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糖尿病の病状について解説!初期に見られる症状は?糖尿病の分類やそれぞれの原因についてもご紹介します

最終更新日:2021年8月24日

糖尿病の病状について解説!初期に見られる症状は?糖尿病の分類やそれぞれの原因についてもご紹介します

こちらの記事の監修医師
医療法人 いそわクリニック
磯和剛平 先生

糖尿病は食生活に関わる部分が大きく、身近な病気の1つです。

しかし具体的にどのような病状が起こり得るのかよく知らない方も多いのではないでしょうか。

放っておくと重大な合併症を引き起こすリスクがあるため、初期症状を知っておくことをおすすめします。

今回は糖尿病の病状や分類について詳しく解説します。

糖尿病の代表的な病状

糖尿病になった方からは「いつの間にか病状が進んでいた…」というお声を聞くことがあります。

気付かぬ間に進行する糖尿病にはどのような病状があるのでしょうか。

恐ろしいといわれる合併症についても解説していきます。

糖尿病にはいくつかの分類がある

糖尿病と聞くと「生活習慣病」や「食生活の乱れ」という印象をもつ方が多いのではないでしょうか。

しかし糖尿病にはいくつかの分類があり、必ずしも生活と密着しているとは限りません。

また種類によって原因や治療法が異なります。

糖尿病は以下のように分類されます。

1型糖尿病

2型糖尿病

その他の特定の機序、疾患による糖尿病(遺伝子以上や内臓疾患等)

