかずにすぐに受診するようにしてください。また、のどの渇き、頻尿等が続くようなら一度受診して検査を受けてみてください。

こちらの記事の監修医師

めじろ内科クリニック

久野伸夫 先生

〇病院名:めじろ内科クリニック
〇医師 :久野伸夫
〇アクセス :東京都豊島区目白3丁目5−11 NOBビル3F
〇診療科:内科・糖尿病内科・消化器内科
【経歴】
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本糖尿病学会専門医
労働衛生コンサルタント