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最終更新日:2022年11月29日

かふぇいんちゅうどくカフェイン中毒

こちらの記事の監修医師
和クリニック
前田 佳宏

概要

カフェイン中毒とは、エナジードリンク・栄養ドリンク・コーヒーなどに含まれるカフェインを摂りすぎることによって発症する中毒症状になります。カフェインが含まれる意外なものだと、チョコレートや緑茶・ウーロン茶・コーラ、鎮痛解熱剤・総合感冒薬があります。カフェインの1日許容摂取量は、成人が400mg(コーヒーをマグカップで約3~4杯)、妊娠中の女性は200mg(コーヒーをマグカップで約2杯)を摂取上限の目安になります。適度なカフェイン摂取ではリラックス・リフレッシュ効果があります。しかし、過剰摂取をすると嘔吐・頭痛・めまいなどを引き起こし、最悪の場合には心停止などに繋がることもあります。カフェインは、アルコール・タバコ・覚せい剤などとは異なり、強い依存性がないことが特徴になりますが、長期で過剰摂取をしている人が急に摂取を止めるとカフェイン離脱症状が出現することがあります。

原因

カフェイン中毒の原因は、慢性的なストレスや過重労働を強いられることにより、常用的にカフェインを摂取するようになり、いつの間にか中毒症状を引き起こしてしまうことです。また、普段からカフェインを摂取しない人が、急に摂取量を増やすことでも中毒症に繋がります。カフェインには、タバコやアルコールと同じような依存性があり、そのために過剰摂取をすると中毒症になります。

症状

カフェイン中毒は、身体的症状と精神的症状があります。身体的症状としては、神経過敏になる・顔が赤くほてる・尿意が近くなる・胃腸系の障害が出現する・筋肉がつる・脈が速くなる・疲れを感じなくなるといった症状があります。精神的症状は、落ち着かなくなる・興奮状態が続く・不眠・思考や会話がまとまらなくなる・過呼吸・不安やパニック発作を引き起こします。神経質な人やうつ病・不安障害・パニック障害を患っている人は、重症化しやすいとされ症状の悪化がみられます。カフェイン中毒の症状は、体内から分解・代謝されることで通常1日以内には治まり、長期間続くことはないとされています。しかし、5g~10gといった規格外での過剰摂取を短時間で行うと急性カフェイン中毒となり、死に至る危険性があります。また、カフェイン中毒からカフェイン誘発性障害(睡眠障害・不安障害)を発症する場合もあります。

検査・診断

カフェイン中毒は、直前のカフェイン消費量250mg(コーヒーをマグカップで約2杯以上)を超えているかを調べます。そして、身体的・精神的症状が5つ以上あてはまることが診断基準となっております。

治療

カフェイン中毒は、解毒剤や拮抗薬・血清がないために対症療法を行います。多くの場合においては、肉体的・精神的に疲れている状態であるために栄養を摂り、休養をとることが大切になります。重症な場合には、全身管理が必要となり胃洗浄が必要な場合もあります。その後は、中毒者(依存者)に対しカフェイン摂取を断つように指導します。アルコールや覚せい剤と違いカフェインの中断は比較的容易に行えます。

予防/治療後の注意

カフェインは身近な食品や飲料水・医薬品に含まれているため、それらを併用しないように気をつけましょう。カフェイン飲料を飲む場合には、一度にたくさんの量を摂取することは控え、時間をかけて摂取することも予防になります。子どもや妊娠中の女性、心臓・腎臓・肝臓・胃腸に疾患のある人は特に摂取量を注意しましょう。現代社会では、ストレスや過重労働の疲れからカフェイン飲料を摂取する人が増えている状況になります。そういった場合にはまず休養をとることが何よりも大切になります。長期的にカフェインを摂取をしている方は、生活習慣を見直してみましょう。

こちらの記事の監修医師

和クリニック

前田 佳宏

〇診療科 : 精神科、心療内科

《 経歴 》
2013年島根大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科に入局。三枚橋病院、東京警察病院にて一般精神科臨、国立精神・神経医療研究センターにて薬物依存症の臨床にも携わった。都内のクリニックにて児童精神科専門外来やトラウマ専門外来にも従事した。
精神分析や認知行動療法、家族療法の他に、BSP、BCT、EST、IFS、CPT、TF-CBTなどトラウマケアの各種技法や、漢方、睡眠医学、愛着などの視点も取り入れ、患者さんに適切な治療を提案する。