妊娠糖尿病

一言で糖尿病といっても様々な分類があることがわかります。

合併症も多い

糖尿病の病状が進むと合併症を起こすリスクが高まります。

代表的なものが3大合併症と呼ばれる以下の症状です。

糖尿病網膜症:眼底の血管が傷つき視力低下や失明に至る

糖尿病腎症:腎臓の血管が破壊されて腎臓の濾過機能が低下する

糖尿病神経障害:血行不良による神経障害

糖尿病の方がある日突然失明するわけではありません。

しかし初期状態からすでに毛細血管は傷ついており、気づかないうちに進行している可能性があります。

こうしたリスクを知っておき、定期的に眼科を受診することが大切です。

糖尿病腎症は生命に関わる合併症として知られています。

腎臓の濾過機能が低下すると体内の毒素を排出することができません。そのため糖尿病性腎症になった場合は人工透析が必要です。

また高血糖によって血行不良が起こると手足の感覚に関わる末梢神経にも影響が及びます。これが糖尿病神経障害です。

怪我に気づきにくくなったり感染しやすくなったりするので注意しましょう。

糖尿病の初期症状

糖尿病は早期に発見して治療を開始することで合併症を予防できるといわれています。

しかし糖尿病の初期状態では自覚症状が出にくいため発見が遅れることが多いのです。

糖尿病に関連する言葉として「インスリン」がよく知られています。

インスリンは糖尿病の治療薬として用いられるイメージが強いのですが、実は薬ではなく膵臓から出ているホルモンの1つで、糖尿病の分類にも関係する物質です。

また糖尿病の初期症状とも密接な関わりがあります。

人間が食べ物などから摂取したブドウ糖は、血液の流れにのって臓器や組織へ運ばれます。

糖は身体のエネルギー源になるので、決して不要なものではありません。

しかしブドウ糖があまりに増えすぎると身体に影響を及ぼします。そこで活躍するのがインスリンです。

インスリンは血糖値を下げる役割をはたしています。

何らかの原因でインスリンの状態に変化が生じると、糖尿病の症状として体調にも変化が生じるのです。

糖尿病の初期症状として代表的なものを知っておきましょう。

食欲が異常に増進する

糖尿病の初期でよく見られる症状が、食欲の異常増進です。

これは体内に多く存在するブドウ糖を処理するために、膵臓からインスリンが大量に分泌されることと関係しています。

食欲増進は糖尿病初期に多い症状ですが、病状が進むと体内の脂肪や筋肉をエネルギーに変えようとするので痩せていくのが特徴です。

疲れやすくなる

疲れやすくなるのも糖尿病の初期症状の1つです。

インスリンの働きが不十分になると、身体に必要なブドウ糖を取り込めなくなる可能性があります。

エネルギー源となるブドウ糖が得られないことや、筋肉をエネルギーに変えようとするため疲れやすくなるのです。

異常にのどが渇く

のどが異常に渇くのも糖尿病のサインとして知られています。

糖尿病になると尿の中に糖分が混ざる、文字通り「糖尿」が出る状態です。

健康な方の場合、ブドウ糖は腎臓で再吸収されるので尿と一緒に排泄されることはありません。

ではなぜ糖尿病になると尿に糖分が出ていくのでしょうか。

インスリンの働きが十分でなくなると、血液中のブドウ糖の濃度が高くなります。

血液はドロドロした状態になり、脳はこれを「脱水」と判断して水分摂取を促すためにのどが渇くのです。

糖尿病の症状としてよく挙げられるものに「口渇」「多飲」「多尿」の3つがあります。

のどが渇くのでたくさん水を飲み、その分ブドウ糖と一緒に多くの尿が排泄される仕組みです。

糖尿病の初期症状として「多尿」もセットで押さえておいてください。

足の違和感

糖尿病は神経障害を起こすリスクがあるほか、毛細血管を傷つけることも少なくありません。

これらによって起こり得る自覚症状として、足の違和感が挙げられます。

足がしびれる・足がつる・感覚が鈍くなるといった症状は比較的多くの方が経験する初期症状です。

糖尿病の分類

糖尿病は原因や発症の時期などによって分類されます。

1型糖尿病

血糖値を下げるために必要なインスリンは膵臓のβ細胞から分泌されます。

1型糖尿病は何らかの原因でβ細胞が破壊されてインスリンが減ったり、ほとんど出なくなったりするのが特徴です。

β細胞破壊の原因は自己免疫やウイルス感染といわれていますが、原因不明の場合も少なくありません。

インスリンがほとんど出ないということは、体内の血糖コントロールができない状態です。

そのため1型糖尿病は「インスリン依存型」とも呼ばれます。

比較的若い世代での発症が多いですが、中高年になってから突然発症することもあります。

2型糖尿病

糖尿病の約9割を占めるのが2型糖尿病です。

一般的に糖尿病と聞くと2型を想像する方が多いのではないでしょうか。

インスリンは分泌されるものの十分な量ではない・十分に作用しないといったことが2型糖尿病の特徴です。

2型糖尿病の原因は複数あり、特に以下がよく知られています。

食べすぎ・アルコールの飲みすぎ

運動不足

ストレス

遺伝

食生活や生活の乱れが2型糖尿病のリスクを高めます。長年の生活習慣・食生活の蓄積により40代以降の発症が多い傾向です。

しかし近年では食事の欧米化や子どもの肥満が増加し、若年での発症も見られています。

遺伝も原因の1つに挙げられるので、家族の中で糖尿病の方がいる場合は日頃から生活習慣に注意しましょう。

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病は妊娠中に初めて判明する高血糖のことです。

妊娠中は胎盤から分泌されるホルモンの影響により、インスリンの働きが十分ではなくなることがあります。

その結果血糖コントロールが上手くいかず、高血糖のリスクが高まるのです。

妊娠糖尿病は母体だけでなく胎児に影響を及ぼすこともあります。

そのため食事の見直しだけでなく、場合によってはインスリン注射を行い血糖コントロールをすることになります。

小児糖尿病

小児糖尿病とは7~14歳で見られる糖尿病です。

内訳として以前は1型糖尿病が多かったのですが、食生活の変化とともに2型糖尿病も増えています。

子どもは気づかないうちに低血糖になってしまったり、病識がなく血糖コントロールが上手くできなかったりするため、大人のフォローが不可欠です。

病気の正しい理解を促すための教室やサマーキャンプなどに参加して、糖尿病と上手く付き合うことを心掛けましょう。

糖尿病は合併症に注意

糖尿病は早期発見・早期治療が大切といわれています。

その理由は糖尿病の進行を防ぎ合併症を起こさないためです。

血糖値が高くなるとすぐに合併症が起こるわけではありません。

そのため「自分はまだ大丈夫」「ずっと先の話」と思ってしまうのですが、実はこれが糖尿病の怖さなのです。

糖尿病の初期症状は気づきにくく、いつの間にか進行し、合併症を引き起こします。

合併症が起きたらどうなるか、イメージしてみてください。

もし失明してしまったら今の生活に大きな影響を及ぼすでしょう。自動車の運転ができず、これまで楽しんでいたあらゆる行動が制限されるどころか「できなくなる」リスクがあります。

