メニエール病

最終更新日:2021年10月6日

めにえーるびょうメニエール病

メニエール病

まとめ

メニエール病は激しい回転性のめまいに加え、難聴、耳鳴り、耳閉塞感が繰り返し起こる。発症原因は「内耳リンパ水腫」で、内リンパ液が過剰にたまる。めまい発作は数分間~数時間、発作の間隔は週1回~年1回までと個人差が大きい。発症者は30~50歳代に多く、高齢者は少ない。多くは発症後1~2年程度で軽快するが、数年以上続く症例もある。繰り返しの発作により耳鳴りが慢性化し難聴が進むこともある。服薬治療が一般的だが、難治症例は外科的治療を行う。

この病気の原因

耳は外耳、中耳、内耳で構成される。鼓膜より外側を外耳、鼓膜とその奥の鼓室、鼻腔につながる耳管が中耳である。中耳の奥が内耳で、聴覚に関わる蝸牛と、平衡感覚に関わる前庭および三半規管で構成される。内耳全体は膜迷路と呼ばれる膜で仕切られた2重のトンネル構造で、膜の外側はナトリウム成分を多く含む外リンパ液、内側はカリウム成分を多く含む内リンパ液の2種類の液体で満たされている。何らかの原因により内外リンパ液のバランスが崩れて内リンパ液が増加すると内耳が圧力により膨れ上がり、内耳リンパ水腫となる。内圧がさらに高くなり膜迷路が破れると、内外のリンパ液が混ざり合い、感覚細胞が刺激を受け、めまいの発作が起こる。内リンパ液の流出で内圧が下がると、膜迷路の破れた部分が癒着して発作が治まる。メニエール病ではこの過程が繰り返される。

主な症状

回転性めまい発作は疲れ、ストレス、睡眠不足で誘発されやすい。発作が繰り返されると難聴、耳鳴りが悪化する。難聴は低音障害型から発生する。10分以上続く回転性めまいをめまい発作と定義するが、めまいは浮動性の場合もある。症状が進行すると中高音域も障害され、全周波数で難聴が起こる。発作期と間歇期があり、発作期は強いめまい、難聴を主症状とし、耳鳴、耳閉感、聴覚過敏なども起こる。間歇期は強いめまいはなく、不定期に浮動感が起こる。聴覚症状は軽くなるが、やや残ることが多い。発作のたびに難聴が長期化かつ高度化する。症例により両側で難聴が起こる場合もある。

検査/診断の方法

めまいや耳鳴りの症状を問診で確認する。メニエール病の特徴である症状が「繰り返し起こる」「長期にわたり起こる」を確認したうえで各種検査を行う。聴力検査では中低音の聴力を確認しグリセロール検査では利尿薬内服による聴力改善をみる。蝸電図検査では耳の中に電極を置き、音への内耳の反応をみる。眼振検査では、めまい発作時に眼球が意思とは無関係に動く眼振がみられるかを確認する。また、鑑別検査を行い、めまいの原因が他疾患によるものかどうかを確認する。

主な治療方法

めまい発作時は横になり安静にする。めまい、吐気がひどいときは、内耳循環改善薬、制吐薬、炎症を抑えるステロイド薬、抗不安薬などが応急的に投与される。軽症時は内服治療により症状改善を図るが、重症時は注射や点滴を行う。発作が治まった後はメニエール病の発症要因である内リンパ水腫を抑える利尿薬をはじめ、ビタミン薬、自律神経調整薬、抗不安薬、副腎皮質ホルモン薬などの内服治療を行う。難治症例では経鼓膜的に内耳へ薬を注入する局所治療、内リンパ液を減らす手術、前庭神経切除手術を行う。

治療後に注意すべき点/予防対策

発作の誘発を予防するため過労や睡眠不足を避け、ストレスをためない生活を心がける。塩分の摂りすぎにも注意する。趣味やスポーツでストレスを発散させ、ジョギングなどの有酸素運動を勧める。症状が進行して難聴や平衡感覚の乱れが常態化すると完治が難しいため、早期診断と適切な治療が重要である。完治は難しいが治療により反復発作を軽減させ、耳鳴りや難聴の悪化を予防する。

初診に適した診療科目

耳鼻咽喉科

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