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最終更新日:2021年10月7日

ぐんぱつずつう群発頭痛

群発頭痛

まとめ

群発頭痛では、片側の目の奥からこめかみにかけ、突き刺すような激痛を伴う頭痛が起こる。反復性と慢性の頭痛に分けられる。反復性群発頭痛は季節の変わり目などに集中して発症することが多く、15分~3時間の頭痛が1日に1回~数回起こり、数日から数ヵ月間続く。頭痛発作の後は無症状の期間が数ヵ月から3年間続く。1年以上頭痛発作を繰り返すタイプは慢性群発頭痛とされ、無症状の期間がほとんどない。発症率は1000人に1人との報告がある。頭痛症状は激烈で、日常生活への影響が大きい。20~40代の男性に発症者が多い。

この病気の原因

明らかな原因は不明だが、脳の視床下部が発症に関与するとされる。視床下部の刺激により、頭部の目の奥にある三叉神経が痛みを感じ、その周囲の血管が拡張して、三叉神経と繋がる目の奥の辺りに激痛が起こる。アルコールの過剰摂取、喫煙、急激な気圧の変化、不規則な睡眠で頭痛が誘発されると考えられ、群発期は頭痛を誘発する要因を避ける必要がある。

主な症状

毎日ほぼ同じ時間帯に、一定周期で激しい頭痛発作が起こる。就寝後、夜間の発生が多い。激しい痛みは「目玉がえぐられるような痛み」と表現される。激痛のため落ち着きがなく、興奮状態が続き、性格に変化がみられることから、精神疾患を疑われることがある。頭痛は左右いずれか、一側性に起こることが多く、目の奥のほか、目の周囲、前頭部、側頭部、頬が痛むこともある。目の充血、涙、鼻詰まり、鼻水がみられることも多い。発作期間と無症状の期間を繰り返すことが多い。頭痛発作は10年以上にわたり、半年から3年おきに頭痛発作が1~2ヵ月間続く。

検査/診断の方法

頭痛の臨床症状から診断する。鑑別診断として、①一側性の激しい頭痛、②15分~3時間程度継続する、③結膜の充血、鼻水・鼻詰まり、顔面の発汗、落ち着きがないといった症状がある、④周期性の発作、などである。類似した疾患に激痛と反復性が特徴の三叉神経痛があるが、発作の継続時間が異なるため、鑑別可能である。三叉神経痛では数秒から数十秒程度だが、群発頭痛では数分以上と長いのが特徴である。くも膜下出血や髄膜炎などの重大な脳疾患が原因で頭痛が起こる疾患と鑑別するため、頭部CT、MRI検査を行う。

主な治療方法

発作時に痛みを和らげる治療と、発作の予防・痛みを軽減する予防療法がある。発作時はトリプタン系薬剤の皮下注射薬や点鼻薬による治療を行う。激痛のため一般の鎮痛剤やトリプタン系内服薬では十分な効果が得られない。注射薬では10分程度で痛みが軽減し始める。連日頭痛発作があると通院治療が負担になるため、医師の指導のもと患者が自己注射を行うこともある。その他、急性の発作時は医療用酸素を約15分吸入すると症状が緩和する。重度患者に対する酸素吸入は保険適用されている。発作期間は毎日頭痛があるため、予防療法を行う。エルゴタミン製剤、ステロイド薬、カルシウム拮抗薬、炭酸リチウムなどの内服薬があるが、有効な予防治療は少ない。

治療後に注意すべき点/予防対策

飲酒や喫煙が発作の誘発要因とされ、発作の起こりやすい時期は禁酒、禁煙とする。また、気圧の急激な変化も誘発要因であるため、登山や飛行機での移動は、予め医師に相談する。

治療に適した診療科目

内科 神経内科 脳神経外科

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