糖尿病腎症で人工透析が必要になると一般的に週3回の透析を行います。半日近くかけて透析をするので時間の制約が多くなるでしょう。

また神経障害が起こるとちょっとした傷に気づきにくく、そこから感染するリスクがあります。傷が治りにくく壊疽してしまうと「切断」という選択をしなければなりません。

糖尿病では合併症による生活への影響・生命への影響があまりに大きいため「自分は大丈夫」と過信するのは避け、体調の変化を見逃さないようにしましょう。

糖尿病の検査結果や診断基準

糖尿病に関連する検査値や診断基準をご紹介します。

空腹時血糖:126mg/dl以上

75gブドウ糖経口負荷試験で2時間後血糖値:200mg/dl以上

随時血糖値:200mg/dl以上

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー):6.5%以上

HbA1cは過去1~2か月の食生活や血糖コントロール状態が反映されます。

基本的に検査を2回行い、4つの項目のうちいずれかで糖尿病の傾向が2回確認された場合、糖尿病と診断します。

糖尿病の主な治療方法

糖尿病の診断が下りたら血糖値やHbA1cなどの検査結果を見ながら治療を行います。

糖尿病の治療にはどのようなものがあるのでしょうか。

食事療法

糖尿病の治療としてまず始めることが多いのが食事療法です。

特に2型糖尿病で食生活が原因とされた場合は食事療法で改善を目指します。

食事療法の例をいくつか挙げてみましょう。

適切なエネルギー量を保つ(食べ物の内容を見直す・食べ過ぎない)

栄養バランスのとれた食事

間食や甘い飲み物を控える

アルコールを控える

これらを継続することで高血糖状態が改善する可能性があります。

運動療法

運動療法も糖尿病の治療法の1つとして多く取り入れられています。

運動することで得られる効果は以下の通りです。

ブドウ糖を取り入れる筋肉が増える

内臓脂肪が減りインスリンの働きが良くなる

手軽に始められて効果を得やすい運動はウォーキングやジョギングのような有酸素運動です。

また筋肉をつけるためにはダンベルやスクワットといったトレーニングもいいでしょう。

薬物療法

糖尿病の治療として薬物療法を選択する場合もあります。

例えば1型糖尿病や、食事療法・運動療法による血糖コントロールが困難な2型糖尿病では薬物療法が選択肢です。

薬物療法で用いられる薬は口から飲む経口薬とインスリン注射に大別され、血糖コントロールの状態や症状によって主治医が判断します。

糖尿病予防のためにできること

糖尿病の症状が日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

また恐ろしいのが合併症であり、生活が一変してしまいます。

糖尿病予防のためにはどのようなことを心掛ければいいのでしょうか。

食生活に気をつける(栄養バランス・食べすぎ・間食・時間など)

アルコールを飲み過ぎない

ストレスをためない

日常的に適度な運動を心がける

健康診断を受ける

糖尿病は「生活習慣病」と呼ばれる病気の1つです。

日々の生活を見直し改善することで糖尿病は予防できるといわれています。

しかし遺伝や体質に関連するケースもあるため、定期的に健康診断を受けて早期発見につなげましょう。

まとめ

今回は糖尿病の初期症状や分類についてご紹介しました。

糖尿病は初期の段階では自覚症状に気づかないことも少なくありません。

しかし放っておくと病状が進行し、重大な合併症を引き起こすリスクがあります。

そのため糖尿病は予防や早期発見が大切といわれているのです。

食生活に気を配る、あるいは運動習慣をつけるなど日常生活を整え、定期的に健康診断を受けましょう。

こちらの記事の監修医師

医療法人 いそわクリニック

磯和剛平 先生

〇病院名 :医療法人 いそわクリニック
〇医師  :磯和 剛平 先生
〇アクセス:大阪府寝屋川市高柳栄町9-5
〇診療科 :内科・胃腸科・外科
〇経歴:
1981年 京都大学医学部卒業
1989年 京都大学 大学院卒業・博士号修得
テーマ:肝細胞癌における遺伝子修復酵素の研究
1981年 京都大学医学部附属病院外科研修医。
公立甲賀病院、都志見病院、医仁会武田総合病院で外科医として勤務
腹部一般外科、救急医療を中心に診療を行った。
都志見病院では、5年間にわたり、上部・下部消化管内視鏡(胃カメラ・大腸ファイバー)ERCP、
内視鏡的食道静脈瘤硬化術などの消化器内科診療や、糖尿病内分泌疾患、循環器疾患、呼吸器疾患
などの内科診療を広範囲に行った。
1996年12月 いそわクリニック開業