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最終更新日:2022年4月8日

じかんかいほうしょう耳管開放症

こちらの記事の監修医師
医療法人社団仁明会安部医院
安部浩一

概要

耳管開放症とは、中耳の圧力を調節する、中耳と鼻の奥にある咽頭を交通する耳管が、何らかの理由で常に開放、あるいはそれに近い状態になることをいいます。日常における多くの時間、耳管は閉じており中耳と咽頭の交通は断たれていますが、ものを飲み込んだときや、あくび、鼻をかむなどの動作をしたときに耳管は開きます。耳管狭窄はこの管が開かずに空気の出入りができなくなり、鼓室が陰圧になって鼓膜が凹む状態になります。耳管開放症とは、この耳管が開きっぱなしになります。それによって、自声強調といって自分の声が大きく響いたり、耳閉感という耳がふさがった感じがしたり、自分の呼吸音が耳に響く自己呼吸音聴取の症状がみられます。不快な状態が続くと精神的にイライラしてきます。薬剤内服や耳管の粘膜に炎症を起こして耳管を狭くする治療や外科的治療もあります。

原因

耳管開放症では、症状発現に先行して急激な体重減少を経験していることが多いです。これはダイエットやストレス、肝硬変や心・腎疾患、消化管の手術などによって急激に体重が減少すると、耳管周囲の脂肪組織も減少することによって常に耳管が開いている状態になってしまうからです。その他、急性中耳炎の後遺症や、吹奏楽器の演奏後に発症することもあります。また、睡眠不足、ピル内服、透析、妊娠、中耳炎など様々ですが原因不明であることも多いです。

症状

耳管開放症では、常に耳管が開いている状態のため、自分自身の声や呼吸音、心臓の音などが開放された耳管を介して大きな音として感じられるようになります。自分の声が響く、自分の声が大きく聞こえる自声強調や、耳がこもる感じ、膜がはっている感じの耳閉感、自分の呼吸する音が聞こえる自己呼吸音聴取が主症状です。その他、めまいや難聴などの症状を認めることもあります。耳管開放症に関連した症状は、下を向くことで緩和することも特徴的です。下を向くと耳管の周囲に血液が滞ることになり、それに付随して耳管も狭くなり開放感が軽減されることで症状が緩和すると考えられています。そして、立ち仕事や運動、脱水で症状が増悪します。 また、耳管開放症では、症状を軽減するために鼻すすりを常に行う方もいますが、鼻すすり癖によって中耳の内圧が減少し、滲出性中耳炎や場合によっては真珠腫性中耳炎を発症させることもあるため注意が必要です。

検査・診断

詳細な問診、ゴム管(オトスコープ)を耳に入れて発声、鼓膜の動揺や咽頭所見の観察、聴力検査、耳管機能検査や画像検査(CTなど)の結果を踏まえて総合的に評価します。耳管開放症状があり、それが体位により変化することがわかると、耳管開放症を強く疑うことができます。それを確定診断するためには、さらに他覚的所見をとらえることが必要となります。他覚的所見として、鼓膜の呼吸性動揺、話声の聴取、耳管機能検査の陽性所見、座位耳管CT での耳管開放所見があげられます。ただ、診断はなかなか難しいことが多いです。要因として、症状が常に出ているとは限らないからです。よって何回か検査や診察をうけ、耳管開放症の診断になる方も実際は多いです。

治療

耳管開放症の原因は多様であり、症状の程度もほとんど無症状の患者から日常生活に著しい障害をきたす患者まで様々です。これまで報告されている耳管開放症の治療には,薬剤内服(自律神経調節薬,漢方薬,昇圧剤),咽頭口からの薬液噴霧・注入(ルゴール,ベゾルド末,小川液,プロタルゴール),点鼻薬(生理的食塩水,プレマリン,飽和KCL),咽頭口粘膜下への注入(脂肪,コラーゲン),鼓膜パッチ,経鼓膜換気チューブ留置などがあります。また,手術的治療法としては,耳管内腔を充填する方法(軟骨,カテーテル,耳管ピン,軟組織),口蓋帆張筋に対する手術,人工耳管,咽頭口結紮術,咽頭口閉鎖術などがあります。また、内視鏡を用いて軟骨片などを粘膜下に留置する手術も報告されています。生活指導とは、病気の理解のもと、水分摂取やダイエットの制限、スカーフ療法(スカーフを首に強く巻くことで頭の血液がうっ滞し耳管周囲の血液量も増え、時間が閉じるようになります。男性ではネクタイを強く締めるのも同様の効果があります)や鼻すすりの禁止を説明します。

予防/治療後の注意

急激なダイエットは避けましょう。一方で消化器の慢性疾患などがあり、自分では体重管理が難しい場合も多いです。不快な症状が続くようであれば耳鼻科での診察と治療を受けるようにしましょう。

こちらの記事の監修医師

医療法人社団仁明会安部医院

安部浩一

【経歴】
昭和61年東邦大学医学部卒
昭和62年東邦大学大森病院耳鼻咽喉科
平成1年国立医療センター(現:国立国際医療研究センター)耳鼻咽喉科
平成6年安部医院開業、現在に至る

【所属学会・認定医など】
日本耳鼻咽喉科学会 認定専門医
補聴器適合判定認定医
日本耳鼻咽喉科学会東京都地方部会 代議員
北多摩耳鼻咽喉科学会 常任理事

治療に適した診療科目

耳鼻咽頭科

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